【感想・ネタバレ】超バカの壁のレビュー

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Posted by ブクログ

バカの壁、死の壁の続編、帯にこの「壁」を超えるのはあなた とある

相談をするときに、具体的な答えを期待する人がある。それはおかしい。自分のことは自分で決めるので、相談とは、根本的には「考え方」についての疑問である。他人に伝えることができるのは、「考え方」だけである。
人生とはそうした「些細な」体験の繰り返しである。歳をとれば、その「些細」が積もり積もったものになる。

バカの壁は超えられなくても、超バカな壁は超えることはできるのだろうか。

読んでいくうちに、著書は結構、極論が好きなのではというところが結構ありました。

気になったことは以下です。

・国民皆労働が常識になったのは戦争のせいではないかと思います。今は豊かになってから、ある程度の人数が働かないで済むようになったのです。
・働かないのは、「自分にあった仕事を探しているから」という理由を挙げる人がいちばん多いという。これがおかしい。二十歳そこらで自分なんかわかるはずがありません。中身は空っぽなのです。
・会社は全体として社会の中の穴を埋めているのです。その中で本気で働けば目の前に自分が埋めるべき穴は見つかるのです。

・そもそも仕事は世襲でもいいのです。世襲というものは一時期、悪の権化みたいに言われていました。封建的だとか何だかという批判です。
・医者の世界でも三代目なんてケースは珍しくありません。要するに、地盤、看板が必要な職業は世襲にならざるを得ない面があるのです。「先代が死んだからもう病院を閉めます。さようなら」では、地域が困ります。世襲ならば、設備などのハードの面をスムースに引き継げます。その代わり子供が幼いときから職業のことをたたき込むのです。もし子供がいないか出来が悪いければ、外から才能のあるやつを引き抜いて養子にすればいい。

・「秀吉の草履取り」、本気でやることの大切さを教えているものです。秀吉は、草履取りを本気でやた。初めから本気でやれば、あそこまで偉くなれるという話です。だから本気で仕事をしろと教えているのです。

・ナンバーワンよりオンリーワン。努力すれば夢はかなうという幻想。
・時を中心に考えれば、本当に大切なのは、先見性ではなくて普遍性なのです。その人が普遍性をもっていらいつか時が来る。その人に合った時代が来るのです。

・日本人の自分は、西洋人とは違います。西洋人の I ト 日本人の私は実は違うものなのです。
・頭とは、いいよりも丈夫なほうがいいことが多いのです。
・あなたの考えが100%正しいということはないだろう。せいぜい60%か、70%だろうと言っているのです。

・倫理とは個人の問題なのです。
・税金はがんで死にそうな人でも収入があれば、取られています。だから「血税」というのです。

・生物学的にいうと、女のほうが強い。強いということは、より現実に適応しているということです。つまり無駄なことを好まないということです。
・複雑すぎる機械は壊れやすい。だから女というものは、比較的シンプルな作りになっているのです。

・都市化ということは、根本的に子供を育てることに反するからです。
・子供には個性があるから大事にしましょうというタイプの教育は、戦後すぐには始まっていました。その個性を大事にすることが子供を大事にすることだと思ってしまう。だから、親は子供に教えない。教えるということはある意味では叩き込むことです。
・昔に比べると子供は大事にされているというのはウソです。それは甘やかしていることと大事にしていることを混同しているだけです。

・私には、戦争責任はありません。本人の記憶のないことについてあれこれいうのはおかしなことです。実感がないから、当時のことなんかわからない。私に責任がないならば、若い人に戦争瀬金があるはずありません。

・靖国神社に参拝するのは小泉首相の勝手です。憲法で「思想及び良心の自由」「信教の自由」は保障されているのです。ただし、政教分離なのですから、日本国総理大臣と署名して参拝するのだけはやめればいい。

・人間は金以外の動機で動くものなのに、ほとんどの人はそうではないと思っている。金とは単なる権利だということがわかっていないからです。

・原則を持つ、原則ができればどんな苦情にも答えられるようになります。

・本気の問題。きちんと正面からぶつかる経験をしておけばよかった。

・雑用のすゝめ。若いときにはいろんなことをやってみることを勧める。

目次
まえがき
1 若者の問題
2 自分の問題
3 テロの問題
4 男女の問題
5 子供の問題
6 戦争責任の問題
7 靖国の問題
8 金の問題
9 心の問題
10 人間関係の問題
11 システムの問題
12 本気の問題
あとがき

ISBN:9784106101496
出版社:新潮社
判型:新書
ページ数:192ページ
定価:760円(本体)
発売日:2006年01月20日

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2023年07月07日

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養老先生の考え方が書かれています。
下記記憶に残ったものを抜粋しています。

自分の好きな事を見つけようとするのは無理がある。社会で働くというのは、山を作るのではなく、空いている穴を埋める事だ。

I≠私
privacy(私情) とindividual(個人)
という全く別の言葉が

という漢字で表されている。

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2022年01月12日

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思考を固定化し、ラクをすると壁(『バカの壁』)の外が見えなくなる。
自分は変わらない、というのは、一見楽なこと(一元論)。でも、壁の向こう側は見えてこない。自分が変わることができれば、自分と違う立場のことは見えてくる。
自分の思い込みを捨てることが学びにつながる。

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2020年09月12日

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この人の本は正直さに惹かれる部分がある。嫌な感じもしない。文章が心に入るのは自分自身も似たような意識をどこかで持っているからか。戦争を経験している人の言葉は、大事にしたい。

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2019年03月29日

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バカの壁と買い間違えて読んだ。
養老さんの本を読むのは初めてで、講演とかの何かにお世話になった、というわけでもない。

優しい言葉でガツンと殴られるような感じ。ハッとして頭が冴える、もやもやが吹っ飛ぶ爽快がある。

本書の流れは12の問題の落とし処をはっきりさせるような短くシンプルな討論の問題集のようなところ。凄く読みやすい。

職業のことから、教育のこと、政治・人間社会のこと。
読んで良かった

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2016年05月02日

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著者の考え方が腑に落ちる。
・仕事とは社会に空いた穴であり、そのまま放っておくとみんなが転んで困るから、そこを埋めてみる。それが仕事というものであって、自分に合った穴が空いているはずだなんてことはない。
・社会システムすら「ああすればこうなる」式のいわゆる科学的な論理で割り切れるというふうにどこかで思ってしまう。

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2022年05月18日

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読書開始日:2021年12月6日
読書終了日:2021年12月22日
要約
①都市化する社会に伴い様々なものに意味づけする。自己にも意味を強要しオンリーワンを求められるが、そもそもがオンリーワンであり個性なのでそこに固執する必要は無い。
②紛争や戦争の原因は一元論者にある。一元論は気持ちよく分かった気になれるため堕落の一途を辿る。衣食整え余裕を持った復元論者を目指す。
③現代は他責追求社会。他に責任を追求しても所詮は他人なので届き切らず、精神コントロールができない。自責と水に流すことをうまく使いこなすべか。

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2021年12月22日

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この本は、東大名誉教授である著者の「壁シリーズ」である「バカの壁」「死の壁」の続編です。
著者の考え方が、丁寧に書かれており参考になりました。
ぜひぜひ読んでみて下さい。

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2021年12月20日

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最後の方に、プロとしての原則を持っているか、という話があり、大変共感した。様々な場面で他人に判断を仰がずに即時対応できるかどうかは、自分の中で考え抜いたかどうかによる。

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2021年06月30日

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いつもながらの語り口。読むひとに多くの気づきをもたらしてくれる。「本気の問題」が印象的。”こちらが本気でやれば自然に良い方向に行く”、”自分に原則があれば困らない”。
ホリエモン、山口周、島田紳助、みんな結局は同じことを違う切り口で言っている。もうほんとそれ。

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2020年05月05日

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「バカの壁」シリーズ第3弾。
だいぶこの著者である養老孟司氏の考え方が分かってきた。大多数の事例で共感。
表現が少し過激と感じる人もいるかもしれないが、1つの『人間に関する考え方』として、みんな読んでも良いんじゃないかと思う。
矛盾もないし、一貫している。一言では言い表しにくいが。

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2019年01月14日

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読みやすく、私は好きである。
自分に合う仕事などない。これにつきる。行き着いた先で全力を尽くすと、その先が開けることは同感である。
偉そうに「自分に合う仕事がない」だの言わず働けということである。

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2018年07月14日

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・・・「この「壁」を超えるのはあなた」帯コピーがナイスだった・・・。
「バカの壁」「死の壁」の最終バージョン「超バカの壁」。

柔らかい語り口でざくざくと切っていく。

オンリーワンよりただの人だ、と若い人には言った方が良い。そう言わないと救われないだろう。
社会の穴を埋めるのだと。それが幾ばくかたまってお金がもらえるのだと。 それが仕事。
そのうち、本当に頑張っていくと、穴には入っていくのだよね、と。

西洋の「自分」と日本の今の「私」を比較。

興味深かったのは、震災と戦争のPTSDなど解釈について。
震災で心のケアとはいうものの、戦争はもっとひどかったろう、と、大変違和感を持ったことが書いてある。
そもそも、自然災害の多い国。
そういうことには「水に流す」、また「忘れる」文化の根底になかったのかと・・・。

文中、江戸末期に日本を訪れた、デンマーク人が
横浜の大火事の後の日本人の行動を見て感嘆したことが紹介してある。

日本人はいつも変わらぬ陽気さと、呑気さをたもっていた。
持ち物もすべてなくなっても、不幸に襲われたりしないと。
「彼らを宿命論者と呼んで良いだろう」

実は、「超バカの壁」とは別の書籍で、
明治時代にも西洋から来た技術者が あっけらかんとした日本人について
(家族の時間を大事にして、働かないし・・・)「なんだ、この民族は?」と、
不思議に書いていた。

私たちの持つ、江戸時代の日本人像が本当は、
もはや違うんであろうと、 私は思っている次第ですが・・・。

人と人が違い、誤解があるのが当たり前。
分をわきまえ、心を決めて手足を具体的に動かしなさいよ、なんて。
個々は、別の役割のある「ただの人」で、
自信のないオンリーワンなんて、ただの没個性。

壁を超えるのは結局、腹の決まった
自分の行動でしかないですよね。

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2014年05月10日

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ネタバレ

仕事は社会に空いた穴(社会の側にある)。
自分に合ってなくて当たり前。
引き受けたらちゃんとやる。
やっていくうちに自分の考えが変わる。
自分自身が育っていく。

そう引き受けたらちゃんとやろう!

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2023年03月07日

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本書の購入は2008年。一度読んだ形跡があるが、あまり覚えていなかったため再読した。
「バカの壁」とは「自意識の壁」、「主観の壁」、「思い込みの壁」ということであろう。現代文明は意識を肥大化させた。ゆえに、現代人は自意識が過剰だ。本書もそれを指摘している。
本書の「まえがき」が冴えている。
「相談をするときに、具体的な答えを期待する人がある。それはおかしい。自分のことは自分で決めるので、相談とは、根本的には『考え方』についての疑問である。他人に伝えることができるのは『考え方』だけである。」
「現代人はその『違い』を『些細な違い』だとみなしてしまう。そこから現代の不幸が始まるのである。それが仮に『些細な違い』なのだとしたら、『大きな違い』はどこから始まるのか。人生とはそうした『些細な』体験の繰り返しである。歳をとれば、その『些細』が積もり積もったものになる。」
養老孟司を絶対視する必要もない。本書でも一元論を否定している。相対化した方が物事が立体的に見えてくる。例えば日本と中国の関係について。あるいは、日本と韓国の関係について。
具体的なテーマを示しながら本書は相対化の大切さを述べている。

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2023年10月08日

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仕事とは...世の中が必要なことをしてあげることだそうだ。好きなことを仕事にするのは本来なかなか成り立たないことなんですね!

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2022年09月18日

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※2006.2.13購入@上野駅の書店
 2006.3.11読書開始
 2010.8.20売却済み

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2021年09月04日

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ネタバレ

心に残ったワード

「自分に合った仕事」なんかない
仕事というのは社会に空いた穴で、そのまま放っておくとみんなが転んで困るから、そこを埋めてみる
自分に合った穴が空いてるはず、とかない
最近は穴を埋めるのではなく、地面の上に余計な山を作ることが仕事だと思っている人が多い

老人が「いつまでも生き生きと働く」ことがいいことのような風潮があるが、本当は老人の良い身の引き方、楽しい老後の過ごし方について考えたほうがいい
老人は生き生きしているよりは、イライラせずにニコニコしているほうがいい
極端な言い方をすれば、年をとっても働いていいのは、個人で働いている人だ

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2021年08月17日

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読者から寄せられる質問等に先生の考えで返している。
新しい知識が入るとかではなく自分がこのテーマで対談したらどうなるだろうと考えながら読んで楽しめた。

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2021年06月13日

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淡々としていて、冷静な文面。解剖学や医学、生物学という点から男女の違いについて書かれている部分は素人でも理解ができて自分にはない視点だったので面白いと思った。

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2021年03月02日

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自分がバカなのかだろうか、ところどころ解釈が難しい一文あり。ある種の壁を作り分かったつもりになってはいけない。特にスマホなど便利なものを使い始めてから、考えることが自然と面倒になり、頭を使わないことが多くなった気がする。著者の分析する賢い脳にならずとも良いが、頭を使っているなという感覚を忘れないように生きていきたい。そして人間のあるべきを追い続けたい。

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2020年07月25日

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「バカの壁」「死の壁」に続く3作目。
私個人で言うと、養老さんの本はこれで4冊目になります。

あとがきで著者本人が述べているように、この本は前2作と同じテーマを例題を変えて述べています。「あ、この話聞いたな」ということが何回かありましたが、それでも飽きないというか、考えさせられるなと感じてしまうところが著者の手腕なのだろうと感じました。

とある知り合いと話している際、「世間の犯罪は男性が多いんだ」ということが話題にのぼり、聞いた当初は(ええっ……そうなのかなぁ?)という感じだったのですが、この本を読んで驚嘆。彼女の言っていたことはある意味正しかったようです。

男性と女性についての話もそうですが、個人的には「イライラする匂い」のところが興味深く、もう少し調べてみたくなりました。

「楽になった」「安心した」と言ってくれる人がいたらうれしい、と著者は言っていますが、私にとっては「面白い」「もっと調べたいことができてくる」1冊でした。

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2020年01月27日

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現代で問題視されている問題
実は昔の方がひどかったのに、なぜか問題視されていない。

そんな疑問に触れた本

ステレオタイプの考えを脱却するのが大切だなと感じました。

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2019年10月09日

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世界の中の疑問に対しての著者の考えをストレートに表現していて、新たな考え方を得た部分は多かった。論理の展開に強引な所もあるが、そこは議論する場所として、筆者があえて残しているような気がする。

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2019年06月18日

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これでこの人の本はぶっつづけて三冊読みきったことになる。
バカの壁と死の壁が面白かった。
この本はバカの壁の続きという感じ。
やはり専門分野の医学の話がきけると面白い。

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2019年02月13日

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抽象的であまり響かなかった。著者の本は初めてだが、保守的で攻撃的な印象が強かったと思う。
しかし、全てにおいて否定しているわけではなく、著者に共感したところも多々あったのは確かである。例えば、最後の章で、自分に戻ってくるような仕事をすること(学べる仕事)と記載されているのはまったくの同感。20代前半のころは自分に合った仕事があるはずといろいろな仕事を経験もしてみたが、やっぱりそういうものはないのかもしれない。
学べる仕事を見つけるために今は、仕事をしつつ学業に励むのみ。それを、確信しただけでも大きな収穫となった本。

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2017年09月09日

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バカの壁に続く、著書。
それぞれの時事ネタに養老先生の考えを混ぜ込み、それぞれ本質とも言えるくらい、バシバシと切っていく面白い本だと感じた。
中でも、予防と対策という話が印象に残っている。
物事のうまくいっているときは、振り返らないのに、うまくいかないときはすぐに振り返る。一見普通の考えではあるが、日常的な仕事では、うまくいっているときの振り返りは少ないように感じる。
そのため、対策で仕事をし、予防には、あまり触れない印象。うまくいっているときも振り返り(予防し、)、問題が起きてから対策する回数を減らす。
その意識を持って仕事をすべきだと感じた著書だった

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2017年05月19日

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大ベストセラーエッセイの「バカの壁」の第2弾。東京大学医学部出身の医師である著者は、一見ひねくれた偏屈オヤジだが、言っていることは案外やわらかい。
彼の主張は一貫していて、物事を一元的に見たり判断すると損をするよ、ということ。違う角度から、もしくはファジー(死語)にとらえることによって、様々なストレスを回避することができる。また、都市化が諸悪の根源である。
たとえば、ニートを非難する声があるが、ニートになれるのはごく一部の特権階級であり、進んで落ちこぼれてくれているのだから感謝すべきである、など。目からうろことまでは言わないが、なるほどね、と思わせる議論がある。
とても平易な文章で書かれているので、読みやすい。

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2015年12月23日

Posted by ブクログ

少子化問題、テロ問題など、様々なテーマについて、養老先生の考え方が紹介されている本。
基本的には『バカの壁』と同じ主張です。

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2015年12月02日

Posted by ブクログ

『バカの壁』『死の壁』(ともに新潮新書)に続く、第3弾です。

今度は、「若者の問題」「自分の問題」「テロの問題」「男女の問題」「子供の問題」「戦争責任の問題」「靖国の問題」「金の問題」「心の問題」「人間関係の問題」「システムの問題」「本気の問題」という12のテーマについて、著者が自分の観点から語っています。

政治や経済の問題などは、その分野に特有のタームの使い方に習熟することで、何か自分が賢くなったかのように思ってしまいがちなのですが、著者のように根本に立ち返って考えなおす努力というのを忘れてはならないと思わされました。

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2014年05月06日

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