澤村伊智のレビュー一覧
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ネタバレ澤村伊智さんのホラー小説。
砂の邪神・ししりば。
住人の心を壊してでも家族構成を守る、いびつな家守神。いかにして「ししりば」が生まれたのか、一切不明。江戸の後期に突如として発生し、そこからひっそりと転々と住み移る家族を壊し続けた。
妻が死ねば女を補充し、老婆が死ねば老婆を補充。妊婦が死ねば体がボロボロでも無理やり身篭らせる。ひたすら「家族構成」だけを守り続けるのが、ししりばの「システム」となっている。
澤村伊智さんの著書に「ひとんち」という本がある。これは「我が家の常識と他家の違和感」をネタにした短編集だが、言語化することが難しい、あるいは認めることで何かを失いそうな出来事を描いているわけ -
Posted by ブクログ
ネタバレ寝る前に読むんじゃなかったと後悔しながらこの感想を書いています。
物件怪談アンソロジーということで、色んな怖さを楽しめる贅沢な1冊でした。
勿論怪異の存在はあるのですが、所謂ヒトコワでしたり伝染系に近いお話もあって驚きました。
個人的に終の棲家、ろろるいの家はちょっと怖すぎて数回本を閉じそうになりましたね。続きを読みたいけど、これ以上読んではいけないような、好奇心と恐怖心の狭間ってここかぁと思いながらも結局全部楽しく読んでしまいました。
郷内心瞳先生のトガハラミはあまりにも文体が艶やかで感動しました。果物を食べる様子をあんなにもセクシーに書くことができるなんて…。郷内心瞳先生は今回はじめまして -
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Posted by ブクログ
ネタバレヒトコワも、得体の知れないものが起こす怪異も、まんべんなく組み込まれておりバラエティに富んだホラーを体験できる。
澤村伊智の“すご~く嫌な人間”を創造する能力が凄まじく、特に「冷たい時間」の読後の落ち込みがすごい。
「冷たい時間」では妻と幼い子供に日常的に暴力をふるっている男性が出てくるのだが、調子を崩している妻の「代わりにごみを出しに行ってほしい」という精一杯のお願いに「家事はお前の担当だろ」と言い捨てるだけでなく、妻を殴って会社へ行く。その時点で既に憤りを感じるのに、その後の男の「大切な妻を殴ってしまった。帰りにケーキでも買っていこう」という見当違いのフォローには「ケーキを買いに行くんじゃ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ比嘉姉妹シリーズのファンです。
3つの短編が収録されている。
「母と」
ずうのめ人形の時もしてらやれたのに、また性別を誤読した。
最後のセリフの後味が悪いのよ。拓海は瑛子になってしまったのか……。
「あの日の光は今も」
辻村ゆかりがここで出るとは!呪いだけでなくとんでもない暴力女ですよ。
「悲鳴」を再読して、ゆかりの言霊が描かれているからして、本作の真相もゆかりの言霊が少なからず影響しているようにみえる。
そしてそして、湯水さんとゆかりがここで会っているとは……「ずうのめ人形」における2人がここで会っているとは……。
「さえづちの眼」
推しが登場!「比嘉琴子です」はテンションが上がる。