ビジネス・実用の高評価レビュー
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Posted by ブクログ
元々,人間中心主義,人間こそが世界(地球)で「最も優れた生物」であるという,傲慢極まりない考え方が大嫌いだった自分にとっては,スカッと胸がすく思いがする1冊だった。
何より最も重要なのは,この本が歴とした科学者(植物生理学者)の手によって書かれている,自然科学分野に属する著作であるという,紛れもない事実であろう。
しかも,私のように理系分野が苦手な人が読んでも,非常に読みやすくて,理解しやすい文章で説明されていることが,何にも増して素晴らしい。
自然科学分野が苦手というか,わりと嫌悪しているせいで,あまりその分野の本を読みたがらない自分としては,珍しいくらいに,最後までスルスルと読めて,著者が抱いている思想・想いに共感しながら,ワクワクと知的好奇心を満たすことができたという,稀有な本だったと思う。
もちろんそれは,私が,(文系人間であるがゆえに,観察や証拠に基づいているからというよりは,直観的,あるいはそう信じるに値するだけの魅力を,植物から感覚的に受け取ってきたがゆえにではあるが)植物を愛してやまない人間だからこそ,著者の一般的な感覚からすると突拍子で受け入れ難く思えるような説に対して,受け入れやすい素地を持っていたからというのは大きいとは思うが,たとえそうではなくとも,本書に示されている丁寧な説明と緻密に積み上げられていく証拠を前にすれば,どのような人であっても,「ある程度は著者の考えを受け入れても良いのではないか…」と,心を揺るがしてしまうような,そんな魅力に満ちた本だったと,そう断言したい。
本書には一般的な感覚からはかけ離れていることが,大量に書かれている。
なのでどうしても固定観念に縛られてしまうと読みにくくて,拒絶反応が出やすいところはあると思う。
植物というか,お花さんが好きな自分でさえも,自然科学への苦手意識ゆえに,不勉強が極まっており,石炭や石油が,もとは植物が大昔に太陽から得たエネルギーを蓄積しておいたものであることを知らずに,今までの人生を過ごしてきていたりもした。
(※尤も,これは自然科学云々というよりは,名称,つまり言葉が持つ印象による誤解のせいではある)
そういった誤解の訂正や,新たな知見を深めることによって,これまでも分かっていたつもりではあったけれども,自分が想定していた以上に,人間は植物に依存して生きるしかないのだという,確信を得ることができた。
酸素も食物もエネルギーも,植物無しには成り立たない。
より端的に言い換えれば,人間は植物がなくなった世界で生き続けていくことはできないが,植物の方は人間がいなくなれば,ほんの僅かの間に地球を覆い尽くして,支配してしまうというのは,紛れもない事実なのだ。
ところで,本書が真に素晴らしいのは,「植物が人間の役に立っているかどうか」という,狭い価値観の中だけにとどまっているわけではないという点にあるだろう。
そもそも植物は,自らの生命を存続させ,子孫を残し繁栄するためにこそ,進化してきて,ありとあらゆる手段を用いているのだから,当然のことではあるのだが,そのさまざまな手段の中にこそ,本当の意味で驚くべき〈知性〉が発揮されている。
その〈知性〉について,ほんの一例ではあるが紹介すると,花粉を運んでもらうために,花粉を運ぶ昆虫のメスの姿そっくりに擬態をして,オスの個体を誘き寄せるという,漫画や映画の世界に登場する女スパイさながらのハニートラップを駆使する,巧妙にして狡猾な植物まで存在するというのだから,もはや驚きを通り越して,感心して絶句することしかできないほどだ。
本書には他にもさまざまな「戦略」とでも呼ぶべき手段を駆使する植物たちが列挙されている。
その実例を見るだけでも,植物に〈知性〉があることを読者へ確信させるには充分だろう。
上述通りに,植物は人間とは異なる形ではあるが,〈知性〉と呼ぶべき能力を持っている。
しかし人間とは異なる進化の形であるがゆえに,人間はなかなかその事実を受け容れることができない。
しかしながら,人間が進化し,科学を発展させてきた結果として生まれた,最新鋭の技術を見ると,驚くほど植物と似たような構造を示しているという。
たとえばインターネットや生成AIという,今の時代においては必須だと,誰もが認めるところであろう,最新技術の構造は,ほぼ植物と同一といっても過言ではないくらいだ。
我々はこの事実をどのように考えればよいのだろうか?
それは,これから先の未来,人間とAIとが協力して,よりよい社会を築き上げていくためには,植物がもつ〈知性〉,植物が生き延びるために採用している,手段や戦略のことをより深く研究し,理解していくことが,絶対的に必要になってきているということなのではないかと思う。
これまで,我々人類は,植物のことを生物の進化における最底辺へと勝手に位置付けし,意識的にも無意識的にも見下して,馬鹿にし,驕った態度を取り続けてきた。
しかし,今後生きていく世界においては,その傲慢さを捨て去り,真摯に反省をして,植物を愛し,植物に感謝し,植物を敬い,そして植物から多くの知恵を学ばせていただくことによって,より豊かで素晴らしい社会や人生を築いていくことが,できるようになるのではないだろうか。
本書を読むことで,私はそのような思いを抱いたのであった。 -
Posted by ブクログ
実在するかどうかわかりませんが、まことしやかに噂される、戦後の政界で活躍されたある女性のお話です。
一部、架空の名前を使っている方もいますが、実在する政治家の名前も多く出てきて、戦争前後の日本を良くするために奮闘する政治が表現されています。
政治と聞くと、今や悪い印象を持ちがちですが、本当に日本のために、と粉骨砕身してくれた人がいたから、今の日本があると感じましたし、一種の感謝と尊敬を抱きました。
そして、よく政治が小説やドラマ、ニュースで取り沙汰されるほど奥深く、面白いと言っていいか語弊があるかもしれませんが、エンタメ心をくすぐるものだとも思いました。
政治を監視するという点で、我々国民も政治に興味を持つべきでしょうけど、入口としてエンタメでも構わないので、目を向けるきっかけになると嬉しいですね。
今の時代、政治家や自分自身(一般人です笑)も含めて、野望を抱き、権力やお金に目もくれず努力し続けることができる人がどれほどいるか…時代背景も影響するでしょうけど、数えるほどなのだろうなと思います。