あらすじ
日本復活のヒントがここに!
あのジョージ・ソロスを大儲けさせた“伝説のコンサル”初の著書
ヘッジファンドが見すえる中国の衰退、そして日本復活
資産運用業界の“黒子”に徹してきた私が、なぜ初めて本を書くことにしたのか。
それは、日本の方々に伝えたいメッセージがあるからです。
ひとことで言えば、日本は今、数十年に一度のチャンスを迎えているということです。
東西冷戦後の世界秩序を支えてきた「新自由主義」が崩壊し、勝者と敗者がひっくり返る“ゲームチェンジ”が起きているのだ――。マネーの奔流を30年近く見てきたコンサルタントによる初の著書。
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Posted by ブクログ
金融の世界の情報やその見通しは殆ど語られない。
それがお金になるから。
見通しのプロは、様々な情報にアクセスしつつ歴史に学ぶ。
予感と確信の間には隔たりがある。
予感の段階で口にしていたのでは状況の変化の幅が大きく精度の高い話にはならない。
予感を持ちつつ、それがいよいよとなるまで待てる人の現在の見取り図。
説得力があって幸い日本にとって希望があるものなので多くの人に読んでほしい。
Posted by ブクログ
小さな政府であり、市場原理による経済合理性が政府や政治に代わり社会を収斂させていく。そこでは、グローバリゼーションか進行し、属性を超えるグローバル市民が戦争のない平和な社会を追求していく。
このような新自由主義的社会の終息が来ようとしています。グローバルな生産体制からの逆流が確実に起こっているのは、実感できます。
失われた30年、デフレ社会からの脱却で、日本経済は輝きを取り戻しつつあります。
今、経済、社会で何が進行しているのか、よく理解することができました。
Posted by ブクログ
三宅ねえさんの『なぜ働いていると本が読めないのか』の直後だったので、とんでもなく刺激的だった。
ねえさんの主張も、斎藤幸平の主張もいわゆる新自由主義がもたらした現代社会への批判であった。
齋藤ジンは投資の世界で見てきた経験を今向き合うべき世界観として提示する。「新自由主義は終わりを迎え、次のフェーズに移行している」と。
すべてが正しいとは思わないが、世界に対して間合いが取れる教養を頂けた新書であった。
Posted by ブクログ
アメリカから見た世界、日本がどう見えるのか、非常に参考になる話だった。ヘッジファンドの代表たが、マクロ経済はもちろんだけど、政治情勢の方にむしろ精通しているように思えた。
主な見立てはこんな感じだった
覇権国家はルールメイクできるから強い
日本は2度覇権国家に愛され、2度脅威認定され潰された
1度目は日英同盟 太平洋戦争敗戦
2度目は朝鮮戦争や米ソ冷戦のパートナー バブル崩壊時の日本式護送船団方式の破壊とハゲタカによる買い叩き
1990年以降は、中国が日本のような位置になり経済成長を続けたが、トランプ政権からは中国は敵視されてきている。今後はその座をインドに譲り、中国は失速。
日本はそれでも新自由主義を採用しきらず、ゾンビ企業とゾンビ人材を生き残らせたゆえに格差は他の国ほどひらかず、労働生産性は低いまま。
1990年以降は新自由主義で小さな政府でグローバリズム推進したが、今後は米中、米ソ等の対立構造からサプライチェーンは地政学的に固められる。大きな政府に揺り戻しがきて、中央銀行も積極的金利政策にうつり、日本すらもデフレ脱却していくだろう。
また、日本のゾンビ人材はそろそろ退職してきており、失業率は下がってきており、若者の雇用も増えてきた。
日本は米中対立の中で再度米国のパートナーになるだろう。岸田政権は自衛隊強化、韓国国交正常化などでワシントン関係者から評価されている。
金利なども上がる中、貯蓄を投資にまわせば資産も増えていくフェーズにきたとのこと。
今後中国が
台湾有事からの戦争にいくか
冷戦になるか
習近平氏が四期目継続に向けて経済が右肩下がりの中、台湾有事で目を逸らしたがる可能性を危険視していた
覇権国家の交代はあるか?でいくと、人口動態から見ても一人っ子政策などで中国の高齢化率が高く、アメリカは元々移民の国でインフレが起きると労働力として入れて、給与が下がってくると締めるという調整をしているからそこでも部があるし、最先端技術競争でもまだ勝っているから当面入れ替えはないとみている。
正直政治やアメリカから見たこういう話をあまり聞いてこなかったので新鮮であった。この方面の話をもう少し読んでみたい。森永卓郎さんの話よりはワールドワイドで理論的だった。でもやっぱり勘はだいじみたいだけど。
覇権国家はルールを変えることで相手を叩く。カジノのオーナーというのもわかりやすかった。夢のないが現実的な見方を提示してくれる。
Posted by ブクログ
新自由主義とはなにか、なぜ日本は失われた30年を経験したのか、米中でカップリングについて、これからの日本、世界の展望等、驚きの考察で目から鱗だった。全ての社会人に読んでもらいたい。
Posted by ブクログ
世界秩序の変化を構造として解説されて、とてもわかりやすかった。日本はこれからどう立ち回るべきか、という視点も印象に残った。そして、覇権国アメリカの強さも改めて感じ、金融の視点から冷静に分析する著者、説得力ありました。
Posted by ブクログ
本書で述べられている世界秩序の転換、すなわち「新自由主義」が崩壊して現在新しい秩序への移行期だという分析に異論はない。
小さな政府のもとで個人の自由を尊重し、グローバリゼーションに開かれた社会を目指した新自由主義的価値観が、格差の拡大によって限界を迎え、アメリカのトランプ現象、イギリスのブレグジット(EUからの離脱)、欧州の極右政党の台頭、米中対立、ウクライナ戦争などで見られるように、大きな政府のもとで国家および自国第一主義を是とする価値観が広がっているという見立てはその通りだと思う。
著者はその結果が日本にとって有利なものになるという予測を立てているが、果たしてどうなのだろう?
著者が日本推しの理由に挙げているもののうち主要なものを取り上げると、
1.株価の上昇
2.アメリカの対中国シフトに伴う日本の戦略的重要度の高まり
3.現在の生産性の低さが逆に伸びしろになる
4.「ルイスの転換点」を超え賃金上昇の流れに
あたりだろうか。
1.は円安と中国市場への警戒感から外国人投資家が割安な日本株を買っているというのが実態だろう。だとすると大多数の日本人に恩恵はないのではないか。
2.はトランプ関税が日本も対象となり、他国とさほど変わらない税率だった点が反例。今のところ戦略的に重要視しているようには思えない。
3.は生産性を上げる施策があればそうなる可能性はあるが、金銭解雇すらできない日本企業に一体何ができるのかよく分からなかった。
4.は異論ないが、そもそも多少賃金が上昇したところで、止まらない円安とインフレによって実質所得はマイナスを継続中である。実質所得を上げるにはインフレを止めるしかないと思うのだが、日銀はほとんど利上げしないし、ほぼ全ての政党が消費減税を掲げてインフレを促進させようとしているのだからどうしようもない。イギリスで起きたトラス・ショックが日本発で再来する日も近いと噂される始末だ。
中国ほどではないにしても、少子高齢化が今後ますます進む日本の置かれた現状を客観的にみると、株や為替に興味を持たず貯金が主な資産という大部分の日本人は、等しく貧しくなる運命を辿るしかないだろうというのが個人的見解です。
以上現状分析に対するコメントばかりになってしまい申し訳なかったが、この新書の読書自体に関していうと、久々に面白くてすんなり読めた一冊だった。
経済分野の説明が分かりやすいことと、著者自身の生き方・人生観と社会事象がオーバーラップして読めるところが美点だと思う。
Posted by ブクログ
複数の友人たちから次から次に薦められていた新書です。「ヘッジファンドをはじめとするプロの資産運用者に助言をするコンサルタント」という著者の生業に、ちょっと引いていてなかなか手を出してきませんでした。去年の5月18日の「NHKスペシャル 米中対立 日本の“活路”は」という番組での彼が語るロジックがまったく理解できなかったのも、理由かも知れません。しかし、今、このタイミングで読むと世界を取り巻くモヤモヤが急に晴れたような気がしました。たぶん、最近読んだ『戦後史1945-2025 敗戦からコロナ後まで』で日本現代史を俯瞰で感じることができた上に、さらに世界的視点での現代史を被せることによって、解像度が上がった気分になっているのだと思います。第二次世界大戦後の世界を「新自由主義」の勃興と凋落という流れで掴むことにはインパクトを受けました。この本で初めて知った「ルイスの転換点」は、労働市場の中の問題だけでなくて「経済」から「地政学」への転換にもつながっているようです。3日前に公示された衆議院選挙の意味するものも、よく深く理解出来たような気がします。だからと言ってどんな投票をすればいいか?はまだよく分かりませんが…投票日までに、この本を薦めてくれた友人たちとそんな雑談出来るかな?出来ないだろうな…
Posted by ブクログ
ヘッジファンドに対するコンサルタントである著者の斉藤ジンさんの2024年末時点での国際評価。一言でいうと、これからの世界ちつしの中で日本に順風が吹き、それを活かしていくべきチャンスの時代が到来するというもの。地政学的にも不安定で金利も上昇して終わりの始まりかとも思っていた中で非常に勇気をもらえた書。
本書の基本としてアメリカの覇権国の地位の継続を前提としている。中露EUといった他の大国と比べて、人口動態、イノベーション、統治機構の柔軟さという点から筆者は米国覇権の継続を前提とする。
その上で、目から鱗の視点だったのが、近代・現代日本の歴史の評価。覇権国に2回愛され浮上し、2回敵視されて沈んでいるというもの。すなわち、英国に愛されて地域覇権の一歩手前まで行くが、交代した覇権国の米国に潰され、戦後冷戦期は米国に愛されて特権的な地位(経済集中)でジャパンアズナンバーワンの時代を築くが、冷戦が終わってソ連の脅威が消えると米国のナンバーワン敵国となって構造改革で潰され、支援はアジアンタイガー(韓国、台湾、香港、シンガポール)、そして中国に向いていく。中国が米国のナンバーワンの敵となった中、その前線国家である日本に熱い視線が向けられるというもの。
また、世界秩序として、産業革命期の自由主義、その負の側面を是正するための、①FDR的政府投資、②スターリン的共産主義計画経済、③日独伊的なファシズム全体主義の方策が出て競ったが、③を潰す過程で潰され、②を潰す過程で浮上。そして1980年代からの新自由主義が勃興する中で、日本は潰され、そして雇用を守るために自ら新自由主義に乗らずに没落。その恩恵を一番に受けて経済勃興しつつ、アメリカが中東にかかずらわっている間に地域で好き勝手にをしてもオバマ時代まではビジネスチャンスと民主化への期待で多めに見られていた。
これに対し、米国内では新自由主義が富の偏在を生み、システムへの信頼が草の根で失われ、それを破壊すると宣言するトランプに支持が集まった。欧州でのブレグジットや右派政党の勃興もそれと同根。そして、アメリカに貿易黒字を一方的に押し付けて物を売りまくって製造業を潰し、技術も奪っていき(ここまでは冷戦期の日本と同じか)、更には地域覇権を狙う中国に対してアメリカの目は不可逆的に厳しくなっている。
人口動態やイノベーションで優っているアメリカは中国から投資を減らし、機会を奪う形で締め上げていって自滅を待つが、逆に日本の真珠湾のように習近平が暴発する地政学的リスクはあるが、これを抑止する必要がある。
日本は、雇用を守ったため生産性がサービス業で米国の6割だが逆に言えば伸び代になる、雇用問題も労働人口減少により30年間守った働かないオジサン世代が消えて賃上げや設備投資で生産性を上げられる方向に、アメリカからの投資も増えている。今や、新自由主義の修正で政府の役割(経済安保、成長産業支援)に光が当たっており、政官業の連携(癒着)が得意な日本にはいい時代に。家計の1000兆貯蓄も利率が上がる中で投資に回せば、利回りも出て家計も増えていく。チャンスの時を掴み取ろう。
という内容。実際に、本書の上梓から一年経っているが、世界は筆者の語る方向に動いているように思う。
Posted by ブクログ
表紙を見て胡散臭さを感じたので、本屋で平積みされているのを見ても見て見ぬふりをしていたが、藤沢数希氏がポジティブな評価をしていたことから、読んでみる気になった。
読むと、著者の人生を振り返りながらも世界の構造とその移り変わりについて、これまでとは異なる視点で見ることができた。
会社の動き方であったり、転職などの個人の進む道を考える上でも、マクロの動きを把握して、それを踏まえて意思決定していく必要があるのだなと感じた。
誰に対してもおすすめしたい一冊。
Posted by ブクログ
ヘッジファンド相手にコンサルティングをする著者が、アメリカを中心とした、これまでの、これからの経済変化や、その渦中の日本における立ち位置を記した著書。2026年になってから読んだが、著者の想定に沿って変化しているように感じ、現時点での展望を知りたいと思った。
本書の自分メモ。
①小さな政府と大きな政府の変遷。そして今小さな政府から大きな政府へと振り子が揺れ出していること。カウンターエリート達の台頭。世界の構造が大きく変わるとき、勝者と敗者が入れ替わり、日本はカジノのオーナーであるアメリカから勝ち馬の席を用意されていること。
②著者の経歴の紹介。バブル期の日系銀行に入行した著者が、当時の銀行のビジネスモデルに疑問を抱き、渡米し成功をおさめてきたこと。
③新自由主義的な競争体制に移行する中、日本は終身雇用制度という、一見労働者に優しい制度を歴史的に実施していたために、その制度のせいで失われた30年を生み出してしまったこと。人口動態はデフレ圧力だけではなくインフレ圧力にもなるということ。
④サプライチェーンから中国を追い出し、中国外しを始めた。中国は既に魅力的な投資対象ではない。新興国(中国)が覇権国家(アメリカ)に挑戦する過程で台湾有事はあり得る。
⑤日本の人口減少はインフレ圧力となる。失われた30年に雇用を守られ続けた「ゾンビ社員」達が退職し、労働力不足に陥っている。正規雇用の伸びが非正規雇用の伸びをこえ、インフレ圧力である賃金上昇も始まっている。中国がアメリカのメインの敵であるため、強い日本は冷戦時よりさらにアメリカにとって必要不可欠となっている。
⑥本書まとめ
一回で理解するのは個人的になかなか難しかったので、これからの時折ページをめくることにしたい。
Posted by ブクログ
マクロ視点の構造化と説得力、先見の明が素晴らしいコンサルタント。リスクの取り方が無謀ではなく、過去の歴史と地政学的な関係性を根拠にした確度の高い一手を差してきたんだなと感心してしまう。政治経済学という分野についてとても興味を持つことができた。
Posted by ブクログ
カジノオーナーであるアメリカとその他の国と動き。そして世相を支配する考え方の転換点について、非常に興味深い内容でした。
過去、そして今起きている世の中の事象について点が線で繋がった感覚がしました。
自分が有利な立場に立てるうちは、自分の腹心となり得る人間を育てるが、自分を脅かす存在になったら他の人間を利用して徹底的に潰す…そういう人間の醜くて根源的な性質が、国家間にも現れていることに悲しさと納得感を感じました。
適切なタイミングで適切な鮮度の本を読むことが大切なのだと改めて痛感しました。古本屋で名著を探すのもいいけど、たまには新刊でこう言った本を読むことも大切なのかもしれない
Posted by ブクログ
経済はカオスに覆われている。
これを念頭に置くと、齋藤ジンが示した未来に期待を保つべきでは無いかもしれない。
しかし。
特に第3章以降は、読み応えのあるものだった。
論理的な筋道を示されつつ、期待ある日本の未来を魅せられた。
「失われた30年」や「日本の地位」と言った言葉に気が沈むなら、一読の価値がある。
日本の未来に思い悩むのは、まだ早過ぎるのかもしれない。
Posted by ブクログ
マクロ的な世界の政治経済をベースに世界の価値観の変動を捉えることで、日本はじめとして近未来の投資環境を予測した世界的な投資コンサルタントにしてトランスジェンダーの処女作。
Posted by ブクログ
新自由主義の終焉とその後の世界秩序を「ゲームチェンジ」として描く一冊。著者はヘッジファンドの助言経験を背景に、米中対立やウクライナ戦争などを旧秩序崩壊の兆候と分析。国家主導の産業政策や経済安全保障の復活を予測し、日本にとっては数十年に一度の好機が到来すると説く。ただし、視点は米国寄りで、未来予測には不確実性もある。世界の変化を理解し、戦略的思考を促す羅針盤となる良書
Posted by ブクログ
経済の予想をする本はたくさんあるけど、とても納得感が高くて一気読みした。
世界の振り子は、「レッセフェール(小さな政府)」→「ルーズベルト型(大きな政府)」→「新自由主義(小さな政府)」とシステムが変わってきて、また大きな政府に振れようとしている。
新自由主義の流れに乗れずに「失われた30年」を耐えた日本だが、次の新しい世界システムでは追い風が吹くだろう。
世界のゲームオーナーであるアメリカは、新自由主義で大きくなった中国を牽制するため、地政学的に強い日本を望んでいる。
Posted by ブクログ
覇権国家はいわゆるカジノのオーナー。
常に自国が勝つ様にルールを作っている。
日本の二度の繁栄には覇権国家が不可欠であった。
明治維新は英国、戦後の復興は米国だった。
失われた30年は冷戦が終わり、米国の投資対象が日本から中国に変換された為である。
そして今、新たな地殻変動が起きており、中国が投資対象から外れた。このチャンスに乗れば日本には明るい未来がある。
本書はとてもわかりやすく書かれているのでとても勉強になる。著者はバブル期、都銀に在籍していたが日本の危ない状況をいち早く察知し、早期退職して渡米した。そんな著者がこれからも米国の覇権は続くと述べている。鵜呑みには出来ないが説得力はある。確かに欧州など他の国を見比べるとそうかもしれない。
ただ日本にチャンスがあるというのは疑問も残るがあくまで相対的勝者という言い方で納得している。
また復活の条件として外国人労働者の受け入れもある。確かに労働人口の問題があるのでこれは不可欠だが、とてもデリケートな課題だと思う。
Posted by ブクログ
新自由主義の時代が終わってその先の時代が経済優先から政治優先になっていく、という予想はある程度聞く予想だが、その予想についての細かい説明はなかなか参考になった。
ただ、アメリカ合衆国の将来についての予想は楽観的過ぎるところがあった。例えば、アメリカはこれまでも移民を自国の中に時間をかければ取り込んできたから今回も大丈夫だ、と筆者は述べているが、アメリカがいつまでも移民を取り込む能力が高いままとは限らないと思う。WASPという軸となる人種、民族、文化があって、そこに近いアイルランドやドイツからの移民が来るのと違って、WASPが国内の少数派になったときに、ヒスパニックか多数派になったときにこれまで通り移民を受け入れられるのか。
こうした疑問も残ったのは事実である。
Posted by ブクログ
「日本は今、数十年に一度の大きなチャンスを迎えているということです。(p4)」
で始まる、これまでの、そして主にバブル崩壊以降の歴史をベースにして日本や世界の経済の見通しを丁寧に説明してくれる本。
これまで細切れに見聞きしてきた情報の背景や、互いの関連がわかり、全体像が見えた感じがする。
わかりやすく納得感があった。
基本として知っておくと陰謀論もより楽しめるかも?(笑)
日本は社会の分断を避けるため、世界の潮流となった新自由主義を選択せず、あえて低成長、非効率の道を選んできたが、
新自由主義が終焉するとみられる今後、アメリカが世界の覇権を目指す中国を抑え込むために「強い日本」を必要とするために、日本にチャンスが来る、
ということなのだが、
今、日本の選挙中に急激な円高誘導するアメリカの対応を見ていると、この通りに進むのかどうかやや不安になる。。
中国を刺激して無理に抑えこむほうがリスクが高いという判断?
中国の不動産価格の下落と失業率の高さは、まだまだ果てしない内需が支えていくことになるのだろうけど。
作者の斎藤さん自身の人生と選択もせきららに語られていて勇気づけられた。
「過去を否定して全く新しい自分を作り出すことは、自分のコンプレックスや「闇」と正直に向き合うことだとは思えません。それまでの過去をなかったものとして白紙にすることはできませんから。(p79)」
Posted by ブクログ
話題に上がってたので、一読。
最後の方は面白かったが、途中までが理解するのが難しかった。経済の歴史的背景から今に至るまで、世界を含めて日本の立ち位置が書かれている
Posted by ブクログ
米国は中国との覇権国争いにおいて、太平洋地域で日本に強力なパートナーとなってもらわないと困る。だからこれから日本にはかつての米ソ冷戦時代前半(朝鮮戦争から1970年代まで)のようなチャンスが訪れる。準備せよ!というのが本書の概略。
斎藤氏によると、覇権国争いの結末は以下の3つのいずれかに帰結する:
①戦争で勝敗を決する(事例:太平洋戦争)
②覇権国に跪く(事例:ポンド覇権をドル覇権に譲った第一次大戦後の英国、1980年代の日米貿易摩擦における日本)
③冷戦(事例:米ソ)
斎藤氏は、今回の米中関係は③を志向しつつ、台湾有事で①に転じて米国が勝つシナリオを想定している。しかし、米国が中国より強い根拠が明確に示されていない(あるいは根拠として弱い。まして米国はいろんな紛争に戦力分散させすぎだし、グローバルサウスだけでなく同盟国からも反感を買いすぎ。自ら脱・米国の機運を撒き散らしている)。
米国が戦略上、「強い日本」を欲していることはよく理解できたが、本書には軍事面とAIの情報が含まれていない。イアン・ブレマー氏の多極化シナリオにも触れていない。あくまで金融セクターから眺めた主張である。
一般的に覇権が移動する際、まず生産拠点が世界No.2の国に移動し、そこからの流通網が広がり、最後に資金が大量にNo.2側に流入する。中国は途中まではこの道を進んできた。「世界の工場」と呼ばれ、「一帯一路」に着手し、「AIIB」や「BRICS新通貨」でドル覇権を切り崩そうとしてきた。しかし中国は躓き、「世界の工場」は東南アジアに分散しつつある。AGI開発競争で米国に先を越されてしまうと、戦争で主導権を取られるどころか、ロボットが生産も担うようになるため株式市場も中長期的にはどうなるかわからない。少なくとも労働市場は崩壊するだろう。生産拠点も金融セクターも覇権国の必須条件から外れる可能性すらある。つまりデータセンターと生産ロボットの量産化以降はおカネの需要すらなくなってくる可能性がある。中国も苦しい状況にある。
だからこそ、米ソ冷戦時代の中国がそうであったように、両陣営苦しいからこそ、それを逆手に取って日本がキャスティングボードを握るシナリオも読んでみたかった(齋藤さんは米国の金融セクターの方なので無理な話か)。歴史において日本は、米国より中国に従ってきた期間の方が遥かに長い。「米国が強い」という前提のみで進めるのではなく、多極化や中国覇権、ひいてはその先のインド覇権、あるいはAIが人類を統治するような世界線も想定しながら、今後も国際政治を観ていこうと思う。
Posted by ブクログ
・歴史は繰り返すのなら、これから日本はアメリカから高待遇の席を用意される。うかうかしてたら、それはインドに取られるかもしれない。
・トランプが出てきてアメリカ社会が激しく揺れている状況は、アメリカのダイナミズムそのもの。これほど「遊び」を許していても、国家の根本が壊れずに動き続けることがアメリカ社会の凄さ。
・日本では権利と義務を表裏一体だと考える傾向が強いが、アメリカ独立宣言は不可侵の権利で始まるが、権利の代償としての国民の義務は語っていない。なので、アメリカにべき論をかざしても無駄。世界カジノのオーナーの強さ。
・過去100年間でアメリカは統治観を2回変更。1930年代の大恐慌を契機とする「自由放任主義」から「大きな政府」。二度目は1980年代のレーガン革命時の「大きな政府」から「小さな政府=経済が一番知っている時代=新自由主義」
・この両方の転換期で戦略的競争相手を日本と定め、弱体化に成功している。
・今は戦略的競争相手の中国を封じ込めるために「強い日本」が不可欠。冷戦下のソ連を封じ込めるために「強い日本」を求めた時と同じ
・今は「政治家が一番知っている時代=大きな政府」に変わりつつある。
Posted by ブクログ
1.この本を一言で表すと?
東西冷戦後の世界秩序を支えてきた「新自由主義」が崩壊し、〝ゲームチェンジ〞が起きていることを解説する本。
2.よかった点を 3~5 つ
・「トランプ支持者はいったい何を考え、何を望んでいるのか?」(中略)「壊した後をどうするつもりなのか?」とな
ります。しかし、新しいシステムはどうあるべきか、(中略)トランプ本人を含めて明確なビジョンを持っている人は
いないでしょう。(中略)換言すると、トランプ現象は、新自由主義という既存のシステムへの信認(コンフィデンス)
の揺らぎであると私はとらえています。(p18)
→トランプ政権の方針が頻繁に変わるのはこういう事かと理解する。
・アメリカのロビイング会社の多くが中国からの依頼を引き受けなくなりました。(中略)つまり投資対象ではないと
いうことです。(p150)
→日本にいると手に入らない情報で役にたつ。
・「失われた 30 年」とは、ゾンビ社員が退職するまで待った 30 年だと換言できます。(p195)
→分かりやすい表現。これからは人手不足が常態化すると思う。
・習近平には毛沢東や鄧小平のような偉業がない(中略)中国経済がさらに弱まっていくと、社会の不満を逸らすた
め、台湾侵攻にうごくのではないか(p177)
・毎年 200 万人の失業者が出るので、2027 年「デビットソン・ウインドウ」の期限までの 5 年間で 1,000 万人もの若
者が就職できずに、社会への不満を募らせることになります。ここで恐ろしいのは、これだけの数の怒れる若者を吸
収することができるのは、軍と戦争以外に見当たらない点です。(p184)
→中国の台湾侵攻が目前に迫っているわかりやすい根拠だと思う。
2.参考にならなかった所(つっこみ所)
・出版されたのが 2024 年 12 月なので第 2 期トランプ政権誕生前。現時点でも同じ事が言えるのだろうか?
・p175 ②覇権国が新興国にその座を譲る、または新興国が覇権国に跪く。
→アメリカが中国に覇権国の座を奪われる可能性があるのではないか?1990年代に日本が潰された時と比べて中国は
以下を保有。
・レアアース等の資源
・アメリカと対等できる軍事力
この点についての言及が無いと思う。
3.みんなで議論したい事こと
・再び「勝てる席」へ座らされた日本(p206)は理解するが、このチャンスを活かす力が今の日本にあるのだろうか?
5.全体の感想・その他
・今までの私に無い視点を広げてくれた良書だと思う