【感想・ネタバレ】戦略、組織、そしてシステムのレビュー

あらすじ

横山禎徳(2024年逝去)の遺稿を単行本化したのが本書。
本書のはじまりは、日本生産性本部で行なっていた「社会システム・デザイン演習」の講義録画を文字起こしした原稿だった。話のダブリや展開はなるべく変えないこと、話し言葉を少しだけ書き言葉に寄せていくこと、補足・追加説明が必要な部分には注をつけ話の展開を極力遮らないこと、この3つを心がけて編集を行なった。
著者が、戦略、組織、システムに関わることになった経緯、そして、社会システム・デザインという方法論に行き着いた理路も明らかになっている。横山禎徳を知らない人はもちろん、横山禎徳を知っている方にも、一読して、新しい発見があるはずだ。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

読んでいて、8割くらいが参考になる内容で、素晴らしい本だった。随時、メモを取りながら読み進めた感じ。おすすめします。

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2026年02月14日

Posted by ブクログ

テーマである『社会システム・デザイン』の説明や論説にとどまらず、理論に基づいて行動をしてきたのであろう著者の思想がきれいにまとめられていて勉強になる。

戦略や課題について書かれているものが多い。

> 戦略は「自分の強さに立脚する」ことが基本で、その活用すべき強さを見定めるのが重要です。...「弱み」の裏返しのような打ち手を考えてしまうものですが、この考え方は戦略的ではないし、有益な課題を解決したことになりません。(戦略の本質─東大ビジネススクールにノーと言った理由)

> デザインの定義は、インテグレーション。すなわち統合作業です。バラバラに存在する要素をある意志をもって整合性のある形にまとめ上げること。デザインは、abductive(日本語で言えば仮説検証型の推論)です。...唯一の方法論は、行ったり来たり、仮説を作ったり壊したりしながら繰り返し考えること。それしかありません。(デザインとはインテグレーション、バラバラな要素の統合)

> 最も大事なことは、中核課題を発見し、定義することです。...「良循環」は「サブシステム」がないと機能しません。(社会システム・デザインの5つのステップ)

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2026年01月31日

Posted by ブクログ

社会をシステムとしてどうデザインすべきか、具体例を踏まえて解決した書籍
本筋とはずれるが、プロフェッショナルには定年がないはとても刺さった

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2026年01月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

著者は横山禎徳氏、1972年に東大工学部卒→建設事務所→ハーバード→MITの MBA→マッキンゼー。三井住友FGの社外取締役も務めたり。2024年逝去。



感想
特に前半はとても面白い。後半は冗長だ。

備忘録
・戦略は自分の強さに立脚することが基本。ただし、強さを明確に理解して活用するのは難しい。つい弱みに目がいってしまう。弱みを裏返して打手を立てるのは戦略的ではない。「我が社は営業が弱い、営業を強化しよう」とか。競合ができない差別化こそが戦略の基本。

・組織とは組織図ではない。システムである。組織図には表しきれない各種の意思決定や行動システムの集合体が組織だ。戦略、資源配分、実行、モニター、評価、リスク管理といったシステムから組織は構成されて、組織そのものもシステムとなっている。

・社会システム。例えば、医療システム、徴税システム、教育システム、上下水道システムとかとか。人間が目的を持ってデザインした仕組み。

・大事なのは「システムはデザインできる」ということ。

・「デザイン」とは「インテグレーション」、つまり統合作業だ。バラバラに存在する要素をある意味を持って整合性のある形にまとめ上げること。デザインには正解や理想などなく、その時の現実的な答えしかない。だからこそ繰り返し作業を通じて練り上げれば練り上げるほど優れたものになっていく。

・デザインという作業に絶対的な方法論はない。唯一の方法は、仮説を作っては壊しを行ったり来たり繰り返す。それしかない。100回以上考える。人の10倍考える。

・社会システムをデザインするにあたり推奨されるのは、
①現状の悪循環を追求し中核課題を発見・定義する
②中核課題に答える新たな良循環を創出する
③良循環を駆動するサブシステム群を抽出する
④サブシステムごとの行動フローをデザインする
⑤行動をより具体的にし、広く伝達するためのツリーに分解する

・成長と拡大の違い。成長は拡大の一次微分。成長は背が伸びるようなもの、拡大は「風格が出てきた」「説得力が備わってきた」のような人間性の厚みのようなもの。スマホの誕生が成長なら、アプリの広がりが拡大。日本社会が目指すべきなのは成長よりも拡大。

・課題に対する「今の答え」を常に持っておこう。課題解決に十分な時間が与えられることなどない。「今の答え」が反証されたり否定されることもあるだろう、そしたら次の仮説を練り上げて再び持っておく。この繰り返しが解の質を高める。「仮説を立てて、データで検証してみたら、仮説はあってました」ではビジネスにならない。すでにデータとしてあるものイコールわかっていること、では弱い。

・イネーブラーシップ。無理にリードしない。理解して、期待できそうなら、やりやすくしてあげること。

・データを集めて図にしただけでは分析ではない。Sky is blueだ。

・分析はイシュー設定から始まる。誰もがまだわかっていない課題を設定し、それを証明し、課題の解決をビジネスにする。

・プロフェッショナルとは。合理的なものと非合理的なものを、現実を追求しながら組み立てて推進していく能力がある人。合理的に考えつつ、非合理的なものと対峙して、現実社会を変えていくことができる人。

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2026年03月14日

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