あらすじ
日本復活のヒントがここに!
あのジョージ・ソロスを大儲けさせた“伝説のコンサル”初の著書
ヘッジファンドが見すえる中国の衰退、そして日本復活
資産運用業界の“黒子”に徹してきた私が、なぜ初めて本を書くことにしたのか。
それは、日本の方々に伝えたいメッセージがあるからです。
ひとことで言えば、日本は今、数十年に一度のチャンスを迎えているということです。
東西冷戦後の世界秩序を支えてきた「新自由主義」が崩壊し、勝者と敗者がひっくり返る“ゲームチェンジ”が起きているのだ――。マネーの奔流を30年近く見てきたコンサルタントによる初の著書。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
米中対立の話、という前情報を持って読んだら、日本の未来にエールを送る内容で驚きだった。
政治と経済の大きな潮流の中で、日本が豊かさを享受できる未来。よくある日本アゲ国威掲揚本ではなくて、筆者の知識と経験と直観に基づいて書かれているので説得力があった。
インドと日本に投資増やそ〜
Posted by ブクログ
長年うまく整理しきれなかった歴史観に関して、彼がスッキリと説明しているのを読んで驚いた
頭の出来が私とはレベチ
「小さな政府」の整理
王侯貴族の没落に伴う個人主義の台頭、古典的自由主義(リベラリズム)からのレッセ・フェールは、
大恐慌で一旦幕を下ろす
70年代に大きな政府の官僚性、肥大性、経済的非効率化が分かり、再度レーガノミクスやサッチャリズムで台頭、新自由主義(ネオリベラリズム)へ
「大きな政府」の整理
①共産主義型(1990年代で冷戦終結で終わる)
② ニューディール政策に代表されるFDR型⇒今、日本の財政主義や既得権益、世界でリベラルと呼ばれるものへ概念的に繋がる?
③日本の軍国主義を含んだ広義のファシスト型(第2次世界大戦で終わる)
Posted by ブクログ
ヘッジファンドのアドバイザーという資産運用業界の黒子として30年間の経歴を持つ筆者による内容は非常に刺激的であるが、説得力もあるものだった。
小さな政府VS大きな政府のトレンド変遷を時間軸を広げて、レッセフェール(18-19世紀〜、小さな政府)→Fルーズベルト・ニューディール政策(20世紀前半〜、大きな政府)→新自由主義(20世紀末・冷戦後〜、小さな政府)→G2時代?(21世紀現在〜、大きな政府?)、という流れで論じているのは興味深い。
これはどちらが正しい・間違っているという物ではなく、時代によって主流となる考えが変遷する物であり、1つの考え方で進んで行くと社会の中に歪みが蓄積して行き、ある時その歪みを解放する必要に迫られパラダイム転換が起こる、との事。経済学を含む社会科学においては自然科学とは異なり、普遍的な公式・定理があるというよりは、複数の原則の間を行き来しながら、それでも螺旋状に進化しながら変化して行くというモデルがあるんだろうなと腹落ちした。
日本が覇権国家たるアメリカに2度に渡り挑戦し、2度とも徹底的に潰されたという歴史(第二次大戦での敗北、プラザ合意以降、バブル崩壊に続く失われた30年)を踏まえ、アメリカに挑戦する中国をアメリカは撤退気的に潰すであろうとの見方も納得感あり。
ただ、アメリカが安全保障面では欧州・中東における関与を弱め(但しアジアは今の所注力を継続か)、世界の警察たる立場から降りようとしている事も個人的には気になっている。筆者の主張はアメリカが覇権国家であり続ける事が前提の議論である事には注意が必要。その意味では、歴史上の覇権国家の交代を振り返る事で今後を占える部分もきっとあるであろうと想像した。
日銀のビスビューからフェドビューへの転換がアベノミクスであった、という話も印象的。
全体として、金融実務の世界に長年身を置いて来たからこその主張が面白く、学問的な精緻な議論ではない事を前提とし、分からない事は分からないとするスタンスも好感を持った。
Posted by ブクログ
知的興奮を与えてくれる本でした。現代史を虹のように捉えてその流れを概説し、今が覇権をめぐる大きな転換期にあると説いています。その中で日本は主役となることはないが、道を間違えなければ再度経済的に発展することができるというのには勇気づけられます。最近のホルムズ海峡封鎖の流れでまた環境は変わると思いますが、歴史の流れは変わらないのではと思いました。
Posted by ブクログ
多くの経験に裏打ちされた説得力のある著書だった。
日本の労働力不足が、企業の淘汰を生み、生産性が上がる。
順風が吹いている、
トランプの支持者は、今のシステムで一部の人だけ儲けている。これを壊して欲しいと言っている。
働かないおじさんもいなくなった。
Posted by ブクログ
ダイヤモンドで評価されていた経済書。
感想。
とても面白かった。あまりこのテーマの本は読まないのだが。とても視野が広がった。
備忘録。
・冷戦の終結で、戦後最大の敵を葬り去ったアメリカには、これ以上日本を特別扱いする理由がなくなる。それどころかアメリカの矛先は完全に日本に向く。プラザ合意により日本の輸出関連産業は打撃を受けたり、各種の輸出規制や日米構造協議などで日本経済の成長を封じ込めてきた。
・デフレを自ら選んだ日本。経済効率を犠牲にして雇用を守ったことで失業率の上昇は止まったものの、賃金が下がり、デフレマインドが強化された。失われた30年は日本が自ら選択した。
・世界が新自由主義のもとで、市場原理で物事が決まっている中で、雇用を守るという選択肢を取った。それでも事業を維持するために、人や設備への投資を抑制した。
・飢饉に陥ったムラで、全員が我慢して過ごすことを選択した。
・日本の代わりにアメリカが下駄を履かせてきたのが中国。カジノのオーナーであるアメリカはなんでも自由にゲームのルールを決められる。
・そして今、アメリカの矛先は中国に向かう。アメリカは中国の弱体化が目的なので、弱体化するまで止めることはないから、逃れられない。アメリカのその目的を果たすために、再び日本は下駄を履かせてもらえる機会がある。
・ルイスの転換点。労働力が不足すれば値段が上がる。
・新自由主義の終焉。大きな政府が自国のために動く。
・ヘッジファンドの人を駆り立てる何か。「生きている感」ではないか。極限状態で勝負することで多くのアドレナリンが出て、今、この瞬間を生きていると感じ、それが快感になるのではないか。その裏返しとして、ギリギリの勝負をしていない時に感じる虚無感があり、その恐怖から逃げているようにも見える。勝負をしていないと自分の存在意義がわからなくなる。
・日本で最初にアベノミクス・トレードに本気で賭けたのは三井住友銀行の高橋精一郎副頭取(当時)。
Posted by ブクログ
世界情勢と経済に関する話題の一冊。こういったジャンルの本はあまり読んで来なかったが、なるほどと頷ける内容も多く、興味深い内容だった。他の方の見解も気になったので、同じ題材を取り扱った他の本も読んでみたくなった。特に昨今のAIの台頭がどう影響してくるのか気になるところ。
この本の良いところは、論理的な部分と感情的な部分のバランスが良く、学びになると同時に励まされるような気持ちにもなるところかなと思う。世界情勢に大きな変化が訪れる中、個人として何をなすべきなのか、日々考えて行きたいと思う。
Posted by ブクログ
今のところ2026年ベスト!
読めてよかった本No.1です。
齋藤ジン氏というアメリカのヘッジファンドで長く活躍されている方の著書であるが、
読み終わると「世界秩序が変わる時」というタイトルが本当に腹落ちする。
今までも世界は、
大きな政府(政府の介入範囲が広い、影響度が高い)⇄小さな政府(政府の介入範囲が狭い、市場の需給に委ね国同士の依存度を上げることにより戦争を回避する)
を繰り返してきており、今は小さな政府から大きな政府への転換点であると。
また、地政学的な観点で見ても米中の対立が高まっている以上、アメリカから見た日本の重要度が高まっており、日本への投資もかなり増えているとのこと。
円安、インフレのスタートダッシュが切れた日本は順風が吹いているとのことで、景気が上向きになると書かれている。
これを読んで、憲法改正反対派や、左派、リベラルに対して怒りに似た感情を持ったが、それは今の一個人の自分には何もできない話なので、
世界の構造の変化を認識し、今後もキャッチアップし続け、幸福に生きられるポジションを探っていくことにします。
Posted by ブクログ
原理原則を学ぶことの重要性。マクロで世界の流れを読むことが次の時代を見極めることにつながる。
レッセフェール(自由放任主義)の崩壊から、大きな政府へ。日本やドイツが採用した全体主義は脱落したが、共産主義のソ連とニューディール政策に代表される大きな政府を採用したアメリカは冷戦の末、アメリカが覇権を握る。その後は新自由主義に突入し、現在その綻びが出ている、と言う話。
戦争が起こる、なんて想像もしなかった中、ウクライナやイランなど現実に起きている事実の背景には新自由主義の崩壊がある。
失われた30年に対する分析も単純化されて面白い。人手不足であり、生産性の低さが伸び代となり、特にGDP7割を占める中小サービス業が全体の付加価値を押し上げることで日本はまた強くなる。
マクロ的な視点非常に面白い
Posted by ブクログ
著者の熱い思いが伝わってくる力作である。新自由主義という思想・価値観が今や凋落の淵にあり、再び市場ではなく政治や地政学的状況が経済を動かす時代がやってきたと著者は訴える。つまり、小さな政府観から、大きな政府観への転換が起きているというのだ。
齋藤氏は写真を見ても分かるように、トランスジェンダーだそうで、その苦しみもあって、日本の大手都銀を早々に辞めて、アメリカに渡ったとか。今はマクロ・ヘッジファンドに各国の経済政策について分析し、レポートを提供するのが仕事だそうで、アメリカや日本、中国などの政治家、官僚、学者などの発言を非常に詳しく紹介しながら、ここ30~40年の政策観などの変遷を説得的に説明している。そして、日本では得られなかった自由をアメリカで享受して、活き活きと仕事にまい進されているようである
著者が言うように、人間万事塞翁が馬で、世界的な潮流にも大きな波があり、19世紀はアダム・スミス的な小さな政府が良しとされたが、1930年代以降は、大きな政府が良しとされた。しかし、それもレーガン・サッチャーあたりから再び小さな政府が良いという、新自由主義が流行りだし、冷戦の終結でそれがピークを迎えた。さらに、中国をWTOに加盟させ、西側的な民主主義国にする魂胆が、共産主義政府に裏切られ、さらに習近平に到っては、アメリカを追い落として覇権国になろうとする野心を燃やすに至って、アメリカも覚醒し、政府をあげて中国の追い落としに躍起になっている。
1990年代以降の日本では新自由主義的になりきれずに、企業は利益追求よりも、雇用の確保に熱心であり、その結果賃金は上がらず、デフレ的な状況に陥ってしまっていた。しかし、2020年代、人口減の時代を迎えて、労働力不足により、労働者を獲得するためには賃金を上げなければならない事態になってしまった。賃金があがれば、物価もあがる訳でインフレ的な状況が現れてきた。著者はいち早くこの変化を予測したという。
さて、アメリカが中国を追いやるためには日本の協力が欠かせない。実際、TSMCの熊本進出等、サプライチェーンの見直しが進んでいる。政府が主導して、このような新しい成長分野への投資を推進していけば、日本経済は順調に成長する、というのが齋藤氏の結論である。
著者も言うように今後、どうなるか、彼にも十分分からないとか。2026年3月の今、トランプによるイラン攻撃がどう推移するのか、全く不透明であり、不確実性は最大限まで高まっているので、それこそ、我々1人1人が内外の情報を得て、自分なりに考えなさいということであろう。
Posted by ブクログ
会社の上司に勧められたため手に取った1冊。
過去から現在にかけての経済の変遷が、著者の独自の視点からまとめられている。かなり的を射た分析となっており非常に興味深く読むことができた。
一点、著者は今後は日本企業は賃上げの流れとなり、ゾンビ企業が淘汰され賃上げに耐えうる企業のみに収斂される、とのこと主張であった。
マクロ的には異論は無いのだが、自分に置き換えて見ると、徐々に健全化は図られつつも、社内のゾンビ社員(働かないおじさん)は生き続けるのだろうな、と感じる。
ベースアップはされつつも、ゾンビ社員の雇用を守るために昇格はしづらくなっている。
結果として、「頑張ること」はコスパが悪く、(企業が存続するのであれば)自分がゾンビ社員化することが最適解となってしまう。
本当にそれで良いのか、アメリカの雇用体系にまで振り切れ、とは言わないが、頑張ったものが評価され、頑張らないものは評価されない、そんな当たり前な社会を望む。自分が社会に絶望する前に。
Posted by ブクログ
三宅香帆さんのYouTubeから
「ソロスを大儲けさせた”伝説のコンサル”」
ドーンとおびにあります
このおびを見た100人中130人はこう思うでしょう
「ソロスて誰やねん」
はい、わたくしもそう思いましたよ!
よっ!平均的日本人!
あー、焼き魚の脇に載っててね
醤油をちょっと垂らして、魚の身と一緒に食べると美味しいよね
わいはあんまり辛いのは苦手なんだけどねってそれは大根おロス
はい、調べました!
世界三大投資家に数えられるハンガリー出身の大金持ち
「ヘッジファンドの帝王」ですって
和食の定番の薬味じゃなかったです(そりゃそう)
いや、ソロスはええねん
齋藤ジンさんやねん
うん、おもろかったで
まぁ、要するにこれからの世界は、日本はどうなるかっていう本なわけなんだけど
先を見るにあたって過去を振り返るわけ
で、その過去の見方がめちゃくちゃ面白くて新しい気がした
その上すごい納得感
なるほどそうだったのか!しかない
なのでジンさんの言う「これから」も当たる気しかしない
騙されてる?
いやいや、本作は一年ほど前に出た本なんだけど、すでにもうちょっと当たり始めてるんよね
日本が勝ち組にまわる時代が来そうやで!
投資や!日本に全ベットや!
( ゚д゚)ハッ!
先立つものがなかった_| ̄|○ il||li
Posted by ブクログ
面白かった。
強い日本復活か?
失われた30年を嘆き、これからの日本を憂う人には朗報。
日本は今、数十年に一度のチャンスを迎えているそうです。
こういう経済のプロの目から見ると、失われた30年の本質もよく理解できる。
日本が負け組だったのは、その時代の『ルール』だっただけ。
新自由主義が崩壊した後の世界はどうなるのか、ある意味楽しみ。
Posted by ブクログ
アメリカを拠点に活躍し『伝説のコンサル』と評される著者が、世界経済のゲームチェンジに日本が取り残されないよう、この本を書かれたそうな。
経済に詳しくないのでわからない言葉が多かったけど、それでもめちゃくちゃ面白かった。
日本に順風が吹く。本当かな。信じたい。
"これから起きる様々な変化の中で、自分の居場所を見つける準備をしておく"
"このチャンスをつかんで悔いのない人生を送る"
頑張ろうと思わせてくれる言葉で締めくくり。
この先の人生を納得して生きていけるよう、わからないなりに何かしら頑張ってみようかな。
Posted by ブクログ
金融の世界の情報やその見通しは殆ど語られない。
それがお金になるから。
見通しのプロは、様々な情報にアクセスしつつ歴史に学ぶ。
予感と確信の間には隔たりがある。
予感の段階で口にしていたのでは状況の変化の幅が大きく精度の高い話にはならない。
予感を持ちつつ、それがいよいよとなるまで待てる人の現在の見取り図。
説得力があって幸い日本にとって希望があるものなので多くの人に読んでほしい。
Posted by ブクログ
これまでの歴史の中で、社会生活が一変した出来事を考察し、これからの日本に訪れる思われる、ゲームチェンジを予想して、興味深かったです。
必ずこのようになると思うのは危険と思いますが、ワクワクする内容でした。
失われた30年や円安など、経済面で日本は良い話を聞かないですが、本書は日本の未来が明るいと思わせる話があり、ポジティブに思わせてくれました。
Posted by ブクログ
久しぶりに新書を最後まで読む。
「米中対立とグローバル化の終わりで、
世界は“ブロック化”する」との内容。
これまで:自由貿易・サプライチェーン最適化
これから:安全保障優先の世界
半導体も国策で進めてるし、
防衛、防衛言われてるから国の関与が
今まで以上に増えていくのであれば
やはり国策が投資の基本かな。
杉村太蔵さん習って骨太の方針を読も。
Posted by ブクログ
ためになった。今の世界情勢を地政学的に、また歴史的背景から説明するとこうだ、という内容で勉強になった。なぜ、アメリカはあんなに豊かなのか、そして、日本はなぜ、新技術を大々的な新産業にできないのか疑問でしたが、腹落ちした気がします。
Posted by ブクログ
90年代からの新自由主義の波にさらされ日本は完全な負け組となったが現在のパラダイムシフトにより今後勝ち組になる(チャンスがある)。ジョージソロスにも認められた金融コンサルタントである著者のメッセージ。戦後日本の経済的大成功も、失われた30年もカジノオーナーアメリカの意図したものだったという。そのあたりの変遷も非常に興味深い。
果てさて、本当にアメリカが今後も世界の覇者であり続けるのか?超大国中国が本当に没落していくのか?中国はそもそも統治体制に大きな問題があり今後の急激な高齢化や国内外の難題への対処に徐々に国力を落としては行くだろう。欧州、ロシアも先行きは厳しく、インドにはかなりのポテンシャルとチャンスがある。また今後数十年以内に中国の大きな体制転換がないとは言い切れないだろう。
トランプの強烈な言動やパーソナリティは独自のスタンドプレイに見えてしまうがアメリカの意図が明確に反映されている。
日本国内では急速な労働力の減少によって高い報酬を払えない企業はどんどん淘汰されていき自然に労働力の集約と生産性が進展していく、また大きな政府がスタンダードとなる今後のパラダイムでは政官財のメカニズムがスムーズな日本は大きな強みを持つ、日本は平成不況において経済成長を諦め雇用維持を選択した、といった視点は大変腹落ちする。ゾンビ企業の淘汰、人材の流動化、リスキリング、外国人労働力の受け入れといったところが今後鍵となるだろう。世界情勢、国際政治の見方、考え方について深く考えさせられる。
しかし現代の日本人が意欲、能力において世界に優っているとは正直思えない。祖国の復権を願う著者の願望もしくは日本人へのエールと受け取った。
Posted by ブクログ
すごくわかりやすく丁寧簡潔に書かれていると思った。
新自由主義の時代が終わりに近づきポスト新自由主義の台頭から、今後どのような世界情勢になっていくのかといったことが流れるように書かれている。
新自由主義の定義①小さな政府②最低基準を市場にゆだねる③個人の選択と権利を尊重するといった基本的なことから、新自由主義を代表する経済システムの提言であるワシントンコンセンサス、新自由主義の象徴である覇権国家の米国と、その寵児で恩恵を受けてきた中国、波に乗り遅れた村社会の日本など、各国の歴史と関係性を簡潔にわかりやすく解説してある。
ただ米国寄りの意見であるがゆえに少し贔屓目で見ている部分もあるのではないかということと、日本という国における格差の実態や氷河期世代の誕生といった部分の掘り下げが少し弱いかなと感じてしまうため、国内でのポピュリズムの台頭がアジテーションされたものであるかもしれないが、すこし楽観が加わっているように感じる。
とはいえこれから日本は失われた30年が終わり経済成長が見込めるらしい。
これからの未来は明るいのか、それとも単なるこじらせたファシズムに沈んでいくのかどうなのか。
Posted by ブクログ
著者自身の経歴や実績を前面に出した自慢話が多く、能力主義エリート的な語りには少しうんざりした。
なんか自分は、こういう「世界のゲームを上手にプレイする」みたいなことにあまり興味がないらしい。政治や経済の話も、面白い部分はあるけれど、冗長に感じた。
台湾有事の背景や、今後の世界秩序の変化については腑に落ちる部分も多く、勉強になった。覇権国であるアメリカの動向や、それに伴う市場の変化を考える上では、日本にとって追い風になる可能性もあるのだろう。
米日関係は、約30年遅れで米中関係と重なっている。歴史は繰り返す、ということなのかしら。
Posted by ブクログ
新自由主義を的確に解説。
小見出しがほどよくあるので読みやすい。
日本にはチャンスが来ているとのこと。
ヘッジファンドなどにコンサルするという著者の仕事が興味深い。
新自由主義が終わり、新たな時代に入っているとの事。
アメリカはやはり強い。
Posted by ブクログ
齋藤ジンさんの経歴とか、仕事内容とかのこととか、これまでの自慢話とかは全て省略すれば、本書で言いたいことは、以下の点だと思う。
20世紀末から進展した、グローバリゼーションを含む新自由主義の体制は、その転換点を迎えつつある。この間、日本では他の先進諸国と比べれば、相対的に経済成長を犠牲としながら雇用を守り、みんなで貧しさを分け合って「失われた30年」を過ごしてきた。
新自由主義を推しすすめた諸国に比べれば、格差も小さく、移民も少なく、ポピュリズムの問題も少なく安定し、経済成長していない分、伸びしろも大きい。賃金の上昇を伴う物価上昇も再開した。これから世界から日本への投資が集まっていくだろう、と。
基本的には現在の資本主義体制の上での議論ではあるが、短期的には本書の予想のように日本経済が相対的に伸びていくのは間違いないでしょう。その際に、他の先進諸国の諸問題まで再現しないようにすることも大事だと思う。
Posted by ブクログ
この本で書かれてる新しいことは、
「新自由主義崩壊後、日本は勝ち組になる」
ということだ。
その理由は、覇権国アメリカのパートナーに再び日本が指名されるからであり、下駄を履かせてもらって経済成長できるだろうと予測されるからだ。過去の歴史の流れも振り返って指摘しているので、そこは納得できる。
とくに、日本の経済の浮き沈みが、世界の経済体制と比例したものであった、というのは面白い。「大きな政府」の時代では日本は勝ち組で成長していたのに対し、新自由主義になってからは「失われた30年」が訪れる。そして、著者は、新自由主義が崩壊すれば、また日本の時代になる、と主張する。
ただ、「新自由主義が崩壊する」という部分は、もう聞き飽きるほど聞いた話だし、本書のメッセージの大部分はこれに終始している。そのあとの代替システムも特に考察されてなく、具体性がなくイメージがつかないので、そこらへんはあまり読んでて面白くなかった。
Posted by ブクログ
そんなに一国の意図で世界経済が変わるか?という疑問は有りつつも、腑に落ちる点は多々あった。
日本の失われた30年は、苦しいときはみんなで耐えましょうという、人材市場の流動性の低さに端を発していたが、ルイスの転換点が来て解雇しにくい現状を変えなくても、人材市場の流動性が上がり、さらに、時節的にも地政学的にも強くあって欲しいと期待される位置にいる日本はこれから有利だよという話。
あまり、経済系の海外の人名になれていないので、バーンという擬音語なのか、そういう人名なのか迷うところが多々あった。
Posted by ブクログ
・歴史は繰り返すのなら、これから日本はアメリカから高待遇の席を用意される。うかうかしてたら、それはインドに取られるかもしれない。
・トランプが出てきてアメリカ社会が激しく揺れている状況は、アメリカのダイナミズムそのもの。これほど「遊び」を許していても、国家の根本が壊れずに動き続けることがアメリカ社会の凄さ。
・日本では権利と義務を表裏一体だと考える傾向が強いが、アメリカ独立宣言は不可侵の権利で始まるが、権利の代償としての国民の義務は語っていない。なので、アメリカにべき論をかざしても無駄。世界カジノのオーナーの強さ。
・過去100年間でアメリカは統治観を2回変更。1930年代の大恐慌を契機とする「自由放任主義」から「大きな政府」。二度目は1980年代のレーガン革命時の「大きな政府」から「小さな政府=経済が一番知っている時代=新自由主義」
・この両方の転換期で戦略的競争相手を日本と定め、弱体化に成功している。
・今は戦略的競争相手の中国を封じ込めるために「強い日本」が不可欠。冷戦下のソ連を封じ込めるために「強い日本」を求めた時と同じ
・今は「政治家が一番知っている時代=大きな政府」に変わりつつある。