澤村伊智のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
世間一般的には、今年のナンバーワン候補に既に挙がっている「ファイアドーム」。
閉ざされたまではいかないが狭い世間、見てもいないことをネット情報だけでさも知っているかのように正義を振りかざすネット民、
澤村伊智の手にかかれば、ここに、鬱々としたキャリア転落陰キャの卑屈さとプライド、そこに取り込むもはや夢魔としかいいようのない存在が入り込む。
川西市T台、という設定ですでに北摂民としては最高な中、マイルドヤンキーと数少ない知性を保った自分。
そしてその前には、もはや、平山夢明か白井智之かと思わすような、強烈な描写による惨劇。
その根底にある、挫折した陰キャの絶望。
そして、惨殺された被害者たちが -
-
Posted by ブクログ
大好きな比嘉姉妹シリーズ!
ずっとずっとずっと追いかけています!
今回は短編集ですが連作のような形で構成されていました
比嘉家について語られています
どの話もすごく面白いのは当然のこと、これまで明かされてこなかった家族の人物像についても描かれています
こういう家族がいたんだな…と切ない気持ちになりました
短編集なのでスキマ時間に少しずつ読むつもりでしたが、結局一気読みしてしまう面白さです
澤村伊智先生の作品は何を読んでも面白いのが本当にすごいです
ハズレがない安定感があります
本作の時系列的にはどの辺にあたるのでしょうか?
比嘉姉妹シリーズは大好きなのですが、作品によって時系列がバラバラな -
-
Posted by ブクログ
澤村氏の大人気シリーズをベースに、勿論怪異との対峙を軸に語られてはいるが、これは今や世界中に影を落とし、この瞬間も幾多の命を奪い続ける卑劣な戦争を糾弾する言わば『反戦』がテーマの人間ドラマだと思った。
冒頭の序文で、我らが絶対的正義の守護者ウルトラマンが、唯一地球人に背を向けた(思い止まってはくれたが…)エピソードの一部台詞が綴られていた。
害意等を微塵も持たない異星人が心無い地球人の手によって虐殺される話だった。
人間は大なり小なり鬱屈した感情を内包して日々生きている…
だから、
そこに正義だ!或いは復讐だと、それらしい道筋を付けると、いとも容易く暴発してしまう。
その愚かさこそを見事に -
Posted by ブクログ
海からやってくる恐ろしい「びしょびしょのお化け」。
恐ろしい怪異のお話として読み進めていくと、物語は予想だにしない方向へ。
物語が方向転換してからの一触即発感が凄い嫌だった!嫌だけど行き先が知りたくて読むのをやめられない。
本作はシリーズ史上最も比嘉姉妹のルーツが沖縄であることを色濃く映した物語。
ホラーを超越し、沖縄が辿ってきた歴史とその重み、そこに重なる人々の哀しみをしんみり感じる読後感だった。
私は「本土の人間」であるけど、沖縄の南国特有の陽気さやカルチャーなど良い面だけを切り取って消費してきたことを反省せざるを得ない。
そうした「無意識の差別や搾取」を澤村伊智さんは巧みにホラーに落と -
Posted by ブクログ
いやー豪勢でした。
比嘉家がよく分かりました。
しかし、悲しく残酷な物語です。
ざんどぅまの影の後なので、
いかに壮絶に戦った家族なのか、
琴子は凄まじい苦労を背負って生きてます。
父親は、本物のクズだし、
祖母がざんどぅまの影の中で反対していて、
近所の人間たちも反対していた通り、
7人もの子供がいたのに、
最後までクズを通して、琴子の母はアホなのか?
ここまで来たら母親のお話しも読みたいです。
比嘉家の話しが気になって、
読みたい方も多いかと思いますが、
あまりに残酷な運命で胸は痛みます。
色々な手法を駆使して、
恐ろしい様々な比嘉家の兄弟の
出来事が描かれる本作。
胸を痛めながら完読しま