あらすじ
嫌いな自分を肯定するには? 自分らしさはどう生まれるのか? 他者との距離をいかに取るか? 恋愛・職場・家族……人間関係に悩むすべての人へ。小説と格闘する中で生まれた、目からウロコの人間観! (講談社現代新書)
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Posted by ブクログ
一貫しない自分を肯定してくれる本。
「『本当の自分はただ一つ』という考え方は、人に不毛な苦しみを強いるものである。」
これはまさにその通りで、かつて「自分とは何か」と思い悩んでいた私にとって、自分の存在を1つの答えに定めようすること自体が自分を苦しめていたのだと改めて気づかされる言葉だった。
なので、相手によって異なる自分の顔も全て本当の自分だとする「分人」の考え方を取り入れられると、かなり生きやすくなると思った。
大きな比率を占めている分人が自分の個性になる ということからは、いろんな自分を認めつつも、特に生き心地のいい自分を大切にしていきたいと思った。
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分人という考え方を基にして世界を捉えてみるという本。自分を個人として捉えるのではなく、分人の集合体として考えてみるというのがためになった。特に印象に残ったのは、恋と愛のこと。愛とは、相手の存在によって自分自身を愛せるようになること。またその逆も然り。この部分に感銘をうけた。私はそんな自分の分人を大切にしたいし、そこを軸に生きたいと思った。
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哲学系の新書で紹介されていたので読んでみた。すごく分かりやすくて、百利あって一害なし、というような世界の捉え方で、早速、日々の暮らしのなかで活かしてみようと思った。
あまりにも良いなと思ったので高校生の我が子にも薦めてみたら、高校の教科書に載っているので知っているとのこと。
うん。そうであるべきだよね…。
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すごい。特定の人とうまく話せなかったり、あるコミュニティにだけ馴染めなかったり、飲み会を楽しめない自分に自己嫌悪したり、そういう過去の自分がまるごと救われた。人間関係に悩む思春期の人に読んでほしいな。
Posted by ブクログ
「自分」という存在を無闇に俯瞰しすぎて、
コミュニティごとに違う自分を受け入れがたかったけど、ものすごく生きやすくなりそう
物理的な1人の人間の中に、性格的に複数の人間(分人)がいることが自然なものだとはじめて受け入れられた
分人は他者との相互作用で発生する
文人の構成比率が個人の"個性"に影響を与える
そしてその時々の関わる他者、その他者側の分人によって常に変化していくもの
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自己は他人との関わりによって構成されていて、何を好ましいとするか、どんな分人で人と関わっていくかが人生を豊かにするコツなんだと思った。
今まさに人間関係に悩んでいる時だったから、この本を読んで新しい思考の示唆を得られてよかった。
Posted by ブクログ
ここまで言語化できるのが素晴らしい。
自分の悩みは全てこの分人主義によって解決できそう。
平野啓一郎さんの著作はどれから読もうか迷っていたところだったので、まずは「ドーン」を読みます。
Posted by ブクログ
就活時代、落ち続けるたび、自分のすべてを否定された気持ちになり病むことが多かった。でもこの本を読んで、否定されたのは自分全体ではなく、ほんの少数の「対・就活の分人」だけだったんだと気づけた。
また、就活以降自分のアイデンティティについて考えがちになって、相手によって色んな顔を持つ自分に「一貫性がない」と悩んでたけど、複数の「分人」があるのは当たり前で社会を生きていくには必要なことなんだと学んだ。
自分を肯定できるようになる一冊
Posted by ブクログ
薄々感覚として理解していたものの、どこか受け入れられず追い求め続けてしまう「本当の自分」なるもの。その幻想を完全に破壊し、生きるということの本来の仕組み、各人とのコミュニケーションにおけるそれぞれの自分という存在の是非を受け入れて実践に繋げることのできる哲学的名著
自分というものの芯を見つけられず中々苦労していた最中、読後から人生が変わるかもしれないような衝撃と納得感、感動さえ覚える論でした
唯一、愛についての記述には少し疑問も持ちました。しかしながらこれほどの満足感を覚えた本も久しいです。おすすめの一冊です
Posted by ブクログ
自分らしさとは何かと悩んでいる人にはぜひ一度読んでもらいたい!
こんな考え方があるのか、、と目から鱗。そして読み終えた時に世界が違って見える。
私自身、すぐに他人に影響されて染まりやすいことが嫌だったり
人によって全然自分のイメージが違かったりして
確固たる自分なんて存在しないのか?それは自分に限った話なのか?とモヤモヤ悩むことが多かったから。
常に自分を貫いて確立してる人って格好良く見えるけれど、そう言う人であっても他人の影響を受けながら自分というものが形成されていて、それは過去形ではなく、現在進行形であり、他人の影響を受け続けながら今後も自分らしさというものは変わっていくんだということ。
また、変わっていくことは自然なことで、変わりたくないのであれば自分なりにコントロールしていくことも可能だということ。
そのことがすごく自分を楽にしてくれたし、人間関係は意外とシンプルなんだなって思えた。
これからも繰り返し読んでいきたい1冊。
Posted by ブクログ
自分の核なんてものは無くて、
分人の集合体に過ぎないとすると、
核がだめなら何をやってもだめだ、とはならず
いくつかある分人の一つが、良くない状況を
作っていただけなんだと思える。
これからいくらでも修正できるんだと。
いじめや虐待の過去があっても、
分人の考え方があれば
「自分は嫌われやすい人間だから‥」とか、
「この人は暴力を振るわないだろうか‥」と
思わずにいられる。
自分も過去の経験から、自分なんてと思うことが
あるけど、現在の分人の比率は
当時のそれとは変わっているんだと知れば
少しは安心できるかもしれない。
数年にわたる変化に限らず、一日単位でみても
会社にいる自分、家にいる自分、
自分が心地よい方の分人を足場にすることを
大事にしたい。自分の全部は好きになれなくても
どれか一つでも好きになれる分人があれば
まずは良いんじゃない、と思えた。
同時に、他人もまた複数の分人の集合体であり、
自分が接することができるのは
その中の一面にすぎないということになる。
自分にとっては嫌な人でも、周りの人には
そうでないこともたくさんある。そのとき、
周りの人へ向けた分人まで批判はできない。
自分が口出しできるのは、
自分に向けられた分人だけ。確かに、納得。
「私たちは隣人の成功を喜ぶべき。
なぜなら、分人を通じて私たち自身が
その成功に与っているから。
隣人の失敗には優しく手を差し伸べるべき。
なぜなら、分人を通じてその失敗は
私たち自身にも由来するものだから。」
この思考は、とても好きだと思った。
お互いに影響し合っているのなら、
綺麗事じゃなく、それもそうだな、と腑に落ちた。
無理なく人に優しくできたり、
寛容になれたりできる考え方だなと。
引きこもりは「消したい分人」を消滅させる行為。
出家は社会的分人を消し、
宗教的分人のみで生きるためのもの。
コスプレはフィクションの世界との分人化。
独裁政権時は統治がしやすいように
分人化の監視、禁書・焚書が行われてきた。
ストックホルム症候群は、
犯人との分人の肥大化によって起こるもの。
など、一つひとつの例がとても分かりやすいし、
こんなに色んなことに説明がつくのか!と
面白く読めた。
日常の色んな場面で使える考え方だろうから
平野さんの作品に限らずこれから本を読むとき、
「分人」という視点を取り入れてみるのは
面白そうだなと思った。
Posted by ブクログ
誰かといるときの分人が好き、は必ず1度他者を経由している。
自分を愛するためには、他者の存在が不可欠だ。
あなたと一緒にいると、すごく好きな自分(分人)でいられる。
その好きな自分をこれからの人生でできるだけ沢山生きたい。
だからあなたがいてくれないと困ると思った。
⇔
愛とは、相手の存在があなた自身を愛させてくれること。
その人と一緒にいる時の分人が好き。
もっとその分人を生きたい。
自分と互いにかけがえのない存在になり、お互いに愛しているとアピールしなくても互いの存在その物が一緒に居続ける理由になる。
Posted by ブクログ
「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」という映画の「出会う男すべて狂わせるガール」がこの分人主義なのではないかという考察と繋げて読むとより面白かった。
この本に出会ってから一つ見方が増えた
Posted by ブクログ
「本当の自分」という、実体のない不可侵の塊を探すのをやめさせてくれる本だった。一貫したたった一つの「個人(インディビジュアル)」として生きるのではなく、対する相手や環境ごとに生まれる複数の「分人(ディビジュアル)」のネットワークとして自分を捉える。この視点は、真面目に生きようとするほど息苦しさを感じる現代において、非常に実用的な思考ツールになる。
●「一貫性」の呪縛からの解放
世間では「裏表のない人」が美徳とされるが、本書は相手によって態度やキャラクターが変わることを「不誠実な嘘」とは呼ばない。親といる自分、職場の自分、趣味の仲間といる自分。そのどれもが「本物の自分」であるという肯定は、素直に腑に落ちる。
私自身、結婚して子供が生まれたことで、家庭内での分人が占める割合が大きくなった。その「足場」が強固になった結果、皮肉なことに外部の人間関係に対して「自分の気持ちに正直に」割り切れるようになった感覚がある。すべての場所で同じ顔(一貫性)を強要されないことで、かえって精神的な安定が得られるというのは、分人論が示す「構成比率(ポートフォリオ)」の妙だと言える。
●他者を必要とする「分人」への疑念と整理
論理として納得しつつも、実生活に引き写した際に生じた二つの疑問についても、自分なりに整理がついた。
1.承認欲求への依存について
「他者がいて初めて分人が作られる」のなら、他者の評価に支配されないかという懸念があった。しかし、実際には特定の分人に依存せず、複数の心地よい分人に分散投資しておくことで、一つの関係性での否定が全人格の否定にならないという「守り」の側面が強い。家族という大きな分人があるからこそ、他者からの承認を過剰に求めずに済むという現在の状況が、その証左だろう。
2.一人きりのときの自分について
誰とも接していない「自分オンリー」の時間は、無(ゼロ)ではなく、過去の他者の残響や、向き合っている対象(本、映画、食事)との間に生じる分人の時間である。例えばNotebookLMなどのAIと対話する時間は、客観的な「他者」を鏡にしながら、自分自身の内省を深めるための特殊な分人が立ち上がっている状態といえる。一人の時間もまた、純粋な孤立ではなく、世界や自己との「対話」によって構成されている。
●印象的なエッセンス
1.個人から分人へ: 分けられない「一」ではなく、状況ごとの「多」として生きる。
2.個性の正体: 固有の核があるのではなく、分人の構成比率がその人の個性となる。
3.環境による調整: 嫌な自分がいるなら、その原因となる分人を物理的に減らすという戦略。
●まとめ
「本当の自分がわからない」「あの人といるときの自分が嫌いだ」と、内面に原因を求めてループしてしまうとき、視点を「関係性」へと外に連れ出してくれる一冊。自分を一つの塊と見なさず、環境ごとに最適化されるネットワークとして眺めることで、変化していく自分を静かに受け入れられるようになる。
Posted by ブクログ
文学作品を味わうためのマスターキー。
自己認識や対人関係のヒントとしては元より、氏の小説をはじめ文学全般を読む上で鍵となる一冊。汎用的な副読本としても常備したい。
「分人」の視点を通して文学作品にふれると、物語はより広く「読みしろ」を開放し、豊かな問いを読者に投げかけてくるかもしれない。
Posted by ブクログ
比較的手広く読書してきた積りでしたが、平野啓一郎という作家や、分人という概念を、この新書を読むまで全然知りませんでした。2012年に刊行されて、すごく話題になったらしいのに、全くアンテナに引っ掛からなかった。不甲斐ないです。
『ドーン』や『空白を満たしなさい』を早速読もうと思う。
20年以上付き合いのあったグループとの関係を断とうと思っていた矢先に、この本を読見ました。不快な思いを抱いたまま、人間関係の縛りでダラダラ続けるのは、あまりに不合理だと理解できて、スッキリしました。
Posted by ブクログ
家族といる時の天然で頼りない自分、友達といるときの明るくサバサバした自分、会社にいる時のしっかりした自分。どれが本当の自分なのか、どれが仮面なのかと考えることがあったけれど、その答えがこの本にあった。
個性とは生まれつきの生涯不変のものではない。
多種多様な「分人」の集合体こそが自分=個性なのだと著者は言う。そしてこの分人は環境や対人関係の中で反復的なコミュニケーションによって形成されて、そのスイッチは自分の意思ではなく相手次第で自動的にスイッチされる。
自分の中にたくさんの分人がいるのは、今までいろんな人に出逢って様々な環境で過ごしてきた道のりがあるからこそで、それは決して悪いことではないのだと思えた。幼馴染と最近の友達が一緒に会ったらなんとなく気まずいというのも納得、きっと違う分人を混ぜると自分が困惑するのだろう。
自分の個性だったりアイデンティティについて考えるときに、本当の自分は一つではなくて分人の集合体なのだというコンセプトを持つことで新しい視野が広がった気がする。
Posted by ブクログ
学生の頃、知り合いに「男が変わるたびに趣味が変わって腹が立つ」と言われたり「いろんな人に話合わせられて調子良すぎ」というようなことを言われ、その頃に「分人」という概念を知っていたらもう少し楽だったかもしれないなと思う。
Posted by ブクログ
2026.10.23
人間関係に深く悩みやすいタイプですが、本当の自分や人格は一つであると考えるのではなくて、『その相手との分人であり、複数ある中の分人の一つである』という考え方にすると気持ち的にすごく楽になるなあと感じました。
家族といる時や読書している時の自分は嫌いではないので、その分人を大切にして過ごしていきたいです。
Posted by ブクログ
家族・友人・恋人・職場など、相手との関係ごとに生まれる異なる自分=「分人dividual」が存在する。それを裏表のある人間だとか、本当の自分が分からないだとかと捉えるのではなく、すべて本当の自分であり、その人らしさは複数の分人の構成比率によって形づくられるという考え方。
相手の分人は自分向けのものしか知り得ない。
自分から見て大好きな人の中にも、苦手な分人を合わせ持っているという可能性を念頭に置いておくことで、人との関わり方に寛容になれる気がした。
また、自分の存在は、他者の記憶の中に残った分人を通じて、自分の死後もこの世界に残り続けるという考え方が印象的だった。
死んだらすべてが消えるわけではないと思うと、死への不安が少し慰められるようだった。
Posted by ブクログ
個性は人間関係とコミュニケーションによって形成される
自分のあり方について、私が漠然と考えていたことも含めて全部言語化してくれていて、個人的にすごく画期的な考え方だと感じた
Posted by ブクログ
本当の私はいない。様々な相手との間で分人が生まれる。心地よい分人、好きな分人を足場にその分人の構成比率を高めれば良い。
たとえいじめられたとしても、自分を愛されない人間と本質規定してしまってはならないとの言葉に勇気をもらった。
本当の自分、自分はひとつと思っている人はそこが汚されると苦しみが生まれる。
あくまでその時々の出来事に過ぎないのだ。
黒いシミが現れたとしても、シミを広げることはない。自分は多面的である。広い目でみれば良いのだと思った。
Posted by ブクログ
覚えておこうと思った言葉たち
・人間は、たった一度しかない人生の中で、できればいろんな自分を生きたい、いつも同じ自分に監禁されているのは大きなストレス
・楽しい自分になれると感じる分人を足場として生きる道を考えるべき
・どれくらいの数の分人を抱えているのが自分にとって心地よいのか?
・愛とは「その人といる時の自分の分人が好き」という状態のことで、他者を経由した自己肯定の状態
ありがとう分人主義
大変現実に即したわれわれの精神の捉え方で、観察的にも統計的にも物理的にも、この説明がしっくりくるし、具体的な問題解決の方法も見えてくる。
発明、発見!
Posted by ブクログ
分人という考え方によって、人が様々な相手や組織において振る舞う自分自身というものの違いを、すべての分人が自分自身であり、嫌いな分人でなく、好きな分人で生きれる相手や場所が愛であるとしている。これまで作者の本で、「ある男」や「マチネの終わりに」も、根底にこの哲学的感覚が根付いているのだなと。
この考え方に影響を与えたであろう作者や作品にボードレールの詩や森鴎外の小説、三島由紀夫、谷崎潤一郎等が挙げられており、谷崎潤一郎の「痴人の愛」は昔、実家にあったから読んだなぁと思い出しつつ、これは簡単にいうと性欲(特殊な)とし、数年後にかかれた「蓼食う虫」「卍」では変化を遂げているとされていたので機会があったら読んでみたい。その前に、この本では書ききれないからと省かれた論に関して谷崎潤一郎の「恋愛及び色情」が短く非常に面白いエッセイとして推されていたので、こちらをまず手に取ろうかな。
ダスティン ホフマンの卒業の映画のラストシーンを
恋が終わり愛が始まる2人はどうなるかという、どことなく不安げなシーンで終わると解説しているあたりも、これまでのモヤモヤに気づきを与えてくれた
Posted by ブクログ
【要約】
人は分割できない個人ではなく、相手や場面ごとに現れる「分人」の集合体である。演じている嘘の自分などなく、そのすべてが本当の自分なのだ。
【感想】
自分と接する相手の分人は、自分の存在によって生じたもの。他人は自分を映す鏡のようなものだと思う。
著者は複数の小説を書きながら、自分とは何かという問いに向き合っている。
だから同一著者の複数の本を読むことで、著者が大切にしている問いに多角的に向き合えると感じた。
【アクション】
自分を変えたいときこそ、長い時間をともに過ごす人や身を置く環境を自ら主体的に選び取っていきたい。