養老孟司のレビュー一覧
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昔、ヒトは洞窟に住んだり、森で獣を捕まえたり、自然の中で生きていたが、文明が進むにつれ、建築物や道路、街路樹に囲まれた社会を作っていった。この社会は脳の大脳皮質が生み出した幻想。都会に住んでると、周囲のあらゆるモノゴトは単なる記号や情報にしか見えなくなってくる。自然から切り離されたデジタル世界に生きてる錯覚になる。でも、ネットとかで生々しい死体の写真や「九相詩絵巻」を見ると、「あぁ、ヒトも自然の一部なんだ」「あらゆる意識を生み出すのは脳という身体の器官なんだ」と気づいて背筋がゾッとする。心地よい幻想から目が覚めて、生々しい自然の中にいることに愕然とする。隠されるものは、一皮剥いだ死体、すなわち
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じじい特有の色々もうわかりあおうとするのは面倒だ、という態度が、うっせーじゃあ書くなよ本なんか、と思ってイライラする。そういう不徹底がだらしない。わかりあうのが面倒ならコミュニケーションやめればいい。
要するにただ歳とって色々面倒になっただけで、でも書きたいことや言いたいことはある。
それはそれでいいんだから、それで認めて普通に書けばいい。余計なことを言うから、いけない。余計なことを我慢するのが面倒なくらいじじいになってるんだろう。
それが老いかね。まぁ、遺言と自ら言ってるのだからそんなとこ追求しなくても?って思うかもしれないけど、そこの態度は醜悪だ。
1つ前が方丈記だったからかもしれない。方 -
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すごく面白かったし、わかりやすかった。
識字障害(ディスクレシア)
文字を音声に変換する部分に問題がある。
英語は綴りと発音の関係が複雑なので、それが識字障害が多い原因と言われている
文系は物事を言葉で割り切るからデジタル、理系は論理で解明しようとするからアナログ
哲学的な議論はどこまで突き詰めていっても、普遍的な法則は導き出せないのでは。
→脳は人によって違うわけだから、ある人の考えはその人の脳でなければ納得できないのかもしれない
人と人との会話は9割9分「どう思いますか?」で成り立っている
世の中の人が「どう思いますか?」と尋ねるのは、疑問をぶつけて相手から答えを聞き出したい -
Posted by ブクログ
これを読んだのは、だいぶ若いときだった。だから、がんについてあまり考えたことがなかったし、非常につらい病気だと思っていた。でも、本書を読んで、考え方が変わった。
まず、日本にはモルヒネに対する強い偏見がある。モルヒネは血液中に入ると危険だが、口から飲む分には安全である。これでがんの苦しみのほとんどは軽減されるという。
また、がんは死ぬまでに時間がかかる病気である。だから、人生の整理ができる。がんで亡くなった樹木希林さんもこう語っている。
「ガンになって死ぬのが一番幸せだと思います。畳の上で死ねるし、用意ができます。片付けしてその準備ができるのは最高だと思っています。」
つまり、これからの課題は -
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遠い国の物語やことばを読んでゐて、その隔たりを感じることがあつた。あるひは、遠い国であつても同じ様な精神の人間に出会つた時、もつと身近に知つてゐたのなら、話してみたいことがたくさんあつた、そんな風に感じることもあつた。それは時に限らず、時間も同じで。遠い忘れてしまふくらい昔のひとに感じる隔たりと、引き合ふ寄り添ふ力。
どこかで感じてゐただけで、このやうに考へ、ひとつの形にしないできてしまつた。考へ続け、それを何ものかで表現し続けるといふことに耳を塞ぎ、またもや与へられるだけで流され続けてきてしまつた。知りたくて知りたくてたまらない。もつとことばがほしい。
養老先生はいつも考へ続け、生きてゐるひ -
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現代の世の中で起きている様々な問題に対し、一つの補助線として意識(脳化、都市化、情報化)への過度な偏重を提示。
・人間と動物の違い。人間は意識、動物は感覚を重視する。ここから人間は感覚から入力に対し、意味を見出すようになった。
→意味のないものを排除する傾向が強まった(自然の排除。都市化)
・意識によって「同じ」を理解できるようになった。お金や数式、相手の心の理解などを生み出した。他方、感覚は「違い」を重視する。
・意識には科学的な定義はなく、脳によって支配されている。なのに意識は「自分が偉い!」と思ってしまう。
・少しでも意識から離れ、感覚に近いものを求める向きもあり、それが音楽やアート -
購入済み
話を聞きたい
世の中が何かおかしくなっていると思うこの頃。格差社会はもはや経済面だけじゃない、現代日本の厳しい現実。自分と他人、人間の本質と自分の煩雑な生活について考えてみる。人生の大先輩の思考に触れる一冊。
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Posted by ブクログ
新しい本と思ったが、以前出ていたものの復刊らしい。
最初の方は、「死」のとらえ方など、
すでに読んだ感のある内容だったけど、
学生運動にまつわる話が出てきたあたりから、
いろいろ刺激を受けつつ読んだ。
「変わらないもの」「変わるもの」の言葉の意味合いが、
文章の中で入れ替わっていくのに注意しつつ読み進む。
変わっていくのは自分。時勢によって変わっていく社会。
その中で変わらないものを追求するのが学問。
学問は役に立つ、結果がすぐ出る、個人の業績に繋がる、
ようなものではない。
問題の根本を考え反省しないでいるから、
戦時中と同じことが学生紛争の中で亡霊のようによみがえる。
「原理主義」な頭の人