養老孟司のレビュー一覧
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情報は死んだ(固定した)もの。そして人は、生きている。その違いを認識しておくべきなんだろうな。でも人は人に対してすら、情報を求めがち。なぜかって、その方が楽だから。
人間なんてそうそう変わるもんじゃない、というのもひとつの真理なんだろうけどさ。でも、生きている以上、実はいっしょじゃないよ、という面も気づいていかないとね。
「納得せず疑問を持ち続けることが大切」「実際にどう当意即妙に対処するかというのは、その人の知識の量ではなくて、人としての厚みのようなものに表れます」など、響くことばがいくつもあった。
今の世界の見方というか進み方について、グローバリズムという言い方がある。それに対し -
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「バカの壁」「死の壁」に続く3作目。
私個人で言うと、養老さんの本はこれで4冊目になります。
あとがきで著者本人が述べているように、この本は前2作と同じテーマを例題を変えて述べています。「あ、この話聞いたな」ということが何回かありましたが、それでも飽きないというか、考えさせられるなと感じてしまうところが著者の手腕なのだろうと感じました。
とある知り合いと話している際、「世間の犯罪は男性が多いんだ」ということが話題にのぼり、聞いた当初は(ええっ……そうなのかなぁ?)という感じだったのですが、この本を読んで驚嘆。彼女の言っていたことはある意味正しかったようです。
男性と女性についての話もそう -
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養老孟司流の「日本の(無)思想」論です。
著者は「あなたが見聞きし、あなたが考えている」すべてが「思想」だと述べています。それらはすべて脳の働きであり、それゆえ脳の働きはすべて「思想」だとする「唯脳論」の基本的な主張をくり返しつつ、日本人は「思想は現実に関係がない」という「思想」、「無思想」という「思想」をもっていると主張します。
さらに著者は、こうした「無思想」という「思想」の諸相を、歴史や宗教、世間にかんする日本人の考えかたにまで敷衍しながら、西洋や中国の「(有)思想」と日本の「無思想」がさまざまな局面で相互の無理解を引き起こしていることにまで言及しています。
著者の立場は、解剖学者 -
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養老孟司の文章は分かりにくい。
話が飛ぶ。関連話、あるいは例として出てくるのだろうが、間にもう一つクッションがないと、つながりが分かりにくいのだ。自分の頭の中ではつながりの理屈がちゃんとあるのだろうけど。本当に適切な例なのかということもある。また、取り上げている他の人の言葉や本に一見賛成しているように見えて、実はそうではなく皮肉ではないかと思われることもある。結局、分かる奴だけ分かればいいということだね。
今回は、気楽に書かれた京都論なので、すごく分かりにくいということはない。さて、わたしなりに内容をまとめよう。
京都は都市化、合理化されているようでいて、古い共同体が残っていて、隙間がある。そ -
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養老孟司の壁シリーズ本。中堅科学者、ジャーナリストとの対談集。
サブタイトルは、「理系との対話で人間社会を捉えなおす」。
理系とは言っても、いろいろなタイプがいる。工学系の人の中には、文系的な人が多い。数学ができること=理系ではない。むしろフィールド系と実験系の分け方の方がしっくりくる。文系は、物事を言葉で切り取るからデジタル的であり、理系の人は論理で通じ合う、、等々、仮想現実、今後に社会の在り方、科学ジャーナリズムについて、いろいろ示唆に富んだ対談で勉強になることが多かったけれど、本の内容自体は、雑多な話題を取り上げる対談なのでまとまりは無い。
読んでいて気が付いたのは、養老さんはタバコの話