【感想・ネタバレ】世界秩序が変わるとき 新自由主義からのゲームチェンジのレビュー

あらすじ

日本復活のヒントがここに!

あのジョージ・ソロスを大儲けさせた“伝説のコンサル”初の著書
ヘッジファンドが見すえる中国の衰退、そして日本復活

資産運用業界の“黒子”に徹してきた私が、なぜ初めて本を書くことにしたのか。
それは、日本の方々に伝えたいメッセージがあるからです。
ひとことで言えば、日本は今、数十年に一度のチャンスを迎えているということです。

東西冷戦後の世界秩序を支えてきた「新自由主義」が崩壊し、勝者と敗者がひっくり返る“ゲームチェンジ”が起きているのだ――。マネーの奔流を30年近く見てきたコンサルタントによる初の著書。

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Posted by ブクログ

- 日本は今、数十年に一度の大きなチャンスを迎えている。
- 新自由主義的な世界観に支えられてきた既存システムはコンフィデンスを失ったため、パラダイムシフトが発生し、その結果、勝者と敗者の入れ替え戦が始まり、日本は勝ち組になる。
- 新自由主義的とは?
- 下記の3つの要素がある
- 大きな政府より小さな政府(政府介入の大小の話)
- マーケット至上主義
- 個人の権利と選択を尊重
- ⇒「グローバル市民」を追求する世界観
- 財政政策は最小化し、金融政策
- 財政政策は政府介入であり既得権益を生みやすい
- 普及すると、マナーが効率的に流れてビジネスコストが低下するので、インフレが起きづらくなる。物価が安定して金利が下がる(グレートモデレーション
- なぜ新自由主義はコンフィデンスを失ったのか?
- 新自由主義の波に乗れずに取り残された人が非常に多かった(現在のトランプ支持者)。新自由主義が世界を席巻したスピードが速すぎた。
- その結果生まれるパラダイムシフトとは?
- そこでなぜ日本が勝ち組になるのか?
- アメリカが中国を封じ込めるために強い日本の強力を必要としている。冷戦下のアメリカがソ連を封じ込めるため強い日本の力を求めた時と似ている。
- 失われた30年の本質とは?
- 不良債権処理を遅らせ、地方の中小企業のほとんどが法人税を支払わない環境を作り、日銀もゼロ金利を続け、皆んなで頑張って社会の優先事項を果たそうと努力し続けた結果こそが失われた30年。
- 世界が新自由主義的な競争体制に移行する中、あえて逆張りして、チャーチルの言う、「悲惨な平等の分配」を選んだ結果ぎ「失われた30年」です。

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2025年12月28日

Posted by ブクログ

いま、日本の先行きは不透明だ。
物価高。インフレ。少子高齢化…。
考えれば考えるほど、わたしたち日本人の未来は暗く、行き詰まっているように思える。

でも。著者によるといま、日本に追い風が吹いている、という。
日本は再び、世界の中で良いポジションに返り咲ける、と。

根拠のない話ではない。
著者は先読みのスペシャリストだ。

いま、一度は読んでおきたい本。

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2025年12月25日

Posted by ブクログ

地政学や経済、政治などさまざまな難しいテーマを著者の考え方を通して学ぶことができる。政治と経済は表裏一体といわれているが、本書でそれがよくわかった。

なぜトランプ大統領が出てきて、どうして人気があるのか、なぜ各国で極端な政策の政党が選ばれているなど、世界のニュースで感じている疑問や不安を可視化してくれた思う。

年齢問わず、読める一冊としてオススメ。

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2025年12月23日

Posted by ブクログ

読みやすく、例えもわかりやすく、時流をつかむ人はこんなにシンプルに世界を捉えている(実際には詳しく深く理解してるのだろうが、それを消化したうえで、シンプルに方向性を見出している)のかと驚いた。
そういうことだったのか、と思うことばかりだが、正直、知識がなさすぎてどこまで正しいのかわからない。

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2025年12月22日

Posted by ブクログ

視座が高いと感じる。
書かれているそれぞれの内容は初耳ではないが、それがどうつながっているか、という視点から考えたことがなかった、ということに気付かされる。
また、何か偏った価値観を支持する表現が感じられない、抑制的な文章であるとも思う。

都銀に就職し、そこを辞めたことを書いている部分。
「1990年代後半になると金融危機が発生し、私の所属していた銀行も大変なことになります。その中で必死に戦った人生も一つの生き方ですし、自分にはできない凄いことだなと思います。ただ私はそれをしたくなかっただけです。」
「必死に戦った人生」
筆者は私の数歳上。似た時代を過ごし、この部分は「戦う」ではなく、「戦った」と記される。
もうそんな時間なんだな、と改めて感じた。

「実際、今思えば、明確な勝算はありませんでした。むしろ沈没する船からネズミが逃げ出すような直感に近いものだったと思います。しかし、この本能的な勘が大切なのです。
のちにヘッジファンド業界で成功する人・失敗する人を山ほど見てきましたが、リスクを見極める直感と喚覚を研き澄ますことが、生き馬の目を抜く国際金融業界でサバイバルするうえでは重要です。」P69
世の中には賢い奴は沢山いる。でもだから計算通り勝てるか、といえばそうではない。この嗅覚が経済的成功には欠かせないように思う。自分に優れたそれがあるかどうか…

「頭のいい奴なんて腐るほどいるから、運のある奴をくれ」P73
やっぱりそういうことだと思う。

社会は振り子のように振れる。
「ちょうどバランスする場所」などあるのかないのかわからないが、とにかく極端から極端に揺れる。
それを理解し、できれば先読みするとよいのだろう。

今、転換点にいるのかもしれない。
何が起こっているのか。
どうしてそうなのか。
次はどう流れていくか。
しっかり考えなければ、と思った。

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2025年12月23日

Posted by ブクログ

歴史書として優れていると思う。
本名がカタカナで「ジン」だったら凄い。
ちょっと人脈誇示が鼻につく。

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

論理的な言及に厚みを持たせながらも、感情的にも前向きにさせてくれる一冊で、とても良かった。
ご自身の優れた判断力に加え、行動力が伴っており、説得力がある。
いま日本はチャンスであるとの書籍を多く目にするようになったが、失われた30年には意味があったと考えさせてくれる内容。

◉新自由主義とは
①政府の介入小さく②全てはマーケットを通じて最適化され③個人の能力や個性で勝負する
◉マネーが効率的に流れることでビジネスコストが低下する→長期投資に追い風
◉トランプにはどう変革するかの明確なビジョンはない。取り残された者たちの「システムを壊してくれ」の声を聞く耳を持っている
◉どこまで政治による裁量介入と経済合理性のバランスをとるかが肝
◉コンフィデンスが重要、聞くに値するという信認を置いてもらう必要がある
◉ストーリー通りにならなかったら、説明できないと信認を失う
→つまり予期しておくべきで、耳に心地よいストーリーのみならず、ベスト・コンザバ・ワーストケースの提示し想定しておくことが肝要なのだろう

失われた30年の本質
◉賃金や経済効率を犠牲にして雇用の維持=デフレの選択、これが失われた30年の選択◉地方議員がゾンビ企業の援助をするのは社会的要請に応えているだけ
◉世界が新自由主義的な競争体制のなか、あえて逆張り、日本人的な考えで起きたもの
◉原因は日本版マグニフィセント・セブンの欠如ではない

◉新自由主義の恩恵を受けたのはグローバリストとデジタリスト
◉アメリカが自由にルール変更して中国と距離
◉アメリカが中国に負けない理由は人口動態、技術の革新性
◉ロシアは中国と違ってエネルギー資源が豊富
◉市場が一番知っているから政治家が一番知っているへ、経済が重要から地政学が重要へ
◉他国は経済格差が課題に対して日本は生産性をあげないと社会が廻らない、つまり逆の悩み
◉EUは国も民族も言語も文化も異なる人々がフェアと感じるバランスをとるのが難しい、ウクライナ危機をみるとアメリカ抜きでEUは機能しない
◉アメリカが中国を抑え込むには日本が必要

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2025年12月14日

Posted by ブクログ

わかりやすい。
世界システムが自由放任(レッセフェール)→大きな政府→新自由主義と変化して、現在。
システムを修正しながら今に至っているという物差しで見ると色々なものが理解しやすくなる。

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

アメリカから眺めた日本の現代経済史的な。
なぜ私たちは失われた30年という季節を過ごさなければいけなかったのか、すこしはすっきりした。

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2025年11月23日

Posted by ブクログ

新自由主義の終焉とその後の世界秩序を「ゲームチェンジ」として描く一冊。著者はヘッジファンドの助言経験を背景に、米中対立やウクライナ戦争などを旧秩序崩壊の兆候と分析。国家主導の産業政策や経済安全保障の復活を予測し、日本にとっては数十年に一度の好機が到来すると説く。ただし、視点は米国寄りで、未来予測には不確実性もある。世界の変化を理解し、戦略的思考を促す羅針盤となる良書

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2025年11月20日

Posted by ブクログ

1990年代頃から失われた30年を新自由主義の時代だったという。日本は伸び悩み世界でも取り残された。その新自由主義の時代とは何だったのか、というのがこの本の大きなテーマになっている。著者は性的マイノリティとして日本の都市銀行勤務を辞め、自由なアメリカでコンサルタントとして人生を歩むことに賭ける。

新自由主義の時代の前は、経済が重要だった、新自由主義の後に来る時代は政治が重要となる。日本の失われた30年と中国の台頭、アメリカの覇権国家としてのずるさ、しかし日本はこれから復活し、中国は衰退し、アメリカの強さは変わらないという。

著者はコンサルタントとしてジョージ・ソロスを大儲けさせたようだ。この本は、新自由主義からゲームが変わる時代のこれからを、新自由主義を詳細に分析することで、世界情勢の重要なポイントを膨大に一回読んだだけではわからないほど濃密に説明してくれている。私は疎く一回読んで分からず、二回目抜き書きしながらようやく分かった。なぜ今世界がこうなっているのか、日本の失われた30年とは何だったのか、新自由主義時代とはどんな時代だったのか、これから世界がどうなるのかがよくわかる良本です。

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2025年11月18日

Posted by ブクログ

面白くて一気読み!
経済学の本は難しそうでこれまで手に取ることはなかったのですが、ジンさんの本は投資コンサル目線で日本やアメリカ、中国の情勢を分かりやすく解説。
次はメモを取りながら読み直したい!

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

 齋藤ジン。ジョージソロスに10億ドル儲けさせたコンサルだという。日本人で、トランスジェンダーで、ワシントン在住のコンサルという触れ込みは、インパクトがある。
 本書を読んで、なるほど、アメリカでナマの政治的潮流のなかで生き抜いているコンサルだと思った。実は、「新自由主義」という正体がよくわからなかった。自由であることはいいことだと思うが、何かがおかしいなぁと思っていた。本書は、実にわかりやすく、歴史的な流れを大づかみにつかむことができる。さすが、著者のさばき方が実に上手いと感心した。
 自由放任主義(レッセ・フェール)、自由主義、そして新自由主義と受け継いでいる。

 齋藤ジンは、歴史的な潮流でものごとを明らかにしようとする。
 18世紀(1700年代)のイギリスから始まった自由放任主義。「政府は何も手を出さず、個人や企業の活動を自由にさせるべきだ」という考え方だった。アダム・スミスが唱えた「見えざる手(かみのみえざるて)」という考えが基本になっている。これは、一人ひとりが自分の利益のために自由に競争すれば、結果的に社会全体にとって一番良い状態に自然と導かれる、という考え方だった。

 20世紀初頭にかけて、世襲貴族による権力の乱用に対し、商人(ブルジョワ)たちが市場で自由に経済活動を行う社会を目指す中で台頭した。しかし、この極端な市場任せの体制は、世界中の経済活動が失速するなど、大きな経済危機や社会的な矛盾を引き起こた。特に1929年の世界恐慌がその象徴であり、市場の自己調整能力への信頼が崩れた。

 齋藤ジンは「第一の地殻変動」として、自由放任主義の限界が露呈したことで「大きな政府」が登場したという。それが、ファシズム国家であり、スターリンによる全体主義的国家の誕生だった。大きな政府は、思想、人種まで口を出し、大量の殺戮を行なった。

 そのような人権を無視する国家への反省から、個人の自由と権利を何よりも大切にするという考え方から、自由主義となった。 個人の自由(思想、言論、経済活動など)や、みんなが平等であることを重視する。政治の分野では、王様や独裁的政権などの強い権力に支配されず、国民が政治に参加し、自由を保障されるべきだという考え方が広がった。

 齋藤ジンは「第2の地殻変動」として、オイルショックやインフレによって、「大きな政府」による国家介入が行き詰まった結果、自由主義から新自由主義が登場した。アメリカとソ連の対立という東西冷戦終結に伴う「大きな政府」から小さな政府への転換が行われた。

 1970年代以降に世界的に広がったのが新自由主義だった。
 レーガノミクス、サッチャーによる民営化などの新自由主義。それに加わったのがグローバリズム。多国籍企業の活躍が起こった。その結果、日本は失われた30年となり、中国が大きく躍進し、中国がアメリカに対立するようになった。

 大きな政府では、国が年金や医療などの社会保障にお金をかけすぎていたり、色々な規制をしすぎていて、経済の活力が落ちている。だから、国や政府の役割をできるだけ小さくして、小さな政府によって、市場の自由競争をもっと進めるべきだと主張する。具体的には、規制を減らしたり、国営の会社を民間の会社に変えたり(民営化)することを進める。会社や社会の活動に口出しする「大きな政府」から、必要な手助けだけをする「小さな政府」に戻そうという考えだ。

 本書での新自由主義は、「政府の意思決定や役割を縮小し、市場原理、民間企業や各個人の意思、判断、選択をより重要視するもの」として定義されている。政府の介入を最小限にし、市場に経済を任せることを基本とする考え方で、政治や政府ではなく、市場を主要な「裁定者」とし、個人の権利と選択を尊重する。あくまでも、マーケットが決めるという考え方だ。

 さて、第3の地殻変動はどうなるのか?
 齋藤ジンは、2021年以降、新自由主義的な世界観に支えられてきた既存システムは信認(コンフィデンス)を失った。根幹世界観へのコンフィデンスが崩れた以上、パラダイムシフトが発生するという。
 アメリカにおけるトランプ現象、イギリスにおけるブレグジット、欧州における極右や自国中心主義の台頭、米中対立、ウクライナ戦争などは、それは「新自由主義への反乱」であるという。

 そして、一番大きなことは、アメリカは覇権国家であるために、常にルールを変えてきた。現在のアメリカにとって、一番重要なのは中国の存在なのだ。2001年に中国が、WTOに入ることで、大きく変化した。アメリカも中国に投資をしてきた。それが、中国が世界の工場になったことだ。中国が、民主主義国家になると楽観的に思っていたが、習近平体制の中国となり、アメリカを脅かす存在になっている。そのことが、貿易戦争となり、関税の引き上げがトランプの課題となった。つまり、アメリカにとって中国は投資対象でなくなったのだ。一方で、アメリカでは富の分配が寡占化し、大多数の国民からの信任を失った。ニューヨーク市長選挙での急進左派のマムダニが社会主義的政策で勝利したのが新自由主義への反乱とも言える。
 
 今の大きなパラダイムの変換は、米中対決の中で、日本の位置が大きく注目されることになる。つまり、アメリカの覇権国家を維持するために、日本がその補完的な存在として、復活することが可能な時期に来ていると齋藤ジンはいう。新自由主義とグローバリズムの価値観を変える時期となっている。
 アメリカが中国依存から脱却し、信頼できる国で生産する流れの中で、日本という存在が重要となる。日本は、それに応えるというポジションが確保することになる。
 
 齋藤ジンは「失われた30年」は贅沢な実践という。アメリカの持つ人口動態と技術革新性が、中国の少子高齢化問題より優位にあるとしている。EUは、国も民族も言語も違う人々がフェアと感じるバランスを撮ることが難しいとしている。また、ウクライナ戦争からアメリカ抜きにEUが機能しない。
 ドイツは、ロシア産のエネルギー供給に依存し、中国需要をとりにいくビジネスモデルが破綻している。アメリカ人は、野球場で起立して国家を斉唱し、涙するというジョークがある。そして、日本人三人の活躍を応援している。トランプへの圧倒的支持、そして創造的破壊は、アメリカたる所以だ。

 齋藤ジンの視点は、アメリカが覇権国家として君臨し続ける状況の中で日本がどう振る舞うのか?そのことを問いかけている。今の高市戦略は、そのあたりをよく考えて、トランプにお任せという感じなのかなぁ。それにしても、ポスト新自由主義が、具体的にどうなるかわからないが「大きな政府」にふれるだろうと率直に言っているのは、好感が持てる。

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2025年11月08日

Posted by ブクログ

今年一番の新書

2025年7月に読みました。
10月の高市総理誕生と日経平均5万円越えの展開を、1年前の出版時に想定していたような内容でした。

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

30年後に読み返したい。
ここ5年くらいで世界の行方を描く本が多くなった感がありますが、それだけで「見えてきた」もしくは「確度が上がった」ということなのでしょうね。人の世は人が織り成しているということを改めて認識させられる内容でした。
一種の暴露本としても良いのかな?
井の中の蛙状態のジモティータイプの日本人に対する世界の常識についての啓蒙書としても良いのかな?
それとも、ようやく受容、消費できるようになったから出てきた戦略的な教育書でしょうか?
陰謀論的なエンタメ本とは思えませんでした。
私の中のジャンルの仕分けに迷います。
「後悔のない、好きなポジションを取れ!」というメッセージは受け取りました!

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2025年11月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「新自由主義の下で、日本はまさに最大の敗者となった。」
日本は失われた30年で敗者だとは思っていたが、最大の敗者であるという筆者の感想にはとても納得がいった。

「現在のグローバル化した社会とはまるで別世界でしたが、ほんの30年前の話です」
テクノロジーの変化が、社会に影響を与える力がどんどん強くなっていっていると思う。私が留学をしていた2014年はスマートフォン、SNSが席巻する時代で、個人が情報を発信することが当たり前の時代になってきた。それにより、グローバル化が進んだと思う。
日本ではコロナ化でビジネス、仕事のビジネス化、DX化が一気に進み出した気がしている。今までは「商慣習」で「リモートなんて。ビジネスはやっぱり対面でしょ」という雰囲気が、「対面で会うのは効率が悪いんで、リモートで」という雰囲気に大きく変わったと思う。
それも、LTE/5Gの通信技術の進歩、映像通信技術の進歩の影響である。
そしてこの「ポスト新自由主義時代」では生成AIの波が大きく影響してくると思う。サムアルトマン氏の警告から引用すると
「アルトマン氏は、AIが民主主義に及ぼす潜在的な影響や、選挙戦で特定の意図をもって偽情報を発信するのに利用されるのが心配だと話した。こうしたことから、AI企業を免許制にするなど、新機関による規制方法をいくつか提案した。」
この未来はすでに現実のものになってしまっていると思われる。

「新自由主義が世界を席巻したスピードが早すぎた。」
これには激しく同意するし、AIが今まで以上に世界を席巻するスピードが早く、大規模言語モデルによって人々の意識のベクトルを統一することも可能になる。

「インかアウトか、その差が非常に大きい。 ーーー インかアウトかの二択」
間違いなくこの世界になる、個人的に次の30年は、AIに使われるAIインの世界か、AIを使う側のAIアウトの世界にもなりうると思う。そしてその両者の格差は年々拡大していくと思われる。

「アリストテレスの幸福論では、人生の最終的な目的は幸福になること」
私は既に幸福のQoLのテッペンに達してしまったので、この幸福を維持していく方向に人生を切り替えている。
・米を作って精米したての新米を土鍋で食べる
・豚を育てて下ろしたての豚肉のしゃぶしゃぶを食べる
・ニワトリを育ててその卵で卵かけご飯を食べる
・獣を罠で捕まえて、その獣の肉を燻製にして食べる
・球場で応援しているチームが勝っているのをみながらビールを飲む
・大戦争で全ての物流が止まっても上記の生活を維持出来るオフグリッドハウスの構築
・上記の技術のオープンソース化
次の5年では上記を堅める方向性となる。

「しかしハイテク産業の場合、労働集約型の産業ではなく、知識、資本集約型なので、過剰生産をしても、不動産関連で失った雇用を埋めることは出来ない。これが社会不安のタネとなる」
間違いない。次の5年、AIは間違いなくロボット、自動車に適用される。そうなると、単純労働のパイはどんどん少なくなっていく。日本は人不足なのでいいが、そうでない国は「人余り」が次の社会問題になる。そうなると戦争をして人を使うしか、雇用を産む方法がなくなってしまう。私は次の10-20年内に、上記による世界大戦が発生すると見込んでいる。

「ルイスの転換点」「産業革命の際、工業化が進む中で、農村から都市部への労働供給が拡大し、都市部の第二次産業の賃金は下がったものの、農村からの労働供給が出尽くしたあと、都市部の賃金が急速に上昇した現象」
この本を読んで一番勉強になった部分。

「これからの日本は、効率性を高めないと人手不足で社会が回らない時代」
私の事業では、この悩みを抱えている会社から多くの相談がくる。ただ、大きな会社であればあるほど、上記の悩みは次の10年だと見据えている。というのも最近の60, 70代は元気で、まだ現役で働いている。その世代が抜けたあと、日本の労働力不足は一気にやってくると思われる。
私の会社では、その労働力不足をロボットで補うために、ロボット開発の支援をデジタルツインでサポート出来る様な体制の支援に努めている。その会社を2030年までにバイアウトして、上記の幸福論で述べた様な守りの幸福を固めていきたいと思う。

「彼らの基本戦略は中国とマラソン競争をして、中国が自らの弱さによって潰れるのを待つアプローチ」
私は最近台湾の企業とビジネスを行っているが、よく聞くのは「中国企業はモノを作りすぎている」ということだった
モノを作りすぎると、そのモノの値段が下がり、国内ではどんどんデフレが進んでいる、とのことだった。

「日本の軍部のようにジリ貧論を嫌い、中国が台湾有事を仕掛ける可能性」
私には、上記が起こる可能性は分からないが、もし台湾有事が起こった場合の技術視点で持論を持っている。その持論の中で最悪なパターンを下記に述べる。
中国の技術的な優位性は「レアアース」に尽きる。レアアースがなければ、自動車からスマホまで、何も作ることが出来ない。そして中国が台湾を攻撃すれば、一番打撃を受けるのは半導体産業である。
レアアースを止め、半導体産業にダメージを与えると、世界のハイテク産業は一気に止まる。その影響が5-10年続くとすると、既存のデータセンターなどの修理が出来なくなり、資本力のないクラウドからサービスが停止していく。
世界の主要な国は一律で、とてつもないダメージを受ける。
痛み分けの時代になる。
その時代になった時に、強いのはそういったテクノロジーを使わない「衣食住」にfocusした一次産業であると思っている。
かなりのエッジケースであると自負しているが、Maximin modelに従い、私は上記のケースに備えた方向にシフトしていく。

「キッシンジャー外交における最大の敗者は台湾」
上記の地政学背景を全く知らなかった。学ぶべき部分だと思う。

「岸田総理のように歓待された日本の首相はいないと思う」
この主張も意外だった。私も一般市民と同じく、岸田首相は特に何もしていなかったと思うのだが、アメリカではその受け止め方が違うということに、私は自身の視野の狭さを思い知った。

「いずれは労働力の絶対数不足に直面する」
私は、その世界になったときに、ロボットとAIが労働力を補う一因になると思っている。
そうなると、世界的にはロボットとAIに職を奪われると思うので、今産まれる世代はとても大変な時代を迎えると思っている。

そして、平成の時代を謳歌できたことを誇りに思う。
適度にデジタル化され、適度に非効率で、留学がしやすかった時代に生まれて良かったと思いつつ、次の時代は楽観視できないなと、この本を読んで改めて思った。

また、私の周りでは、私の上記の「守りの人生」にシフトしていることに心の底から共感している人がほぼいないが、この本を読んで、私の方向性は間違ってはいなかったのだと再認識できた。

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

面白かったです。中世~近世の重商主義時代から筆を起こし新自由主義までの流れを分かりやすく説明していてなるほどと腑に落ちました。そして新自由主義の時代がいよいよ終わるのがここ数年の流れ。それが世界秩序が変わるという表題になっている。我々は好き嫌いに関わらずその流れは抗えないしそこをどうやって上手く生き抜くかというのが要旨だと思う。

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2025年10月30日

Posted by ブクログ

ジョージ・ソロスの真骨頂は、転換点に全力を傾注する投資方法であること。
1992年 イングランド銀行にポンド売りを仕掛けたソロス・ファンド
当時の右腕が、スタンレー・ドッケンミラーであり、そのチームの一員にスコット・ベッセントさんが居た。
2011年 ベッセントさんはソロスファンドのCIOになり。
2012年 日本に円売りを仕掛けて大儲けする。その一躍を著者の齊藤ジンさんが担う。
⇒その後、ベッセントさんは日本ファンに!
色々と繋がって見えてきて面白い。

「変な人には人並み外れた離れた能力がある」って思われているというのも、味のある言葉だと思った。

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2025年10月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

新自由主義の終焉とパラダイムシフト
・新自由主義の限界: 1980年代以降、市場原理主義、規制緩和、民営化を柱としてきた新自由主義は、極端な格差拡大と中間層の没落を招き、社会の分断を決定的なものにした。
・「小さな政府」から「大きな政府」へ: 効率性のみを追求するシステムがパンデミックや地政学リスクに対して脆弱であることが露呈し、国家が経済に強く介入する「産業政策の復活」が世界的な潮流となっている。
・株主資本主義の修正: 利益至上主義から、従業員や地域社会、環境を重視するステークホルダー資本主義への移行が不可欠であると説く。

地政学と経済の融合(ジオエコノミクス)
・グローバル化の変容: 安価なサプライチェーンを追求する「オフショアリング」から、同盟国・友好国で経済圏を完結させる「フレンド・ショアリング」への転換が進んでいる。
・資源と技術の武器化: 半導体、蓄電池、重要鉱物などが国家安全保障の直結事項となり、自由貿易よりも「経済安全保障」が優先される時代に突入した。
・米中対立の構造化: 単なる貿易摩擦ではなく、民主主義対権威主義という体制間の生存競争として長期化し、世界経済はブロック化の兆しを見せている。

テクノロジーと通貨の変革
・デジタル敗戦への警鐘: 日本のIT競争力の低迷を指摘し、DX(デジタルトランスフォーメーション)が単なるIT導入ではなく、社会構造そのものの作り直しであることを強調する。
・通貨覇権の行方: 中央銀行デジタル通貨(CBDC)の台頭や暗号資産の普及により、米ドル一強体制が揺らぎ、価値の交換手段が多様化する可能性を示唆している。

日本が直面する課題
・失われた30年からの脱却: 安い賃金を前提としたビジネスモデルを捨て、高付加価値化と賃金上昇の好循環を生み出す必要がある。
・「ジャパン・アズ・ナンバーワン」の呪縛: 過去の成功体験を捨て、新しいゲームのルール(環境、人権、デジタル)に適応できない企業や個人は淘汰される。

今後の個人的な指針
市場や成長神話を無条件に信じる姿勢を捨て、国家・政治・地政学を含めて世界を立体的に見ることが重要だ。職業や投資においては、単なる効率やコスパではなく「この分野は国家が守るか」「長期的に必要とされるか」を基準に選ぶべきだ。個人としては、特定の組織や制度に依存せず、複数の収入源・スキル・居場所を持つことがリスク耐性を高める。変化を嘆くより、ルール変更を前提に学び続け、柔軟に立ち位置を変えられる者が、これからの世界で生き残る。

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2025年12月28日

Posted by ブクログ

今の世界情勢、日本の現状を把握するのにとても参考になりましたー。
未来のことは誰にもわかりませんが、本書の「今後の日本は勝ち組になるぞー!」という内容は、とても希望がもててよかったと思います。

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2025年12月27日

Posted by ブクログ

最初「キワモノ」っぽい印象があって手を出さないでいたが、新聞のインタビュー記事を読んで興味が湧いた。

読んでみたら予想に反して実に面白い。
世界中で「分断」を産んでいる情勢変化を、投資コンサルの立場から論評抜きで冷静に分析している点が秀逸。
著者の過去の実績と相まって実に説得力を感じさせる。

本の「失われた30年」が、「成長」より「雇用」を優先した結果であり、図らずも30年かけて雇用を適正化した(生産性の低い社員が退場していった)、という視点はユニーク。

ただし、守った「雇用」はあくまで「正規雇用者」という既得権者だ。
そこから取り残された人たちの不満や怨念が「新興政党」への支持を産み、既成政党の意思決定を遅らせる結果になるとは予想外だったかもしれない。

「日本には順風が吹いている」という世界情勢はわかったが、それを生かして再び成長をもたらせるかは、日本人の意思と行動次第である。

「日本にとって有利である」と言われてただ喜んでいるわけにはいかない。

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2025年12月23日

Posted by ブクログ

わかりやすいです。世界のマーケットの真ん中にいながら、世界の動きを俯瞰し冷静で客観的な視点での論述なので、経済や投資に疎い私でもわかり、腑に落ちる。

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2025年12月19日

Posted by ブクログ

経済の話は少し難しく感じました。中国の変遷の章はわかりやすかったです。
筆者の世界情勢を読むセンスは素晴らしいと思いました。
従業員を切らない選択が、経済的観点では正解でないということは分かりますが、岸田政権への評価、ホワイト大企業への収束、移民労働者の受入れあたりはまだ理解できず、ちょっとついて行けていないです。
最近近所のお店がどんどん潰れて空き地のままになっていることが多く、個性的な個人経営のお店が成り立つような社会になるといいなと思うのですが…。
AIは少し使い方を学んでおこうと思いました。

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2025年11月15日

Posted by ブクログ

ヘッジファンドやグローバルな機関投資家に情報提供する齋藤ジン氏の著書。
自分の出自などプロフィールについてが余計に見えるが、だからこそ内容に深みを感じた。
日本の金融危機をはじめに予見したとされ、政府の経済政策の分析などは、自分のような下流の人間が見てもエンタメ的に興味深かった。

ヘッジファンドという耳慣れしている言葉も、レバレッジをかけて投資を行う大口投資家(機関投資家)であることも当著を通じて理解できた。
多忙なヘッジファンドのオーナーから、「あの人が言うなら...」という人間関係を築くための、膨大な情報と仕組み理解に脱帽。

引き続きアメリカの覇権は続くとしながら、強い日本は復活するという齋藤ジン氏のヨミは心強い。
なぜ伸びるか、それは生産性が低いからであり、それすなわち伸びしろである。とくにトラック運送やサービス分野の生産性は他先進国に比べてひくく、実は経済大国で5位にはいる日本には期待がもてる。
とはいえ、生産性でどんなに伸びてもいつかは労働力の絶対数不足はやってくるので、外国人労働者を受け入れる必要はある。

さらに家計の金融資産の1000兆円が現預金につみあがっている。
他の国はインフレがあったので投資が進んだが、日本はこれから。

この生産性と現預金資産のポテンシャルは、日本にしかない。

▼2025年最新の世界GDPランキング
順位国名GDP(10億US$)
1位アメリカ合衆国30,507.22
2位中国19,231.71
3位ドイツ4,744.804
4位インド4,187.017 ↑
5位日本4,186.431 ↓
6位イギリス3,839.180
7位フランス3,211.292
8位イタリア2,422.855
9位カナダ2,225.341
10位ブラジル2,125.958

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2025年11月10日

Posted by ブクログ

トランプ政権下での日本のこれから、日本に住むものとしてのこれからについて考える良いきっかけとなった。ルールチェンジを繰り返しているアメリカは、これまではアメリカがグローバリズムという枠組みのカジノのオーナーであったから。それがこれからも不変であるとするならば、日本のこれからは期待できるのであろう。

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2025年11月09日

Posted by ブクログ

おもしろかった。あまり表で語られないようなお金の話もあって良い本でした。
ただ、次に日本が良くなるのは、アメリカがマネーゲームのディーラーの地位を存続できればなので、そこが怪しいような気もしました。
ただ、アメリカが世界のお金のディーラーという前提が崩れなければ、確かに、2位の国をたたくために、3位の国に肩入れする構造で、これから日本は伸びるっていうのは確かになと思います。

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2025年11月02日

Posted by ブクログ

経済の予想をする本はたくさんあるけど、とても納得感が高くて一気読みした。

世界の振り子は、「レッセフェール(小さな政府)」→「ルーズベルト型(大きな政府)」→「新自由主義(小さな政府)」とシステムが変わってきて、また大きな政府に振れようとしている。
新自由主義の流れに乗れずに「失われた30年」を耐えた日本だが、次の新しい世界システムでは追い風が吹くだろう。

世界のゲームオーナーであるアメリカは、新自由主義で大きくなった中国を牽制するため、地政学的に強い日本を望んでいる。

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2025年11月25日

Posted by ブクログ

難しかった。要は、「世界のパワーバランスとルールが大きく変わる“転換期”に来ている」ということ。日本も対策が必要。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

アメリカに全てを賭けている人がアメリカの優位性を疑えないのは、それはそうだろう、、との感想なんだけど、違うのかな…

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

前に読んだ本の要約を掲載します

1) 全体要約(本文)
『世界秩序が変わるとき』。新自由主義の長期的優位が揺らぎ、政治の裁量復権・ブロック化・価値観対立の深刻化が同時進行する中で、米中対立(冷戦化とホットスポットのリスク)とグローバル・サプライチェーン再編が進む。これにより、日本にはリショアリングや労働市場の構造的変化、AI導入の加速を追い風にした再起機会が生じうる、という骨子です。

2) 章立て(本文)

新自由主義の揺らぎと「反乱」

歴史的振り子:小さな政府 ↔ 大きな政府

欧州統合・グローバリズムの加速と反動

格差・分断・ポピュリズムの力学

米中対立シナリオと台湾リスク

サプライチェーン再構築と日本の相対優位

人口・賃金・AI導入:日本のチャンス条件

3) 各章の詳細(本文)
第1章 新自由主義の揺らぎと「反乱」

一連の政治・地政学的な激変は、個別事象ではなく新自由主義への広範な反発として説明できる。

新自由主義の前提は「小さな政府」「市場を裁定者とする」「個人の選択と能力を尊ぶ」という三本柱。

1990年代以降の急速なグローバル化・デジタル化が、価値観・経済構造を短期間で劇的に変え、社会に「ひずみ」を蓄積させた。

既存システムの信認が揺らぐ局面では、勝者・敗者が入れ替わる可能性が高い。

日本は新自由主義フェーズで出遅れ、長期停滞を経験したが、振り子が戻る局面では相対的な機会が生まれる。

第2章 歴史的振り子:小さな政府 ↔ 大きな政府

大恐慌を経て、世界は多様な「大きな政府」へと揺り戻し(共産主義型/ニューディール型/ファシズム型)を経験。

政府介入の度合いは、経済危機・戦争・社会分断の深さに応じて拡大・縮小を繰り返す。

現在は市場主導一辺倒の限界が露呈し、産業政策・補助金・規制で政治が再び前面に出る局面。

市場が万能という前提が外れ、国家間の制度競争・補助金競争が企業意思決定を拘束する。

「政治が最終的にわかっている」という認識が広がれば、政策依存度はさらに高まる。

第3章 欧州統合・グローバリズムの加速と反動

単一市場化・共通通貨導入は裁量的介入を減らし、効率・平準化を志向した。

だが、人工的制度への文化・言語・民族・宗教の「土着的価値」の逆襲が発生。

英国の離脱や欧州でのナショナリズム台頭は、制度統合に対する反動として理解できる。

急進的な統合のスピードが、社会の順応能力を上回り、政治的反発を誘発。

結果として、欧州でもブロック内外の再分配・移民・主権問題が再燃。

第4章 格差・分断・ポピュリズムの力学

富の集中(特にデジタル産業)は雇用創出を伴いにくく、分配の歪みを拡大。

再分配に消極的な制度下では、格差拡大が標準的帰結となり、社会的亀裂が累積。

分断は「富の搾取」と「価値観対立」の両面から進行し、政治的過激化を招く。

民主的プロセスを通じた急進的勢力の台頭は、制度の正統性危機と裏腹。

分配の正義と経済効率の両立条件が未解決で、政策選好が二極化。

第5章 米中対立シナリオと台湾リスク

覇権国と新興国の競合の帰結は、戦争・譲歩・冷戦の三択に整理できる。

当面は冷戦が基本線だが、地域的ホットスポット(台湾)での有事可能性は無視できない。

接近阻止・領域拒否戦略の成立により、限定的な軍事行動でも計算が複雑化。

金融制裁・決済網の遮断は既に準備され、経済戦の即応性は高い。

若年層の雇用・社会不満が外部指向的な政策を誘発するリスクがある。

第6章 サプライチェーン再構築と日本の相対優位

新自由主義の信認低下で、政治主導の再編(リショアリング/友好国志向)が前提条件となった。

グローバル最適から安全保障最適へと、設計基準が移行。

国境・関税・補助金の壁が上がり、「広い庭に高い壁」の時代へ。

新自由主義期の最大受益国は逆流コストが大きく、逆に出遅れた国に相対的利益が生じうる。

日本は再編の受け皿になり得る領域が拡大し、製造基盤再評価の機会が生まれる。

第7章 人口・賃金・AI導入:日本のチャンス条件

労働人口制約が恒常化し、企業はホワイト化・省人化・IT投資を迫られる。

賃金上昇が不可逆的となれば、低生産性部門の見直しと自動化が加速。

社会的合意形成が進めば、雇用調整や部門統廃合への抵抗は低減。

AIは労働生産性のボトルネックを補う代替投資として正当化されやすい。

外からの先端技術の受容が、国内制度との整合性の下で前進しやすい環境が整う。

4) 各章の要約(本文)

第1章:新自由主義の三本柱に対する信認低下が、各地の政治変動を貫く説明原理である。社会の適応限界を超えた変化が「ひずみ」を生み、制度の再編を促している。

第2章:危機のたびに国家は介入度を上げ下げし、現在は政策主導の時代へ回帰している。市場万能論の剥落が、企業の意思決定を国家政策に結び付け直している。

第3章:統合の加速は効率を高めたが、土着的価値観の逆襲を招いた。スピードの過剰が政治的反発・離脱運動を誘発している。

第4章:高収益だが雇用吸収力の小さい産業構造が格差を拡大し、分断と過激化を引き起こした。分配と効率の両立条件は未解決のままだ。

第5章:米中は基本的に冷戦的競合だが、台湾での有事リスクは残る。経済・金融の制裁ツールは既に高度に整備されている。

第6章:サプライチェーンは政治最適へ再編され、日本には受け皿としての相対優位が生じうる。出遅れが逆に利点となる局面がある。

第7章:日本では人手不足が構造化し、賃金上昇・IT化・AI導入が不可避の流れ。社会合意の下で生産性向上の投資が加速しやすい。

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2025年10月30日

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