養老孟司のレビュー一覧
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養老先生の思考を辿ることができる本のひとつ。
あんまり小難しい内容だって身構えなくても大丈夫。
どこにいるどのような人間に対しても一定の理解をしていているように見えます。
長く生きることでしか到達できない答えがあるんじゃないかって思えてくる。
この人のようなものの考え方、感じ方ができるようになってみたい…そういう、なんだか不思議な魅力があります。
静かにこちらに語りかけてくれるような文体で、尖りを感じない。
ご本人も仰っているように、“常識的”な価値観…。
そういうものを獲得した上で、犯人に伝わる形にすることの、どれだけ尊いことか。
生き方とお手本になる、マイ・ベスト・エッセイ -
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壁シリーズの第5段です。古本屋で見つけたので購入してみました。今どきの話題にふれつつ、愛猫まるをたまに登場させつつも、『バカの壁』と同じように、けっこう集中力と頭脳労働が求められる本です。「おじいちゃんの遺言かぁ、モー娘みたいにタイトルに「。」つけちゃって可愛い〜」なんてニヤニヤしながら読むと痛い目にあいます。さすが壁シリーズ。
自分は建築について考察する部分で、けっこう腑に落ちました。空間を共有すると簡単にいうけれど、確かにそれぞれの体験は全然別だよなと。
たとえば実家にしても、その家にいる感覚は、親と子ではまったく違うでしょう。自ら数十年ローンを組んで、日々苦労と充実感を重ねながら自分 -
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養老孟司という人間について分かる。
世間的に賢いとされる人間が、年老いて死期が近い今、人生を振り返りどう考えるか、死に対してどう思うか、今の世界に対して何を思うか、が記されている。
読んでいる時、徒然草の冒頭、
「徒然なるままにひぐらし〜」
の一節が思い浮かんだ。
言語化するに足りる知性、やる気を持ち合わせていないため詳細は省くが、私のこれからの人生を、どのように考え、どのように全うするか、少なからず影響すると思う。
様々なことを考えながらも、全てに対してあえて結論を出さない感じが読みやすく、歳を重ねながらも柔軟な頭の良い人なのだろうと思わされた。
その他壁シリーズも読みたいと思う。 -
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「虫は人の鏡」、このタイトルの意味が、本を読んでわかった。虫を含めた自然は学びの宝庫。私の場合は植物を通して学び続けていきたい。
〈本から〉
擬態は情報系内部の現象
われわれの網膜は三色原理だが、鳥は四色原理を使う
ピカピカ光って飛んでいるホタルは、つまり雄である。雌はジッとしていて、雄が光って飛んでくると、雄の信号に合わせて光る。
ゴキブリを馬鹿にする人は多いが、オーストラリアのゴキブリには、子どもを養育する種類が複数ある。種によっては腹に腺があって、その分泌液を子どもがなめる。早い話が、哺乳するのである。あるいはモグラオオゴキブリは、地中に穴を掘り、そこに餌を運んで子どもを育てる。 -
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読書開始日:2021年12月28日
読書終了日:2021年12月30日
要約
日本は世界に珍しい「無思想という思想」がある国。世間、風土、思想は補完関係にあり、従来の日本は世間、風土が大きく、思想は小さくてもうまく回っていたが、西欧思想介入による個性尊重、意識尊重傾向が強まり、軋轢が生まれている。
今こそ無思想という思想を自覚し、その思想を大衆と照らし合わせどう生かすかが重要である。
その重要なポイントである大衆に対して、今一度感覚世界尊重を訴える必要がある。
「同じ」を追い求めていく概念世界では、意味あるもの不変なものが重要視される。なにかに意味づけしたく、最悪は全ての出来事を人為にする。最 -
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読書開始日:2021年11月27日
読書終了日:2021年12月4日
要約
①感覚所与を意味のあるものに限定し、世界を意味で満たす。それがヒトの世界、文明世界、都市社会。
②都市社会の弊害は全てに意味があることを強い、意味ないものを徹底的に排除する。それにより人間本来の死生観との乖離が起きている。人生についても意味あることへの強迫観念が強いられる。
③意識と感覚の違い自体を意識することが重要。
所感
養老孟司さんの本は本当に面白い。
都市社会を、説明によって理解することができた。
意味の強要。
自分も経験してきた。
自分はSNSから距離を置いた。
この意味の強迫がとても居心地悪かった。
残され -
購入済み
昔読めばよかった
流行った当時、タイトルの意味も分からず、何の興味も覚えなかったが、今読んだら面白い。
それな!という共感しかない。
本当に頭の良い人は頭が柔らかいなと、そう思いました。 -
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ネタバレ・読みたい『ライフスパン追いなき世界』
・一般に5年たって再発がなければ治癒したとみなされる
・死というのは、自分の問題ではありません。よく死を自分の問題と錯覚している人が多いのですが、自分は死んでしまうのだから、問題になりようがありません。
・市区町村のがん検診は低額で受けられます。自治体によって金額は異なりますが、500円~100円くらいの自己負担で済みます。
・(前立腺がんは)過剰な治療を避けるため、早期の前立腺がんに対しては「監視療法」が国際的な標準治療になっています。具体的には3~6か月ごとの直腸からの触診とPSA検査、および1~3年ごとの前立腺生検を行い、悪化していなければ経過観察