三浦しをんのレビュー一覧
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ネタバレ三浦しをんさんのエッセイ。いつも仕事の日常をクスッと笑いに変えてくれる後輩を思い出します。
以下本文より
とうふちゃんは豆腐のほかには、麺類が好きらしい。冷たいうどんやすぱげてなどを、手づかみでどんどん食べる。そのとき、もう片方の手で必ずスプーンを握っているのがおかしい。どうやら彼女なりに、「食事はスプーンで食べるもの」とちゃんと考えてはいるようだ。
腹ちゃんは、二日前にドイツから帰ってきたばかりだという。お互いになんとなく、「第一線でバリバリ働いているひと」のようなスケジュールだ。どこの第一線なのかは定かではないが。
石ノ森章太郎(仮面ライダーシリーズ)の作品の根底にあるのは、善と悪に明確な境界などない、ということだ。「正義」とは周囲の状況によって定義されるものてあり、正義のためにふるった拳も、やはり暴力には違いないのだ、ということだと思う。 -
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'走る姿って、きれいだから'
大学のオンボロ寮で暮らす10人(陸上経験皆無がほとんど)が箱根駅伝を目指す物語。
襷をつないでいくメンバー、一人ひとりの想いが、最後の走りの中で丁寧に描かれており、非常に読み応えがあった。
一方で、双子の描写はやや子どもっぽく、好みが分かれそうだと感じた。終盤も走りに集中していないように見える場面があり、少しストレスを感じた。
走の速さを一時的に体感したユキが、
「走、おまえはずいぶん、さびしい場所にいるんだね。」
という場面は、長距離ランナーの孤独さだけでなく、圧倒的なスピードによって他者を寄せ付けない孤高さまでも感じられた。
それを共感できる仲間に出会えたこと、走ることは速さではなく『強さ』を追求することが大切だと知った走に、読んでいて嬉しくなった。 -
Posted by ブクログ
老舗ホテルで働く若い男と、書道教室を営む書家。AI時代には絶滅危惧種になりそうな職業同士か、いやだからこその組み合わせなのかもしれない。2人の関係はほのぼの、しみじみ、こういう話を丁寧に書く三浦しをん作品で優しい気持ちになる。
実在するホテル三日月は木更津にあるはすだが、この小説の三日月ホテルは西新宿。都会のビルの谷間から見る細い月は趣きがあるのだろうか。西口公園の風景もみえてくるし、書道教室のある下高井戸の街並みも下町的な雰囲気が感じられる。その場に一緒にいるような気分になる、2人の会話をそばで聞いているような感じがする。そんな臨場感のある小説だった。
書家とヤクザで検索したら、闇バイトやオレオレ詐欺に当家は関係ないという張り紙写真のSNSが出てきた。文字の果す役割は単なる記号ではない、ということを訴えてくる小説は案外リアルなんだなと思う。 -
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あまりにも残虐な、しかし人の想いというものはここまで狂った場所にでも辿り着けるものだよな、と理解できてしまう衝撃的内容からスタートする本作。
私は読み切れるだろうか、と心配になったのも冒頭だけで、一章を読み終える頃には完全にこの物語の虜になっていた。
ー恋に落ちた人は誰だってイカれてるわ。恋ってクレイジーなものよ。社会で許容された狂気ね
これは『her 世界でひとつの彼女』っていう映画に登場する台詞なんだけど、本作を読み始めて、まず頭に浮かんだ。
“恋に恋してる”とはよくいったもので、本作の中心に存在する【先生】のような恋愛依存の人を私は見たことがあって、よくいえば誰といても幸せを見出せる、悪く言えば誰をも不幸にする、と言えると思っていた。
全くその通りなのでは、と思わざるを得なかった。
自分が幸せであること以外に興味がない。自分以外の人間の感情に思いを馳せることができない。それって全くもってクレイジーだし、恋愛依存の場合このクレイジーさに依存しているから、周囲の人間はいつまで経っても、誰も幸せにはなれない。そして恐ろしいのはその“周囲”の距離が意外と遠くまで広がっていること。渋谷先輩はその後どうやって生きていくのだろう。
あぁ、興味深い一冊だったな。大満足。
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Posted by ブクログ
2026.5.17再読。
前に読んだ時はあまり面白いと思わなかったんだけど、直木賞受賞作だと知って、
読み直してみたいと思っていたら、弟が持っていた(私の本はなぜか今、手元にない)読み返してみたら結構面白くて、最後は夜更かしして読み終えてしまった。
主人公の多田も一風変わった高校からの同級生行天も他の登場人物もみんな過去を抱えて生きている。
人って言わないだけで、いろんな過去や
辛いこと抱えて生きているよなぁとこの年になると、しみじみ思う。
登場人物みんながんばれって読み終わって
思いました。
最後に行天くんが帰ってきて、良かったなぁって思ったけど、このお話まだ続くんですね。
ぜひ続きも読みたいと思いました。
何度も言うけど、「舟を編む」が大好きで、それを基準に三浦しをんさんをみているけど、実はいろんなタイプの作品を書いていて、なかなか奥が深いなって思います。
これも何度も言うけど、時間が足りない!!
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Posted by ブクログ
おもしろいと聞いていた三浦しをんのエッセイ。書き口?がめちゃめちゃオタクのそれでウケてしまう。コテコテのオタクしゃべりとでも言えばいいのだろうか。セルフツッコミの嵐であった。
文章や日常へのまなざしはすごくおもしろいのだけど、ちょこちょこと自虐が過ぎるんでは…そんな、そこまで言わんでもと思うような表現などもあって、でも女オタクってわりと自虐や自己卑下が標準搭載な感じもあるよなあと思う。なんでそこまで自分を下げなきゃならないんだろうか。自虐って相当上手にやらないと他の人のことも踏むよなあ。後半はほぼハイローか宝塚の話をしておらず、オタクが何かにハマったときの熱量がありありと伝わってきた