【感想・ネタバレ】光のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月28日

いやぁ、参った…すごい、すごすぎる…
物語はずっと不穏な空気に包まれ、
圧倒的な理不尽や現実がドロドロ重くのしかかってくる
救いはないし、ずっと脳天を殴られ続けてるのに
読むのをやめられない、この感じ!
先がもっと知りたい。
作品に呑み込まれいくのを感じました。
もちろん読後のすっきり感もないし
...続きを読むによっては二度とない読みたくないような
暗くて重い作品かもしれないけど、
私は愛に縋って縋って、それがエゴだと気付かず
ひとりよがりに狂っていく信之も輔も愛おしく感じた。

"死ぬことでしか、ひとは秘密から逃れられない。"
最後の最後、
秘密を手に入れた南海子の思惑の恐ろしさと、
なにくわぬ顔をしていつも通り過ごす信之の
静かで暴力的な魂といったら…ゾクゾクしました
しをんさんの文章がとても好きです。
終わり方が想像力を掻き立てられて堪りません。

今まで読んだ小説で1番脳汁出た作品かも。

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Posted by ブクログ 2024年03月13日

鬱展開大好き人間なのでこちらは救いようがなくてとても良かった。災害の発生がベースにあるから、こんな感想を抱くのは今の日本だと不謹慎なのかもだけど。

災害がひとつのきっかけではあるものの、登場人物たちの性質や関係性は、潜在的にあるいは顕在的に最初からあったものなように思う。深くはない、かといって決し...続きを読むて表面的なものでもない各人の絆がとてもえぐい。
湊かなえ『Nのために』と東野圭吾『白夜行』を足して煮詰めた感じ。

最後はタイトルの通り希望があるのかな、と予想しながら読んだものの、広く冷たい灰色の海に投げ出され放置されたような読後感だった。

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Posted by ブクログ 2023年08月10日

ここ最近読んだ本の中で1番いいです。
タイトルとは裏腹に、内容は暗闇続きで全く光を見出せません。たとえ捻くれていて、決して明るいとは言えなくても、読んでいて光を探し求めてしまうのは何故でしょうか(^_^;)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年05月13日

「光」というタイトルから、津波の被害を乗り越え明るい未来に向かっていくストーリーだと思ってたいら、暗くて、心を抉られ潰されるような苦しい話だった
暴力的なシーンがちょこちょこあって胸が苦しくなった
山内さんの存在が救いだった

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Posted by ブクログ 2022年10月18日

これまで読んだ三浦本とは全く異なる内容で、ホラーとまでは言わないが、冷え冷えとした怖さを感じる一冊。圧倒的かつ理不尽な暴力に振り回される人間。自然のちからだけでなく、隣人、親、夫婦の間でも振るわれる。力だけでなく無関心という暴力も。そして、その力とは全く無縁だった人間も、ひとたびその機会を得るとそれ...続きを読むを利用しようとする。タイトルの「光」とは全く無縁の、なんとも言えない嫌な感じが残る。ただ、本の力を感じる一冊でもある。

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Posted by ブクログ 2024年04月08日

『舟を編む』のイメージを持って手にとってみましたが… ギャップがあまりにもあり過ぎ‥
狂気か、いや、日常のある深い部分、普段は表になかなか出てこない部分を飾り気無く表現している様にも思われます。
川崎の街を舞台に、その影と光を演出してます。
『光』の救いを求めているのか、『光』そのものが無い世界なの...続きを読むか、よく分かりません

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Posted by ブクログ 2024年02月13日

読み終わったときには、恥ずかしながら‥これは何の話だったのかな、と思ってしまったけれど、解説を読んで少し理解ができた気がする。
確かにこの話には、様々な暴力が出てくる。
どうやって乗り越えるのか、向き合うのか考えることが必要。
という理解であっているのかしら。

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Posted by ブクログ 2023年09月14日

この話に出てくる人間は、話の中心的存在から脇役までどこまでいっても自己中心的にしか生きられない。でも、彼らはあくまでも自分と周囲の人間を加害者と被害者、正義と悪に分けたがる。側から見れば、冷酷で昏い人間に見える登場人物たちだが、そうした感情は現実を生きる私たちの誰もが、そしてこの世界の万物が持ち合わ...続きを読むせるものなのではないか。暴力はどこから生まれ、どこへ向かうのか。答えは永遠に出てこない。目を背けがちでありながら、普遍的という厄介な源を抱えながら、私たちはどうすれば清らかに生きていけるだろうか。

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Posted by ブクログ 2023年06月22日

三浦しをん先生の作品は明るい雰囲気のものしか読んだことがなかったけど、この本は登場人物が色々な闇を抱えて生きている。どうしようもないドス黒い感情が渦巻く、人間味がある物語だった。

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Posted by ブクログ 2023年03月25日

最初のうちはリアリティを感じにくくて、感情を誰に入れることも出来ず、つらい設定もあってか読むのがきつかったけど、輔の視点で語られるあたりからは、読み進めるスピードが増して、気づいたら一気に最後まで読んでしまった。タイトルの「光」とは「希望」なのかなと勝手に思っていたけど、そうじゃない。では何なんだろ...続きを読むう?圧倒的に悲しい物語!そして圧倒的な三浦しをんさんの文章!間違いなく代表的な作品であると思った。

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Posted by ブクログ 2022年08月13日

「光」というタイトルに惹かれ読み始めた本作。そこにはきっと希望の光が存在するはず、と思っていたんだけど、あったのは暗く落ちる影と、求めるけど得られない光。描写には目を背けたくなるようなものもあったけど、読後は不思議と落ち着いたような気分だった。家族の今後を想像したくもあったし、自分が主人公の立場であ...続きを読むればどうしただろう、と考えたくもなった。そう思わせるのは構成の見事さか。他の作品が読みたくなった。

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Posted by ブクログ 2022年06月28日


小さな離島で生まれ育った信之は、同級生の美花と付き合い、幼馴染の輔は信之を慕う。ある日島を大津波が襲い、3人と数人の大人だけが生き残る。救出最終日に美花がある大人に襲われ、信之が助ける際に殺めてしまう。秘密を抱えたまま3人が迎えた20年後、実は当時の真相を知っていた輔が信之と美花の前に現れ脅かす。...続きを読むそれぞれの生き方、愛し方がリアルに描かれた物語。

三浦しをん3作品目。
前読【舟を編む】【風が強く吹いている】はどちらもハートフルでエネルギッシュな前向きになれる良書だった。今でも物語は元より、細かな描写まで蘇るほど私にとって名作だ。

本作を読み、まず疑う。本当に同じ著者が書いた作品なのかと。表題名である【光】に抱くポジティブな印象は微塵もない。ただただ陰鬱で、救いを探す方が困難で、生々しい性描写と腹黒い人間愛が滔々と綴られている。また、本作が連載開始となったのは2008年と東日本大震災前に存在していたことに驚く。

本作品のテーマは【暴力】だ。
身体、心理、天災、環境すべてに、暴れる力が付き纏う。暴力によって傷つく者、救われる者、得る者、失う者の姿が、信之、輔、信之の妻・南海子の3人称視点で綴られている。

解説でも綴られている表現が最も相応しいので引用するが、この作品は『素晴らしく容赦がない』

天災という抗えない暴力から始まり、皆が互いを見下し、目には目を歯には歯を、秘密には秘密を、暴力には暴力を重ねる。ある者は先制攻撃を、ある者は報復を、ある子はひたすら痛みに堪える。凌辱、虐待、殺人という暴力、無関心・無責任という暴力が容赦なく描かれている。

私はこの【光】と言う作品に一筋も光を見出せなかったが、3人の独白の中で時折り浴びせる皮肉な心の叫びに共感した自分がいたことは間違いない。私も暴力のすぐ傍にいる人間の1人であることを思い知らされた。


私はこの作品で著者をもっと好きになった。
評判やイメージといった体裁に臆することなく、人間の内面を赤裸々に世へ描き残してくれた三浦しをんをもっともっと好きになった。

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Posted by ブクログ 2022年03月13日

東京都の離島に襲った津波から描き出されるこの物語は、2006年から文芸誌に連載されたものだが、その5年後に東北地方を襲った津波災害のことや小説家の想像力のすごさを思わずにはいられない。中学生で既に美しい容姿を武器に男を翻弄する美花。純粋に美花を想い、妻子があっても彼女を偶像のように崇拝する信之。そし...続きを読むて父のDVに晒され続け成長した輔の歪みが引き起こす新たな波乱。しをん嬢の小説には時に泥のように沈殿した世界を描くものがあるが、本書はまさに人間のドロドロした部分をえぐる物語だった。

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Posted by ブクログ 2024年04月03日

タイトルとあらすじだけでは想像をなし得ない、圧倒的な世界があった。
光なのか闇なのかわからない気持ちになった。

しをんさんのエッセイを読んだあとだったので、いろいろ脳内が整理し切れていない。

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Posted by ブクログ 2024年04月02日

中学生という年齢では、どこで生きていても世界はそう大きくはないだろうけど、本土から離れた島だと、さらに顕著でしょうね。
島の中だけで生きていると、良くも悪くも人間関係がすべて筒抜け。
ただ、狭い世界だからこそ、絆は強くなるのかもしれない。

島を襲った大災害。
そこで生き残ったとなれば、そのメンバー...続きを読むの結束はさらに強くなりそうなもの。
エピソードだけ聞いていると、勝手に美しい物語を想像したくなります。

そして災害から20年。
島とは関係ない人が主人公となり、何の話だ?と思っちゃいましたが、後からつながってぞわっとしました。
それぞれの時間を生きてはいても、忘れられるわけはない。

みんな何かに依存しているのか。
どう決着するのかと思いましたが、まさかこうなるとは。
人間は怖い生き物。

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Posted by ブクログ 2024年03月17日

救われない物語。
性描写、暴力、一方通行の愛、ネガティブさ満開の暗い展開。
そこに、希望の「光」が灯るのかと思ったら、最後まで現実を照らし出す「光」でした。
今まで読んだ三浦しをん作品とは異色の物語でした。

島で暮らす中学生の信之は、同級生の美花とすでに体の関係。中学生で??っていうのはおいておい...続きを読むて(笑)
そんなある日、島が津波に襲われます。生き残ったのは、信之、美花、幼馴染の輔、美花に色目をつかう山中、輔に暴力ばかり振るっていた父親、灯台守のじいさん。
島での最後の夜、山中と美花のある現場を目撃した信之は、美花を守るために罪を犯します。
そして、二十年後...

信之は美花と離れ、妻子とともに暮らしています。
しかし、信之の妻はちょっと変。嫌いなタイプの女です。
輔は一人暮らしで工場で働いていますが、これまた変な暮らし。
美花は芸能界。
そんな輔のもとに現れた父親。再びの暴力。
そして、輔は信之に20年前の事件を仄めかします。

登場人物、全員嫌い(笑)

全く救いのない物語。
あまりお勧めしません(笑)

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Posted by ブクログ 2023年12月19日

生ぬるくリアルな表現がよりいっそうストーリーを引き立てていた。誰も思うように救われずに終わるもどかしさが好き。輔の生き方が好き。

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Posted by ブクログ 2023年11月21日

もう少し救いのある話になるのかな、と思って読み進めていたんだけど、そうではなくて、、そういった意味では裏切られた感じ。辛い話だった。。

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Posted by ブクログ 2023年08月29日

島が津波に襲われ、生き残った少年少女3人の、終始暗くてどんよりとした話。
皆んなもれなく性格が悪くて、誰にも感情移入出来ないのに、先が気になって最後まで読んでしまった。
タイトルの「光」の意味が、私には分からなかった。

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Posted by ブクログ 2023年08月27日

島を襲った津波で、家族をはじめ色々な物を奪われてしまった中学生3人のその後が、こんなことになってしまうとは。

もしこの話に続きがあるとしたら、椿がどんな大人になっていくのか、心配になる。

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Posted by ブクログ 2023年06月12日

展開は分かりやすい内容だが、切なく悲しい表現がとても美しい。
嫌ミスな要素ではなく暗くてじめっとした湿度高めの内容。
ただ、最後の展開や途中の山場が欲しかった。
でも読みやすくて引き込まれる内容でした。
星4寄りの星3

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Posted by ブクログ 2023年04月30日

「まほろ駅前多田便利軒」シリーズとか「舟を編む」のイメージからするとこの物語はこわかったです。
こんな一面もあるんだな、三浦しをんさん、という感じでした。

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Posted by ブクログ 2023年04月06日

光と影がテーマかな、と思いました。影が濃い分、この物語における光とは何だろうか、随分考えました。最後に希望の光が見えますが。救済か、幻想か。光が当たって明らかになる、とも。んー。

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Posted by ブクログ 2023年02月07日

とても重く、暗い一冊。
重すぎて一旦本を閉じて、改めて読み始めた。
それでも最後まで読みたいと思えたのは、作者の文章が巧いからだと思う。続きが気になって、結局一気見してしまった。

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Posted by ブクログ 2023年01月06日

文庫本を読みました。

解説を少しだけ読み、限りなく神様に肉薄している、、、という評を見て読みたいと思ったので購入しました。
読み終えてからもう一度解説を読むと、この本の複数人の視点から世界が説明されていく形式を神様の視点と例えた上での表現だったのだとわかりました。
 
暗喩的な表現が非常に多く、僕...続きを読むにはその意味の半分も捉えられなかったように思います。主人公の内面を理解することが難しかったので共感がしづらかったですが、7割くらい読んだあたりで面白くなってきて最後の最後に主人公を少し理解できたような気がしました。

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Posted by ブクログ 2022年12月11日

人の命、暴力、性、について津波で多くを失った3人を中心に描かれる。ただ、津波後、山でカメラマンに襲われたり、子供が変質者に襲われたりと、?と思う点が多かった。先が気になり読み進めたくはなったが、結末は予想を超えなかった。

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Posted by ブクログ 2022年10月08日

なぜこの本のタイトルが光なんだろう。最後までよくわからなかった。

津波は殺人が人の命を奪うのは一瞬。でもそれによって負った痛みは死ぬまで続く。生き残ったものはそれでも生きていかなきゃいけない。

展開が気になりどんどん読んだけど、読み進めれば進むほど、気が滅入ってしまったのは否定できない。

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Posted by ブクログ 2022年06月23日

三浦しをん大丈夫かぁと心配になってしまうような、暗く悪意のある、救いのないお話。

歪んだ人物が故郷と家族の全てを津波で失って、その歪みを正せないままに生きていく話。救いのなさがキツかった。

どうでもいいと思っている人に対しては、どんな愛も言葉も届かない。終わりが来るのを喜んで受け入れる準備ができ...続きを読むている。とても悲しい人間ばかり。

輔(タスク)にだけは淡いものの、希望が見えたのに。

信之と美花の関係が、少し白夜行を彷彿とさせた。

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Posted by ブクログ 2022年03月26日

様々な形に姿を変えて出てくる暴力の波。
読み終えてまず考えたのがタイトル「光」
この光とは、希望の光ではない。希望などなかった。いや、本当になかったか??
愛というものをある風に装って家族を続けていくのもまた、希望ではあるのではないのだろうか。
認められないだけで、家族に対する愛はあったのではないだ...続きを読むろうか。
あぁ、愛とはなんだ。
では、闇を照らす光?こっちの方がしっくりくる。
ような気もする。いや、待って、希望の光も闇を照らす光も同じではなかろうか。
あぁ、もぅ、思考が迷走。
椿ちゃんのその後を読みたい。闇を抱えどの様に生きていくのか。大きくなった彼女に暴力は帰ってくるのか。

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Posted by ブクログ 2022年03月13日

だいぶ前に読み終わった本で詳細は覚えていないけど、色々な面で衝撃的な印象が強かった。その為一気に読んでしまったけれど、もう一度本を開く気になれなくて、手放してしまった。
船を編むで三浦しをんに興味を持ち、その次に読んだのがいけなかったのか…
でも、印象に残らなければどんどん忘れてしまう中で、今でも強...続きを読むい印象が残っている本の一つである事は事実。あれからしばらく経った今、機会があれば再読してみたい。

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