澤村伊智のレビュー一覧

  • などらきの首

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    誰ひとり救われない怪異譚、「などらきの首」。

    比嘉姉妹シリーズの第三編。短編集なのだが、表題作よりも「ずうのめ人形」の呪禁の女が出てくる話がめちゃくちゃ良かった。こいつが端から歪んでいたのか、力に気づいて歪んだのか、それが明確になる話だったから、なおさら良かった。

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    2024年11月03日
  • ししりばの家

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    澤村伊智さんのホラー小説。

    砂の邪神・ししりば。
    住人の心を壊してでも家族構成を守る、いびつな家守神。いかにして「ししりば」が生まれたのか、一切不明。江戸の後期に突如として発生し、そこからひっそりと転々と住み移る家族を壊し続けた。
    妻が死ねば女を補充し、老婆が死ねば老婆を補充。妊婦が死ねば体がボロボロでも無理やり身篭らせる。ひたすら「家族構成」だけを守り続けるのが、ししりばの「システム」となっている。

    澤村伊智さんの著書に「ひとんち」という本がある。これは「我が家の常識と他家の違和感」をネタにした短編集だが、言語化することが難しい、あるいは認めることで何かを失いそうな出来事を描いているわけ

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    2024年11月02日
  • 超怖い物件

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    寝る前に読むんじゃなかったと後悔しながらこの感想を書いています。
    物件怪談アンソロジーということで、色んな怖さを楽しめる贅沢な1冊でした。
    勿論怪異の存在はあるのですが、所謂ヒトコワでしたり伝染系に近いお話もあって驚きました。
    個人的に終の棲家、ろろるいの家はちょっと怖すぎて数回本を閉じそうになりましたね。続きを読みたいけど、これ以上読んではいけないような、好奇心と恐怖心の狭間ってここかぁと思いながらも結局全部楽しく読んでしまいました。
    郷内心瞳先生のトガハラミはあまりにも文体が艶やかで感動しました。果物を食べる様子をあんなにもセクシーに書くことができるなんて…。郷内心瞳先生は今回はじめまして

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    2024年10月28日
  • ファミリーランド【電子特典付き】

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    めちゃくちゃ面白い。家族ってやっぱり1番グロくて怖いよねってなる作品。
    サヨナキが飛んだ日、が自分の家族関係に近くて1番印象に残った。

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    2024年10月15日
  • ししりばの家

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    ネタバレ

    人間の嫌な面と怪異の絡め方が面白い。 今回は、怪異に操られてたとはいえ、異常なことを普通のこととして思い込み、日常を送る人間の描写が、怖い。無事琴子、五十嵐、銀の活躍で解決したが、犠牲も多かった。 ラストのあの展開は、恐れてたことが現実に、、果歩にイライラさせられてはいたけど、思いやりはあったので、最後に彼女を救って欲しかった、、

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    2024年09月23日
  • うるはしみにくし あなたのともだち

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    ネタバレ

    美醜とは何か、考えさせられました。
    「ユアフレンドの呪い」は残酷で優しい呪い、持ち主の為だけに悲劇的な喜劇を披露するだけのもの。
    ユアフレンドの真実こそが一番の呪いでした。
    思春期に読みたかった一冊です。

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    2024年09月22日
  • 怖ガラセ屋サン

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    ホラー✖️ミステリー。とても面白かった。特に「見知らぬ人」が怖すぎる。最初に予想してた展開が途中で裏切られ、と思えばその道筋に進みだし、何を信じればいいのかもう意味がわからない。ゾワゾワする。
    第一章のお話も、1番怖いのは人間って思いつつも人間を疑うことをせず、でもみんなを疑っていたら生きていられないし、、人に恨みを買わないのが1番だけど、これまでに絶対買ってきてるし、無事に生きられることを願うばかり。

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    2024年09月12日
  • 潰える 最恐の書き下ろしアンソロジー

    ネタバレ 購入済み

    なかなか潰えないという事

    心霊スーパーと言われても、なかなか潰えないのは、生活の砦のスーパーマーケットだから。
    毎日の清掃・洗浄・除菌で、除霊はできると信じたい…はず。
    見たか見ないか、非科学的にそんな事を言われても…
    しかし、文学的には、ドキドキさせる。それはそれだろう。フフ

    #ドキドキハラハラ #怖い #ダーク

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    2024年08月31日
  • ジャンル特化型 ホラーの扉 八つの恐怖の物語

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    夏だしホラーでも、と思い読みました。
    様々なジャンルのホラーが解説と共に記載されており、小説としても楽しめましたし、小説を書く際の勉強にもなりました。

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    2024年08月20日
  • 一寸先の闇 澤村伊智怪談掌編集

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    読みたくて探しまくってた一冊
    ショートショートホラー集
    ゾッとする話も切なくなる話も盛り込まれていて大満足
    読む前は何とも思わなかった表紙の路地裏みたいな写真が、読み終わって本を閉じた時にはすごく怖いものに感じたり
    何となく部屋の電気を点けてまわってしまったり
    恐怖が本を飛び出してくる感じ

    覚悟が決まらず長編を避けて澤村作品の中の短編ばかり読み漁っていたけど、いよいよ長編にも挑もうかという気持ちになった

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    2024年08月18日
  • 一寸先の闇 澤村伊智怪談掌編集

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    ネタバレ

    ヒトコワも、得体の知れないものが起こす怪異も、まんべんなく組み込まれておりバラエティに富んだホラーを体験できる。
    澤村伊智の“すご~く嫌な人間”を創造する能力が凄まじく、特に「冷たい時間」の読後の落ち込みがすごい。
    「冷たい時間」では妻と幼い子供に日常的に暴力をふるっている男性が出てくるのだが、調子を崩している妻の「代わりにごみを出しに行ってほしい」という精一杯のお願いに「家事はお前の担当だろ」と言い捨てるだけでなく、妻を殴って会社へ行く。その時点で既に憤りを感じるのに、その後の男の「大切な妻を殴ってしまった。帰りにケーキでも買っていこう」という見当違いのフォローには「ケーキを買いに行くんじゃ

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    2024年08月05日
  • わたしの名店

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    読んで、めちゃくちゃ敷居が高いけど、銀座の久兵衛で江戸前鮨を食べてみたくなった。
    もうカウンターで食べても許される歳ではある(笑)

    佐賀には行ったことがないけれど、あの餃子食べてみたい!ゴローさんも食べたかな。

    澤村伊智さんが、コロナが明けたら真っ先に行きたいと言っていたお店、イラストの下に小さく閉店文字があって切なくなった。

    藤岡陽子さんのおばあちゃんとお姑さんの、キッチンゴンに出前を頼む時の言葉には、昼休みなのに涙がじんわり出てしまったよ。

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    2024年07月23日
  • 一寸先の闇 澤村伊智怪談掌編集

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    そんなに怖いわけじゃなかったけれど、ずっと不思議が側にある感じ。ぞっと一気にくるものもあれば、ぞわぞわと来るものも、意味が分からず取り残されるようなものまで。やっぱりホラーとショートショートは相性が良い。題材が良いから中編で読みたくなる様なタイトルもあったりしたけれど、満足。

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    2024年07月13日
  • わたしの名店

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    色んなエピソードと共に語られるそれぞれのわたしにとっての名店。読んでるだけでお腹が空いちゃう一編から、切なくて目頭が熱くなる一編、一緒に居心地の良い空間でくつろいでいる気持ちになれる一編…このページ数でここまで心を揺さぶってくるのはきっとわたしにも素敵なお店と出会った経験があるから。わたしにとってのいちばんの名店探しの旅はまだ続きそうです。

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    2024年07月04日
  • 恐怖小説キリカ

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    どこまで本当でどこまで作り話?
    レビュー書きづらくて笑った。
    最高に恐ろしくて面白かったです殺さないd((

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    2024年06月30日
  • 恐怖小説キリカ

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    淡々と進んでくのですが、そのうちアレ?ってなって、ギャーー!ってなります
    これぞほんとのホラーだよだって思いました
    本読みのあなた、気をつけて

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    2024年06月26日
  • 予言の島

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    ネタバレ

    展開が早くない? と思っていたら、これかよ。
    電気人間……。
    やられましたわ。
    そして、これはホラー。

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    2025年09月21日
  • うるはしみにくし あなたのともだち

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    見えないけどそこにある。触れられないけどそこにある。音もしない。匂いもない。でも、そこにある。本当にある。
    1番怖い。
    スクールカーストとルッキズムの恐ろしい作用。
    あの子はあの子の理解の中ではとても人に優しい子だったのだろう。優しくしようと心がけてはいたはず。でもその優しさは自分の理解の中だけのもの。
    持たざる者が聞けば彼女の励ましはただ傲慢なだけの言葉になる。
    なんとまあ怖い話だろう。
    大好物。

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    2024年05月29日
  • さえづちの眼

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    比嘉姉妹シリーズのファンです。
    3つの短編が収録されている。

    「母と」
    ずうのめ人形の時もしてらやれたのに、また性別を誤読した。
    最後のセリフの後味が悪いのよ。拓海は瑛子になってしまったのか……。

    「あの日の光は今も」
    辻村ゆかりがここで出るとは!呪いだけでなくとんでもない暴力女ですよ。
    「悲鳴」を再読して、ゆかりの言霊が描かれているからして、本作の真相もゆかりの言霊が少なからず影響しているようにみえる。
    そしてそして、湯水さんとゆかりがここで会っているとは……「ずうのめ人形」における2人がここで会っているとは……。

    「さえづちの眼」
    推しが登場!「比嘉琴子です」はテンションが上がる。

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    2024年05月24日
  • ひとんち 澤村伊智短編集

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    再読!
    澤村先生は短編集もでたらめに面白い!とても怖い!!
    日常のすぐ隣に歪な恐怖が潜んでいる8本の短編集
    特に『シュマシラ』『宮本くんの手』『死神』の3本が好きでした
    シュマシラの冒頭からは想像できないラストは何回読んでも鳥肌が立ちます
    『ひとんち』『じぶんち』が最初と最後にきてるのがまたすごく良い構成
    自分の家の常識は外では非常識かもしれない、そんな不安な気持ちになる

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    2024年05月12日