養老孟司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
わかる話もあれば、わからない話もあった。
最近、脳科学に関する本を読んだ身としては、そこで得た脳科学の知見に対しても別の視点をもたらしてくれた。著者は解剖学者だが、ものごとを考える視点は哲学的。だから言っていることがわかる部分もあれば、何を言いたいのかわからない部分もあれば、言いたいことはわかっても同意できない部分も…。
けれど最近読んだ本は「わかる」ものが多かったため、わからない部分が残る読書体験は久しぶりで、興味深かった。また数年後読んでみたら、わかる部分やわからない部分が変わっているのだろう。
一つわかったこととしては新たな視点を得ると、世界がこれまでと違って見えるということ。
悩んだときや不安に陥ったとき。そういう場面で為すすべがなく、迷宮に迷い込むことが私はまだまだ多いが、今までと違う視点を持つ自分になれば、世界が変わらなくても捉え方や接し方を変えていける。それが「知るとは自分が変わること」なのだろう。
著者は自然に触れて実感をもって「わかる」体験を、子どもも大人もすべきと説いている。「わかる」とは都市での生活や昨今の人の思考がいかに本来の人のあり方とかけ離れたものであるかに気づくことで、いま抱える悩みについて新たな視点が得られるだろうと。
東京へ来て、車を持たないようになってから、自然に行く機会が一気に減った。家にいても生活に必要なものや気軽な娯楽は調達できる時代になった。
元々、虫や自然に興味のある著者が「自然に行け」と説いても、わざわざ休日に出向いてその不便さも含めて体験しようとする現代人は少ないだろう。よく聞くお年寄りの意見だなぁ…と鼻白んでしまったが、そんなに言うならと今度の休みにでも自然に触れてみたいと思った。
西のほうへ行けば東京でも自然は多いが、不便な自然と関わる情報は経済効果が高くないからかメディアやSNSであまりフィーチャーされない。自然に触れる入り口として、気軽にアクセスできる自然がもっと着目されれば、休日の過ごし方の一つとして、ショッピングセンターやジムだけでなく、自然に身をおいてリフレッシュする都会人が増える気がする。 -
Posted by ブクログ
心筋梗塞から4年、養老先生87歳…。背中の痛みと娘の暁花さんのすすめもあって受診したところ、肺がんが見つかります。差し迫った虫供養法要に参加したい思いを伝えたうえで、抗がん剤治療を受けられます。
やっぱり、どこか達観してらっしゃる様子が印象的です。死ぬときは死ぬんだから…みたいな感じ、逆に養老先生の教え子で現在は主治医ともいうべき中川先生は、養老先生はいつも絶妙なタイミングで受診されとおっしゃってます。養老先生ももう、高齢ですしね…、でもまだまだやりたいことはあるんですよね!これからもお気をつけて、過ごしてほしいと思いました。
で、やっぱり「まる」のこと、ユニクロチャリティTシャツプロジェクト「PEACE FOR ALL」に賛同した養老先生、「まる」の写真と「Hope means we can change」(希望とは私たちが変われるということ)という文字がプリントされたTシャツを作られました。平和的で友好的な「まる」はこのイメージにピッタリなんだとか…。24年の春夏コレクションの中で2000万以上売り上げた実績もあるようです。養老先生と中川先生がこのTシャツを着た写真が掲載されてますよ!このTシャツ、ほしいな♡ -
Posted by ブクログ
あの養老先生が再び病院へ行きましたって…!まぁ、前作からも、医療システムに自らが取り込まれるのがイヤと、なるべく医療とは距離をおいていきたい、1週間様子をみて体調が変わらず悪いようなら受診するとおっしゃってましたからね!でも、今回の受診は、中川先生の顔を建てるために受診したような感じです。
ヘモグロビンA1c が、養老先生の年齢と同じ8.4って(゚д゚)!でも、16時間断食を実践することで数値に改善がみられたらしいです。16時間の断食って…私には無理だなぁ!!適度な運動と、過食を控える…といっても、普段から虫の採集で動いているし、過食なんか年取ってからできないし…といった理由かららしいですけどね…。今回病院に行って、問題視されたのは血糖値のことだけって逆にスゴイですよね…。
掲載されている、写真がよかったです。養老先生の愛猫まるが旅だってから2年…写真のまるは、変わらず可愛い♡ -
Posted by ブクログ
明治維新後の日本史を紐解きながら、日本社会のさまざまな矛盾を指摘して、現代社会の「生きづらさ」の原因に迫る対談集。
天皇・戦争・憲法などのトピックは、学校の授業で「歴史はこういうものだ」と習って、機械的に「そういうものだ」と覚えたため、議論することも無ければ、問題にすら感じていなかった。そのため、私はいろいろな矛盾に気づくことができない。また、複雑に絡み合う事情に正面から向き合う知力が無いので、何となく「生きづらさ」だけを感じてしまうのだろうか。一方で、単純化して発信されるような情報に飛びつきやすい(イチイチ反応しやすい)のかも知れない。
教養があり、ウィットに富んでいる3人の対談がスピード感を持って進む。脱線するというよりも、議論が広がりと深みを見せていくイメージ。例えば、文化の形成過程とイノベーションの類似性、さらには税金を巡る大学の存在意義まで、次々と展開していく部分などが挙げられる。
正直なところ、何を仰っているのか少し難しい部分もあったが、言葉の捉え方や視点が独特で、「ここでこう来るか!」と、俊英たちの思考回路に驚かされた。