養老孟司のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
養老孟司氏と元国土交通省竹村河川局長との対談形式の本である。
幼年期を少国民と過ごされた方らしいコメントがほんの少し目に入るが、
意図的に読み飛ばす。情報は多く入手し吟味する。
以下に備忘録を掲載。
<石油>
・アメリカの自由経済は原油価格を一定にするに限りの自由:無限にオイルを供給することが条件
・1965年に油田の発見がピークであり、ゆえに石油の供給ピークは現在。
・アメリカは第二次世界大戦頃まではダントツで石油産出国だったが60年代から輸入国になる。
・肺がんを引き起こすのは煙草ではなく、車等の公害が主因。
・排出権は炭酸ガス規制上で成立する商売
・アメリカのエネルギー問題は解決が難し -
Posted by ブクログ
p116『なにかを一生懸命に、素人が子どものために、ひたすらやってくれたんです。つまりそれです。無償の行為とは。見ているのは、おそらく神様だけです。それも、見ているかどうか、神様はめったにでてきませんから、わかりませんな。』
p124『常識は実は意識されずに変わります。だから老人は気がつかないで時代遅れになるし、若者は無意識に変わっているから、その説明が十分には出来ません。それが世代のズレです。』『知るということは、本質としての自分も代わるということです。それを大げさに表現するなら、自分が別人になる。若い世代には、その感覚が全く消えたということでしょう。自分という確固とした実在があって、それに -
Posted by ブクログ
全体的に満足ですけど、特に舌、口、喉あたりの章がすっごい面白かった!鏡を片手に読みましたよ。自分の物を食べながら読んだときもあって、そのときは舌の動きを意識しながら食べましたよ。養老さんがやってみろ、と言うことはやってみましたよ。私も人間の体はよくできてるな〜とか思っていたタチなんで、気道と食道について指摘されたときはショックを・・。でも、だからこそ喋れるのであって・・・よくできている、とは思わなくなったけれど、やっぱり人間の体は面白い。それに養老さんも面白い。彼のアフォリズムに口がニヤニヤしてしまった。「口惜しかったら、ツバを飲みながら息をしてごらんなさい。君がブタならそれは可能だが、君がヒ
-
Posted by ブクログ
値段(760円)の割に相当お得な本である。
きっかけ:石破茂農林水産大臣のすすめ
普段考えてもみなかった視点を得られ、世の中の見方に関して相当考えさせられた。自分たちの存在のベースになっているものはエネルギーということに気付かされた。
○アメリカの言う自由経済は、原油価格が上がらないという前提あっての概念なんですよ。(p14)
アメリカの言う自由経済には、実は「無限にオイルを供給する」という条件があった。
ex;70年代から石油の輸入国になる フランクリン・ルーズベルトが、40年代半ばにすでにサウジに行っている。
○先の日米戦争は油で始まり油で終わった。(p20)
ヒトラーがバルバロ -
Posted by ブクログ
社会の変化の表層を追いかけている。いつでも足元がグラグラと不安定だ。
養老先生は現代社会のさまざまな課題を概念ではなく具体的なモノやデータに即して考えれば本質が見えてくると言う。ダム行政に手腕を発揮してきた国土交通省河川局長との対談や農業経済学者との鼎談で見えてくる事象に、そうだったのか!!と胸に手を当ててしまった。
あの昭和天皇は「先の日米戦争は油(石油)で始まり油で終わった」とか「雑草という草はない」など自然科学者として健全な精神を持っていたとの部分も記憶に残る。
日本の環境や食料、エネルギーについてきちんとした視点を持つことを学んだ。