養老孟司のレビュー一覧
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試し読み
Posted by ブクログ
サブタイトルは「理系の対話で人間社会をとらえ直す」とあり、養老孟司が4人の理系の研究者や理系出身の記者らと社会や人間や脳の問題についての対談。ちなみに帯には「文系が意識しづらい領域を、四人の理系の知性と語り合う」とある。
おれが文系なので、こういうタイトルとか帯の文句を読むとほんと文系でスミマセンという、文理のミゾを感じずには入られないが、別にそんな卑屈にならなくても、文系のおれでも読めば面白いし、もっと養老孟司の本を読みたくなった。(というか養老孟司って大学受験で読んだくらい。)だからこんな意地の悪いタイトルにしなくてもいいのに、と思ってみたり。
それにしても単純に理系のことについてお -
Posted by ブクログ
養老節が心地よい。もう流れる様に書いているんだろうな。言葉で世の中は変えれないから、安心して書いているそうだ。なるほど。
一般論は具体よりも優越する。その理由は人間にとって楽だから。人は易きにつくもの。現代社会の楽は一般化にある。楽をするとどこかで元がとられる。シッペ返しがくることになる。それは言わないことになっている。楽が出来なくなるからである。
ほぼ80歳にいたるとはいえ、またそこまで大人になれていない。だからお若いですねぇ、と言われるのかもしれない。要するに社会的な発育不良。大人ってなんなんでしょうね。20歳になったら成人なんですが、自分自身ではいつになっても大人になりきれていない感 -
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Posted by ブクログ
バカの壁で知られる養老孟司。
当時バカの壁は読んだけど、内容忘れてしまったような。また読んでみよう。
この、遺言。よりは分かりやすかったような気がする笑
結構難しい内容だった。
遺言だから、と思って読んでいたら、あまり遺言ぽくはない。養老孟司が常々思っている由無し事をこの際だから本にした、みたいな印象。
ヒトは動物と違って感覚所与だけで生きていない。
感覚所与から意味を持たせること、その意味だけに固執するようになってしまった。
同じとは、どういうことか?言葉は動物にはわからない。イコールという頭がないから。
などなど。頭の良い人はこんな事を考えて生きているのかと、そういう意味で勉強になった -
Posted by ブクログ
養老猛司氏の本は読んだことがないが、「バカの壁」ほか、なんだかおもしろそうなのでそのうち読んでみよう。
竹村氏は元国土交通省局長。
そういう2人による環境・食料・エネルギー問題をめぐる対談集で、談論風発風に進んでいたところに、神門善久という農学教授が飛び込んできて、農政問題が大変だ、誰もオレの言うことを聞いてくれない、農林水産省はバカだと叫ぶので、年寄り2人がもてあましてニガ笑いといった座談風景が思い浮かんでくる本でした。
竹村氏の発言。
「頭のいいだけではない、勇気もあり、社会を綱渡りしていく度胸とバランス感覚を備えた役人が少なくなりました。
現在はマスコミによって細部のミスでたたかれ意 -
Posted by ブクログ
ネタバレ相変わらずの養老節・・・と言いたいところだったが、少し切れ味が落ちた気もする。著者の本をほぼ全て読んでいる身としては、知っていることが増えてきているから、似たような話に驚きがなくなってきただけなのかもしれない。
ただ、名言的な部分は随所にやはりある。80歳を迎えてもなお、きらりと光る意見を持っている著者はすごい。
個人的には、組織は社会を安定化させるけれども、人のかけがえのなさが失われたという箇所(162-163あたり)が特に良かったかな。こういった発言をぼそっと言うあたりが、著者のポイントというか、養老節なのだと感じた。何はともあれ、面白かった。