養老孟司のレビュー一覧
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p116『なにかを一生懸命に、素人が子どものために、ひたすらやってくれたんです。つまりそれです。無償の行為とは。見ているのは、おそらく神様だけです。それも、見ているかどうか、神様はめったにでてきませんから、わかりませんな。』
p124『常識は実は意識されずに変わります。だから老人は気がつかないで時代遅れになるし、若者は無意識に変わっているから、その説明が十分には出来ません。それが世代のズレです。』『知るということは、本質としての自分も代わるということです。それを大げさに表現するなら、自分が別人になる。若い世代には、その感覚が全く消えたということでしょう。自分という確固とした実在があって、それに知識が積み重なっていく。それはコンピュータの中にデータが蓄積されるのに等しい。』
p138君子は豹変す――新しい自分が生まれる『君子は豹変するんです。ままで気づかなかったことを学べば、ガラッと考えが変わる。それでいいのです。』『学問をするということは、いわば目からウロコが落ちることです。自分がガラッと変わると、どうなるか。それまでの自分は、いったい何を考えていたんだと思うようになる。前の自分がいなくなる、たとえていえば「死ぬ」わけです。』
p142『ホスピスで上手に死ねる人とは、どういう人か、というのです。そのときそのときを楽しんで、懸命に生きている人だというのです。』
p145『心に個性があったら、どうなるか、まじめに考えてみたことがありますか。 心とはなにかといえば、共通性そのものです。なぜなら私とあなたで、日本語が共通しています。共通しているから、こうやって話して、あなたがそれを理解します。』
p149『でも自分が考えている理由と、真の理由が違っていることは、人間にはいくらでもあります。』 -
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全体的に満足ですけど、特に舌、口、喉あたりの章がすっごい面白かった!鏡を片手に読みましたよ。自分の物を食べながら読んだときもあって、そのときは舌の動きを意識しながら食べましたよ。養老さんがやってみろ、と言うことはやってみましたよ。私も人間の体はよくできてるな〜とか思っていたタチなんで、気道と食道について指摘されたときはショックを・・。でも、だからこそ喋れるのであって・・・よくできている、とは思わなくなったけれど、やっぱり人間の体は面白い。それに養老さんも面白い。彼のアフォリズムに口がニヤニヤしてしまった。「口惜しかったら、ツバを飲みながら息をしてごらんなさい。君がブタならそれは可能だが、君がヒトなら不可能である。」とか、マジ笑った。わからないものはわからない、とハッキリと言ってくれるのも好き。調べたくとも時間がない、とまで言っちゃっている。もちろん専門用語などは読んでるときは覚えようと思っても、数日後には忘れてしまう。解剖学を学ぶ学生すら、一度や二度では覚えられない。それでも、生きていくうえで、最大のパートナーである自分の体をちゃんと見つめてみようと思える。それに、人間を解剖しようとした理由が「言葉」に対する執着からだというのにはビックリした。もう、本当に学んだことが多かった一冊でした。
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社会の変化の表層を追いかけている。いつでも足元がグラグラと不安定だ。
養老先生は現代社会のさまざまな課題を概念ではなく具体的なモノやデータに即して考えれば本質が見えてくると言う。ダム行政に手腕を発揮してきた国土交通省河川局長との対談や農業経済学者との鼎談で見えてくる事象に、そうだったのか!!と胸に手を当ててしまった。
あの昭和天皇は「先の日米戦争は油(石油)で始まり油で終わった」とか「雑草という草はない」など自然科学者として健全な精神を持っていたとの部分も記憶に残る。
日本の環境や食料、エネルギーについてきちんとした視点を持つことを学んだ。 -
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ネタバレ養老先生の知人が、同じ部屋で働いているのにメールで報告してくる若者に不満を持つ話題で、養老先生と伊集院光さんのやりとりが興味深かった。
養老先生『つまり「われわれ人間は何か」というと、もはやノイズなんですよ。不潔で猥雑で意味不明だから、そういう存在はないほうがいい。だから最近は結婚もしないのかもしれませんね。なにしろ現物はノイズの塊なんだから。』
伊集院さん『 情報部分以外は、関わりたくないということですね。』
私は若者ではないが、メールで済ませられるならメールで報告したい。なぜ電話よりメールの方がいいと思うのか、ようやく理解できた。