あらすじ
生物学者・岸由二は三浦半島の小網代や、都市河川である鶴見川の環境保全活動に尽力し確かな成果を挙げてきた。小網代とは、源流から海までまるごと自然のままで残っている、全国的にも稀有な流域である。岸と解剖学者養老孟司は、本書で共に小網代を訪れた後、「流域思考」を提唱する。大地は大小の流域によってジグソーパズルのように構成されている。自分の暮らす流域のかたちを把握することができれば、他の流域についての理解も可能になり、ひいては地球環境に対するリアルな認識が生まれる。また、葉のつき方、木の並び方などの自然のありさまは、種の生存にまつわる問題の「解」をあらわすものだ。流域を歩き、「解」を見つめよ。そうすれば、地球の中に暮らす人間が持つ「まともな感覚」が得られるはずだ――。後半では元国土交通省河川局長の竹村公太郎も参加。行政者の視点と志を述べる。
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Posted by ブクログ
環境についての、たくさんの話題があり、とても刺激的でした。
その中でも、流域思考についてとても興味を持ちました。
手軽に読めて、刺激を受けるのにとても良い本だと思います。
Posted by ブクログ
以前からずっと気になっていた場所、小網代。
その小網代が載っていたので思わず買いました。
小網代を養老氏と岸氏が歩きまわっての対談という、ちょっと変わった形式。
内容的には小網代の話を皮切りに、「流域思考」について考えていくという構成です。子供の頃、川で遊び、川とともに育ってきた人には是非とも読んでいただきたい一冊です。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
生物学者・岸由二は三浦半島の小網代や、都市河川である鶴見川の環境保全活動に尽力し確かな成果を挙げてきた。
小網代は源流から海までまるごと自然のままで残っている、全国的にも稀有な流域である。
本書で岸と養老孟司は共に小網代を訪れた後、「流域思考」を提唱する。
自分が暮らす流域のすがたを把握することから、地球環境に対するリアルな認識が生まれるのだ。
後半では元・国土交通省河川局長の竹村公太郎も鼎談に参加する。
[ 目次 ]
第1章 五月の小網代を歩く―完璧な流域を訪れて
第2章 小網代はこうして守られた
第3章 流域から考える
第4章 日本人の流域思考
第5章 流域思考が世界を救う
第6章 自然とは「解」である
[ POP ]
[ おすすめ度 ]
☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
☆☆☆☆☆☆☆ 文章
☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
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読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)
[ 関連図書 ]
[ 参考となる書評 ]
Posted by ブクログ
「流域思考」という考えは、なかなか面白いと思う。
ぜひ環境教育等でも取り入れたいアイデアである。
それにしても、この本から私が受けた最も強いインパクトは、
今の私の生活が、自然からすっかり離れてしまっていて、
ほぼ100%人工環境の中で完結してしまっていることを
改めて痛感させられたことです。
私と同様に、「人口世界」から殆ど出ないで生活している人は
結構いると思うのだが、本当にそれでいいんだろうか・・・。
将来何かしっぺ返しが来そうな気がする。
Posted by ブクログ
流域思考という考え方に興味があり気軽な気持ちで手に取った本書だが、環境保護活動と行政の関わりなど、少し込み入った内容だった。ただ頭で理解するよりも実際に自然を感じる事、特に子供時代の原体験が大切なのだと思った。次世代に美しい自然を残すために、養老先生が仰る自然の「解」を子供たちに体験させてあげる事も、我々大人たちの役目だと思う。
Posted by ブクログ
○97産業文明がんぜ環境危機を引き起こしたか。産業文明を執行する意思決定や企画には、地球の要領とか生態系のキャパシティに配慮する感性が基本的に欠けている。
★そのとおりだけど、感性って?
○112物事を因果の蓄積と見ないで、バラバラの事件のぶつかり合いとして見ていく。
★因果関係から共通解を導き出した方が安心するんだろうけど、そこに硬直が生まれるとは思っていないんだろうな。
○177そろそろ下水の糞尿からリンを取るシステムを作らなければいけない。
★色んなものが枯渇していく中で、新たなシステムを望んでいるんだな。太陽電池だけじゃないんだ。