澤村伊智のレビュー一覧
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比嘉姉妹シリーズの短編集。
今回は恐怖と言うよりも、ちょっとしんみりする話が詰め込まれていました。救いようがないことでもないけれど、人によっては許せないことをしてしまった人とか、助けを求められなかった人とかが、悪さと言うよりも、死にすがりついている。そんな感じの物語でした。
ぼぎわんやずうのめが『人が結局怖い』などと評されがちだが、今回改めて思った。怪異が認められている世界設定で人間が怖いはありえない。なぜなら怪異そのものは自然現象から外れた超常現象なので、なまじ人の姿をしている怪異は話が通じないからだ。それなのに「人が怖い」と脳死でうそぶくのはやめようぜ、という澤村伊智さんからのメッセージ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ*ステリー界の最前線で活躍する作家陣による、全編書き下ろしの超豪華アンソロジー「Jミステリー」。第5弾も誰もがよく知るあの作家たちが競演! これを読まずして日本ミステリーを語ることなかれ。『Jミステリー2024 SPRING』登場。 姫川玲子シリーズが圧倒的な人気を誇る誉田哲也。イヤミスの旗手、真梨幸子。『法廷遊戯』で脚光を浴びた五十嵐律人。ホラーといえば、澤村伊智。数々の人気シリーズを誇る五十嵐貴久。昔ばなしと本格ミステリの融合が人気の青柳碧人。大人気ミステリー作家たちの新作書下ろしを収録した贅沢なアンソロジー第5弾*
今作も面白かったー!
お目当ては誉田哲也氏の姫川シリーズでしたが、他の -
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豪華ホラー作家による短編集。
一見「人間が怖い話」のように見せておいて、しっかり怪異でさらっていく。特に印象に残ったのは、やはり澤村伊智の「ココノエ南新町店の真実」である。
とあるドキュメンタリー作家の取材という名目で始まり、途中途中で、編集者と思われる人とのメールのやり取りが挟まれている。
なんの変哲もない街のスーパーで起こった「心霊騒動」にスポットを当て、怪異の正体について取材をしていた女性。平凡な日常を送る店内。ゆったりとしたイートインスペース。休憩中の買い物客。時折り見かける「おかしな」客。どこを切り取っても、当たり前が溢れていた。
徐々に滲み出す不穏。狂い出す文体。緊迫さを通り越