澤村伊智のレビュー一覧
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ホラー映画『来る』の原作。
おおよその登場人物の設定は変わらないけど、もっと柔らかい展開で読みやすかった。特に、比嘉琴子は映画では冷たそうで内側の情熱を少しだけ見せて退場してしまったけど、この琴子は妹への愛情と強さを見せつけて生きて還った点が好きだった。
1番違うのはぼぎわんの真相かもしれない。映画でここまで描くのは無理だったけど、文字ならば書けることもあるということだろう。ぼぎわんは秀樹の祖母が祖父を恨んで呼んだこと、人の子どもがぼぎわんになること…ただ、なぜぼぎわんになるのかだけは分からなかったけれど。そういう、『おやま』に化け物がいるという信仰によるのだろうか。また、なぜぼぎわんは人を食 -
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ネタバレまず、今まで読んできたホラー小説の中で断トツ面白かったです。
正直、第一章に恐ろしさや不安がギュッと詰め込まれており1番ピークだと思いました。
ですが第二章では心霊の怖さはもちろん人の怖さ、所謂ヒトコワも盛り込まれているなと感じてそれもまた面白かったです。
第一章では秀樹視点で物語が進められており、次々と起こる怪異の合間に自称イクメンを謳う秀樹の妻子との日々が書かれている。
第二章では秀樹の妻である香奈の視点で物語が進むが、第一章の秀樹の目線で語られたイクメンぶりは真っ赤な嘘であり田原家の実情が明かされる。
第一章でも秀樹に対して違和感を抱く部分はかなりあるが、秀樹は自身を「良き夫であり良き -
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表紙がラノベっぽいので食わず嫌いしてました(^_^;)
私は澤村伊智作品が好きなので、万が一ラノベっぽい薄っぺらい内容だったらガッカリするだろうなぁと思って…
でもレビューに「表紙はラノベみたいだが中身はいつもの澤村伊智」という評価が多かったので意を決して手に取りました
結果大満足!!
めっちゃ面白かったです!!
なんでこんな表紙にしたんだろう…澤村伊智ファンが不安になるような表紙なんですけど…笑
短編小説なので読みやすかったです
でも連作なので繋がりもあって読み応え抜群でした
登場人物たちがとても魅力的です
ホラーの中でもヒトコワ系が中心です
終盤はまさかまさかの展開に息を飲みました
口は -
Posted by ブクログ
読みやすい短編ホラー小説です
どのお話も捻りがあって大変面白かったです
怖いけど切なくなるお話もあって読んでいて惹き込まれました
澤村伊智作品が昔から大好きです
長編は読み応えがあるし短編は読みやすくて好きです
比嘉姉妹シリーズも追っています
どれも面白くて満足する作品です
本作はどのお話も読ませ方が違っていて飽きのこない構成になっていました
ただ、他のサイトなどでレビューを拝見すると「オチがわからない」という感想を寄せられている人もいるようですね
ハッキリした答えが書かれているというよりは、物語を読み進める中で最後にハッとさせられる書き方をされているので、もしかしたら人によっては読解力が -
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6編の短編集で、いずれも文芸誌やWEB版で既出済とのこと。
表紙や帯にはその旨の記載はなかったけど、最後のページにちゃんと記されてました。
そうですよね、だいたい初出の記載ってありますよねウンウン。
前読んだ本に初出の記載がなくて、とても残念な思いをしたから…(まだ根に持ってる 笑)
どのお話も面白かったです。
中でも、栗原さんのお話が印象に残りました。
読み終わった後も、例の家のカギに書かれてる「なし」の意味にとらわれてて…名を成しての成し?(おじいさんの家だから) それとも名を成して無いの無し?(おばさんが幽閉されてた家だから) どういう意味なんだろ…
あと、今回の梨(なしの話の後に梨