あらすじ
〈私とは違う誰か〉と生きるための文化人類学入門。
「家族にとって血のつながりは大切」「“日本人”とは日本人の親を持つこと」
「日本では宗教を信じる人はめずらしい」……それって本当?
自分にとってのあたりまえが、実はあたりまえではなかったことに気づく。
多様な人々と共に生きる、未来のための文化人類学入門。
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Posted by ブクログ
文化人類学というものを本書で初めて知りました。日常にある素朴な疑問を、世界各地の多様な文化と事例により紐解いていく内容でしたが、どれも興味深いものでした。学生の頃にこんな講義があったらぜひ聞いてみたかったです。
全く別なところに住んでいても、意外な部分で文化や風習における共通点があるものですね。面白いです。
Posted by ブクログ
そうそう、これこれ。
こういった本に出合うために本を読んでいるんですよ。私は。
他の文化に触れることで、自分の文化を見直したり、共通項を探したりして色々弄ったり眺めたりすることで、外から自分の文化を見る視点を獲得出来るんじゃないかと思っていて、まぁ、それって文化人類学的なのかもしれない。
本当は参与観察するのがよいんでしょうけど、そんなに期間を取るのは難しい、海外に行くのも金銭的に難しいし、そもそも外に出るのがあんまり好きじゃない。そんな私は本で自分の常識と違う常識を持った人を見るのが好きなんですよ。だから自分が体験したことがない状況にある人の目線で書かれた本が好きだったりします。
そう考えると文化人類学の本って私の求めているものなんじゃないかと思ったりするんですよね。ということで最後に書かれていたお薦めの入門書は買って読んでみようと思う。
Posted by ブクログ
身近な問いをエピソードに、わかりやすく読み応えのある内容でした!最終話の「あたりまえを切り崩す」がストンと腑に落ちてきて、文化人類学とは?とずっとモヤモヤしてきた個人的疑問もスッキリ。
Posted by ブクログ
私の命を救った一冊です。
特に、「努力」についてのお話はとても「読んでよかった」と思いました。
お陰で、考え方を変えるきっかけになったのとと同時に、これまでの「生きづらさ」から救われた一冊です。
Posted by ブクログ
青少年向けに文化人類学の概説として書かれた本だと思うけどどの世代が読んでも面白いと思う。汚穢れと禁忌の章が特に面白かった。はっきりとしたカテゴリー分けに収まらない境界のアノマリーが穢れと見られてしまうというのは色々なところで見られる現象だと思う。この説を唱えたメアリ・ダグラスの著作も読んでみたい。
Posted by ブクログ
初めて文化人類学に触れてみました。
私達が当たり前だと思ってたこと、ものごとの境目が他の社会では全然違うことがあるというのが面白いなと思いました。
Posted by ブクログ
あたりまえをどう切り崩すか?
家族のあり方については、物凄く考えさせられました。
自分の中では確固たるものだと思っていたものが、国、地域、日本においても時代によってもここまであり方が変容しているとは思いませんでした。
少子化、AI化が進むとどんどん変わるようなきかしました。
Posted by ブクログ
「自分の物差しで問うのではなく、自分の物差しを問いなさい」
自分の癖や習慣 思考パターンに気づく→自己変容
運という考え方は 中国の陰陽五行説から
今日の努力信仰も神秘的因果関係
神秘的因果関係の比較。納得させる世界観の中を生きている⇒呪術は他人に原因を求め,神の御加護は超自然的存在に原因を求め、努力は自分に原因を求めている
↑ 原因結果の形で収束させたい脳の働きかなぁ(my opinion)
Posted by ブクログ
文化人類学はいかなる学問なのか、その面白さ、有益性を平易な言葉と豊富な事例で紹介してくれる。
当たり前を切り崩される体験を大事にし、より豊かな思考法を身につけ、いろいろなしがらみから自由になりたいですね。
文化人類学はそれを強力に促進してくれる魅力的な学問の一つであることはよく分かりました。
Posted by ブクログ
文化人類学がフィールドワークによって得られた知見の蓄積であるということがわかりました。
異なる文化同士の共通性について知ることができ面白いと思いました。
特贈答文化のところの首飾りとかの贈り物が島々をぐるぐるまわっていくというクラの文化が特に印象に残りました。
Posted by ブクログ
著者が大学で行った講義をもとに再構成された、文化人類学の入門書。
文化人類学。ぼんやりとイメージは沸くけれど、体系的にどんな学問か?と言われるとよく知らない。そんな素人の私にぴったりの一冊だった。
構成としては、1~8章が各論で、9章がまとめ。
身近な「当たり前」をテーマに、それって本当に当たり前?という問題提起から始まり、具体的な反証例をいくつか引き出しながら、文化人類学の古典的な理論に触れつつ、最後には「文化人類学的なものの考え方」で締めくくる。
各章この分かりやすい構成の積み重ねで非常に読みやすい。
その具体的事例を通して、文化人類学者の調査・研究方法(フィールドワーク→問いの発出→理論化)がよく理解できるつくりになっている。
そして、8章分読んで概ね読者の頭に文化人類学のイメージが出来てから、終章に「文化人類学とは」をもってくるのは実に構成が上手。
文化人類学は、人間文化の多様性を肌身でもって感じ、一度日本人としての自分が持っている常識を取り払いながら、最後には共通点を探して理論化していく、なかなか面白い取り組みだと感じた。
残念ながら個人的には、本書で取り扱われた個別のテーマにはそこまで深い関心を持てなかったものの、この大和書房×早稲田大学の「学びの杜プロジェクト」シリーズについては、他の本も読んでみようと思わせるくらい見事な構成の入門書だった。
Posted by ブクログ
面白い。哲学対話について語られていた本にあった、「変わることを恐れず、楽しんでください」というルールを思い出した。変化を嫌う、認めない人は余裕がない人、ということになるのだろうか?
Posted by ブクログ
見直すのではなく、
あたりまえを切り崩すという表現に
こだわる作者の気持ちが分かる。
いい、悪いではなく、
文化人類学を学ぶことで
常識の崩壊に巻き込まれることを伝えたいんだね。
Posted by ブクログ
今の自身の読解と意味付与には、大いに使えた。
人類二千年の埋葬と新時代への再生の参考になった。
特に、境界状況、リミナリティは、面白い。現在の過渡期にも、そのものの対象として扱える。枠組み、前提条件の再認識が、必要だね。過渡期だねぇー、平岡さん。
Posted by ブクログ
文化人類学の考え方を紹介した入門書。興味あるところをつまみ食いのように読んだ。
第0,1話は面白かった。文化とか集団とかの特徴を、さまざまな社会の事例から相対化するとともに、その共通性を見出していた。
第5話は中盤まで面白かったけど、後半の就活が儀礼というのはなんかこじつけな気がした。就活は確かに学生→社会人になるために避けては通れない活動期間ではあるだろうけど、それを文化人類学的な概念としての「儀礼」に当てはめられるかは、著者の本書での説明を踏まえると、ちょっと微妙ではないか。また就活は多くの人が参加するだろうが、その過程で、全員が楽\苦労しているとは限らないし、種々の試験などで一般的な就活を経験してない人もいるわけだから、やはり儀礼として説明するのはなんか違和感がある。
わかりやすい説明をしようとして就活を例に持ち出したけど、本章内での論述に整合性が取れなくなってしまっている気がする。
Posted by ブクログ
「あたりまえ」って、普段は全く意識することなかなく存在しているけど、その輪郭がなかったものがはっきりと浮かび上がってきた感じ。
私のあたりまえが、世界にまで目を広げると全然あたりまえじゃなかった!
本で読むよりもフィールドワークに出かけると、より体感できるんだろうな。
ネットでも情報はどんどん入ってくるけど、自分のあたりまえが覆るような体験を特に子供たちにはして欲しいと思った。
Posted by ブクログ
当たり前を切り崩すのは楽しい。特に家族の考え方は面白かった。生きていて生きづらさを感じたり不安になったりイライラするのは当たり前だと思っていることが狭いから起こりうることだと思う。多角的に物事を見てさらに歴史を振り返れば「今この場所ではこれがスタンダードなだけ」と思える。
Posted by ブクログ
そこまで衝撃的な内容があった訳ではないが、改めて私の生きている環境や時代の当たり前が、実はそんなに確固たるものではないのだと考えさせられた。
特に印象的だったのは、第7章と第8章だ。
国内で外国人排斥的な動きが高まっているが、果たして「日本人」とは何なのだろうか。
何か失敗した時、運が悪かったと考える人たちは、果たして信仰宗教を信じる人たちと何が違うのか。
色々考えるきっかけになった。
Posted by ブクログ
表紙が良かったので買った。表紙に書いてある問いに興味を持った。けど、中身はそれほどでもなかった。
当たり前なのかもしれないけど、表紙や目次にあるような問い達に対して、ずばっと答えが明示されているわけじゃない。要は、「日本では当たり前とされている感覚も、広い世界を見渡したら、当たり前のことじゃないのかもよ」と言っている。
それだけ。
タイトルにもあるからそこが一番重要なのは分かるけど、一冊使って伝えたいメッセージはそれだけなんだ……という肩透かし感があった。
あと、挙げられている例がいわゆる「未開」のイメージのある場所ばっかりで、それだと「先進国の考え方は似る」という誤解に繋がりそうな気がした。
Posted by ブクログ
常識を相対化する
それは多様性を受け入れ未来志向で生きていくための手段でもあり、自由に生きるための重要な鍵でもあるはず
『文化人類学は、文化の多様性を理解するだけではなく、多様性を踏まえたうえで見いだせる人間としての共通性について探求する』
Posted by ブクログ
自分が当たり前と思っていることは世界では当たり前なのかを世界の多様な人々の生活様式を通して視野を広げてくれる本。
導入は身近で疑問に思っていることを取り上げてくれるので入りやすかったが、本題の内容は少し難しく、大学で文化人類学の授業を取っていた自分も懐かしく感じる中で少し飽きてしまいそうだった。
最後のまとめでは、文化人類学者もひとつの物事を比較することしかできなくなっているが、多様な視点を持って共通点を繋ぎ合わせる視点を持つことも重要だと書かれていた。これは日常生活でもひとつの物事だけでなく広い視野を持って考えるべきだというメッセージのようにも感じた。
Posted by ブクログ
8月は仕事が忙しい&職場のコロナ対応に
追われて
気づいたら、もう8月も下旬に入りそう(涙)
コロナにかかってないのがもはや奇跡。
そんな中で読んだこの文化人類学入門のこの本。
私たちが「普通」、「当たり前」と思っていることが
別の国や地域では当たり前じゃないことを
改めて再確認できる内容でした。
個人的には日本と海外の宗教への考え方や
日本の就活はある種の大人になるための
儀式のようなものという考え方に
なるほどなぁーと思いました。
きっとこれからの日本は外国人も増えていく中で
お互いの価値観や考え方を尊重していくことが
必要になっていくんじゃないかなと思うけれど
中々、自分と違う考え方や価値観を理解するって
難しいから、少しずつ受け入れていくことから
始めていきたいな。
Posted by ブクログ
知識としてまとまっているのがわかりやすい。キャッチーな売り文句に対して新規性みたいなワクワク感はなかった。実際にこうゆう研究をすると楽しそうだけど本で読むとふーんで終わっちゃう感じ。
Posted by ブクログ
実際に大学で行われた講義内容が一冊にまとめられているので、講義を受けているような感覚を楽しめた。人は見たいものしか見ないという一文にはハッとさせられるものがあった。長い年数をかけ様々な民族の文化を切り開いてきた学者たちには敬意を示さずにはいられない。
Posted by ブクログ
家族、宗教、民族などの複数の切り口から、文化人類学という学問と、各国の文化の多様性、そのベースとなる思想、思考について学ぶことができる本。
自分がもつ考え方は物差の一つにすぎず、言語や文化が違うだけでその物差しは大きく変わること。そして、自分の物差しが生み出す偏見なしにものを見ることが難しいことを自覚することの重要性と、見たいものしか見ていないのだからこそ、柔軟な思考をもつために、それを反省的にとらえる思考をつねに働かせることを忘れないようすることの大切さを学ぶことができた。
Posted by ブクログ
文化人類学の入門書として読みやすくわかりやすい。すでに文化人類学を学んでいる人にとっては当たり前を切り崩す、までの衝撃はないものも、項目ごとに分かりやすくまとめられていて、改めて理解が進んだ。
Posted by ブクログ
あたりまえとも思えないぐらい身体に染み込んでいるあたりまえが崩された。あまりにも自分が見ているもの、感じていることは世界のほんの一部なんだなと実感。
特によかったのは「通過儀礼」についてと「宗教心」について。
文化人類学、おもろしろい!色んな文化を知ってみたい。面白い風習とか文化の地域が世界にはたくさんあることを知れた。