あらすじ
2011年ビジネス書大賞受賞!
500ページ超という本格経営書でありながら、異例の12万部を突破したベストセラーが待望の電子書籍化!
“戦略の神髄は 思わず人に話したくなるような 面白いストーリーにある。”
大きな成功を収め、その成功を持続している企業は、戦略が流れと動きを持った「ストーリー」として組み立てられている。戦略とは、必要に迫られて、難しい顔をしながらつくらされるものではなく、誰かに話したくてたまらなくなるような、面白い「お話」をつくることにある。本書では、多くの企業事例をもとに「ストーリー」という視点から、究極の競争優位をもたらす論理を解明していく。
※本書は、2010年5月に東洋経済新報社より刊行された『ストーリーとしての競争戦略』を電子書籍化したものです。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
今まで戦略をいかに理解してなかったのか、この本を読んで理解することができた。そして私が本の中で悪い例として上がってる項目をつくづく実践していたことにも気づけた。確かにこれでは仕事で評価されないし、成果がでないわけだ。リアルな人の感情、行動を考えるきっかけになった
Posted by ブクログ
「デザインには理由(ワケ)がある」と、いつか読んだ本の帯にあったのを思い出す。
デザイン、アートと呼ばれるそれらは、ただ思い付いたものを作り上げているわけではない。キチンとした論理、過去の背景や学術的立ち位置(文脈)、他作品との関連に意味合いなどなど。
(素人の)私達はただただ驚くだけしか出来ないかもしれないけれど、実際見る人が見ると作品の骨子/思想というものが見えるそうな。まぁ真実は分かりませんが…。
色々な人が「経営はアートだ」という意見を発信していて、直近で読んだ近い内容は山口周の『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』かな。正直こっちはあまり論理的ではなかったんだけど、本著は同じことを言いながらそれ以上の説得力を持っている。
つまり、皆が言う「アート」とは、経営ストーリー(デザイン)における美なんだな。全てが綺麗に噛み合っているから、それはアートのように語られると。そう言ってくれよ…。
戦略ストーリーの5Cに語られているけど、つまり利益を出しながら他者と差別化をする上で、どの構成要素までそれを一貫できているか、ってとこが結びだろうか。
『イノベーションのジレンマ』や『ジョブ理論』ってのは、この中の差別化の一部だし、安易な構成要素であればすぐに模倣されてしまうんだろう。
経営におけるベース理論としてこの一冊は是非オススメしたい。これを読んでおくと色々なものがつながって面白い…。
Posted by ブクログ
ストーリーとは部分的な成功の積み重ねではなく、全体としての整合性と持続可能な差別化を追求するための「物語」。サウスウエスト航空の「ポイント トゥー ポイント」、マブチモーターの「モーターの標準化」ガリバーの「買取専門」など、一見業界の常識からは非合理に見えることもその戦略を突き詰め選択と集中により長期利益を確立してきた。仕事の中でいつも合理的に合理的にと考えてきたつもりだが、強くて太いストーリーを持たずに戦うことは、真似され競争は激化する。「ストーリーとしての競争戦略」にそって一貫性をもった仕事の重要性を考えさせられた。
また、面白いストーリーをつくると組織として一貫性をもって進めるという言葉も戦略を実践していくうえでの重要なポイントであると感じた。
Posted by ブクログ
2024年に読んだ本の中で一番面白かったです。
戦略立案の肝となる点、以下の2つは常々自分の観点としていきたい。
①良い戦略には、それぞれの打ち手に『好循環』と『繰り返し』の関係性を見いだせる。中心地からそれぞれの目的地に流れていく田舎の国道のような関係性ではなく、合流・分離・再合流を繰り返す都会の地下鉄のような関係性と感じた。
②その中でも、始発駅となる東京駅のようなクリティカルコアはある。そしてそれは逆張りの性質があり、模倣困難性を高める。(模倣しようとすると、他の組織内の要素がそのようにできていないため、かえって悪い影響が出る)
上記説明の前提となる、これまでの戦略論の振り返りも面白かった。今まで常識とされていて理屈は分かるけど腹落ちしないことの違和感が掴めたように思いました。
・2割の理屈が土台で、そこから先の8割は理屈じゃなくなる
・日本企業は機能分化ではなく、価値分化の文化。ストーリーの重要性が高い
・よくある事業戦略理論は合理的で良い理論だがすべてを説明できるようなことはない
・戦略とは競争の中で違いを作ること
・ストラテジックポジショニング流派においては、経営層は違いを作るうえでの超重要決定者。オペレイショナルケイパビリティ流派においては、経営層はより間接的な影響を持つ。
Posted by ブクログ
事業開発、事業推進の業務に携わっている方には必読の本だと思いました。
戦略をその場凌ぎの経営層向けのやらされ仕事ではなく、本当に顧客に刺さるものとして策定するかは本当に重要な仕事であると痛感しました。
キラーパスという、一見非合理だけど全体のなかでみるとストーリーとして繋がっている戦略立案にチャレンジしてみたいと思いました!
Posted by ブクログ
ストーリーを主軸に掲げているだけあって、読み物として面白い。著者の性格が文章ににじみでて、親しみとユーモアで楽しみながら読み進められる。
内容にあっては、型にはまらない説得力のある内容になっている。よくあるフレームワークなどを押し売りする内容を批判しつつ、本当に通用する戦略の考え方とはなにか、考えさせられる。
これを読めば戦略性のあるストーリーを作れるようになる、というものではない。だが、少なくとも巷に溢れている紋切り型のフレームワークや思考法で成功を標榜するようなものによって踊らされることなく、本当に優れた戦略とはなにかを本質的に考える入り口に立つことができるだろう。
Posted by ブクログ
これはすごく面白かった。ビジネス書ではあるんだけど、すごく読みやすく、実際の企業の戦略自体がとても面白かった。普段何気に目にしている企業にもきっちりしたストーリーがあるんだなと認識させられた。コンサルティングであれば一度は読んでみた方がいい本。いいか悪いかは別にして。
企業が競争優位性を発揮するには、希少性があるものを先見の明を持って誰よりも早く始めることが大事。と思われがちだけど、本当にいいものはすぐに模倣されるし、模倣されると過当競争になり、差別化するのは価格面しか無くなる。そうなると、利益率がどんどん落ちていって、規模の大きな所しか事業継続できなくなっていく。
この本の面白いところは、模倣困難性の「一見非合理なもの」がキラーパスとして機能しており、それが複数の要素と広く、長く、太く繋がることで発揮していく(それをストーリーと定義)、と分析している点である。
例えばスターバックスコーヒーの例。スターバックスのコンセプトは「第三の場所(サードプレイス)」。自分の家、仕事場とは別の場所。リラックスできる「避難所」という位置付け。コーヒーを売っているのではなく(実際は売っているのだけど)、その第三の場所を提供するサービスというコンセプト。だから、バタバタ急いでいる人には向かない。あえて、注文を受けてコーヒーを渡す場所を離れたところに設置し、一から手間をかけてコーヒーを準備する。そうすることで急ぐ人には「時間がかかる店」との認識を持ってもらい、自然と避けるようになる。店内はゆったりした雰囲気になるというもの。
ただこのコンセプトを実現するためのキラーパスが「直営店経営」にあることは知らなかった。なぜなら、フランチャイズとした方がコストも経営リスクも抑えられる上、事業拡大のスピードも早いからだ。
それでも直営店経営にこだわったのは出店地の選定の自由度と、顧客の回転率を下げることだという。フランチャイズとしてオーナーに任せると、当然共食いになるような出店の仕方は避けるだろうし、オーナーとして利益を上げるために顧客回転率を上げるような店舗経営を行うだろう。そうなるとスターバックスのコンセプトである「第三の場所」という価値が顧客に提供できない。このコンセプトを死守するため、コストもリスクも高い直営店経営という、一見非合理な戦略をとるというのである。
競合他社も「第三の場所」の提供には追随するが、合理的にフランチャイズでやるため、うまくいかない。結果、模倣困難性を発揮し、スターバックスがうまくいった、というものである。
こんな話が盛りだくさんで書いてあって、とても面白く読めた。
中小企業診断士の試験の中で必ず学ぶVRIO分析の模倣困難性のさらに先、それはストーリーにあるというこの本。ボリュームは多いけど(500ページある!)、読み物としても面白いので(前半はやや退屈)、プロジェクトXとかガイアの夜明けなどが好きな人は多分楽しめると思う。良書。
Posted by ブクログ
戦略は、違いをつくって、つなげる
ストーリーという視点は戦略をつくる仕事の面白さを取り戻すため
戦略でつくる違い、ゴール(長期的な利益)は、ポジション、コスト、ニッチ
戦略ストーリーの柱は、競争優位(結)、コンセプト(起)、構成要素(承)、クリティカル・コア(転)、一貫性(評価手順)
ストーリーの強さ(蓋然性)、太さ(つながりの多さ)、長さ(拡張性、発展性)
部分的には非合理に見える要素が他の要素との相互作用を通じて、ストーリー全体での合理性に転化する(特にコンセプトが非合理で、排除の論理と自滅の論理)
ちょっとした創造性は広く共有されている通念や常識を疑う
骨法十カ条
①エンディングから考える
②普通の人々の本性を直視する
③悲観主義で論理を詰める
④物事が起こる順序にこだわる
⑤過去から未来を構想する
⑥失敗を避けようとしない
⑦賢者の盲点を衝く
⑧競合他社に対してオープンに構える
⑨抽象化で本質をつかむ
⑩思わず人に話したくなる話をする
Posted by ブクログ
最新の本ではないが、以前より気になっていたので購入
多数の事例を紹介しながら、戦略のキーとなる事項について読みやすい語り口で書かれている。
スターバックスの事例を出しながらのキラーパスに関する記載が特に面白かった。また、他社との違いをつくる、SPとOCに関する記載は勉強になり、日本の企業はOCに強みを持つ可能性が高いという点は興味深かった。
Posted by ブクログ
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件
著:楠木 建
「イケてる」戦略は確かに面白く、もっと聞いてみたくなる。知的興奮を覚えるだけでなく、他人事であるにもかかわらず「その線でやってみようじゃないの!」という気にさせられる。一方で「イケてない」戦略はからっきし面白くない。この直感的な優劣は、主観的な好き嫌いではなく、はっきりした感覚によるものである。戦略の優劣の基準はどこにあるのか。優れた戦略の条件とは何か。
それは戦略が「ストーリーになっているか」ということである。そこに生き生きと動く「ストーリー」が見えるか。戦略の優劣の基準はここにある。
本書の構成は以下の7章から成る。
①戦略は「ストーリー」
②競争戦略の基本論理
③静止画から動画へ
④始まりはコンセプト
⑤「キラーパス」を組み込む
⑥戦略ストーリを読解する
⑦戦略ストーリーの「骨法10ヶ条」
中々の骨太な一冊。
競争戦略について500頁超と聞いただけでそっと本を閉じてしまいそうになる。しかし、本書はそんな読む前の高いハードルをひょいと越えてしまう程の没入感によりあっという間に読むことが出来た。
2010年に記された本書。具体的な会社による競争戦略をストーリーという軸で紹介している。マブチモーターやガリバー、スターバックス、DELL等、日本・世界と言った多様性を持った具体的な事例を進行中の戦略のプロセスを確認すると共に、記されてからの14年の答え合わせが出来る、そんなタイムマシーン的な感覚で読む楽しみもあった。
もちろん戦略には正解はない。ストーリーがあるかを優劣基準として捉えている。そして、その軸は戦略の本質でもあり、今も、そしてこれからもその軸はぶれることはない。
優れた戦略にストーリー性を持つことを期待している著者だけあって、本書の構成もストーリーとわくわく感に満ちている。楽しく読み、楽しく理解できるという至福の時間を読者に与えてくれている。
Posted by ブクログ
経営に限らず企画系職種の方におすすめの本。戦略の本質を他社との違いと、つながり。と定義されており、一見して非合理な判断に見えるが、実はそれぞれの判断が相互的にかつ合理的につながっていることにより、他社には模倣できない状態にある企業の例がいくつも記載してある。思わず誰かに話したくなるストーリーって長くなっちゃうよね、という著者のスタンスもあり、長い。が、とてもためになる。「本当のところ、誰に何を売っているのか」という競争優位とコンセプトを考え抜いたからこそ、ここまで人気のビジネス書になったんだなあと実感した。
Posted by ブクログ
10年以上積読した本。論理、説得力、文章の巧みさ、構成の旨さ、いずれも一級。
10年前、盛んに「コンセプト」とは?を、問われたのは、この本の影響を多分に受けていたからなんだろうな。
競争戦略はポジショニングではない、賢者の盲点、など、着眼点が独創的で今までのビジネス書と明らかに一線を画す。もはや古典の域でありながらも最新のビジネス書でもある良著。積まずにすぐ読めば良かった。(後悔)
Posted by ブクログ
上司の推薦で読む
優秀な戦略には一貫したコンセプトに立脚した他には真似のできない独自のストーリーがある。いろんな本のベストプラクティスを模倣することしかしてなかった自分は全然芸がないことに気づく笑
仕事で上手く周りを納得させて巻き込むことができないのは、ワクワクするストーリーを描くことができていないからだということにも気づく。個別の取り組みが全体に与える影響をもっと分かりやすく伝える力が必要かも
Posted by ブクログ
本も厚く、繰り返しの表現なども多いが、この厚さでないと伝えたいことを表せなかっただろうと思わせる説得力があった。
要点まとめなどを読むのではなく、自分で最後まで読むことで確実に得られるものがあるように感じた。
【以下最も心に残った考え方のメモ】
他社の良いやり方や、ビジネスでは常識とされているような打ち手にまどわされてはいけない。
その会社ごとのストーリーがあって、それを突き詰めていくべき(わざとダラダラ会議をする会社、結果主義でない会社、あえてそれをしていることで成果を上げてる意味があったりする)
自分の会社ごとのストーリーをつきつめて考える。
ストーリーの終わりは必ず「…というわけで長期利益がでましたとさ。めでたしめでたし。」でなくてはならない。
違いを作ってつなげる。
静止画でなく動画として考える。
顧客イメージを考えて、その人が喜ぶことを考える。
(アスクルの久美子さんの例…社員は5人、事務を中断して文具店に買いに行く、徒歩、雨が降ってきて嫌だ、頼む人も頼みづらい)
コンセプトは、【最高の品質】などのように肯定的単語をつかわないこと。
アスクルは小さい会社久美子さんをよろこばせること。
サウスウエスト航空は空飛ぶバス。
スタバは第三の場所。
そのコンセプトにもとづいてストーリーができてて行動に一貫性がある。
コンセプトはどんなにユーザーにアンケートとっても、前線の営業マンにきいてもわからない。ユーザーに聞きすぎると逆にぶれる。
クリティカルコア
ストーリーの中に一見不合理で他者が真似したくないものを組み込む。
「コンセプト」と、「真似したくないクリティカルコア」があって競争優位になることで、
「他者が真似しようとすればするほど他者が自滅していく」という状況を作り出せる。
(真似することでその会社のウリとの矛盾がでてきたり、中途半端になったりして、魅力や利益率が減ったりするから)
Posted by ブクログ
優れたリーダーは優れたストーリーを語れるという内容は非常に印象に残った。腹落ちする内容もたくさんあり、メモリ たくなるフレーズ も多々。思わず 購入。
Posted by ブクログ
面白かった。最終章の骨法10か条にポイントはまとまっている。ただ、ベストプラクティスや流行ってるメソッド的な事を知ること、学ぶことは重要だが、その先に自分が置かれてる業界、顧客、社内を考えないと上手くいかない。また、そのストーリーの筋がいい、面白いと1番感じて貰うのは同じ会社のスタッフなんだと思う。お客様さんはそのストーリーラインを人間の本能的な部分でなぞってしまうだけ、その仕組みを具現化するための同僚や協力者におもしろいと思われなければ実現しないんだとつくづく思いました。
Posted by ブクログ
より深くVRIO分析の模倣困難性や組織について理解できた。
論理的なリーダーの話は、働く人々の琴線に触れる話、面白い、聞いていて楽しくなる。
先見の明 外部環境の変化を期待
ストーリー構想 キラーパスが合理性に転化するメカニズムを自ら作り出す。
Posted by ブクログ
分厚いけど何周もしたくなるほど面白い
合理的な馬鹿
(ベストソリューションに飛びついて、ストーリー内のつながりを考えてないと、うまく回る歯車にならない。)
長いのにすごく面白かった、
筆者が書きながら面白がってるからなんだろうな。
長いけどワクワク感あり
確実に実用に役立つと思うが、実用書として覚えるように読むのではなく、文書に身を任せながら展開を追っていくように読み進めていくことで、成功する事業と競争に明け暮れる事業の違いが分かり、何が大事なのかが頭に残る本。ただ、読んだ後の感覚や物事の見方を使って新たな事業を考えようとしても、実際に良いビジネスが生まれるわけでは無い(当たり前ですが)。
Posted by ブクログ
楠木建を知ったのはラジオ文化放送の早朝の番組で、週に1回ゲストととして出演していたとき。話が面白く魅力溢れる人。
社会に左右されずに自分の考えに重きを置き、思い描いた人生のストーリーに忠実に生きる
競争戦略の第一の本質は他者との違いをつくること。何をやり、何をやらないか、を決める。ひたすら回し続けていると、少しずつ勢いがついていき、やがて考えられないほど回転が速くなる。
なぜを考えることを惜しんではいけません。抽象化は汎用的な知見を手に入れる可能性が高まる。抽象的な論理こそ実用的。
よくないのは、情報を集めて調査して、面白いストーリーのネタが見つかるという発想。情報のインプットが多くなるほど、常識が強化する。ストーリーを書く知識は十分、まずは書いてみること。
まずは自分の頭を使って、自分の言葉で、自分だけのストーリーをつくることが先決。自信を持てるだけのストーリーの原型をつくることが大切。ストーリーの原型ができてしまえば、振り回されることなく、試行錯誤を重ねながらストーリーがより強く、太く、長くなるように磨きかけることが大切。抽象化で本質をつかむ。
自分で面白いと思えるストーリーをつくることに尽きるというのが私の意見。思わず人に伝えたくなる話。これが優れたストーリーです。逆にいえば、誰かに話したくてたまらなくなるようなストーリーでなければ、自分でも本当のところは面白いと思っていないわけ。話がとにかく面白い。ストーリーを構想し、組み立てるということは、そもそも創造的で楽しい仕事のはず。何よりも話している本人が面白がって話をしている。
どんな情報に接するときでも、その背後にどういう論理があるのか、whyを考える癖をつけることが大切。簡単にアクセスできる情報には、肝心なwhyが欠落。アクションの背後にある論理は、あくまでも自分の頭で読解。ファクトを漠然と眺めるだけでは、木を見て森を見ず。
戦略思考を豊かにするためには、歴史的方法が最も有効で過去に生まれたストーリーを数多く読み、背後にある論理を読解するということ。ファクトのつながりにまで踏み込んだストーリーを理解し、そこから戦略思考の考えとなる重要な論理をつかむ。
具体的事象の背後にある論理を汲み取って、抽象化することが大切。具体的事象をいったん抽象化することによって、初めて汎用的な知識ベースができる。汎用的な論理であれば、それを自分の文脈で具体化することによって、ストーリーに応用できる。抽象化と具体化を往復することで、物事の本質が見えてくる。ここで大切なことは、思考の推進力はあくまでも抽象化のほうにあるということ。意識的に抽象化しなければ本質はつかめない。
戦略は嫌々考えるものではありません。まず寝食を忘れてしまうほど心底面白いことであれば、いくらでもエネルギーを投入できます。努力が苦痛になりません。
Posted by 読むコレ
良い会社というものはゴールに向けてどういうパスをつないでいくか、その道筋がしっかりできているんだ。あっ、と言わせるようなキラーパスを出せるように日々センスを磨いておかないといけないね。
Posted by ブクログ
私はテクニックが載っているようなビジネス書はあまり読まないですが、自伝は好きでよく読みます。
この本でいう「人に話したくなるストーリー」が、自伝には溢れています。
例えば、スターバックス元CEOのハワードシュルツさんの『スターバックス成功物語』など、大好きです。
「自分だったらどうするかな?」と考えたり、「もしこんな場面が来たら参考にしよう」と思ったり。
「人に話したくなるストーリー性のある戦略は強い」と著者は言います。
その「強さ」を構成するものはいくつもありますが、私が印象に残ったのは、「クリティカルコア」という考え方です。
「業界の常識で考えると一見非合理に思えるけど、全体のストーリーの中で考えると合理性が保たれていて、戦略の核となるもの」と著者は言います。
他人がやりたがらないことは、ある意味でチャンスと言えます。
業界の常識を疑い、「なぜ」を突き詰める。
そうして、人との違いを作って、色々な要素を繋げて、面白いストーリーはできる。
私はいま新事業の立ち上げに関わっています。
面白いストーリーをつくり、社会を少し良くすることができるよう、頑張っていきます。
Posted by ブクログ
本書では事業戦略を2つの切り口で分析、考察している。自分はこれまでその2つをそれぞれ独立した別々のものと捉えており、両方の繋がりや関連を意識して考えることがあまりなかったように思う。
事業戦略というと、ビジネスモデルとか他社との差別化とか何となくふわっとしたもののイメージ(且つ世の中一般で見ると営業戦略があたかも事業戦略のように扱われているケースが少なくないように思う)だったが、本書を通じて戦略とは何かを整理することができた。
もちろん最初から全てを予測することは不可能であり、中には結果的にそうなっていたというものもあると思うが、戦略における各要素間の繋がりについては常に気にしておこうと思った。
Posted by ブクログ
本書が出版されて、超売れっ子学者になる前に、著者にお目にかかったことがある。
場所は、薄暗い渋谷のライブハウス。
著者がベースを務めるロックバンドの演奏を聴きに行ったのだ。
熱く盛り上がったステージに感動して、当時開発したばかりの新製品のプラスチック•フィルムをテープがわりにして、ステージに投げた。
(尤も、企業秘密なので、即座に回収した)
ライブを聴いた後、近くの居酒屋で一杯やっていると、著者をはじめバンドのメンバーがやってきて、言葉を交わした。
その頃、件の新製品のプロモーションをやっていて、その話をしたところ。サッカーの試合のようにパス回しをして、シュートするイメージを持つこと、そして、その商品の価格戦略についてご託宣を賜ることが出来た。
「ところで、どちら様?」と問うと、渡された名刺に、「一橋大学大学院教授」とあり、「ムベなるかな」と納得した次第。
本書が出版されたのは、それから間もなくのことだ。
居酒屋での話が無茶苦茶面白く、惹きつけられた。
新商品をサッカーゲームのように最終ゴールに向かってチームで突進したいという気持ちがムクムクと湧いてきたのを思い出す。
ゴール目指して一直線のストーリーしか考えていなかったのが、偶には、後ろにパスして、迂回して攻めることもありなのだと、教えてもらい、すぐに実践したくなったのだ。
本書を読むと、あの時の著者の熱い語りが蘇ってくる。
著者にとっては、ビジネスのストーリーが何よりも楽しいのだ。
そのワクワク感が本書のどこにも漲っている。
本書には、偶々、成功したパス回しだけが取り上げられているが、日々の実践は、うまくいかないとパス回しばかり。
そうすると、どうしたら、うまくパス回しが出来るかを考えるようになって、これが途轍もなく面白い。
ビジネスはサッカーと同じゲームなのだ。
頭と体力と気力と、そして運が欠かせない。
それが揃ったとき、偶にはゴールを決めることが出来る。
本書は読むだけでは勿体無い。
実戦に活かすのみ。
サッカーの本を読んで、それを試合で活かすのと全く一緒だ。
グラウンドでのパス回しほど創造性に富んだ楽しいゲームはない。
Posted by ブクログ
今さらだが年末休みに再度通読。
考え抜いた末の最後のスパイスとして「業界の常識から見れば不合理」な打ち手が全体の要となる、という論の立て方は秀逸。
しかしこの本もやはり実務の指南書ではない。端的に言って、運転資金が回るのか、についての分析がないのでこれを読んでも事業が回るようにはならない。そこら辺は本書終盤で「撤退基準を定めよ」という形でさらっと触れるのみ。
もちろん本書は「戦略」についての本なので、日々のオペレーションは経営管理の領域として別書を当たるべきだろう。
本書の意義として、コンサルの綺麗なプレゼンよりもまずは考え抜こう、ストーリーを立てよう、というメッセージには大いに共感を覚える。
同じコンテクストでの失敗論、撤退論も読んでみたい。
Posted by ブクログ
事業戦略や競争優位性の継続として、ストーリーになっている戦略を立てることの重要性を事例を多く交えて解説してくれる本。部分の不合理やOCなどの考え方は参考になるが、大きな企業の戦略立案に関わる人以外には活用方法は少ないか。投資で企業を分析するときにこのストーリーに沿っているかチェックするのはいいかも。
Posted by ブクログ
良いストーリーというのは、打ち手の一つ一つが関連し合い、動きを持って企業の成長を語れるもの。他社のベストプラクティスを全て持ってきて組み合わせても部分最適であるかもしれないが全体最適とはならずに、良い戦略ストーリーとはならない。また良い戦略は一見すると一部に悪い打ち手が入っているように見えるが、これが競合他社には真似すべきでは無い悪手に見えるかもしれないが、実はストーリーを作る上でキーファクターであれば、それは他社に真似をされないので、長期的に競争優位性を保つことが出来る。
流れる戦略とは聞いていてワクワクするものとのこと。
実務レベルで戦略を作る際にもこの手の教科書的な論理を理解した上で進めた方がブレが無さそう。
Posted by ブクログ
サマリー
・戦略ストーリーは打ち手の時間的展開に注目している
・コンセプトに基づき、クリティカルコアを伴う構成要素が一貫性を伴う因果論理に支えられて競争優位を生むことが戦略ストーリーの5Cである
・一貫性というのは、構成要素同士の蓋然性の強さ、要素感のつながりの多さ、拡張性や発展性の高さがあることが非常に重要
・コンセプトは「時代や歴史背景に準拠し」、「誰に嫌われるか」、「人間の本性を捉える」ものでなければならない。
・キラーパスとは「他のさまざまな構成要素と同時に多くのつながりを持っていること」「一見して非合理に見えること」であり、これらがライバル企業に対して模倣性の獲得を阻害する。
・ガリバー・スターバックス・サウスウエスト航空・マブチモーターズなどの著名企業の成長には再現性の高いストーリーが存在する。
Posted by ブクログ
【利益を生み出すには】
①業界構造
②SPとOC
→SPは何をやらないか決めること。焦点を絞ること。
→OCはその組織が持っている文化、習慣
③戦略ストーリー
【戦略ストーリーの作り方】
①ゴールを決める
・低コスト
・価値を高め高単価
②ゴールに合うコンセプトを決める
・『誰に』『何を』届けるか決める
・これが決まれば『なぜ』も決まる
③コンセプトに一貫した打ち手を決める
④一見すると非合理な打ち手がキモ
・何をやらないって決めてることが多い
【転用】
ボードゲームカフェ
高単価がゴール
コンセプト:?
これでスッキリ
ビジネスにおいて戦略、戦略とは言うけれど、「戦略ってなんなのさ」「戦略とはどうあるべきものなの」というモヤモヤした疑問がスッキリ解決する名著
読んだ後に、普段目にする戦略を疑いたくなり、そして、どうしていくべきかを考えさせられる
もっとライトで、図解入りで分かりやすそうな戦略を語る書籍も多々あるが、本質的に戦略を考えるなら読むべきだと思う
Posted by ブクログ
■戦略には2つのレベルがあって、1つは競争戦略、もう1つは全社戦略。
■全社戦略と競争戦略の2つの種類の戦略の区別が明快。
■SPの戦略とOCの戦略の区別は少しわかりづらい。
■マブチモーター、進研ゼミ、サウスウエスト航空の競争戦略ストーリーは確かに面白いと感じた。
ビジネススクール講師推薦書
現在某ビジネススクールに通いながら仕事をしております。読み始めると普段の講義内容が更に深まり、大変学びの多い一冊!