養老孟司のレビュー一覧

  • 虫とゴリラ
    動物としての人間、日本人を考えたときに、当たり前だけど現代社会はとても不自然で、その不自然が歪みを生んでいるのは、誰しも感じるところはあると思う。そして、そんなときに自然の中にいる動物や虫たちのような生き物、或いは田舎の生活などから学ぶことがたくさんあるのだなあ、と思わされる対談。学んだからといって...続きを読む
  • 遺言。(新潮新書)
    読書開始日:2021年11月27日
    読書終了日:2021年12月4日
    要約
    ①感覚所与を意味のあるものに限定し、世界を意味で満たす。それがヒトの世界、文明世界、都市社会。
    ②都市社会の弊害は全てに意味があることを強い、意味ないものを徹底的に排除する。それにより人間本来の死生観との乖離が起きている。人...続きを読む
  • 別冊NHK100分de名著 読書の学校 養老孟司 特別授業『坊っちゃん』
    めちゃくちゃ面白かった。
    『坊ちゃん』に限らず、読者の楽しみ方を学べるテキスト。でも全然テキスト感はなくめ、養老孟司先生のエッセイを読んでいる感じ。口語調だから、自分に話しかけてくれているような感覚になる。

    夏目漱石の魅力も存分に紹介されていて、漱石の本を読破したくなった。

    漱石にしろ、養老先生...続きを読む
  • バカの壁

    昔読めばよかった

    流行った当時、タイトルの意味も分からず、何の興味も覚えなかったが、今読んだら面白い。
    それな!という共感しかない。
    本当に頭の良い人は頭が柔らかいなと、そう思いました。
  • 養老先生、病院へ行く
    思わず随所でにやりと笑ってしまいました
    養老先生、育児⁉︎の講演会で、人の子育てなんか知ったこっちゃない!と言われてから、好きになりました
    「都市の中には意味のあるものしかない
    意味のない存在を許せなくなってしまう」
    この言葉が、心に響きました
    しかし、私は、今の医療に助けられたので、感謝しかありま...続きを読む
  • 養老先生、病院へ行く
    ・読みたい『ライフスパン追いなき世界』
    ・一般に5年たって再発がなければ治癒したとみなされる
    ・死というのは、自分の問題ではありません。よく死を自分の問題と錯覚している人が多いのですが、自分は死んでしまうのだから、問題になりようがありません。
    ・市区町村のがん検診は低額で受けられます。自治体によって...続きを読む
  • 歳を取るのも悪くない
    不安障害を持っていても言い訳せずに生きている。
    自分で考え、自分で責任をもって、自分で決めて、動いて生きる。それしかない。生きる意味を考える前に、仕事をして自分を合わせて成長していく。
  • 養老先生、病院へ行く
    もうちょっと舌鋒鋭く現代医療批判になるのかなと思っていたら、実に穏やかな現代医療批判だった。

    けっこういろいろな問題が指摘されていると思うけれど、個人的には中川先生が指摘されていた「日本人のヘルスリテラシーの低さ」という話題が一番気になった(気に入った)。

    高度化する現代医療に対して、リテラシー...続きを読む
  • 世間とズレちゃうのはしょうがない
    世間からはみ出してもいいという2人の主張には救われた気がした。世の中の人たちは絶妙なバランスで生きているんだなと思う。
    多様性が重要だという話で、方言も大事というのは心に刺さった。全員が標準語になれば豊かさが消えるという例は面白かったし、AIの世界がまさにそれになろうとしているという話は少し怖くもあ...続きを読む
  • 世間とズレちゃうのはしょうがない
    世間を囲う見えない境界線の内側になんとか留まる伊集院さんと、潔く外側に出て行って内側を冷静に見つめる養老先生の対談本。一方は理論武装し、他方は自然回帰する。ふたりのズレに対する向き合い方や考え方がおもしろい。幽霊は脳の中にならいるという話もさることながら、思いつめたら猫を見るというのは個人的に大賛成...続きを読む
  • 「自分」の壁
    自分のことがよくわかっている人が書いた本であった

    自分に自信がない

    いろいろ挑戦してきたものが自信

    人は自分が作り出すエネルギーの40倍を使っている。40人を雇ってるのと一緒

    GDPが高くなると人と比較して不幸が出てくる。
  • 世間とズレちゃうのはしょうがない
    ■動機
    自分も人も追い込むような仕事をしていた若い頃を振返り、柔軟にどう合わせて行けばよいのかグラついていた為。
    NHK「100分de名著」の伊集院光氏のアシスト振りが好きで、仕事でも参考にしたい為。

    ■要旨
    「『世間』から自分がズレるのが怖く軌道修正しながら生きてきた」伊集院光氏と、「(都市の脳...続きを読む
  • 死の壁
    皆安楽死する側の気持ちは考えるが、安楽死させる側の視点は欠如していることがある。
    死体を見る視点では、俺の死体は存在しない。

    普段考えが及ばない視点からの記述があり新鮮でした。

  • 世間とズレちゃうのはしょうがない
    世間とズレてしまう事は自然な事だと受け入れているお二人は潔い人柄だと感じた。
    戦争を経験している人は価値観がある日突然変わることを目の当たりにしている。これを経験している人は強いんだろうなぁと感じた。自分にはその感覚が分からないが理不尽とかいうレベルの話ではないのだろう。
    日本は共同体意識が強いため...続きを読む
  • 唯脳論
    今考えていること、哲学や社会学を通っていたが、なにか、あっけなくまとめてもらえた感覚だ。一連の終わりみたいな位置だった。少しの間、読書がライトになりそうだ。脳ね。いや体ね。社会も世論も本音と建前ではもううまく出来上がるわけがない。性も死も伏せててなにを語れるんだと。無理に決まってる。食を語って埋葬を...続きを読む
  • 世間とズレちゃうのはしょうがない

    しょうがない話

    タイトル通り、ずれてしまうのはしょうがないねと、先生と伊集院さんが話してくれるお話です
    先生達にカウンセリングしてもらってるような感じ
    自分以外のずれてる人も折り合いをつけながら生きてるんだな、少なくとも二人は確実にと思わせてくれます
    明日が劇的に変わることは無いけど、しょうがないねと自分を励ませる...続きを読む
  • 絵になる子育てなんかない
    子育てに真剣に向き合っている印象の小島さんと、全ては「自然」からの視点で捉える養老先生の子育て対談という、噛み合っているんだかズレているのだかよくわからない対談で面白かった。

    「変質する世界」に収録されていた、ぶっ飛んでいた養老節を思い出す。他のジャーナリストや学者さんが微に入り細に入りコロナ問題...続きを読む
  • 死の壁
    死について色々な視点で書かれている。「死んだら共同体から追い出される」という考えは面白いと思った。冷淡で単純だけど的を得ているような、合理的とも言えるような言い回しがかえって納得させられる感じがした。死について考える事はとても大事だけど、自分の死を怖がって不安になっても仕方ねえよな!って話
  • 虫とゴリラ
    お二人とも大学で教育に携わっていらっしゃったフィールドワーカーなので、やっぱり、教育に関する言葉がズシズシ響く。
    以外、一部引用。

    --心地よいものばかり求めていったら、ダメになると思います。……AIが分析したら、心地のいいものばかりつくる可能性がありますよね。(山極先生)
    --今のような環境に子...続きを読む
  • 「自分」の壁
    これも読んでよかった。
    自分について悩んでいたけれど、これを読んでいる間は少し遠くから自分を見つめることができた。