養老孟司のレビュー一覧
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仕事というのは合ってると合ってないがあって、社会が形作られていく過程で必要になってその仕事が生まれる。
社会に必要とされている形になって働いていくわけだから、「自分に合った職業がない」というか、自分のための職業がないというのはズレた考え方であって、そもそも若い段階で自分は何者なのかとかを決めつけることも必要ない。
真理というのは安易なものではなく面倒でかつ複雑なものである。
一言で片付けられるようなものは真理ではない…みたいなことが今日読んだ養老孟司先生の本に書いてあった。
私の記憶だから正確ではないものの、養老先生のように自然体でありながらもう…存在そのものが価値なんじゃないかって思わせてくれる人もいる。
自分を社会に適応させるために努力しなければいけない。
やりたいことを職業にするにあたっては、それに付随してやりたくない仕事がどんどん発生するもの。
「死体を相手にずっと仕事をしていればね、そういうことくらいはわかってくるのですよ…」的な洒落まで添えてあるという。
洒落じゃなくてあの人は解剖学者だった。
養老孟司さんも40代で作家の活動を始めて還暦を超えて初めてヒット作を世に出した。
そういうこともあるのだから自分は何者なのかなんて早めに決めてしまわなくていい…そう言われるとなんだか元気は出てくるし、あの人しか持ちえない説得力がありますね。
この本自体は長年にわたって養老孟司さんが連載されてきたコラムの書籍化らしいのだけど、その期間が2004年から。
そしてこの本が出たのは去年。
なんというロングスパン。
長い間連載されていたのもすごいし、このたび書籍化されたのもすごい。
次に読みたい候補の本がいくつもできました。
やはり本の形にしておくことは大切で有効な過程だ。 -
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ネタバレ1932年、国際連盟からの依頼が物理学者であるアルバート・アインシュタインにとどく。「今の文明において最も大事だと思われる事柄を、一番意見を交換したい相手と書簡を交換して下さい」、選んだテーマは「人はなぜ戦争をするのか」、選んだ相手はジグムント・フロイトであった。アインシュタインは権力と人間の本能的な欲求提示する。フロイトは、暴力とそれを止めることのできる国際機関の設立を願う。しかし、わかっていることがある「人間から攻撃的な性質を取り除くなど、できそうにもない!」。100年近い時間が経過しても、人間は進化せず戦争を繰り返している。さらにフロイトは問いかけます。「すべての人間が平和主義者になるまで、あとどれくらい時間がかかるのでしょうか」。何を進めていけば平和に近づくのでしょうか。フロイトの結論はこうです、「文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩みだすことができる!」文化という言葉が正しいのかわかりませんが、お互いを正しく理解して尊敬をすること、それを文化もしくは文明と呼ぶのでしょうあ。国際的な交流や、その国へ旅行してその国を知ること、そこで生きている人間をしることが戦争を回避できる、そのような人間が国の中で増えていく。本書を読んで、戦争について深く考えることができました。そして100年たっても人類の根本的な問題は簡単には変わりえないことを確認しました。いま地球上で起きている不幸な戦争や紛争がお互いを理解することで早く終焉に向かうこと、新しい戦争が起きないことを心より願います。
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ネタバレ付箋を大量に貼った。
子供を育てる身として覚えておきたいことばかりだった。読んでよかった!また読み返したい。
■メモ:
・やみくもにほめるのはよくない。好きな先生からたまに褒められることのほうが子どもには響く。
・先生は子どもを誉めるより先に、子どもからか尊敬される、好かれる先生になるべき。好かれる先生になるにはまず子どものフルネームを覚えること。子どもを軽視せず、子どもをまともに向き合う。子どもの話を聞くことが大事。
・みんな違ってみんないいというが、子どもは皆と同じをのそんでいるもの。みんなと同じにできるが先に来て、その上に多様性が乗っかってくる。
・人が一番幸せを感じるのは、人の役に立つこと。
・大人が教えるのではなく、子ども達同士で教えさせてみる。
・親は「安心安全の土台」と「伴走者」になることが求められる。子どもを電気自動車に例えると、親は充電器に相当する。子どもが外でいろんな経験をすれば、当然、エネルギーが必要となる。そうしてなくなった分を、帰宅してから親に充電してもらう。親という充電してくれる存在が、「安心安全の土台」になる。
「伴走者」は、車の助手席に乗っているイメージ。
p60
認知機能をトレーニングするのにおすすめが虫取り。自然のなかを走り回ることが空間認知機能が高まり、小さな虫を見つけたり、鳥のさえずりを聴いたりして、様々な認知機能が向上する。
p89
成熟した大人とは、共感する力のある人のこと。
人間関係に関わるさまざまな実体験を経て、人は「自分がこういうことをすれば、相手はこんな風に感じる」ということを五感を通じて学習する。その過程で想像力が育まれれば、初めてのことや困難に直面した時も、想像力を働かせて解決しようとする姿勢が自然に身につく。
人間が一人で手に入れられる幸せなど、大したものではない。人の幸せを共に喜び、人の苦しみをちゃんと理解し、寄り添うことのできる人は成熟した大人だし、幸せになれる人。
p93
子ども達の日常の幸せをまず考えるべき。「いま」の喜びを先送りしない。
p95
正しい子育てなんてない。
よそ見したり、道草したり、カーナビにはないルートを進み、様々な体験を積み上げていくことが人生。
p96
教育や子育ての本質は、効果主義や成果主義の先にはない。無駄なことや遠回りした先に待っている。
p97
大事なことは相手は自分とは違うルールで動いていると認めること。そのためには相手と本気で向き合わないといけない。
p131
1,2歳くらいまでは褒めて育てるのがいい。(コホート研究より)
p132
乳幼児期は身体と脳神経系の土台が築かれる時期。とりわけ神経回路画作られるのには臨界期があり、一歳くらいまでの期間に、神経回路が発達することが分かっている。その時期に子どもにとっていい環境を整えることが大切。具体的には、身の回りのものや自然の造花など、様々なものに手で触れるのがいい。新しい動作ができるようになったり、新しい言葉を覚えたら心から褒めてあげるといい。赤ちゃんは喜んで、また褒められたいと、学習への意欲を一層高める。
生まれてからの数年間はしつけよりも愛情と関わりが大切。ー最初はこの世界に興味を持たせることから始まる。
p135
乳幼児期にはしつけは必要ない。
p152
勉強は自分の頭を整理すること。自分が見ている世界の見方を整理するために勉強する。
p159
幸せというのは物質的に満たされることより、いま置かれている状況に満たされ「自足」して生きることにある。
p211
国とか政治とかは「いつ、だれの役に立つかわからないこと」を長い目で見守り、応援していかなければならない。ー国の運営には、長い目で見ることが必要。
p214
子ども達は人間であり、自由な主体として生きる一人格である。 -
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とても良い本でした。
国産初の超電導MRIを開発した小泉英明先生との対談では、小泉先生が中学時代にガイガーカウンターを手作りしたというエピソードに驚きました。
有名な自由学園がどのような学校なのかもよくわかりましたし、小児科医の高橋孝雄先生との対談は涙が出ました。特に必読です。
「ケーキの切れない非行少年たち」の宮口幸治先生との対談も興味深い点が多く、適度に厳しい、先生のポリシーが良かった。「みんなと同じじゃなくてもいい。自分のやりたいことをやろうというのは大人の勝手な理論でしかない。みんなと同じになるのが大前提で、多様性はそのうえに乗っかっているもの。最近は多様性という言葉を簡単に使いすぎ。」
なるほどなぁと思いました。 -
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あまりにも学びの多い本である
水不足問題
イスラエル側に収まるように凸凹線が引かれて
デコのところに井戸がある
イスラエルの一人勝ち
古代ローマから続いている
ヨルダン渓谷は水に恵まれた水源だけれど、
水を全部吸い上げてイスラエルのテルアビブまで送る水ビジネスをしている
この構造は、古代ローマから続いている
水源を握る=覇権を握る
ローマ人たちが水道を引いてインフラ設備という
外交を盾にローマ帝国の領土内に張り巡らせた
ローマ帝国外から蛮族がやってきたときに
まず水道を破壊した
人間と同じ、ドブネズミも水がなければ生きれない
ルーブルを訪れたわたしは、名画や彫刻の数々の中に、古今東西の画家たちの生き様を絵で生きる覚悟を強く見た
プリニウスは、虫の記述について誤ってるところがある。虫については、やっぱり最初にきちんと見たのはファーブルです。
アミーカ アミーコ
男女複数アミーチ で誤魔化す
日本 自白が証言、証拠
感情と言葉が一緒になっているから
西洋 自分の心と言葉は離れている
関節があるため真っ赤な嘘がつける
気持ちと言葉を切り離そうとすると、官庁用語や軍隊擁護になるけれど気持ちがこもってないから
土下座しろってなる
アメリカでコンピュータが生まれた理由
日本では生まれなかった理由
ぶれない説得力のある人体描こうとすると解剖学を知っていないとかけない -
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1.著者;①アインシュタイン;理論物理学者。特殊相対性理論や一般相対性理論が有名。光量子仮説に基づく光電効果の解明で、ノーベル物理学賞受賞。②フロイト;精神科医。精神分析学の創始者。<解説者>③養老孟司;解剖学者。「バカの壁」は450万部を記録。戦後のベストセラー5位。第一位は「窓際のトットちゃん」④斉藤環;精神科医。「世界が土曜の夜の夢なら」で角川財団学芸賞受賞。他にも共著で小林秀雄賞受賞。
2.本書;国際連盟がアインシュタインに「今の文明で最も大切と思える事柄を、好きな人を選び、書簡を交わす」事を依頼。彼は、フロイトに戦争(人間を戦争というくびきから解き放つ事は出来るのか)について、手紙を書いた。フロイトの回答は、「文化・知性が戦争を抑止出来る」と言う。解説の養老・斉藤両氏の論考も高水準で読みごたえがある。ロシアのウクライナ侵攻の最中、浅見氏(訳者)あとがき「二人の戦争論を読み、二十世紀の英知を手に、新たな歩みを始めなければならない」が心に響く。
3.個別感想(印象に残った記述を3点に絞り込み、感想を付記);
(1)『フロイトへの手紙(アインシュタインから)』より、「人間の心を特定の方に導き、憎悪と破壊という心の病に冒されない様にすることはできるのか?・・・“知識人”こそ、大衆操作による暗示にかかり、致命的な行動に走りやすいのです。何故でしょうか?彼らは現実を、生の現実を、自分の目と自分の耳で捉えないからです。紙の上の文字、それを頼りに複雑に練り上げられた現実を安直に捉えようとするのです」
●感想⇒知識人は机上の空論に陥る事が間々あると聞きます。学者が現実に捕らわれないず、純粋な理論を構築する事は、科学進歩に貢献します。しかし、現実の世界は頭で考えるように単純ではありません。例です。製造業では、若い頃に現場経験を積ませて、選抜後に幹部登用する会社が多いそうです。「生の現実を、自分の目と、自分の耳で捉え」ないで、世間に認められる良質なモノづくりが出来るはずがありません。過日、映画「Fukusima 50(原発事故と戦った50人)」を見ました。その中で、東電役員が事故状況を問われた際に、「私は東大経済学部出身ですから(技術はよくわかりません)」と答えた場面がありました。頭でっかちだけでは、経営のかじ取りは無理でしょう。
(2)『アインシュタインへの手紙(フロイトから)』より、「戦争への拒絶、それは平和主義者の体と心の奥底にあるものが激しい形で外に現れたものです。私はこう考えます。このような意識のあり方が戦争の残虐さそのものに劣らぬほど、戦争への嫌悪感を生み出す原因となっている、と。・・・文化の発展が生み出した心のあり方と、将来の戦争がもたらすとてつもない惨禍への不安、この二つのものが近い将来、戦争を無くす方向に人間を動かしていくと期待できるのではないでしょうか。・・・文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩み出すことが出来る」
●感想⇒フロイトは、「文化の発展を促せば、戦争の終焉へ向けて歩み出すことが出来る」と結論付けています。書簡が交わされたのは1932年で、90年経ちました。文化は、それなりに発展しました。しかし、世界各地で紛争が絶えません。ウクライナ侵攻、クルド×トルコ紛争・・・、それに内戦と争いは続くばかりです。アインシュタインは言います。「人間には本能的な欲求が潜んでいる。憎悪に駆られ、相手を絶滅させようとする欲求が」と。フロイトは言います。「知性を強める事、攻撃本能を内に向ける事」と。私達は、戦争に加担する様な事にならない様に、広い視野でものを考え、行動したいものです。“巧言令色すくなし仁”たる指導者の言動に惑わされない為に。
(3)『解説Ⅱ(斉藤環)私達の“文化”が戦争を抑止する』より、「私達は世界史レベルで見ても最高度に文化的な平和憲法を戴いているからです。そこにはフロイトすら思いもよらなかった戦争解決の手段、すなわち“戦争放棄”の文言が燦然と輝いています。この美しい憲法において先取りされた文化レベルにゆっくりと追いついていく事が、これからも私達の課題であり続けるでしょう」
●感想⇒日本の憲法は平和主義を提唱し、第九条で「①戦争放棄 ②戦力不保持 ③交戦権否認」を謳っています。今、我国の安全保障に関心が高まっています。“反撃能力の保有”に関し、ある調査では、「保有賛成=55%、反対=29%」だったそうです。反撃能力保有は、専守防衛から逸脱し、先制攻撃の可能性をはらんでいます。戦後77年を経て、75歳以上の人口は約15%となり、戦争体験者が少数になりました。斎藤氏が言う「フロイトすら思いもよらなかった戦争解決の手段、すなわち“戦争放棄”の文言が燦然と輝いています」を、今こそ国民一人一人が真剣に熟慮しなければならない時と考えます。
4.まとめ;私は戦後生まれで、戦争体験がありません。戦争の悲惨さについて、祖父母からよく聞かされました。「B29(アメリカの爆撃機)の来襲、空襲警報がけたたましく鳴り響く中、防空壕へ一目散に逃げた。衣食住に困窮し、食べるものもなく、着の身着のままの生活。いつ死ぬかわからない日々だった」と。私はこの話と、野坂氏の「火垂るの墓(浮浪児兄妹の悲惨な生活)」や井伏氏の「黒い雨(被爆者の辛い生活)」を再読する度に心が痛み、平和主義を貫く事の大切さを痛感します。戦争を決してしてはいけません。どんな理由があろうとも。本書は「2020年8月第13刷版」です。ウクライナ侵攻が続く中で、この本が売れ続け、戦争について多くの人が考察している事が救いです。子々孫々に明るい未来を。(以上) -
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「猫が30歳まで生きる日 治せなかった病気に打ち克つタンパク質「AIM」の発見」の著者である宮崎徹さん。
気軽に読める本ではないと諦めていたところ、この本が出た。
対談テーマを「ネコの進化や寿命について」として、養老孟司さんから宮崎徹さんのAIM研究の評価を引き出そうという企画だった。
ところが、「生物の仕組みには、ほかにも不思議なものがある。」と言って、養老先生が昆虫の「完全変態」の話を持ち出した。
私も子供の頃から神秘的だと感じていて、今でもわけが分からないことの1つが「完全変態」。
オタマジャクシに足が生えて、手が生えて、尾が吸収され、カエルに姿を変えるのも凄いが、
蝶という昆虫が、幼虫、蛹、成虫と姿を一変させるのはなぜか?
幼虫が蛹になると、酵素を出して自らの体を溶かし、ドロドロになるなんて凄すぎる。
幼虫が蛹になるということは、一度死ぬということ。
そして、新たに頭や羽や足を作り直して、蝶という生物に生まれ変わる。
幼虫の口は葉をかじるようにできていたのに、成虫になると蜜を吸うためにストローみたいになる。
同じ生き物の成長の姿とは思えない!
ゲノム解析をすれば、幼虫と成虫で同じなのか?
同じなら、昆虫の形とゲノムの関係はどうなっているのか?
そこで、宮崎徹さんが調べてみた。
ゲノム解析の結果は幼虫と蛹と成虫で大きく異なっている部分が多々みられたそうだ。
「幼虫、蛹、成虫で別の生き物だった」という解釈もできそうだが、その"成虫"が生む卵が別の生き物の"幼虫"になるなんておかしい。
「完全変態」の謎解きにはまだまだ程遠いが、
宮崎徹さんの「ショウジョウバエにおける幼虫・蛹・成虫でのゲノム変化解析」は、長い間知りたかったことの、現時点での最も詳しい説明だ。
ねこを30歳まで生き延びさせるAIMについても、なんとなくどんなものか分かりました。 -
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子供の教育をテーマにした養老先生と4人の碩学の対談集。
4人は心理学や脳神経学の権威であったり、画期的な教育方針で知られる学園の学園長であったりさまざま。それぞれの視座から今の子供が置かれている環境の問題点を考察しているのだが、その見解はかなり近いところに着地している。
サブタイトルの「三つの力」とは、「認知機能」「共感する力」「自分の頭で考える人になる」。デジタルネイティブとして育ち、情報の洪水に受け身一方になりがちな現代っ子がこの三つの力を手に入れるには、自然や人との交わりの中でナマの体験をすることがやはり何よりも大切なようだ。もっと早く読みたかったなあ。 -
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第1章の方は著作を読んだことがありましたが、他の方はこの本で知る人たちでしたがどの方もお話が興味深く、読み応えありました。
養老さんが、知識豊富なだけでなく問題意識を抱く着眼点が素晴らしく、対談の意義がある本でしたが小難しくなく読みやかったです。
日々流されて生きているといういか、毎日に必死にしがみついていると茹でガエルの法則のように危機感を抱くセンサーが鈍くなり見過ごしていたのだなと思わされました。
「脳化社会」ということは大変共感できましたし、『スマホ脳』で読んだ問題に対しても、同様に危機感を抱いているということがわかる、個人的に点と点が繋がった気がしました。
自分が子供だった頃と、今の子供たちが置かれている状況が驚くようなスピードで様変わりしていて、どれだけ負担や脅威にさらされているのかと思うと心配ですし気の毒にも思いそうになるのですが今は今で幸せなこともあると思うので勝手に他人が不幸がっちゃいけないなと思います。
それでも、できる限りのことは大人として子供たちにしてあげなくてはいけないと思います。多くの人にこの本を手に取ってほしいです。
最後の章の椅子や机を作る、生徒が植林した木材で校舎を建設する、自分たちが食べるご飯を用意する、など生活力を鍛えていること、とても素敵でした。
一歩間違えると学校の方針が辻村深月の「琥珀の夏」で描かれたオカルトチックな団体のように思えるので紙一重の恐ろしさもありますが、「人新生の資本論」で言われていたように、資本主義が進んで分業化が進むたびに人々は生きる力を奪われているというのにも繋がるように思えました。
ひとつの事象が様々なところに影響を与えていること、ぼんやりしていると気付かないけれど、察知し警鐘を鳴らしている人がこんなにもいるのだと最近の新書を読んでその人たちが感じている危機に繋がりがあるように思えて同じ時代を生きているからこそ問題点は似てくるのか、と腑に落ちました。
楽な道ではなく困難な道を選べというのは、様々なところで細かいところは変え言われている言葉ですが、その通りなのだとしみじみ思う今日この頃です。
楽が悪いわけではないですし困難を取り違えて苦しい道を行き疲弊するのは誤りだと思いますが、楽をしたことで本来人間が能力を発揮してカバーするべきところを、最新技術や周りの人の手でフォローされてしまうと、その人自身が育たない、潜在能力が開花しない。
自動車の運転サポート技術は進化し続ける一方ですが、本来ドライバーが気をつけるべきところを機械がサポートし続けていけば、人間の危機管理能力は退化する一方ではないでしょうか。
それが果たして本当に自動車事故ゼロの社会に繋がっていくか、疑問です。
自分が大人になって、教科書で学ぶような事件や問題は過去のことで、現代の世の中は解決されて良い方向に進んだものと思っていました。
でも常に今は過去になっていき、問題は未来から見てやっと評価されていきます。
現在進行のものが、実際にどのように社会、世界、人々、子供達に影響を与えるかは、時間が経過しないと評価できません。過去の問題に対してとった行動が果たしてどうだったか、その答え合わせとなる今、新たな問題が噴出して苦しい状態になっているように思えてなりません。
おかしい、と思ったなら急いで軌道修正をしていきたい。
果たして、事業仕分けの報道で切り取られた「2位じゃダメなんでしょうか」という言葉は一体なんだったのか、この本を読んで改めて落ち着かない、恐ろしい気持ちを抱きます。
実際にその仕分けがどんな効果を残したのか、会議のすべての会話がどうだったか、知らないですがその当時報道で何度も目に、耳にしたことの言葉は多くの人にも残りサブリミナルのようになっていないか不安になりました。
意味のないものを、その時の判断で切り捨てていったことでどれだけのものが失われたのか。
ゆとりがあり、無駄がある。無駄は過剰じゃなくて、余白。何かに使えるかも。
資本主義で大量生産されたものの無駄ではなく。人の営みに理屈を求めすぎない。
窮屈になってしまい人の顔色を窺い極端に失敗を回避しようとする若者が切なくも思えてきます。失敗してもいいんだよ、回り道をしてもいいんだよと大人が温かく受け入れられるような世の中でありたいのに。
お金がないとだんだん心が貧しくなったり他人に厳しくなったり、倫理観を捨ててでも稼ぐなど自分勝手な人が増えたら社会が機能せず崩壊していくこともありそうと思うので、日本の財政を見直してほしい…すべては選挙に繋がる…政治…