養老孟司のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
原発事業、植林の山崩れも戦後のつけ。戦後は続いている。
「家がプライベートな空間だと思ったときから、いろいろな間違いが始まったのではないかと僕は思っています。プライベートという思いがさらに進むと『私有』になる。自分の一生の財産であり、人生の目標だと思い込むと、ペンキのヒビ一本も許さなくなるでしょう。そうして、ヒビの入らないビニールクロス張りのマンションができあがり、サブプライム・ローンの破綻に行き着く。」
「人工圧力設計」とエネルギー問題。
「自分が快適に思える街ではなく、サラリーマンとしての自分の地位が保たれる街が、日本全国どこにでもできてしまっている。」
「だましだましをやるには現場が必要」
「サラリーマンは別名、現場のない人です。現場のない人のメンタリティで、震災復興プロジェクトもやられてしまう、というのは、危険なことです。」
「参勤交代」
「サラリーマンがみんなサバティカル(長期休暇)を持てばいいんです。」
「人は寒いから暖かくして、暑いから冷やすんだと考えるわけ。これは機能論と言われますが、でも、本当はそうじゃないんです。ひとが冷暖房を使う理由をよくよく詰めて考えると、気温一定という秩序を意識が要求しているからなんですよ。」
「国の診療制度だと今は出来高払いになっているから、あきらめた方がいい医者でも仕事を続けるし、あきらめた方がいい対象でも医療行為が続いてしまう。・・死ぬまで我慢の一生。」
「『だましだまし』という方法論が排除されているんですよね。」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ・現在は「ああすればこうなる」と思いすぎている社会。ああしてもこうならないのが自然。ああすればこうなるのは人間が作った「都市」だけ。日本はすべてが「都市」化されている。
・子供=自然だから、ああしてもこうならない。それがまちがいである、悪であるとされる社会だから子供が生きにくい。育ちにくい。そうしているのは大人、都市である。
・本当に個性が宿っているのは身体である。思想、心なんていうのはそんなにオリジナリティなんてないものである。だからこそ、他人に共感できる。身体=自然だけれど、心=人工なのである。
そんなことがまるで都々逸のような、老人の繰り言のような調子で書かれています。
少し前、オウム事件の頃に出版された本ですが、震災の少し前に読み終わっていて、いろいろ考えさせられました。
まさに今、読む意義のある本だと思います。 -
Posted by ブクログ
養老孟司氏と元国土交通省竹村河川局長との対談形式の本である。
幼年期を少国民と過ごされた方らしいコメントがほんの少し目に入るが、
意図的に読み飛ばす。情報は多く入手し吟味する。
以下に備忘録を掲載。
<石油>
・アメリカの自由経済は原油価格を一定にするに限りの自由:無限にオイルを供給することが条件
・1965年に油田の発見がピークであり、ゆえに石油の供給ピークは現在。
・アメリカは第二次世界大戦頃まではダントツで石油産出国だったが60年代から輸入国になる。
・肺がんを引き起こすのは煙草ではなく、車等の公害が主因。
・排出権は炭酸ガス規制上で成立する商売
・アメリカのエネルギー問題は解決が難しい。
<森林>
・日本列島全体でみると、明治大正期より今の方が森林が豊か(図8.9)。
・江戸時代までは薪がエネルギーであり、森林資源の枯渇と人口が調整されていた。
・古代文明のあったところは、森林資源が使い古されたため全部荒地。
(ギリシャはオリーブが生えているだけ、黄河は泥だらけ)
<エネルギー全般>
・温暖化によってよりよい環境で生活するために日本の首都も九州から関西、東京に移ってきた。
・今後は都市機能が東北や北海道になる可能性もありあえる。
・公共の意味を再検討:僻地にも水道・ガス・道路がありコストがかかる。
離島には港の整備も含めて、1人当たり数千万円かけているのではないか。
<温暖化>
・温暖化に日本がアダプトすれば北海道が一番良いコメがとれる。
・温暖化に日本がアダプトすれば、ロシア・カナダが有利。
・100年後は関東は沖縄並の亜熱帯気候に。
・温暖化→雪が降らなくなる→水不足→ダムの貯水率を上げるために、今より10mかさ上げ。
<人口>
・この150年は人口バブル。100年後は7千万人。
・文明国では人口が減ると人間が劣化:労働者が減る→使い道のある人が減る→社会が劣化
・優秀というより、野心的な人がこれからは必要。
・偉い人は働かない。ギリシャ文明の奴隷制、インド、中国など。
・これまで科学を支えてきたのは、ヨーロッパの難民、次に日本人、今は中国人。
<食料>
・食料自給率(カロリーベース)40%程度は八百長。
ぜいたく品はカロリーが高く外国に依存している。
アフリカのある国ではカロリーベースではそれが100%となる。
・食料自給額(生産額ベースでの計算)では、70%以上ある。
<その他>
・何かを成し遂げようと思ったら、敵を作らないこと。味方は少なくてもよい。
敵がいると、その対応でエネルギーを消耗し、前向きなことができない。
・官僚は、所属組織へのロイヤリティではなく、
国民への奉仕のロイヤリティを持たなくてはいけない。