澤村伊智のレビュー一覧
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比嘉姉妹の短編集の中で一番面白かった。
『鏡』
前日譚に分類されるんだろうか。共感性羞恥で吐き気。こんな人間は何処にでもいる。澤村伊智はどこにでもいる人間の当然持ち合わせている悪意を書くのが抜群に上手い。あと真琴……まじかよ……。
『わたしの町のレイコさん』
三本目の脚。やっぱり海綿体に脳があるやつは糞。
『鬼のうみたりければ』
語り口調のホラー小説好き。あとこういう世にも風なやつ。世にもっぽいやつって世にもっぽいやつとしか言えないんだよな。語彙力のなさ。
『赤い学生服の女子』
怖くはない。何だか奇妙な懐かしさを感じた。
いとしい絶望からの、オチのヤバさ。何も解決してないじゃん。
『 -
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澤村伊智さんの比嘉姉妹シリーズ。
これまでのテイストと一変。かなり挑戦的な物語りばかりの中編小説だった。
澤村伊智と言えば、愉快で、爽快な、不快描写だけど、今回は少しセンシティブな話に首を突っ込んだ感じであった。
比嘉姉妹シリーズは、問題解決がメインではなく、怪異への抵抗や、軽減が目的であり、いわゆる解呪や退散は珍しいので、毎度「この怪異を真琴は、琴子は倒せるのか?」と思うのだが、今作に限っては、一作目の「ぼぎわん」同様、倒し方が分からん。
(思い返せば「などらき」に関しては野崎のスピンオフだったので、比嘉姉妹と遭遇さえしていない)
ちなみに、現時点での比嘉姉妹の活躍は、
⚫︎ぼぎわん -
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三津田信三さんがそれぞれの作家さんに怪談のテーマを伝えて、「自分が一番怖いと思う怪談を書いてください」とお願いした怪談アンソロジー。
どういう怪談が好きかによって好みの作品が別れそう。
単純に一番怖かったのは
澤村伊知さんの『サヤさん』かな。澤村さんへのテーマは霊能者怪談。
なんと言うか、ゾクリとする怖さがあった。
でも、一番好きだなと思ったのは民族学怪談をテーマに書かれた霜島ケイさんの『魔々』
村の言い伝えとか、風習って恐いと思う内容って結構あったりしませんか。
村人にとっては禁忌だったりする事とか。
そう思う怖さがこの作品にありました。
霜島さんは初めて読む作家さんでしたが、他の作品 -
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ネタバレ澤村さんの作品は二つ目!
名前からして面白そうで、気になって読みました。
謎の黒髪ショートの女性(話ごとに氏名が違う、幽霊なのか?)が出てくる連作短編集。
〇〇を怖がらせて欲しい…そう祈る人の願望を叶える怖がらせ屋さん容赦なくて怖すぎた…
女性について、あらゆる時代、あらゆる地方で、「怖がらせ屋サン」「コワガラセヤサン」「怖がらせ屋」等々の呼び名で、都市伝説となっています。
一話一話が怖っ!となる結末を迎えていて、それでいて完全に真実がぼやっとしてはっきりしない部分があるのがまた怖かった…
「結局一番怖いのは生きている人間なんだよね」
色んなところでよく聞く言葉ですが、果たして本当にそうだろう -
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この本の作者が登場人物として出てくる。
大きく3章に分かれており、第一章が作者の視点、第二章が妻の手紙、第三章が妻から手紙を受け取った作者の知人の視点。
第一章はぼぎわんの裏側はこんな感じだったのか〜と興味深いもののキリカへの違和感が最後を予想させられ少しダレた。第二章でその違和感は当たるものの予想以上の事が起こり始めちょっと本当に怖いなと思い始める。第三章はもうどうなるかはらはらし、最後は主人公が作者であるがゆえに、この本の恐ろしさがこちらにまで牙を向いてくる。
どこまでが本当のことなのか今でも分からない。
比嘉姉妹シリーズしか読んでいなくて、最近までこの本を避けていたのが悔やまれます。