ビジネス・実用の高評価レビュー
-
Posted by ブクログ
ネタバレ言語の本質にオノマトペから迫る非常に面白い一冊。
オノマトペのもつ「アイコン性」が言語獲得に大きな役割を果たしているという論が印象的だったが、果たしてそれは世界の言語にどれほど当てはまるのだろうか。オノマトペに馴染みの深い日本人からするとなんだか誇らしく感じる一方、オノマトペが発達していない他の言語——例えば英語——では何がオノマトペの役割を補完するのだろうと疑問に思った。
まさか言語獲得にも多様性があるのか!?そんな妄想が膨らむ興奮やまない貴重な読書体験だった。
言葉や言語に少しでも興味のある人全員にオススメしたい!!
〜以下、ネタバレ〜
オノマトペは、それが表すものとその表し方に類似性があるという「アイコン性」(例えばニャーニャーはそれ自体猫の鳴き声に極めて近い)のほか、切り離して述部として利用したり、組み合わせて新たなオノマトペを生産したりできる性質を有している。
これらの特質のために、オノマトペは子供が身体との連関を通じて一部の言葉を理解し、言語の文法的構造を把握していくきっかけとなる—つまり、オノマトペが言語という高度に抽象的な記号システムをインストールするのに貢献している、と言えそうだ。
一方で、言語システムを獲得するにはオノマトペのもつアイコン性を知覚するだけでは不十分で、そこではアブダクション推論と「ブートストラッピング・サイクル」が重要な役割を果たしているとのこと。結果から原因や仮説を考察するアブダクションによって、子供は言語という記号の内包と外延を絶えず更新しながらその意味を理解していくが、そこで得た知識がそれまでの知識を踏まえて別の新たな知識をうみ、雪だるま式に知識が自己生成的に増幅していくことで、言語を自然に扱えるようになっていく。
興味深いのはこのアブダクション推論がヒト以外の動物でほとんど見られないということ。ここから、ヒトだけが言語を扱えるのは、このアブダクション推論という認知バイアスに拠るのではないかという大胆な仮説が提示されている。もしそうだとしたら、進化の過程でいずれ言語を操る動物も現れるのだろうか?そんな浪漫と若干の恐怖も感じてしまう。 -
Posted by ブクログ
幕末史
著:佐々木 克
出版社:筑摩書房
ちくま新書 1096
幕末とは、ベリー来寇から、戊辰戦争終了までというのが定説である
1853年~1869年である
本書はさらに、1890年の大日本帝国憲法の施行までを幕末に含めている
これは、鎌倉以来の幕藩政治から、法治国家たる近代政治への脱皮の軌跡だ。
そして、欧米列強に対抗するために、藩閥から、中央集権へリソースを集中するための改革が含まれる。
その痛みは、勝者たる薩長土肥から、明治に多くの内乱が起きたことからもわかる。
元寇、戦国期の鎖国、そして幕末。なんだかんだと内部ではいざこざがあっても
対外的には、一枚にまとまる日本人の特性がよくでているとおもいます。
そして反面教師としての、中国を知り得たことは感謝のひと言だ。
通史としては、いくつかにわかれる
①ペリー来航から開国まで
②公武合体による外国勢力への対抗
③日米和親条約締結を巡る、井伊直弼と安政の大獄
④公武合体から、尊皇攘夷へ、各地での外国勢力との衝突
⑤長州征伐をめぐる、江戸、京都の動き
幕府としての徳川家の威信は失墜し、薩長土肥による、連合軍が日本の中枢に置き換わる時期
天皇と将軍、2つの権威が、天皇という、一つの中心に集約されていく
⑥王政復古の大号令と、倒幕、大政奉還。
⑦戊辰戦争、新政府による日本の再統一
⑧明治の政治の変革、版籍奉還、廃藩置県、地租改定
⑨視察団、欧米の制度の適用、法治国家へ、国会、憲法の制定へ
目次
はじめに
第1章 屈辱の出発 1853‐1859
第2章 尊王攘夷運動 1860‐1863
第3章 遠のく挙国一致 1863‐1865
第4章 日本を立ち直らせるために 1865‐1866
第5章 新政府の創設 1866‐1867
第6章 明治国家の課題 1868‐1890
あとがき
参考文献
索引
ISBN:9784480068002
判型:新書
ページ数:368ページ
定価:1000円(本体)
2014年11月10日第1刷発行
2015年08月20日第6刷発行 -
Posted by ブクログ
いい一日だったと思える充実感は
たった2時間で得られる
振り返ってみるとそうかもしれない
朝ヨガして、家事を1つ片付ければ
その日はオールオッケー というように
または
忙しい時ほど自分時間をつくり出す
その2時間で
忙殺された日とさせない
落ち込んだ日とさせない
何も出来なかった日とさせない
それだけで充実した日とさせる
これは時間の手網を握ることだと思った
結果そのものではなく
そこから得られる感情が欲しくてがんばっている
大事なのは人生において
「自分が得たい感情は何なのか」をしっかりと知ること
①「やらなくてもいいこと」をやめる
②「自分の感情を満たしてくれるもの」を知る
③充実感を得られる1日を過ごす
④未来のためにも時間を使う
⑤幸福感を意識して味わう
小さな幸せで毎日を埋めていく -
Posted by ブクログ
あらすじを読まずタイトルだけでエッセイ本だと思って読み始めたら、タコジローとヤドカリおじさんの対話を通して「書くこと」「考えること」を描く寓話でした。
特に心に残ったのは、「書くことは、考えること」という話です。私はジャーナリングが苦手で、なかなか続きません。書く作業そのものが面倒なのだと思っていましたが、本当は「考えること」は大変なことなのだ、と言われて妙に救われました。
けれど、考えることを放棄すると、誰かが用意した「わかりやすい答え」に飛びついてしまう。面倒でも、自分のことは自分で考えなくてはいけないのだと思わされます。
「答えを出さない、答えを決めない」ことで可能性を残しておきたくなる、という話も痛かったです。決められずにいる苦しさはあるけれど、その状態にいれば、まだどちらにも進める。それはある意味、真剣に考えて決断することから逃げている状態でもあるのかもしれません。
「みんなと一緒にいると、自分ではいられなくなる」という言葉からは、平野啓一郎さんの『私とは何か――「個人」から「分人」へ』も思い出しました。相手によって違う顔を持つこと自体は自然でも、いろいろな人の中にいるうちに自分の軸が見えなくなることがあります。だからこそ、ひとりになって自分に戻る時間も必要なのだと思います。
「言葉の暴力はコスパがいい」という表現も印象的でした。簡単に使えて、その場では証拠すら残らないこともある。でも、受け取った側のやわらかいところには長く残ってしまう。言葉を使う側として忘れたくない感覚です。
ヤドカリおじさんの言葉は、どれも優しいのに激痛を伴いました。見たくない現実や、考えたくないことを、一つひとつ丁寧に言葉にして差し出されるような本です。
休憩しながらでも、考えることから逃げないこと。
そして、言葉をちゃんと自分の味方にすること。
日記を書くための具体的なヒントもあり、今度は実践する側として、この本の言葉を思い出したいです。