【感想・ネタバレ】なるようになる。 僕はこんなふうに生きてきたのレビュー

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Posted by ブクログ

養老先生の本は今まで色々読んできたが、いつ読んでも心に響く。「脳化」した世界で、自然じゃないことにも気づかず、色々な物事をきちんと処理しようとアクセクしてしまう自分には、時々養老孟司の本が必要かも。養老先生の自伝の部分も、Q &Aの部分も、とても興味深く、共鳴するところがある。
養老ファンにも、養老孟司を読んだことない人にもおすすめの本です。

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2024年05月01日

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有名な解剖学者で虫好きな養老先生。よくものを考える人なんだなと思った。人が作った人工物ばかりに囲まれていないで、もっと自然と触れ合うといいというメッセージが強烈だった。読書好きが高じて、私もこの頃少しはものをよく考えられるようになったので、ちょっと嬉しい。

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2024年03月12日

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『今思うと、臨床には本気になれなかったんでしょうね。昆虫採集で野山を歩き回っていた子どもの頃から、自然はなるようになるもので、人間ができるのは手入れだと思ってきた。患者の身体も自然だからそれと同じ。医者は病気を治すと思っているけれど、患者は治るときにはひとりでに治る』―『Ⅲ 解剖学者の奮闘』

養老先生の著書は何冊も読んでいるし、それらの本の中で時々ご自身の来し方を語っているのを読んでもいるけれど、本書の聞き手である鵜飼哲夫が言うように自伝的なものは読んだことが、確かに、ない。そんなもの知らなくても言っていることは分かるでしょ、と養老先生なら言いそうなものだけれど、人が環境と連続して繋がっているというのと同じように、その人の考える癖というのも来し方と不可分であるだろう。であれば本書の自伝的な逸話を聞くこともまた養老孟司の考え方(養老先生ご本人を、ということではない)を理解する一助となるだろう、と言ってもいいのではないかと、恐る恐る言ってみる。

考え方を形作ったという意味で、その著書によく出て来る話としては、戦後の教科書の墨塗りの話がある。ああ確かにそういう出来事があったら人の言うことを鵜呑みにしない考え方の基本が形作られるだろうなと思っていたのだけれど、それは後先が逆なのであって、そもそもそういう性格の子供であったというだけなのだということが本書を読むとよく解る。別に判ったところでどうとなるものでもないけれど、人の癖というものは「ああすればこうなる」という風に理屈付けることは決してできないものなのだなということを、改めて認識させられたような気にはなる。

気になると言えば、判ったような気になる、というのが、すべからく養老先生の著書を読む時の感想になってしまうのだが、まあ、それは頭のいい人から何かを教わる時に常に起こってしまうことでもある。もちろん、自分自身の経験からも実感してはいるけれど、もう何十年か前に、リチャード・ファインマンの教え子たちが同じようなジレンマに陥るケースが多かったと、ファインマンの同僚だったカルテクの物理学者が話してくれたのを聞いたこともある。「気になる」から「理解する」への壁を乗り越える為には、自力でその論理展開を辿り直して見なければならないのだけれど、それが実は容易ではない。それは、話を聞いている時に使っているのは「論理的」な理解と「感覚的」な理解の両方だけれど、自力で辿り直す時には「論理的」な理解ばかりとなりがちだから(似たようなことを内田樹導師もしばしば語っているけれども)。なので、本を読んでいる時に「ふんふん、そうだよね」と思っていても、いざ他人にその話をしようと思うと存外自分が理解出来ていないことが露呈する。悔しいからまた考え直す(頭を鍛錬し直す、とでも言ったらよいか)。まあ、そういうことが大事なんだということくらいは養老先生の教えとして理解はしている。

実は、読後に本の感想を書くようになったのも、自分が何を考えていたのかを備忘録的に書き残すという目的の他に、自分が何を感じていたのかを言語化してみることが(何しろ、個人的な体験を共通の理解の場に移すことこそ言語の機能なのだから。これもまた養老先生の教えの一つではあるけれども)、もやもやとしたものを自分の中にその状態で内在しておく為にも必要なのかなと考えているからなのだけれど(だから自分の書くものにレビューとしての意味はほとんどないと思うのだけれども)、その為にもあまり判り易い結論を出さないようには気をつけている。とまあ、そんなことを本の感想として書いているのを読まされる方には、お気の毒さまとしか言いようがない訳だけれど、こんなことをくどくどと考えさせられるところが養老先生の本のいいところ。特に、養老ファンを自認されている方には、本書は案外目から鱗が落ちる、というようなことがあるんじゃないかなと思う(知っているような話ばかりのようで、実は知らなかった話が多いです)。

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2024年02月21日

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養老先生の自伝本、これまでの先生の生い立ちがコンパクトに描かれていました。まるへの思いは切なかった。養老先生いつまでもお元気で、バカの壁を超えられない我々に教えをお願いします

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2024年02月05日

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昨日たまたま読んだPresidentで、ホリエモンが「1番運がいいと思うのは養老先生」のような事を言っていたことを思い出し、手に取った。
なるようになる、この考え方が本当に素敵だし、大事なものだと感じた。
特に印象に残ってるのは、最後のQAコーナー。
個性がなく、自分のことをone of themだと思っている若者に対しては、カルぺディテム、その日その日の花をつめ。自分なんていくらでも変わり、いくらでも広がる。この言葉を忘れずにいきたい。

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2024年01月13日

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当たり前のことを当たり前のように話してくれる人が少なくなったと思う。自分が年齢を重ねて分かってきた事だけど。若い人たちに読んでもらいたい。そして自由に生きてほしい。

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2023年12月22日

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直あそこまでやったなと思う人は、アフガニスタンに貢献した中村哲さん、中村さんこそ国葬にしてよかった人だと思う。
死について、自分にとって自分の死はないと同じ、自分で実証的に確認できないから。考えたって意味は無い。
孫悟空とお釈迦様の手のひらの関係みたいだある。

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2024年03月30日

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若い頃は「なせばなる!」って思っていたけど、今は「なるようになる!」そう思うとほとんどのことが解決するような気がする。

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2024年02月06日

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本書は養老先生の初の自伝である。唐突だがこの本を読んで、木田元先生の『哲学は人生の役に立つのか』(PHP新書)という本を思い出した。題名だけを見ると哲学の有用性を説いた本のように思ってしまうが、内容は木田さんの自伝である。つまり、哲学が自分にどのように影響したかという視点から、ご自身の半生を語っている。
この本も木田さんの本と似ている。たとえば『唯脳論』や『バカの壁』を書いたとき、養老先生の人生に何が起こったか。これまでもそうしたエピソードは断片的に語られることはあったが、本書ではそれが一冊の本にまとめられている。私自身、初めて知る内容もあった。
ご存知のように養老先生は無類の読書好きで、本文にも書かれているように、つまらない本でも「なぜこの人はこんなことを考えたのだろう」と思って読んでしまうという。この視点はなかなか大事である。最近とくにSNSでは、相手を論破したり矛盾を突いたりすることに夢中で、その人が本当は何を言いたいのか、どうしてそんなことを言ったのか、そこを考えない人が多い。
たとえば、養老先生は「現代人は参勤交代せよ」という。1年のうち3ヶ月は田舎に行って、畑を耕す生活をしろというのである。こういう意見を言うと、すぐにそのアイデアが実現不可能な理由や、無意味であるという理屈を嬉々として述べる人が現れる。しかし、こういうのは本当は反論とは言わない。もちろん参勤交代を実行してくれたら一番いいわけだが、養老先生は都会人の生活から自然に触れることや体を動かすことが失われていると危惧しているのだ。そこを理解しないと、養老先生の本を読んでも何の意味もなくなってしまう。
これまた唐突だが、筆者の通っていた高校は長野県の白馬に寮があって、入学すると親睦を深めるために、全員で移動教室に行った。行きのバスで休憩のために降りたとき、友達が「グッチのカッコいい腕時計があったから買った」と見せてくれた。私はこんな田舎の土産物屋に本物のグッチがあるわけないと思って、「それはニセモノだよ。だまされてるよ」と言った。こっちは親切のつもりで、割と真剣に言った記憶がある。そうしたら、その友達はいい奴だったから怒らなかったけれど、ひとことだけ私に言った。「お前、友達なくすぞ」と。
その頃の私にはわからなかったが、本人が気に入った時計を見つけて喜んでいるのに、私はそれに水を差してしまったのである。人間関係というのは、正しいか正しくないかだけが大事なのではない。そういうことは後になって学んだ。私のつまらない人生でも、こんなふうに学べることはある。養老先生の人生から学べることは、もっとたくさんある。

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2023年12月02日

Posted by ブクログ

そういえば養老孟司さんの自伝に出会ったことはなかったと思い読んでみた。ご本人の執筆ではなく、鵜飼さんが聞き手となって書かれたものであるにも関わらず、まるでご本人が描いたかの書いたような細かなエピソードがたくさんあった。
養老さんの思考は時に難しく、時に驚かされることもある。ほんの少し頭の中を覗けた気がする。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

読売新聞の連載「時代の証言者 なるようになる。」に加筆されたもの。
「養老先生への五〇の質問」も面白い!

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2024年01月28日

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