あらすじ
血液がんにかかり、危うく見落とされそうになった柏木氏。その治療をサポートしたあと自分のがんを発見し、手術を受けた中川氏。2人を仲介し、「自分もがんの2つや3つはある」という養老氏──この3人が再会し、患者・治療者・助言者というそれぞれの立場から、医者と患者の未熟さ、統計的思考の危うさ、日本人の死生観までを大談義。がんのタブー視をやめ、患者の生き方を大胆に提案する、今までにない「がん体験指南書」!
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Posted by ブクログ
立場の違う3人(患者、医師からの患者、とりあえずの第三者)としての鼎談と、各々の考えを伝えた本。
やっぱり、養老孟司先生はすごいなぁ
ぶれない^ ^
がんになって、多分今治療法に不安迷いがあるであろう友の力になれるかなと読んでみた。
Posted by ブクログ
養老孟司氏を中心につながったがん患者と医師の3名が、それぞれの立場からがんについて各々論じ、彼らの鼎談も含めて編集された1冊。
患者である柏木博氏からは、がんに診断されたときのかかりつけ医とのコミュニケーション不全が自身の不安が助長された、という点を自らの闘病記の中で語っている。かかりつけ医とのコミュニケーション不全を経て不安に思った柏木氏が旧知の養老孟司に相談したことから、氏の教え子にあたる東大病院の中川恵一氏と出会い、治療がスタートしていくが、同氏も医師として、チーム医療のような体制を整備して患者とのコミュニケーションの総量を増やすことの利点を主張する。
そのほか、中川氏からは日本人のヘルスリテラシーのあまりの低さに対する警鐘や、がんをきっかけに生き急いでいるかのようだった自身の生き方をスローダウンさせたという柏木氏の体験談など、がん体験を巡る良質な一冊となっている。
Posted by ブクログ
がんの当事者、相談された側、治療する側の3者の随筆と対談。
柏木さんのがん体験を中心に、実際の治療の進み方や、
治療の在り方、人生観や死生観など、
地に足の着いた話が続いていろいろと参考になる。
がんは不治の病ではないが、ずっと様子を見ながら付き合っていく病。
私が自分の乳がんを治療していた時期のこと、
そして今現在、がんと闘っている友人のことなど思いながら読む。
痛みを押さえるモルヒネの使用が日本ではとても少ないというのも、
我慢することを美徳と考える気質が影響してるんだろうな。
QOLの向上も、迷いや不安も、口に出して求めていっていいし、
主治医やスタッフの方たちと信頼関係を作りながら、
ゆだねるところはちゃんとゆだねていく。
医師であっても、自分が実際にがんになればまた別というのも
この本の中で語られていて興味深かった。