養老孟司のレビュー一覧
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国際連盟から「今最も重要だと思う事柄について、一番、意見を聞きたい相手と書簡を交わしてください」という依頼を受けたアインシュタイン。
彼が選んだテーマは「戦争はなくせないのか?」そして、選んだ相手は心理学の大家フロイトだった。
彼らのやりとりを読みやすい文章で訳したもの。
★戦争をなくすために、今なにができるのか?
アインシュタインは国際的な機関が、国際的な紛争を絶対的な権威をもって判決し、決定を実行するようにできないか、と考えるも、現状では実現は困難だと考えています。
これまで、平和は実現できない理由は人の心(権力欲・利益を求める・本能的に憎悪に駆られて相手を絶滅させようとする欲求)にある -
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養老孟司(1937年~)氏は、東大医学部卒、東大大学院基礎医学博士課程修了、メルボルン大学留学、東大教授、東大総合研究資料館館長、東大出版会理事長、北里大学教授等を経て、東大名誉教授。専門の解剖学に加えて脳科学などの見地から多数の一般向け書籍を執筆しており、『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞(1989年)、2003年に出版した『バカの壁』は、出版部数400万部を超える戦後日本の歴代4位となっている。尚、現在までに「壁」シリーズとして、『死の壁』、『超バカの壁』、『「自分」の壁』、『遺言。』、『ヒトの壁』の計6巻を刊行し、シリーズ累計の出版部数は660万部超。
私は新書を含むノンフィクション -
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ネタバレ養老先生は虫を観察して人間を考える。
山極先生はゴリラとともに体感し人間を考える。
地球上にいる生命の祖先はどのように生きたか、何億年単位で生命の先輩たちを調べたお二人が情報共有しながら、人間の立ち位置を整理した内容でした。
江戸時代にマタギによって根絶やしにされたサルの話しや、洗剤による鎌倉の川の汚染では下水道を整備して水がキレイになったら、元々居なかったフナを放流した話しなど、今の時代では信じ難い問題がなかったかのような日本なんですね。
日本文化は述語的な文化、西洋文化は主語的な文化。日本特有の生き方も考えさせられます。
ひとつ気になるのが、車社会は環境に良くないまではいいのですが、その代 -
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ネタバレ「バカの壁」ぐらいは読んでいるかもしれないが、内容が思い出せないのでもしかすると著者の本は初読みかも。
基本、超絶頭のいい人が、難しい抽象的な話をイメージで語る系のこの手のものは、ド文系の私が科学の難しい論文を読んでいるようで、ほとんど頭に入ってこない。この本も、途中の哲学的話題の部分は、話の外側の箱の形ぐらいしかわからなかった。
それでも、「この社会はほとんど反応だけしている」という部分には深く肯首。コロナ感染者増加!国葬反対!オリンピック!円安!といちいちメディアの情報に反応し、過ぎ去れば何の検証もせず、何事もなかったかのようにもとに戻る。これからの社会は、思考停止になり、反応だけを繰り返 -
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『バカの壁』(2003年、新潮新書)以前に書かれた著作では、著者の代表作といえる本です。
著者は、「ヒトの活動を、脳と呼ばれる器官の法則性という観点から、全般的に眺めようとする立場を、唯脳論と呼ぼう」と述べています。ただし唯脳論は、「世界を脳の産物だとするものではない」と注意が付されています。こうした誤解は多かったようで、「解説」を執筆している澤口俊之も、本書が「世界は脳の産物だ」という主張をしているものと誤解をしていたことを告白しています。なお、この点についての著者の主張を正確に理解していたのは池田晶子で、『メタフィジカル・パンチ―形而上より愛をこめて』(2005年、文春文庫)のなかで的確