養老孟司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
養老先生と久石譲のおしゃべり。
言うなれば賢者の雑談系の本。
音楽の話というより、単なるおしゃべり。
賢者の雑談は、読んでいて楽しい。
養老先生は賢い先生だけど、賢くロジックで話を作らないで、あえて感覚的なところで、言ってしまえば賢いおじいさんの推論じゃないけれど。人生、理屈じゃないんだよ、っていうんだろうか。
正しいかどうかは別として、話を読んでいて何となく腑に落ちて、そうか、そういうことで良かったんだね、と納得感というか安心感のようなものがある。
もちろん、賢い先生だから、その気になれば賢く論理的に書くこともできるんだろうが。
まあ、楽しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレさすが養老先生の本。面白い。
久石さんとの対談で、聴覚と視覚、音楽などの切り口で話が展開されていてよい
メモ
•視覚にないものは時間、聴覚にないものは空間
•虫は想定外のことに対応できない。プログラムされている。人間は進化を待たなくても脳により環境適応できる
•言葉で表現しようとすると落ちていく、比べようがないものを哲学ではクオリアという
•言葉で表現できないものを表現するために芸術がある
•耳は半規管と繋がっており、人間の中では比較的古い感覚機であるからこそ、聴覚は情動につながりやすい
•そういうものだと思う は典型的な日本の考え方
•プラグマティズム 何が真理かを理論や理念でなく、実際の -
Posted by ブクログ
# わかる・わからないの狭間で、人間に戻る
## 面白かったところ
* 「人間」はという漢字は人と人の間に世間がある。というような明文化されていない哲学チックな話が散りばめられていて面白かった
* 「わかる」と「わからない」の世界を紐解き、自然と人口、人と物のような対比で考え方を組み替える展開はよかった
## 微妙だったところ
* 環境破壊の話など、無理やり付け加えた感がある話があり残念だった
## 感想
人間が記号になり、眼の前に人間がいるのに記号が求められるワークフローが多くなった。
機会の判断のほうが正確になっていっていることは、自分たち人間の感性・感覚が衰えていることを補う -
Posted by ブクログ
私たちの社会生活の中の実例を取り上げ、一元的で一つのことのみに寄って立っている状態やそれによる思考停止に対して警鐘を鳴らす本。
「自分はわかっている」と無意識に思い込んでいる人を「バカ」とし、外の世界や他者と話し合い分かり合おうとしない状況を「壁」がある状態と捉えている。
やや周りくどい言い方や様々な事象の説明を経由して主張を導いているためやや分かりにくい部分もあるが、それすらもこの本の主題に重なる気がする。
常識、身体、情報、共同体、無意識、脳、宗教、犯罪、教育などの機能や仕組みを細かく検討・分析して私見を述べている。
恐らく言いたいことがありすぎてとっ散らかった内容になっているとも感 -
Posted by ブクログ
自分たちが物を知らない、ということを疑う人がどんどんいなくなってしまった。
知ろうと思えば知ることができるのだと思ってしまっている。
脳の中の入出力
y=ax
aが0だと何も生まれない。0よりはマイナスの方が良い
人間の脳はできるだけ多くの人に共通の了解事項を広げていく方向性をもって進歩を続けてきた。
共通了解が多くの人と分かり合えるための手段。
今は求められる個性を発揮しろという矛盾した要求
個性は脳でなく身体に宿っている?!
知るというのは、自分がガラッと変わること
絶えず過去の自分というのは消されて、新しい物が生まれている
無意識を軽んじている。
悩むことを悪いことと考える