養老孟司のレビュー一覧
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本書の最大の特徴は、老いをめぐる議論が単なる高齢者問題にとどまらず、「人間とは何か」「社会とは何を価値とするのか」という根源的な問いへと拡張されている点にある。「脳化社会」というキーワードを背景に、現代人が身体性を軽視し、合理性や効率性ばかりを追求する傾向を批判する。老いとは、そのような価値観に対する自然からの「抵抗」であり、身体の変化を通じて人間が本来持っていた不確実性や非効率性を取り戻す契機であるという。老いを「衰え」とのみ捉える視点に対し、むしろそれを人間存在の不可避な相として肯定し、その受容こそが大切であると論じる。
一方、小島は他者からの評価に縛られず、自分自身の身体や時間と向き合 -
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薄い。全111ページ。本文(p.9~55)と解説(解説Ⅰ・Ⅱ合わせてp.61~111)で、文量がほぼ同じ(解説のほうが若干長いか)。解説は養老孟司と斎藤環。この本の著者名としては名がないが、これは養老・斎藤も著者と言っていいくらいだと思う(ので、本投稿のタグには二人の名前を追加した。私の中では著者扱い)。
ともにドイツに住んでいたユダヤ人である(後に二人とも亡命することになる)物理学者・アインシュタインと心理学者・フロイトとの間の“戦争”を巡る往復書簡。アインシュタインからの問いに対するフロイトの答えは、最後のほうにある一文「文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩み出すことができる!」(p. -
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どちらかと言うと極論に走りがちな田原さんに養老さんが含蓄のある中庸なコメントでバランスを保っている。
養老先生が仰られた事でなるほどと思った事。
日本の政治は天災によって変わっている。鎌倉幕府が出来たのは天災で荒れた世の中に侍こ統治が必要だったから。江戸時代が終わったのは1853年のペリーの来航よりも1854年に立て続けに起きた安政の大震災のほうが大きい。結局は世の中が変わるのは政治の世界でないのだという彼の考え方は今の世の中は花鳥風月がなく全てが対人関係だけで世界が回っていると考えている。
彼の言った事でもう一つメモをしておかなければいけないのはカールポパーの三世界論。
世界は三つに分 -
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当たり前のスタンスが違う
経験したり、何かを知ることで人は変わり続けている
人は変わり続けるので、画一化した個性は存在しない
日常的には個性より他人の気持ちがわかる方がよっぽど重要である
人生の意味は自己実現であり、常に社会との関係から生まれる
意識の世界に浸りきっている、寝ている時間など無意識な時間も人生の一部である
頭の良し悪しは社会的適応性でしか測れない、言語能力の高さなど
キレるなど我慢できるかどうかは前頭前野の発達により決まっている
学問とは生きているもの、万物流転のものを普遍的な情報に変えることである、現物を見て、答えがないままに、観察、比較すること
二元論・知的労働は重荷を背負う -
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一度目と二度目の世界大戦の間に、国際連盟の依頼によりアインシュタインとフロイトが交わした戦争に関する手紙。
言うまでもなく、当時最高の知性が話し合っているわけだが、たった一往復の手紙のやり取りという性質上、議論が大きく深まることもなく終わった印象だった。印象に残ったのは、アインシュタインによる以下の記述である。
「『知識人』こそ、大衆操作による暗示にかかり、致命的な行動に走りやすいのです。なぜでしょうか?彼らは現実を、生の現実を、自分の目と耳で捉えないからです。紙の上の文字、それを頼りに複雑に練り上げられた現実を安直に捉えようとするのです」
認知戦という言葉を最近よく聞く気がするが、一次 -
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ネタバレ仕事の参考になるかなと思いさっくり読み。全体を通した主張はさておき、初めて知れたことがあって面白かった。
・縮み思考の日本人の話→最後はちょっと飛躍した気もするが興味深い
・水について、国際河川がない日本はプレゼンス高→島国の利点。逆に日本列島も複数の国に分かれていたら大変なことになっていたはず。
・日本の漢字の部首で最も多く使われているのはさんずい。お金を湯水のごとく使うという表現は他国にあるのか→調べてみたい
・一点だけモヤっと
「少子化の原因は『今結婚して子供を作るのは危ない。この世の中で子供が幸せになるかわからない』という直感を感じているのでは」という一文があったが、子供ではな