【感想・ネタバレ】こどもを野に放て! AI時代に活きる知性の育て方のレビュー

あらすじ

学びにも、ビジネスにも、今必要なのは、身体性に裏打ちされた、たしかな「自然観」!

都市化が急速に進み、子どものリアルな自然経験の少なさによる弊害が指摘されている。人は実際に体験し、そこから得られる知覚を通して抽象的な概念を学び、ゆっくりと知性を育むにもかかわらず、それがないがしろにされている。

本書は、現在急成長中のベンチャー企業・YAMAPの創業者で読書家としても知られる春山慶彦が、養老孟司、中村桂子、池澤夏樹の各氏と、自然体験を通してAI時代に活きる知性の育み方を語り合う。


「現代社会は、感覚から入るものを軽視しがちで、勉強すれば何でも頭に入ると思っています。でも実は、それ以前に身体で感じることが非常に重要なのです」――養老孟司

「合理的に効率よくやろうとしていたら、生きものはとうの昔に消えていたと思います。それから、一つの価値基準で競争させて、いいものだけを残そうとしていたら、やはり消えていたでしょう。矛盾を組み込んで、『何でもあり』でやってきたからこそ、生きものは続いてきた」――中村桂子

「何かうまくいったとき、『俺の腕がいいからだ』と思うのではなく、それはある意味、運であって、運である以上は何かに感謝しなきゃいけない。その何かは必ずしも神様でないかもしれないけれど、たぶんそういう謙虚な姿勢そのものに意味があるのでしょう」――池澤夏樹

「知覚とは、自分を取り巻く世界をどう感じるか。知覚、つまり感覚、感性、五感で世界を捉えること、既存の思考と統合しながら解釈すること。そこに知性の核心がある」――春山慶彦


<目次>
1.養老孟司との対話 自然の中で身体を動かすだけで無意識に学んでいる
2.中村桂子との対話「へんてこ」「無駄」「弱さ」があるから生きていける
3.池澤夏樹との対話 自然に学ぶ「インチキせずに生きる力」

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Posted by ブクログ

最近山が楽しすぎるのとyamapに超お世話になってるのがあり春山さんはどんな考えを持った方なんだろうと気になっていた本です

あと世の中がもっと“生きやすく”なればいいなと思うことがあり、でも“生きやすい”ってなんだろう?とも思っていて、個人的にそれをテーマに読み進めました

生きやすくなるためにはこうするとよさそう

①自分もまた自然であり生き物であることを知る
自然経験を通じ、自分もまた自然であり生き物であるので、存在としてここにいていいこと、に気付く

②自分の命の尊さに気づく
山に行けば、転ばないように歩いたり、お腹が空いて何かを食べたいと思ったり、気付かないうちに生きることに集中していて、自分の命を大切にしている自分がいることに気づくことができる

③自分を社会の物差しで測らない
社会の物差しとは新自由主義が生み出した競争の順位など
地球上に存在するすべての生き物はフラットであり、何かができなくても他によいところがあることに気づく
“自分が”大切だと思うことをする

④自分の命のときめきに素直に生きる
衝動に素直に生きる
素直でいれたら生きている意味や人生の奇跡性を実感することができる
衝動に素直に生きた経験は自分なりの仕事にもなっていく

これらに人が気付く助けになるような活動をしていけたらいいな

なんだかこの本を読む前に思っていた自分のやりたいことや目標は社会に競争させられてできたものでもあるなと思いました
さらに盲目に走り続けてきてしまったなとも思いました
今後の人生も今ときめいていることを実現するためにはこれからも競争に参加しなければいけない場面は多々あると思いますが
忘れずにいたい観点です
阿蘇山の草千里ヶ浜でどこまでも続く草原を駆けて自由だ!と感じた時、あれが命が外に開く感覚だったのかもしれない


AIとの付き合い方にも触れられていました
AIには検索すれば分かるような情報、知識を任せる
これからの人類の可能性は人にしかできないことである、遊び、コミュニケーション、余白にある




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2024年11月02日

Posted by ブクログ

 YAMAPの創設者、春山さんは、なかなか優秀な方だなあと思った。自然に触れ合うことの少ない現代生活において、山に登ることは、自然と向き合う良い機会となるそうだ。
 今、子育て中の親御さんに是非読んで欲しい一冊である。

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2024年10月28日

Posted by ブクログ

ゼット世代です
まだ読み終えてはいないのですが
自分がそろそろ子育て世代になるなと思い
自然とかけ離れている現代でどう子育てすれば良いのか少しでも参考にしたくて買いました。
子育てについてだけではなく、最近感じている世の中のおかしなこと(気候変動や自然を考慮せず、便利さや効率重視になり開拓してしまっている現状など)についても議論されており
痒いところに手が届くような、自分たちが感じていた違和感を言語化してくれている感じがして読んでいて納得の嵐です。
人生の参考書でもあります。

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2024年08月30日

Posted by ブクログ

養老孟司さん 自然の中で身体を動かすことで無意識に教育を受けている

中村桂子さん たとえ都会の真ん中でも、小さい子にとって、自然はいくらでもある

池澤夏樹さん 遊びや余白にこそ、私たち人類の可能性がある

三人の話はどれも、自然を特別なものとせずというより、人も自然の一部であることを感じることの大切さを教えてくれる

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2024年03月05日

Posted by ブクログ

人と自然との距離は、どんどん広がっています。
自分が生きる場所の風景、風土を大切にする。
それを意識して生きていきたいと思います。
私は星野道夫さんの写真や本が大好きで度々読んでいます。
この本でも紹介されている「遠くの自然、近くの自然」という星野道夫さんの言葉があります。
自分が都会で忙しく暮らしているこの瞬間にも、アラスカではクジラが海面からジャンプしているかもしれない、そうして自然を感じることで、少し気持ちが落ち着きます。
私は山が好きでよく行きますが、春山さんがこの本で仰っている「いのちが外に開かれる」「地続きでいる感覚」というのが、何となく理解できます。
自然に触れて、自分に見えている景色ではない自然を想うことで、少し人生が豊かになる感じがします。
そして、今の仕事においても、この本で書かれている「景色を美しくしているか」を忘れずにいたいと思いました。

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

こういう自然の中での体験を多くの子どもにしてほしい。自然の中で身につく能力が社会の中での適応能力になるんだろなと思う。
今からでも遅くない。私ももっと自然の中に出ようと思う。

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2024年11月01日

Posted by ブクログ

▼メモ(抜粋)
・P27:教養とは人の心がわかること。ただ人の心を一から十までわかろうとすると大変なことになります。わからない方があたりまえだと思う方が、人付き合いは楽ですよ。

・P102:哲学とは日常をきちんと考えることだ。

・P178:現代における最良の知恵は、「つくる」や「足す」ことよりも、「手放す」や「足るを知る」の方にこそあるのではないかと思います。

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2024年08月26日

Posted by ブクログ

(2024/08/19 2h)

わたしは大きな自然が嫌いです。
町中にある小さな自然が好きです。

尊敬できる大人が楽しんでやることに、子どもはついていく。そういう単純なことだと思います。

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2024年08月19日

Posted by ブクログ

養老孟司さん、中村桂子さんはたくさん語られていて、面白かった。養老孟司さんの恩師の言葉らしいけど、「教養とは人の心がわかること」というのは至言。中村桂子さんの生物絵巻の意図が詳しく知れて良かった。意外にスピリチュアルというか、感覚的な言葉が多かったけど。
池澤夏樹さんとの対談が、星野道夫さんの話と春山さんの語りが多く、池澤夏樹さん自身の言葉が少な目だったのがちょっと残念。意外に無口な方なのかな?

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2024年07月31日

Posted by ブクログ

とりあえずYAMAPをインストールした。
妊娠中に読むと将来どんな教育の場を作るか、提供するか考えちゃうな

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2024年07月25日

Posted by ブクログ

贈呈された本で課題として読みはじめたが、対談形式で読みやすく話も面白かった。

が、表題が適当かというと微妙なところ。

養老氏との対談こそ幼少期の自然とのかかわりと大切さを主眼において話されてるが、他2人に関してはどちらかというと自然と人間というテーマになっていてこどもは関係ない。

あ、これネタバレになっちゃうかな。

ただまぁ自分ではこの話題を手に取って購入はしないだろうから知見を広めるという意味では大変有り難かった。

本文に出てくる引用図書も何冊か気になったのでいつか読んでみようかな。

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2024年06月04日

Posted by ブクログ

表題が「子どもを…」なので、もっと子育て、子どもの成長環境に視点があると思ってしまった。
対談者の子供時代の話はあるものの、現在に当てはめられる具体的な指標はこの表題に集約されています。
編著者である春山慶彦さんが、文中で「自分の生業として美しい風景・風土をつくり、人間だけでなく多くの生き物が住みやすい環境を次の世代に引き継いでいきたい」と、語っている事、ココを共有したい。

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2024年05月05日

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