養老孟司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ヒトの壁
著:養老 孟司
紙版
新潮新書 933
帯に、「他人の顔色をうかがい過ぎていないか」とあり
また、「人がヒトであるという実感から問い直す」ともある
まあ、素直ではなく、一言多い、皮肉屋としてのことばであろうと、読んでいきました
80のじじいだから、放言しても影響はないのだが、そうでなければ、そうとうの物議を醸しだすことは明白であろう
気になったのは、以下です
「世のため人のため」:教育勅語の「一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ」をいつの間に覚え、いまだに忘れていない
「良いことは、人に知られないようになりなさい」、つまり悪いことと同じだなぁ
不要不急は、実は若い頃からのなやみだ -
Posted by ブクログ
96歳の年寄りの介護をしている者として、何時も死について考えているけれども、先生の本を読んで考え方やっぱりこれでいいんだな、と感じた。
なるようにしかならないし、考えたって仕方ない。
常に死について考えている母を看ていると、可哀想になるけれどこればっかりは、優しくはできない。変に優しくしていると寄りかかって来てこちらの精神が巻き込まれてしまうから。何事も客観的に前向きに捉えることだ。
今、生きることも、死んでいくことも、経過にしかない。
客観的に観ながらの介護、死に対する考えを母に教えてもらって毎日である。
それもそんなには続かないんだからな。 -
Posted by ブクログ
科学も知性も、また、考えることや文字を読むことも含めて、「要約して、前進する」ということが、生物が培ってきた遺伝子の成長にも似て、私たちの住む世界の大切なことを教えてくれたように思えました。
私はどちらかというと、リベラルというよりは、伝統保守の気持ちを含む者です。総じて歴史とはまさに、前述の大切なことそのものだと思えたのです。先人たちが残してきたものを、要約して、自分たちなりに理解し、少しだけ前進する。時代を壊さず、かといって停滞もせず、そのときに生きる人々の価値観や心のゆとりに寄り添って、ゆっくりと、けれど確実に少しずつ進んでいくこと———それこそ、歴史や伝統が胸を打つ面白さだと、そう信じ -
Posted by ブクログ
「自分」の壁
著:養老 孟司
紙版
新潮新書 576
最初の主題はいわゆる「自分」という問題です。
残りはなんとなくそれにも絡んだ、さまざま話題です
気になったのは、以下です
・戦後、日本人は、「自分」を重要視する傾向が強くなりました
これは欧米からの影響によることころが大きいでしょう
その結果、個々人の「個性」「独創性」が大切だとさんざん言われるようになったのです
教育現場ではもちろんのこと、職場などでも「個性の発揮」を求める風潮が強くあります
・そんなものがどれだけ大切なのかは疑わしい。これまでにもそのことを繰り返し書いて、話してきました。
・個性は放っておいても誰にでもあ -
Posted by ブクログ
【目次】
まえがき
人生
人は何のために生きるのか/生きているという話/死なないつもり/発見の眼 自分の発見/人生論/生きるとはどういうことか
環境
いのちの大切さ/水と虫/里地里山を想う/田舎暮らしの勧め/半農のすすめ/島の自然
思考
時空と納得/隣の芝生/科学とはなにか/自我と死/理想と現実/自然と人工/型と慣例/複雑ということ/四苦八苦/わかるとは、どういうことか/色即是空
脳・意識
情報と人間/儀式と情報/情報と誤解/意識の世界/論理と無意識/モノと情報/繰り返し/笑いの共通性
世間
東男と京女/江戸の政治/世界は一つでいいか/言葉とウソ/過去を問う/人を見る/典 -
Posted by ブクログ
博識なお二人の対談。読み応えがあった。
割にさらっと読める感覚もある。
と言いながらじっくり用語を調べながら読んだが。。
目標をたてるというよりながされるように生きる。
それも素敵だし自然に近いと確かに思う。
ただ、楽に生きたいと思うが故に数学に逃げ、機械に逃げ、システムエンジニアになった自分からしたら耳が少し痛い…
なにを楽と捉えるか次第でもあるが。
家族至上主義なイタリアと、社会性、同調性などの方が重視される日本。考えてみたらそれらはかなり差があって、遺伝子的に組み込まれてるのかなとも感じる。
他にもなるほど、と感じるエピソードが多かった。 -
Posted by ブクログ
養老孟司先生すごくまともな人だと尊敬します
言語化するのが難しい
なんかモヤモヤしているような事は
自然からどんどん離れて都市化しているこ事なんだろうなと読んでいて思うと、いろいろつじつまがあってくるので、ほんとにそうなんだと思いました
子どもは自然で、それを自然からどんどん遠のかせる事が大人になるということ
それはなんかいやだなぁ
自然に回帰したくなる気持ちは誰しも持っていると思うんだけど
社会が許さないというか営利目的(経済)で回っている世の中で抗うこともできずにいる自分にももどかしい
昭和30年代?1930年代?どっちだ?忘れたけど
その頃までは子どもの権利をしっかり守っていたと -
Posted by ブクログ
説明して分かってもらいたい藻谷浩介と、聞かれれば自分の考えを話すことはできるけど自分からはあまり能動的に発信しない養老孟司の対談本。2038年の南海トラフ巨大地震の話、循環再生で自足する話、教育の話。どれも単独で完結する話ではなくて、互いに関連している。その根っこには日本人の特性みたいなものがあって、理論と実践、中枢と現場の間にはいつまで経ってもチグハグさが残っている。日本は一度ご破産にしないと変われない国だから、南海トラフ地震に来てもらって、ご破産にするしかない、という養老孟司がたどり着いた説は少し逆説的だけど、きっとそうなのだろう。自分で対応するしかないと考えよ、ということなんだろうな。と
-
Posted by ブクログ
【養老孟司先生の、推理小説&ファンタジー論、とその他】
本とは、特にフィクションとは何か、読書するとは何か、そういったことを深く考えさせられるエッセイ集。
養老先生が、2000年ごろから2004年ごろに定期的に書かれていたものを収録してある。
一見どこに行きつくか分からないような話が、ちゃんと着地するところがすごいと思う。これは、一つ一つのエッセイも出し、このエッセイ集としても、どんどん考えが深まって、バラバラのエッセイの投稿も、なんだか一貫性をもって来るような、そんな感じ。
読み手によって、印象深い話はそれぞれと思うけれど、個人的にはファンタジーに対する考え方が面白かった。