あらすじ
人はふとした時に“物事の本質”を考えることがある。この国、この社会、この時代……考えはめぐりめぐるもの。本書で刺激的な対論を展開しているこの二人も、同じように“物事の本質”を追究しているが、一味違う。われわれが日ごろ“当たり前”だとか“常識”だと思うことを、次々と突き崩していくのだ!例えば、甲野氏は「法律や規制よりも『自分の美意識』が大切だ」と語る。個人の「美意識」をもっとも尊重しなければならないものと位置付ける。それに対して養老氏は「『安全第一』と考えることがこの国のマザコン体質です」と語る。両者ともに、『安全』が行動原則となっている現代日本に疑問を投げかけているのだ。本書はそれぞれ“身体のしくみ”の専門家と“身体の動き”の専門家が、それぞれの視点で歴史、医療、教育、ことば、格闘技など多彩なテーマで語り合う。解剖学者の“メス”と古武術家の“刀”が火花を散らせる異種格闘対論である。
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Posted by ブクログ
・視点の同時並行処理と支点の複数あること(支点を消すこと)の自由
・丹田に支点を置くと全身がうまく強調的に動いてくれる
・その人がその人であり続けるのは美意識
・都市化してくると起こる出来事が人間のせい意外考えられなくなってくる
・日本語の特殊性(意味の二重性)。日本人として暮らす方が芸がいる
・効率のいい動きは安易な動きを一度解体して再構築すること
・研究法、稽古方は何を不自由にして、何をやりやすくするかという設計
Posted by ブクログ
甲野氏、養老氏が武道、解剖学を中心として語られる日本人論。西洋的な考え方や新しい技術を取り入れ日本人は、頭を変えてきたつもりではあるが、厳然として身体は残っている。過去の日本人が頭と身体を一緒にして考えていたことも参考にしながら、自ら考えるようにスべきだという本。「古武術の発見」の続編。
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「自分の頭と身体で考える」4
著者 養老孟司、甲野善紀
出版 PHP文庫
p212より引用
“変わるっていう現象はそれが良いか悪いかというのは、
その人個人の主観でしょう。”
解剖学者と武術家である二人の対談集をまとめた一冊。
1999年に同社から刊行された物の文庫版。
独自の視点を持って世の中を観察し、
分析・解説しながらの対談。
時に辛辣に時に穏やかなふりをして、
世の中の自称に対して意見しておられます。
上記の引用は、
何かを体験した事によって起こる変化に対する、
甲野氏の考えの一文。
今まで面白かった物が面白く無くなってしまうというのは、
私にも思い当たる節があります。
今面白いと思っている事はそのままに、
良い変化を自分に起こして行ければ、
幸せに生きていけるような気がします。
そんな風に上手く変化できるか、
出来た所で周りの人が歓迎してくれるか分かりませんが。
変わった視点で世の中を見たい方に。
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Posted by ブクログ
贅肉を削ぎ落した展開とスピード感ある対談だった。オイラにとっては、難しい上に早くてついていけない感じ。対談ってもっと無駄な話とか横道にそれたりするものだと思うんだけど、オイラでも理解できる与太話はあまりない。
それでもいくつかは「なるほど」って思えることがあったので勉強にはなった。こういうのがすぐに理解できる頭に憧れてしまう。でも、養老先生も甲野先生も立派な話をしながらヤンチャな部分も垣間見れた気がする。そういうギャップは好きだな。
養老先生の、身体の衰えに従ってやる気がなくなってきたという話はわかっているけどちょっと寂しいかったな。オイラの友達もそんな風になってきたし。オイラは身体の故障を抱えても悪あがきをしようと思う。