ビジネス・実用の高評価レビュー
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『誰にも迷惑をかけない社会とは、便宜上、自分の存在が誰からも必要とされない社会です』
お金で解決できること(交換)
お金では測れないこと(贈与)
資本主義は、物質的な豊かさを追求する。
そのための対価にあった物と物、あるいは時間を交換するために回る市場経済。
それに対して、関係性を繋ぐためにあるのが贈与。
副題の「資本主義の「すきま」を埋める倫理学」という言葉が著すように、資本主義だけでは今の時代はギスギスするものになってしまうので、贈与(ギフト)がその隙間を埋めていく。
ペイ・フォワード(Pay it forward)とは、自分が受けた善意を他の誰かに渡すこと。 -
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これはすごい力作。 テレビ雑誌でもおなじみのエコノミストの日本社会への憂国の書。この四半世紀、日本の生産性は実は3割上がっているが実質賃金は全く上がっていない、むしろ減っている。これはアメリカ金融界発の新自由主義、株主至上主義により大企業が利益を内部留保し恩恵は株主配当に回され従業員所得には全く寄与しておらず、特に新自由主義によって増大した非正規労働者へのしわ寄せは図り知れない。またイノベーションが収奪的システムとして働き、社会全体への恩恵は全く行きわたらずほんの一部の層に富が集中し日本でも貧富の二極化が進んでいる。当然そんな日本の財・サービスの価格は外国人旅行者にとって相当に割安であり 、当
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「議会制民主主義」という、イギリスで誕生しその後世界中にウェストミンスターモデルとして広がり普及した政治体制は、成り立ちからして両立しえないというショッキングな声明から始まり、この体制がどのように構築されていったのかをノルマン=コンクエストの時代から解き明かす良書
単に成立したイギリスの政治史・法制史を解説するのみならず、著者は現代社会における「民主主義」の在り方までその優れた洞察力を拡大させて提言する
ホイッグ・トーリという政党の誕生、後の自由党・保守党になってまで続く対立とその同質性、グラッドストン・ディズレーリという二人の巨人によって実現された「奇蹟の十年間」など、読み手の目を引くトピ -
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「嫉妬」は悪であり単に避けるべきものとして排除されてきたが、真正面から扱ってみることで大事な視点が見えてくるのでは?というような提案だと読み取った。
いつの間にか前提になりがちな「理性」「合理性」やら、「倫理」「正義」の理論やらを考えるとき、「嫉妬」のことを考慮できているか?と問うことが、外在的な上から目線の予防策になると思った。
また、自分自身の嫉妬から目を逸らさず正面から向き合って苦しんでこそ、何か見えてくるものがあるんじゃなかろうかという、より踏み込んだ提案もあった。その点ラカンの欲望論にも通ずるなーと。
ロールズ正義論の批判的検討が特に痛快。 -
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昨今色んなところで「ケア」というワードが飛び交っていて、「ケア」の1単語に雑多なアレコレが詰め込まれ過ぎている感じがして、違和感を抱いている。結局ケアって何なのか、ケアに注目することで何を主張したいのかがよく分からず混乱していた。
同じく岩波新書の『ケアの物語』『ケアと編集』を先に読んだが、フェミニズム等から出てきたケアの話と、医療の臨床等から出てきたケアの話が、自分の中でうまく繋がらなかった。
そこに本書を読んで、先に読むべきはこっちだったと後悔した。それくらい素晴らしい本。フェミニズム文脈からのケアの主題化にフォーカスし、ギリガンの提起からの系譜を順を追って解説し、主張の内容、意義、こ -
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「自分の頭で考えよう」「心の声に従い、やりたいことに邁進しよう」「他者とどんどん繋がろう」
といった、自己啓発書でありがちな文言が、この本では全否定される。
日本では珍しい"プロ哲学者"による、哲学への道案内と、私たち現代人のマズい状態の分析と、そこそこ具体的な提言がセットになった本。個人的には、もともと自己啓発の文脈が肌に合わなかったのもあり、著者の主張が好みに合って、とても好きな本になった。
しかしまあ何というか、感想を迂闊に書けない。表現・文体は易しく読みやすいので、意味不明ということではないのだが。というのも、本書の超ざっくり結論は、
「謎や疑問に対して、安易に -
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人間がうまく飼い慣らせず、それ故に人生や幸福そのものに深く関わってくる「暇と退屈」について、人類の系譜や哲学者の論述から分析した上で、我々現代人に対して一定の提案をしてくれる本。
色々な哲学者(主にハイデッガーとユクスキュル)の話をベースに、批判もしつつ良いとこ取りして、現代人にしっくり来る結論に落とし込んでいく論述過程が非常に面白かった。
登場する哲学者のことはほぼノー知識で読んだが、順を追って丁寧な論理で進めてくれるので大丈夫だった。難易度は低いと思う。
結論はわりとあっさりしているが、論述全体を追うことで読者自身の思考が変容していくこと、そしてそれを楽しむことこそが重要と著者は言っ -
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・戦後史の解放I 歴史認識とは何か: 日露戦争からアジア太平洋戦争まで
・戦後史の解放II 自主独立とは何か 前編: 敗戦から日本国憲法制定まで
・戦後史の解放II 自主独立とは何か 後編: 冷戦開始から講和条約まで
の3冊まとめて。
ウクライナ戦争勃発後、国際政治の動向にもついていきたいと思って勉強する中で読んだ本。著者は国際政治学者。ウクライナ戦争関係の情報収集のために彼のTwitterをフォローしていた流れで、著書も読んでみた。
第1巻で日露戦争~アジア太平洋戦争敗戦、第2巻の前後編で敗戦~サンフランシスコ講和条約の期間を扱い、”国際社会との関係の中で”日本の歴史を論じる内容。
日本 -
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練習による上達、発達、ひらめきといった無意識的な認知的変化は「創発」によって起こっている。
創発というアプローチで、上記の上達、発達、ひらめきの3つの認知的変化のメカニズムを説明している認知科学の本。
全然異なるように思えるこれら3つの現象は、「創発」の概念を用いると共通する説明が可能である、としている。
ここでの「創発」とは、何か新しいものを作り出すことだが、「発見」や「発明」との違いは以下2点。
- 還元不可能:創発されたものはそれを作り出すための要素の性質からは説明できない=還元できない。
- 意図の不在:人の明確な意図なしに生み出される。
こういう創発的な過程こそが認知的変化と -
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●お金そのものに価値があるのではなく、お金が増えただけでは豊かにならない。豊かになるためには労働が必要。納税手段として無理やりお金の需要を作り出しているから皆がお金を欲しがる。
●お金が問題を解決してくれる訳ではなく、その向こうで働いている人こそが問題を解決してくれる。お金はその媒介となるに過ぎない。
●全員がお金を溜め込むこと自体に意味はない。社会のために働く人がいて初めて意味がある。後世のための蓄積をしなければならない。
……なんもかんも少子化が悪いような気がする。
少子化を所与の前提とするなら、資源国ではない我が国がーというか資源国であっても資源を取り尽くした後ではー海外に価値を提 -
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