養老孟司のレビュー一覧
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とても読みやすく、内容的にも共感できる話が多くするっと入ってきた。
現代社会は自然と切り離されており、そこに歪みが生じたり違和感を感じる人はやはり一定数いるんだなと。資本主義の競争社会を走り続け、KPIがどうとか成長だ自己啓発だ、そんなことだけを真面目に取り組み続けるのはやっぱり違くて、自分の力だけではどうにもならない自然の中に身を置いて感性に従いたいなと思った。
まずは衣食住を見直す(自分が着たいもの、食べたいものを人任せにせず作ったり)ことは今すぐにでもできる。その上で、数日でもいいから自然に入ってみたい。
2026年最初の読書だったので、今年の目標にしてみようと思った。 -
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養老先生と久石譲のおしゃべり。
言うなれば賢者の雑談系の本。
音楽の話というより、単なるおしゃべり。
賢者の雑談は、読んでいて楽しい。
養老先生は賢い先生だけど、賢くロジックで話を作らないで、あえて感覚的なところで、言ってしまえば賢いおじいさんの推論じゃないけれど。人生、理屈じゃないんだよ、っていうんだろうか。
正しいかどうかは別として、話を読んでいて何となく腑に落ちて、そうか、そういうことで良かったんだね、と納得感というか安心感のようなものがある。
もちろん、賢い先生だから、その気になれば賢く論理的に書くこともできるんだろうが。
まあ、楽しい。 -
Posted by ブクログ
ネタバレさすが養老先生の本。面白い。
久石さんとの対談で、聴覚と視覚、音楽などの切り口で話が展開されていてよい
メモ
•視覚にないものは時間、聴覚にないものは空間
•虫は想定外のことに対応できない。プログラムされている。人間は進化を待たなくても脳により環境適応できる
•言葉で表現しようとすると落ちていく、比べようがないものを哲学ではクオリアという
•言葉で表現できないものを表現するために芸術がある
•耳は半規管と繋がっており、人間の中では比較的古い感覚機であるからこそ、聴覚は情動につながりやすい
•そういうものだと思う は典型的な日本の考え方
•プラグマティズム 何が真理かを理論や理念でなく、実際の -
Posted by ブクログ
# わかる・わからないの狭間で、人間に戻る
## 面白かったところ
* 「人間」はという漢字は人と人の間に世間がある。というような明文化されていない哲学チックな話が散りばめられていて面白かった
* 「わかる」と「わからない」の世界を紐解き、自然と人口、人と物のような対比で考え方を組み替える展開はよかった
## 微妙だったところ
* 環境破壊の話など、無理やり付け加えた感がある話があり残念だった
## 感想
人間が記号になり、眼の前に人間がいるのに記号が求められるワークフローが多くなった。
機会の判断のほうが正確になっていっていることは、自分たち人間の感性・感覚が衰えていることを補う -
Posted by ブクログ
私たちの社会生活の中の実例を取り上げ、一元的で一つのことのみに寄って立っている状態やそれによる思考停止に対して警鐘を鳴らす本。
「自分はわかっている」と無意識に思い込んでいる人を「バカ」とし、外の世界や他者と話し合い分かり合おうとしない状況を「壁」がある状態と捉えている。
やや周りくどい言い方や様々な事象の説明を経由して主張を導いているためやや分かりにくい部分もあるが、それすらもこの本の主題に重なる気がする。
常識、身体、情報、共同体、無意識、脳、宗教、犯罪、教育などの機能や仕組みを細かく検討・分析して私見を述べている。
恐らく言いたいことがありすぎてとっ散らかった内容になっているとも感 -
Posted by ブクログ
自分たちが物を知らない、ということを疑う人がどんどんいなくなってしまった。
知ろうと思えば知ることができるのだと思ってしまっている。
脳の中の入出力
y=ax
aが0だと何も生まれない。0よりはマイナスの方が良い
人間の脳はできるだけ多くの人に共通の了解事項を広げていく方向性をもって進歩を続けてきた。
共通了解が多くの人と分かり合えるための手段。
今は求められる個性を発揮しろという矛盾した要求
個性は脳でなく身体に宿っている?!
知るというのは、自分がガラッと変わること
絶えず過去の自分というのは消されて、新しい物が生まれている
無意識を軽んじている。
悩むことを悪いことと考える -
Posted by ブクログ
「壁」シリーズはこの「人生の壁」が初めて。
私にはとても読みやすく、共感する部分も多かったので、他の「壁」シリーズも読みたいと思った。
全体を通して感じたのは、何でもかんでも意義を見出そうとする世の中、個人になりすぎているのかなと。
世の中が情報も多くルールもどんどん複雑になっていくに連れ、人間の頭も考え過ぎな傾向なのかもしれない。仕事の意義、生きる意味、自分なりの答えや目標を見出してそこに向かっていくことも大事かもしれないが、流れに身を任せてその場その場でベストを尽くす…というスタンスも必要だなと。
白黒どちらか正解を付けたがるのではなく、そうかもしれないし、そうじゃないかもしれない、といろ -
Posted by ブクログ
「言葉はタダで元手はいらない。その程度のもの。」
・言葉をどこまで信じるか。言葉の内容ではなく言葉そのものの重みについて。人が言葉を信用しているかは、振り込め詐欺の流行を見ればわかる。口でいうのはタダで元手がいらない。元手がいらない商品は実態がないので、普通は信用出来ない。
・河合隼雄の"私はウソしかいいません"という口癖。典型的な自己言及の矛盾。「ウソしかいわない」のが本当なら、本当のことを言ってるのでこの叙述はそもそも成立しない。言葉なんてその程度のものということ。
・昔は本を読むなという教育を受けた。本を読むと考えなくなるという。古くはソクラテスもそういったらしい。現