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Posted by ブクログ
世間一般的には、今年のナンバーワン候補に既に挙がっている「ファイアドーム」。
閉ざされたまではいかないが狭い世間、見てもいないことをネット情報だけでさも知っているかのように正義を振りかざすネット民、
澤村伊智の手にかかれば、ここに、鬱々としたキャリア転落陰キャの卑屈さとプライド、そこに取り込むもはや夢魔としかいいようのない存在が入り込む。
川西市T台、という設定ですでに北摂民としては最高な中、マイルドヤンキーと数少ない知性を保った自分。
そしてその前には、もはや、平山夢明か白井智之かと思わすような、強烈な描写による惨劇。
その根底にある、挫折した陰キャの絶望。
そして、惨殺された被害者たちが何故か笑いだしたところからすべてが始まる。
川西で本当にありそうな展開から始まり、
突然世界が転回したと思ったら…
後半は転回というよりも、何重もの箱入り構造。
異形のものというホラーを常に軸に置きながら、確実に、「嫌なものはヒト」「怖いものはヒト」を描ききってくる。
ほぎわんからのデビュー10周年イヤーを飾るに相応しい快作。
澤村さん凄すぎる。
個人的、ここまで2026年に読んだ本のナンバーワンかも。
Posted by ブクログ
一息入れての比嘉姉妹シリーズ長編だったが、面白かったー!多層的に入れ子になって展開する夢のまた夢のまた夢という展開。
なにが現実で何が夢なのか、訳分からんくなりながらも次の展開では幸せそうな…いや、てことは夢?!と絶望の連鎖。
ホラーだしサスペンスだしミステリーだし創作の様々が織り交ぜてあってほんとに澤村伊智さんはどんな頭の中してんだろね。
シリーズどれも面白く読んでいるけれども、今作が自分の中では頂点かなー。遡ってみると、あー、あれも!これも!とどれも面白かったのだけどねw
今月は新刊も出るので未読処理も進めていこうかな。あと2冊だけどね。興奮の読書体験だった。
Posted by ブクログ
2026年 今年最初の本(1~2月の本)
テーマは、人体の謎であり誰もが経験する身近な「夢」。澤村伊智作品らしい、正体不明の恐怖を予感させる『ばくうど』という名と、その『悪夢』というタイトルに惹きつけられる。物語の中心にあるのは「子供たちが見る夢」の謎。
章をおうごとにどんでん返し的な衝撃をぶつけられ、「もしかしてこういうことなのでは?」という自分の想像をはるかに上回る面白い展開の連続!529ページといういつもより多いページ数だったにも関わらず、面白さのあまり、体感サクッと読めた!
澤村伊智の長編作品でよくある印象だけど、最後の結末を知った上で、読み返したくなるストーリー構成。いつか必ず読み返したい作品になった。
通勤の電車内での短時間でしか本を読まないため、文庫化を待ちに待ってた作品だったけど、もっと早く読んでいたかった!と後悔してしまうような作品だった!文庫化大感謝!!!!
解説によると、デビュー10周年という節目らしく、「ぼぎわんが、来る」を始めとした作品に出会えてほんとに良かった。これからも読み続けていきたい!
Posted by ブクログ
面白かったです。
「近畿地方のある場所について」や「変な家」を変化球と例えるなら、本作はど直球のホラー小説。最近はモキュメンタリーとか「口に関するアンケート」なような変化球系がトレンドになっているだけに、こういう王道ホラーは逆に新鮮で楽しめた。
表題作からわかるように、本作は「夢」にまつわる怪異が登場する。
おそらく現実世界に100%満足している人なんていない。それどころか、ほとんどの人が現状に不満をもっていて、「つらい現実」てはない、いうならばifの世界に思いを馳せたことは誰だってあると思う。今回の怪異はそんな人間の心の弱さにつけこみ、人を襲う。
良かった点はたくさんあるけれど、まず一つ目はテーマが「夢」であること。
「夢」とホラー小説の親和性が高いのが、「どこからか夢で、どこからが現実なのか」が曖昧なところだと思う。
読んでいて、これは現実世界の話なのか夢の話なのかがだんだんわからなくなってきて、言いようのない不安感がこみあげてきた。
でもその不安感こそがホラーの醍醐味であり面白さであると思った。
二つ目はお話の展開。
比嘉姉妹がメインで活躍するというよりは、中学生の子どもたちが今回の怪異を通じて精神的に成長するというお話の展開も良かった。また複数回のどんでん返しがあって、500ページくらいの長編だけど最後まで楽しく読むことができた。
というわけで⭐︎5つ。
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