養老孟司のレビュー一覧
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どちらかと言うと極論に走りがちな田原さんに養老さんが含蓄のある中庸なコメントでバランスを保っている。
養老先生が仰られた事でなるほどと思った事。
日本の政治は天災によって変わっている。鎌倉幕府が出来たのは天災で荒れた世の中に侍こ統治が必要だったから。江戸時代が終わったのは1853年のペリーの来航よりも1854年に立て続けに起きた安政の大震災のほうが大きい。結局は世の中が変わるのは政治の世界でないのだという彼の考え方は今の世の中は花鳥風月がなく全てが対人関係だけで世界が回っていると考えている。
彼の言った事でもう一つメモをしておかなければいけないのはカールポパーの三世界論。
世界は三つに分けられる世界I(物質とエネルギー、具体的には生物体の構造と働き、道具建物などの人工物)、世界2(意識や心的状態、知覚、思考、感情、記憶)、世界3(人間の精神的活動によって産み出された客観的内容、科学的理論、哲学、物語、アート)。今の世の中は世界3が溢れている。世界3からモデルを出して世界Iにアレンジしていくという技術がある。そして世界Iも変えてしまう。 -
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当たり前のスタンスが違う
経験したり、何かを知ることで人は変わり続けている
人は変わり続けるので、画一化した個性は存在しない
日常的には個性より他人の気持ちがわかる方がよっぽど重要である
人生の意味は自己実現であり、常に社会との関係から生まれる
意識の世界に浸りきっている、寝ている時間など無意識な時間も人生の一部である
頭の良し悪しは社会的適応性でしか測れない、言語能力の高さなど
キレるなど我慢できるかどうかは前頭前野の発達により決まっている
学問とは生きているもの、万物流転のものを普遍的な情報に変えることである、現物を見て、答えがないままに、観察、比較すること
二元論・知的労働は重荷を背負うこと、物を考えることは決して楽なことではない
一元論は思考停止であり、一見楽なことであるが、自分と違う立場のことは見えなくなる、向こう側が存在することすらわからない
感想
この本は意識と無意識、脳と身体、都市と田舎のように全て二元論で考えていた。一元論でこれが正解なとど思考停止することで、バカの壁が生まれる。正解だけを求めるのではなく、忍耐強く考え続けることが大切。 -
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一度目と二度目の世界大戦の間に、国際連盟の依頼によりアインシュタインとフロイトが交わした戦争に関する手紙。
言うまでもなく、当時最高の知性が話し合っているわけだが、たった一往復の手紙のやり取りという性質上、議論が大きく深まることもなく終わった印象だった。印象に残ったのは、アインシュタインによる以下の記述である。
「『知識人』こそ、大衆操作による暗示にかかり、致命的な行動に走りやすいのです。なぜでしょうか?彼らは現実を、生の現実を、自分の目と耳で捉えないからです。紙の上の文字、それを頼りに複雑に練り上げられた現実を安直に捉えようとするのです」
認知戦という言葉を最近よく聞く気がするが、一次情報に触れず、二次、三次情報に依存し、自身の知性に過度な自信を持ち、点と点をありもしない線で結びがちな「知識人」こそ認知戦の餌食になりやすい気がする。
結局、国際連盟は第二次世界大戦を止めることは出来ず、その後に出来た国際連合の限界も、本レビューを書いている2026年時点では現在顕になっている気がする。戦争を人間社会に当然のものと認識することは容易いが、今一度立ち止まり、アインシュタインのように「ひとはなぜ戦争をするのか」という子供の様な問いを各個人で考えることは決して無駄ではないように思う。
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ネタバレ仕事の参考になるかなと思いさっくり読み。全体を通した主張はさておき、初めて知れたことがあって面白かった。
・縮み思考の日本人の話→最後はちょっと飛躍した気もするが興味深い
・水について、国際河川がない日本はプレゼンス高→島国の利点。逆に日本列島も複数の国に分かれていたら大変なことになっていたはず。
・日本の漢字の部首で最も多く使われているのはさんずい。お金を湯水のごとく使うという表現は他国にあるのか→調べてみたい
・一点だけモヤっと
「少子化の原因は『今結婚して子供を作るのは危ない。この世の中で子供が幸せになるかわからない』という直感を感じているのでは」という一文があったが、子供ではなく自分のことを考えるようになったからだと思う。昔にくらべ大人の幸せの形もいろいろ増えた。今結婚して自分が幸せになるかわからない。と思うようになったからでは?
作者の文章は【子供が欲しい人が、結婚する前から子供のことまで考えて、だから結婚しない。少子化】という図式になっているがそこもズレている気がする。子供が欲しい人は結婚するし、子供が欲しくない人は結婚しない。ライフスタイルや価値観の変化に伴い後者の人が増えた、というだけでは?
世代なのか男女の差なのか、本の本筋ではないのに妙にもやもやしてしまった…。 -
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私はこの著作を通して、
はっきり言えば何が言いたいのかが中々見えてこなかった。
しかし、曖昧さに耐えられない今の我々は、
この曖昧さに直面することで思考するべきだ。
2003年の超ベストセラー本である本作、
主題は「一元論に陥るな」、
ひとつの視点に留まらず多角的な視野を持て、
こういったことだ。
しかし、私はこの著作を通して、
はっきり言えば何が言いたいのかが中々見えてこなかった。
読書や会話に共通するのは相手の意図がわかれば読み手聞き手は内容が入りやすい、ということ。
最終章まで私は、結局のところ何が言いたいんだ、と言う曖昧さのまま読み進めていった。
しかし本質まさにそこにあるのではないか、と考える。
わかったつもりでいる多くの人々に対して警鐘を鳴らしていた本作、
「なるほど〜他の人の意見も聞けば良いのね〜」
では、まさしくわかった気でいるだけであって、
いわゆる係数を上げることにはならない。
この曖昧さこそが本書の伝えたいことなのではないか。
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わかったきでいること、知識と雑学は違うと言うこと。あるいは係数の話について、現代に照らしてみたらどうだろうか。何事も100%ではないということ、物事において不正解であると我々が考えていることはある意味では正解であると言うこと。
こういったことを我々は理解しながらも、正解と信じ、思う方しか見つめない。
これはある意味で、当時一面しかない答えを信じていた人々よりも、よほどタチが悪い。
特にイスラエルとパレスチナについて記述があった。こういったことを"認識"している日本人は多くいるだろう、しかしではあなたの意見はなんだ、となった時に答えが出ない、こういう意見の喪失という課題があることも、多様性を押し付けられた、あるいは平等という幻想を過度に教え込まれてきた現代の特徴だ。
一方で、左翼が〜〜、右翼が〜〜のように、
極めて一元的に物事を批判する面は特に先鋭化している。曖昧な箇所がより曖昧になることで、正解と信じている部分について、信じすぎる傾向があるのではないか。
かつてはメディア、例えばNHKは神なのか、と本作でも紹介されていたように、ある種の答えを持つツールとして存在していた。
今はどうだ、それはAIだろう。
NHKやメディアを批判する層は変わらず存在する、オールドメディアと評したり、伝えたいことだけ伝えて本質は隠す。こういった批判がなされる。
これはある意味で正しい。全てを伝え切ることはできないわけで、また同時に人が作り出すものには当然着色がなされる。
では彼らは何も調べずにそれをしているのか、と言われれば当然違う。足で取材に行くこと、地道な人脈によって得たもの、様々あるだろう。
AIというのが確かに情報の宝庫であるインターネットから的確且つ非常に短時間で情報を探し出してくるツールとしては最高峰だ。
問題はその情報の正確性ももちろんだが、
我々がそれらを過信してしまうこと、私たちを超越してると本気で信じてしまうこと、そういう意味ではかつてメディアを絶対的だと思っていた層となんら変わりはないのだ、ということである。
係数について、我々は係数の全体平均値の低下を経験しているのではないか。先に示したような所で言えば、どこかで無限大の計数を持ち合わせながらも、他のところで0という数値を持ちにくい。わずかな計数をたくさん持ち合わせることで情報過多気味になり、ある種すべて分かったようになる。わかった気でいるという感覚自体は増長傾向だろう。
「変わるものと変わらないもの」
私たちは変わるもの、情報は変わるもの。
「個性と常識」
個性を出せとは、欺瞞か?
常識を知るべき。
「脳の検査について」
犯罪者の脳の出力傾向を分析すべき。
「入力出力、あるいは身体」
入力、いわゆるインプットにとどまらず、
出力しろ、とそれは体を動かすことが最適例。
体を動かすとはすなわち、出力そのものだから。
「科学を疑う」
地球温暖化、SDGs、いまもなお言われ続けているそうした理論は100%正しいと言えるか、
指摘が難しいが、100パーというより、現状で最も可能性が高いと言えよう、同時に真実を知ろうとするあまり陰謀論に傾倒してしまうことのほうが昨今の問題だ。 -
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ネタバレバカの壁 を聞いている
途中で 超バカの壁 を
見つけて購入したので
先に読み終わってしまった
つい最近出版された
と言われれば
なんの違和感もなく
普通に読めると思う
普遍的なこと
書かれていると思った
自分に合った仕事 なんかない
仕事は社会に空いた穴
そこを埋めるのが仕事...とか
文中 小泉元首相 の名前が
何回も出てきますね
言いたいこと言ってくれている事
多いと思う反面
「...そう言う意味では
小泉純一郎首相も
伝統的な日本人だと言っていい..」
とか 異論ある部分もチラホラ
立派な解剖学の医師先生でも
その時代の 風潮 社会現象 には
影響されるのかも..と思った
勉強になる方が多いけど..
ところどころ なっとく出来ない
ところもあったけど
大部分は うなづける考え方だった
面白かった -
Posted by ブクログ
ネタバレ生態について興味があり読むに至る。解剖学者である養老孟司さんによる、生物の形態に関する考察。後半は専門的すぎて単語の意味を一つずつ調べないと理解が難しいが、抽象的な考え方に関しては他の分野にも応用が効きそう。
例えばアーサー・ケストラーの「ホロン」と言う概念。これは階層構造のようなもので「自分より階層が上の実態にたいしては、部分としての面を示すが、下の階層には、全体として振る舞う。」という性質を持つ。この考えは建築・内装設計になくてはならない考え方。都市は国にとっては部分であり、建築にとっては全体である。建築は都市の部分であり、内装の全体である。内装は建築の部分であり、家具の全体である。スケールを横断して設計するにはこの部分と全体の往復とその連関を作らなければならない。
そして、ホロンを飛び台として筆者が主張する生物の形態も同様に重要な視点であった。「変化を繰り返す細胞集団は時間的断面をとって観察すると、形の上である定常状態をしめす。-定常状態が細胞・組織・器官など様々な階層で存在しているために、形の上での定常性がその結果生じる。それすなわち形態である。」動的平衡状態にあるその総体が形態なのだと言う意見はまさに事物連関型の建築の姿に思える。解剖学からこの概念に触れられるとは思っておらず、なんだか嬉しい。
その他にも普段はよく考えないが、言われてみるとそうだなと思ってしまう形態への知識が書かれていて面白かった。