【感想・ネタバレ】集団浅慮 「優秀だった男たち」はなぜ道を誤るのか?のレビュー

あらすじ

フジテレビ問題の検証を行った「第三者委員会調査報告書」はすべての企業に向けて「人権尊重に基づく経営」を訴えるものでした。『嫌われる勇気』の著者であり日本を代表するビジネス書ライターである古賀史健氏が、その報告書を独自の観点で振り返り、全ての日本人への警鐘としてまとめる〈新・社会派ビジネス書〉です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

中居正広の性暴力事件に端を発する、フジテレビ内で起こった集団浅慮を分かりやすく紐解きながら、日本の企業や私たち個人が本当に意識しなくてはならないことを紹介していく本書。

世間を騒がせたあの事件を、本当に分かりやすく紹介してくれるだけでも読む価値ありと思ったが、後半から本格展開されていくハラスメント、差別に対する考察が素晴らしい。

もう少し深いところで素晴らしさを語ると、例えばハラスメントに関するノウハウ本って、今や山のようにあるのだろうけれど、その多くは男女ともに共通して勉強となることが書かれているのだと思う。
しかし、本書ははっきりと明確に、男性のある世代、ある集団に対してピンポイントで厳しく指摘を行ったところが良い。
誰もに通じるお行儀の良い本ではなく、現実的にフジテレビと同じ立場になり得る人たち、そしてそれは、この日本の中でおそらく最も多くの人口である人たちに厳しく、しかし丁寧に道を指し示している本だと思った。

人に勧めたい一冊です。

0
2026年05月13日

Posted by ブクログ

2025年のフジテレビ問題の第三者委員会の報告書の内容をベースに、フジテレビ首脳陣の判断を誤らせた「集団浅慮」を分析した本書。後半は「ビジネスと人権」の在り方を記述しており、改めて人権意識、いや人権知識の重要性を考えさせられた。

同質性の高い壮年男性たちが実権を握る日本企業は、令和の世でも少なくないので、このような集団浅慮に陥ってしまうのはある種自然なのかもしれない。だからこそ自分たちとは異なる様々な人の声に耳を傾けなければならない。歳を取れば取るほど注意してくれる人も減り、旧来の価値観のまま凝り固まってしまうので、本書の提言には首肯しっぱなし。定期的に読み返したい。

0
2026年05月06日

Posted by ブクログ

第三者委員会の方々はとても深く考えてこの事件を判断したんだろうと思った。また、初動の現場の方々はもちろん、とんでもない間違いをしたトップ層も決して被害者のことを貶めようとしてなかった事はこの本を読んで気付かされた。だからこそ致命的で、根が深い問題であり、男性だろうが女性だろうが、誰もがフジテレビの立場になりうる。それを防ぐために人権の配慮という考えを染み込ませないといけない

0
2026年05月05日

Posted by ブクログ

過去に自身が感じた尊重されていないな。
という経験を言語がしており、納得と共に救われた。
凝集性と同一性が行きすぎた場合、
まともな判断ができなくなる。
また、異質な物を排除する。というのは納得しかない。

0
2026年04月25日

Posted by ブクログ

フジテレビの事件で第三者委員会が作成した調査報告書の要約と、事件に至った原因・解決策を著者が考察した1冊。

事件をエンタメとして消費するのではなく、問題の本質を扱っている本だと思い手に取った。

日本人の「みんな同じ」はもう過去のものであり(マイノリティの意見が表に出なかっただけで、これまでもみんな同じではなかったと思うが)、同質性の高い人たちだけで意思決定をする弊害がとてもよく分かった。

「不知」という罪。
世の中のほとんどのことは自分の知らないことなのに、まるで全てを理解していると思うのは傲慢でしかない。
そうならないように新しい視野・価値観を知り、定期的に意識を改めようと思った。

会社という組織以外にも、家庭、地域など人間が複数集まるところでは、性別・年齢を問わず誰でもハラスメントの加害者になる可能性がある。

みんなが知っておいてほしい内容だった。

0
2026年04月23日

Posted by ブクログ

腹に来る内容。
組織人として長い自分は間違いなく浅慮があるし、日々それが増幅していっているだろう。
これを読むとアファーマティブアクションを成立させる価値がよくわかった。単にアサインするだけじゃなく、周辺環境や評価設計を含めた話として。

0
2026年04月13日

Posted by ブクログ

「集団浅慮」という言葉に惹かれて読んでみた。
単なるスキャンダル的な話かと思ってたフジテレビのあれこれ。本書のような視点で見ると、どんな組織でも起こりうる人権の問題であることがわかったし、自分のいる組織でも起こり得るとも思った。

心に残ったのは、「人権意識」よりも「人権知識」が大切ということ。

著者が感銘を受けた、第三者委員会の調査報告書は未読だけど、読んでみたい。


以下、備忘のメモ
集団凝集性→その組織に留まらせようとする力
集団浅慮→集団凝集性が高い組織に関与しているときに、メンバーが全員一致を強く求めることによって、他の取りうる行為を現実的に評価するという動機づけを無視してしまうときに人々が引き込まれる思考様式の簡易な言い方。
逸脱者への同調圧力→①説得、②疎外、③排除
集団浅慮の症状→①不敗神話の幻想、②道徳性や倫理性への揺るぎない信念、③警告の合理化、④敵のステレオタイプ化、⑤批判の自己検閲、⑥全会一致の幻想、⑦逸脱者への圧力、⑧「心のガードマン」の出現
処方箋→①批判的評価者の割り当て
 …空気を読むと水をさせる自由
②リーダーの沈黙、③複数グループによる多層的な検討

0
2026年04月08日

Posted by ブクログ

今回の某マスコミと大物タレントの事件に関して何かモヤモヤしたものを感じた方には是非一読をお勧めしたい。
これは単なる芸能人のスキャンダルに留まるべきではなく、自分たちの属している組織や社会でもしごく当然のようにはびこって心当たりのあるような組織構造や集団心理などを深く掘り下げており大変読み応えがあった。

重役たちは何を誤ったのか?別に犯罪を犯した訳ではない。一見被害者のプライバシーを守るためという正しそうに思える「思いやり」も、単なる中高年男性という凝集性の高い集団が勝手に考えた「思い込み」に過ぎなかったのではないか。その考えにいくプロセスに被害者の考えなり他の専門家なりの考えなどはあったのか?被害者の人権は考慮されていたのか?

多様性がなく凝集性の高い閉鎖的で硬直した集団においてはしばしばこのような集団浅慮が生じてしまう。
ではどのようにこの集団浅慮を防ぐことができるのか?簡潔に言うと組織の多様性と互いの尊重であると。
私が一言でまとめると薄っぺらく感じるのだが筆者なりの解決方法も含めてよく考察されているので是非本書や実際の「調査報告書」の一読をお勧めしたい。

「個人の狂気は稀なものである。しかし集団においてはそれが常である」 -フリードリヒ・ニーチェ-

---------------------------------------------------------------



集団浅慮 優秀であるはずの個人が集団になった時に発現する、あまりに愚かな意思決定プロセス

ルボンの群衆心理
群衆の中に呑み込まれた人間は個人を抑制する責任観念が完全に消滅し自分の意思を持って自分を導く力のなくなった一個の自動人形
群衆は知能の点では単独の人間よりも常に劣る
群衆となった人々がいかにしてカリスマ的指導者に扇動されていくか

集団浅慮には独裁者は必要としない。集団のぼんやりとした熱狂や興奮とは無縁の生ぬるい空気の中で発現する。
その内実やメカニズムは日本社会のどの業界でも、企業、学校、政界、スポーツ界、どんな組織にでも起こりうる

同質性の高さと多様性の欠如こそが集団浅慮を招く

------------

G :女性Aが自らマンションに行ったのであれば、それはプライベートな男女間トラブルになるため上司への報告の必要はない、むしろするべきではないと判断した。

→対等な関係性ではなく断る事は容易ではないという状況を考慮していない。

コンプラ推進室が機能していない
女性アナウンサーの置かれた脆弱な立場 雇用上の報復を受ける可能性がある。ハラスメントをら訴えれば面倒臭い人のレッテルを貼られノリの悪いやつの烙印を押される。

H人事局長:社員に対する安全配慮義務とは労働契約法第5条に定められた義務で使用者・雇用者は労働者・従業員の生命身体心身などの健康を守るために安全な職場環境を提供し必要な配慮をしなくてはならない。
ただし彼は意思決定ラインから外されていた

K弁護士 港社長とバラエティ部門のお抱え弁護士がこともあろうに加害者側である中井氏の代理人としてA氏に向き合う。本来自分の会社の社員を守るべき部門も弁護士もが、大手の取引先のサイドに立ってA氏に対峙する。二次被害とも評価しうる。

------------

集団凝集性 その集団にとどまらせようとする力
忠誠心、愛社精神、結束力、団結力、一体感
同調圧力(peer pressure)は凝集性が高いほど生まれる。
①説得②疎外③排除
アメリカでは子供達が飲酒や薬物に手を染める要因として友人グループによる同調圧力が指摘されている。D.A.R.E. (Drug Abuse Resistance Education)

〇同調圧力の正体 PHP新書 太田肇

google のプロジェクト・アリストテレス
パフォーマンスの高いチームにはどのような共通項があるのか
①心理的安全性:安心して発言できること
②相互信頼:メンバー同士に信頼感がある
③構造と明確さ:自分の役割を明確に理解している
④仕事の意味:個人として異議や価値を見出している
⑤仕事のインパクト

推薦図書:
〇1984 :ジョージオーウェル、ディストピア小説
newspeak と二重思考:矛盾した二つの信念を心に抱きそのどちらも受け入れる能力。指導者を神聖化・偶像化する全体主義国家には実際に二重思考(国家や指導者の嘘を嘘だと知りながらそれを真実として受け入れる思考)が蔓延しているのかもしれない


凝集性の高い集団はリラックスした陽気で友好的な雰囲気であり選民意識を伴う。全会一致を求める。激しい議論や批判、対立、熟慮を嫌う。
①集団への過大評価:
・不敗神話の幻想
・道徳性や倫理性への(誤った)揺るぎない信念
「我々は善良な賢い集団である、正しい事をしている」倫理的な葛藤を最小化してしまう、結果戦争が勃発してしまう

②思考の閉鎖性:
・警告の合理性
正常性バイアス(自分に都合の悪い情報を過小評価する)、確証バイアス(自説を裏付ける情報ばかりを集めて反対意見を無視・軽視する傾向)
・敵のステレオタイプ化
敵対者を悪・愚か者、自らを善としてそれ以上の分析をしない

③全会一致への圧力
・批判の自己検閲
相互不可侵条約、他人の意見に口を挟むということは条約違反という空気。自分も誰かに咎められたりそれによる心理的なダメージを受ける事もなくなる
・全会一致の幻想
〇なぜ皆が同じ間違いをおかすのか「集団の思い込み」を打ち砕く技術 門脇弘典 NHK出版
集合的幻想:自分は反対だけど他のみんなは賛成なんだろうと思い込むこと
・逸脱者への圧力
凝集性の高い集団において大事なことは、熟慮して正しさを議論し合う事ではなく、首尾よく会議を終わらすこと、クラブのような快適な雰囲気。余計なことを言うなという雰囲気。



集団的浅慮の解決方法
①批判的評価者の割り当て
〇「空気」の研究 山本七平 文芸春秋
水を差せる自由がある事が大事
悪魔の代弁者(自分の意思とは関係なく考えうる批判や反論・リスクをぶつけてくる人)の配置を推奨する事で議論がブラッシュアップされていく。反対意見を言ってもいいんだ、率直な感想をぶつけてもいいんだ。
②リーダーの沈黙
③複数グループによる多層的な検討

ダイバーシティ研究
①抵抗
②同化(差別と公正性のパラダイム)
③分離(アクセスと正当性のパラダイム)
④統合(学習と有効性のパラダイム)


自分とは異なる意見を価値観を敬って重んじる。
黙って従うのでも感情的に反論するのでも説得するのでもなくまずは聴く。
意見が対立している時こそ対話を諦めず尊重というクッションを挟む。全ての個人を尊い存在として敬う事、その医師や洗濯を重んじる事、そこから本当の学び愛が生まれ心の多様性が生まれ集団浅慮が退けられる。

0
2026年04月05日

Posted by ブクログ

フジテレビの伝説の10時間記者会見を生放送で見ていた。湊社長はじめ、言っていることに嘘はなさそうだ。しかし、一人の社員を自死寸前まで追い込んだのは事実であり、なぜこのようなことになったのか、強い関心を持った。すぐにマスコミはこのニュースを報じなくなり、中居氏と女子アナのスキャンダル」という形で終わった印象を受けたため、もやもやしたまま時が過ぎた。そんな折、この本に出会い、とても感銘を受けた。個人的には、人権の意識を高く持つよう心がけていたつもりであったが、まだまだであることがよくわかった。人を変えることはできない、自分を変えることから始めよう。

0
2026年03月24日

購入済み

今の与野党やトランプ政権、マンガワンの件など、注目されている組織の行動にも多く当てはまると感じました。会社に限らず多くの「集団」に属する1人の人間として、一度読んで見ることをオススメします。

#共感する

0
2026年03月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1日で一気読みした。集団浅慮は、「無知から始まり、人を尊ぶことなく、勝手に思い込んで浅はかな決定を下すこと」であることを知った。その上で、自分の身の上でもその集団浅慮はあると認識している。自分自身も、集団浅慮に陥っている。だからこそ「人を尊ぶことを知る」ことの大切さと難しさと、持たなければならぬと言う使命感と。とにかく、「人の振り見て、我が振り直せ」と著者から檄をもらった。そんな本だ。

0
2026年03月15日

Posted by ブクログ

古賀史健。なんと直前に読んでいま嫌われる勇気の著者だった。書きぶりや内容は全く異なる2冊だっただけにこの本を強い使命感を持って執筆されたのだということが強く伝わってくる本だった。
手に取ったきっかけは「集団浅慮」という4文字の単語に何となく心当たりがあると感じたこと。フジテレビの第三者委員会の報告書がベースになっていたことは本を手に取って初めて知った。凝縮された共同体の中に働く力学と陥穽を説明しながらも、テーマの題材となったセクハラやジェンダーについても深めていく。自身の中にある「フジテレビ性」と向き合わざるを得ない、痛みを伴う学びのある本でした。巻末記載の参考文献が74冊と半端ないことからも、筆者が調べ、学びながら本書を書き上げたことがしっかり伝わります。多くに人に勧めたい。

0
2026年03月14日

Posted by ブクログ

組織の中で人がどのように考え、どのように判断を誤っていくのかを丁寧に描いた一冊である。私たちは組織の中で意思決定を行うとき、必ずしも「正しさ」を基準に議論しているわけではない。むしろ、会議を円滑に終わらせることや、集団の調和を保つことが優先される場面が少なくない。本書は、そのような状況で起こる思考の偏りを「集団浅慮」という概念で説明している。
凝集性の高い組織ほど異論が出にくくなり、結果として誤った判断に至る可能性が高まることが示されている。会議では「余計なことを言うな」という無言の空気が生まれ、議論の目的が「正しい結論を探ること」から「場を乱さず終えること」へとすり替わってしまう。このような構造は、日本に限らず、多くの組織で見られるものであるようである。
また、ダイバーシティの問題にも触れられている。例えば、女性役員が少ない組織では、女性が「トークン」として扱われ、象徴的存在として過度な注目や期待を背負わされることがある。可視性、対照性、同化性といった特徴を持つトークンの存在は、組織の中で本来の多様性を発揮しにくい状況を生み出すことが指摘されている。
さらに議論は、人権の問題へと進んでいく。本書が提示する人権理解の核心は、「尊重」という一つの原則に集約される。すべての人は固有の権利を持つ存在であり、それを尊重することが人権の本質である。人権とは抽象的な理念ではなく、日常の中で他者をどのように扱うかという態度の問題でもある。

人の思考が組織の中でどのように歪められるのかという構造をかいてくれている。そして同時に、その歪みを乗り越えるためには、個人を尊重する視点が不可欠であることも示されている。組織の中で起きる問題を個人の資質に帰するのではなく、構造として理解しようとする姿勢に、この本の価値があると感じた。
自分の思考がどのような前提の上に成り立っているのかを見直すきっかけを与えてくれた。

0
2026年03月04日

Posted by ブクログ

cross digで竹下さんが紹介していた気がする。

そうでなくても、書店でたくさん置いているから目についた。

タイトルが興味深かったので、手に取った。パラパラとめくるとフジテレビについての記述が目についた。なるほど、フジテレビの第三者委員会の報告書を読み解いたものか。それくらいの認識で購入した。帯の宣伝文句も多少なりとも購入の後押しとなった。それでも、フジテレビの話を今更本という形で読み通すのもなんとなく気が引けて、しばらく積読状態だった。

読んでいた他の本もひと段落ついて、手に取って読み始めた。やはりフジテレビのことか・・・。読み進めるとなかなか複雑な話で、まとめるのも大変だろうことが伺えた。途中フジテレビの話から、組織の意思決定についての話題になった。ここは最も興味のあるところだ。そのために過去の戦争での意思決定についての本を読んだりもした。これは現代の意思決定についての本だった。

集団浅慮。まさにそのタイトル通り、同質性の高いおじさん達による意思決定の偏りの構造が描かれていた。場の空気を優先して、本当に思っていることが言えない・・・。本件は、自分の領域の話ではないし・・・。まさに、あるあるの状況が描かれていた。この心理を「相互不可侵条約」と言うらしい。まさに・・・。

それで結果として、誰も責任を取らないフニャッとした意思決定がなされるのだ・・。

帯に書いている、山口周さんのコメント

「一体感のある組織」ほど恐ろしいものはなく、フジテレビで起きたことはどの組織でも起こり得る。すべての組織人に本書を読んでほしいー戦慄するはずだ。

まさに・・・。
自分が帯を書くなら、こんな感じかな↓

みんなで決めるー。特に日本でのそれは、時にハイコンテキストなもので、責任の所在も、決めた理由も曖昧なままの意思決定。ある意味で、阿吽の呼吸。日本文化の良さでもあった、ある種の非言語コミュニケーションは、時に強烈な同調圧力となって、「外」を排除し変化を拒み、頑固でアンバランスな意思決定を生み出す。「みんなで決める」にもアップデートが求められている。

現代の組織人は必読。

0
2026年03月04日

Posted by ブクログ

どこにでも起こる組織の病、集団浅慮。ハラキリ文化の日本では個人の責任を過度に追及しがち。問題は人と人の間にあるため、「自分が同じ立場なら、本当に同じことを繰り返さないか」を自問することが大事なのであろう。

0
2026年02月28日

Posted by ブクログ

大スキャンダルとなった、中居氏によるフジテレビ女性局員への性加害事件。当時のフジテレビの記者会見は、その対応の悪さでも話題になりました。本書は、この事件の実態を第三者機関の報告書を紐解きながら明らかにし、さらに問題の本質である、企業が「集団浅慮(グループシンク)」に陥るメカニズムを解説しています。

事件自体が記憶に新しく、ショッキングな内容だったこともあり、報告書に記された関係者の言動も非常にイメージしやすいものでした。フジテレビ役員をはじめとするステークホルダーの行動の何が問題だったのかが的確に指摘されており、終始わかりやすく読み進めることができました。

本書では、集団浅慮を防ぐための処方箋に加え、日本における人権教育の歴史、「黄金の3割」の法則、そして「性暴力」がなぜ厳しく批判されるべきなのかが丁寧に解説されています。著者は今回のフジテレビの人権問題が起きた根本原因を「無知」であると結論づけていますが、私自身も本書を読むことで人権に対する認識が大きくアップデートされたと感じます。

特に印象深かったのは「女性を3割登用する」ことの真の理由が明確になった点です。また、集団浅慮は単に「男性だけの環境」で起こるのではなく、「同質性の高い集団」で発生します。そのため、いくら女性であっても、男性中心の価値観に同化してしまえば集団浅慮に加担する可能性があるという指摘は、同じ女性としてハッとさせられる大きな気づきでした。女性を単なる「女性としての象徴(トークン)」として扱い、役割を押し付けて消費しているという構造には深く考えさせられました。

本書は主に「性暴力」という人権侵害に焦点を当てていますが、学校などで起きる「いじめ」もれっきとした人権侵害です。そしてその背景には、集団の凝集性の高さや同質性、全会一致への圧力、そして無知があるという点で、発生のメカニズムや処方箋は本書のケースと非常に似ていると感じました。 子どもたちに正しい人権教育を行ったうえで、いじめが発生した際や議論が起こったときには、大人は「安易な中立的立場」に逃げることなく、明確な人権侵害として毅然と扱うよう導いていくことが何より重要だと強く感じました。

0
2026年02月27日

Posted by ブクログ

フジテレビ問題の第三者委員会による報告書に関する書籍、という言葉に留まらない内容でした。

報告書を通して、
どの組織にもおこりうる問題のメカニズムと、
それに対してどう考えていくか?
が分かりやすく纏められています。

273pにわたる第三者委員会の魂の報告書を世の人たちに広く知ってもらいたい、という著者の熱い思いに溢れおり、報告書の要点をまとめるのが上手いのもさることながら、それに関わる論拠の肉付けも面白く、押し付けがましさを感じない優れたビジネス書でありました。

自分の置かれた組織での、ひっかかりのある気持ち悪さを紐解くのに必要な視点を与えてくれたことに感謝

集団浅慮と人権尊重、
この二言はセットで心に留めておこうと思います。

0
2026年03月10日

Posted by ブクログ

「嫌われる勇気」共著などで有名な古賀さんの最新刊。優秀な個人が集まった組織が、なぜ信じられないような愚かな意思決定をしてしまうのか?
その答えが「集団浅慮(グループシンク)」という現象にあるとし、2025年に注目を集めたフジテレビの中居氏問題を巡る第三者委員会調査報告書を読み深める形で、このメカニズムを解き明かします。

■同質性の罠と「同化」の圧力
日本型企業のように凝集性…まとまりや結束力が高い組織は、安心感や強みを生む一方で、それが大きな落とし穴にもなります。
同質性の高い集団の中では、内輪の空気が優先され、異論や現実的なリスク検討を手放してしまう同調圧力が生まれるからです。
たとえ多様性を掲げて少数派を組織に招き入れても、多数派の価値観に合わせる「同化」を強いてしまえば、せっかくの異なる視点は機能しません。
■思いやりではなく「尊重」を
この病理を防ぐために不可欠なのがビジネスと人権の視点です。
組織の中で陥りがちなのが、よかれと思ってする「思いやり」…しかし、相手の意思を確認せずに良かれと思って先回りする対応は、単なる独善的な「思い込み」に過ぎない、と。
人権の基本は、相手がどうしたいのかをまず聞き、個人のあり方を重んじる尊重の姿勢にあるはず、と説きます。

■すべてのビジネスパーソンへ
主題としてフジテレビ問題を扱うも、本書は特定企業のスキャンダルをゴシップとして消費するものではありませんでした。
コンプライアンスの形骸化や、親切であっても致命的に人権知識が不足しているという、日本社会やあらゆる組織に共通する構造的な問題を突いています。
倫理や道徳の話にとどまらず、同質性の罠から抜け出し、経営リスクを回避するための実践的な知恵が詰まった一冊。
「自分は差別もハラスメントもしていない」と思っているすべてのビジネスパーソン、そして組織のリーダーにとって必読の新・社会派ビジネス書でした。

0
2026年05月14日

Posted by ブクログ

フジテレビ問題の報道の仕方がセンセーショナルな方向に偏っていると当時から感じていた。今にして思えば、被害女性の苦しみに寄り添うのではなく、プライベートなスキャンダルの一つとして消費しようとした視聴者もまた集団浅慮に染まっていたのだろう。

日本人は人権の意識が低いのではなく、知識が圧倒的に足りていない。企業には「人権を尊重する責任」、つまり「他者の人権を侵害しないこと」が求められる。尊重は思いやりとは異なり、個人としてのあり方を敬って重んじること。企業が「ビジネスと人権」を考える必要性について腹落ちできる。
凝集性の高さゆえにムラ社会化し、同調圧力が生まれやすい日本の組織。集団浅慮に陥らないためには、批判的評価者の割り当てやリーダーの沈黙、複数グループでの検討により同質性を崩すこと。組織開発やDE&I推進を考えるうえでも参考になった。

0
2026年05月02日

Posted by ブクログ

フジテレビのスキャンダルを題材にして集団浅慮のメカニズムを詳説した内容に多くの事を気付かされたし、我が不明を恥じる部分も多かった。特に「誰しも尊重される権利がある」は、そう言われるまで考えたこともなかった。まさに人権の本質を言い当てている。
ただフジテレビのこの問題が本当に『集団浅慮』と言えるのかどうにも腹落ちしなかった。集団浅慮(groupthink)と言うからには、集団で考えたからこそ愚かな結論に至る、逆に言えば個人なら熟慮の上に適切な対応ができるという事だが、仮に港社長や大多専務、G編成局長の誰かが個人で対応しても同じ結果になったのではないか。浅慮しかできない人が何人集まっても浅慮にしかならない。そう言う話だと思われる。

0
2026年04月30日

Posted by ブクログ

フジテレビ第三者委員会調査報告書を参照にビジネスと人権について書かれた本
集団が集団浅慮に陥る理由として集団凝集性の高さを上げている。確かに同じ様な考えをする人が集まっていると話は早いんだけどそれだけにすごい勢いで変な方向に進むことありますよね。と思うそれを防ぐためにもダイバーシティが大事だったりする。そういえばダイバーシティっていう商業施設ありますね。
また、日本の人権の教育は特に昭和には大きく遅れていたし現在とも違っていたので、私も含む昭和の人は人権知識のアップデートと、人権を尊重するという姿勢が大事になりますね。

0
2026年04月27日

Posted by ブクログ

『中居正広』をめぐるフジテレビ問題から、差別やハラスメントを引き起こす集団浅慮のメカニズムについて綴った一冊。第三者委員会が発行した調査報告書の凄さに衝撃を受けた筆者が、世に展開することの重要性を感じたことがこの本を発行するに至った。嫌われる勇気などを書いた著者は調査報告書を読みやすいように翻訳しており、要点をまとめてくれている。また、そこからなぜ今回の事案が起きてしまったをムラ社会による同質性と推測し、それを防ぐ方法などを提案している。どんな人でも差別はしており、まずは知ることがとても重要である。差別をしているが、減らすためにはどうしてらいいだろうかを考えることが、被害者を減らすためにとても大切なことなのだと思う。

0
2026年04月12日

Posted by ブクログ

『集団浅慮』を読み終えて、自分の中にあった無意識の前提や思い込みに気づかされた一冊だった。
特に印象に残ったのは、「人権意識が低いのではなく、人権知識が足りていない」という指摘でした。自分自身、差別をしているつもりはなかったのですが、知識がないままに発言していたことで、結果的に誰かを傷つけていた可能性があると感じました。
また、集団になることで個人の思考が浅くなり、同調圧力によって「考えない状態」に陥ってしまう構造にも強い納得感がありました。職場や日常の中でも、無意識のうちに空気に流されていた場面があったのではないかと思います。
これまで私は、体調不良で休む人に対して「怠けているのではないか」と思ってしまっていたことがありました。しかし本書を通じて、その人の背景や事情を想像せず、表面的な事実だけで判断していた自分に気づかされました。
今後は、自分の発言や行動を一歩引いて俯瞰し、「その言葉は誰かを無意識に傷つけていないか」「ダイバーシティの観点から問題はないか」を問い続けていきたいと思いました。
すぐに完璧にはなれないと思いますが、「考え続けること」をやめないこと。それがこの本から得た一番の学びだと感じています。

0
2026年04月11日

Posted by ブクログ

自分への戒めも込めてメモ。
知識がないと配慮できない。
自分が生まれながらにして、それなりに強者(男で体格がいい)であり、加害性を持っていること。

やられた方にも……的な話は口が裂けても言わない。

0
2026年04月05日

Posted by ブクログ

フジテレビ騒動に関する第三者委員会の調査報告書を通じて組織に蔓延する集団浅慮の特徴を解明する。ポイントは組織の成員の同質性の高さであり、多様な人材から学びを得て、組織自体をブラッシュアップしてゆくことで防ぐことがきる。スキャンダラスな面に注目されがちな騒動だったが、その根幹には多くの組織が陥りがちな構造に対する教訓があった。

0
2026年03月26日

Posted by ブクログ

興味深いそして学びのある一冊でした。
フジテレビに一体何があったのが知りたくて手に取りましたが、集団心理の解説で人事ではないと思いましたね
そして「日本人は人権意識はあるけど、人権知識がない」が一番心に刺さりました、無知は恥じることではないが、知ろうとしないことに恥じるべき…学びは大事です…

0
2026年03月10日

Posted by ブクログ

中居正広氏によるフジテレビアナウンサーへの性暴力行為をきっかけとなったフジテレビの問題。集団浅慮という言葉は、この問題と誠心誠意向き合わなかった限られた経営層の男性陣だけを非難するだけでなく、どこの組織でも起こりうる今の日本の危機管理リスクに対する対応を巡る指摘の言葉だ。読み進める中で、性暴力はダメだと行為や人としての理解ではわかっていたが、そもそも人権とは何か、深く考えてこなかったことも気づきだった。「人が生まれながらして、侵されない人としての権利」をいかに「尊重」していくか。同調圧力に屈さず、周りに流されず、冷静に物事を俯瞰できるよう、心がけたい。

0
2026年03月09日

Posted by ブクログ

フジテレビ騒動の報告書を解説し、優秀だったはずの集団がなぜ誤りを犯したかについて考察している本。
同質性の恐ろしさがよく伝わってきた。反対に、本書を読んで多様性という言葉の使われ方に対ししっくりこなかったことにも納得した。
良い集団をつくる際に重要なのは、複数の性質を持つ視点を入れ、異なる意見で議論ができるようにすることだ。
重要なのは理解することで、受容するかしないかもまた多様性なのだ。

0
2026年03月05日

Posted by ブクログ

人類共通の狩猟民族時代の集団内で生き残る本能と、日本人の特徴として農耕民族特有の同調圧力が混ざった結果マッチョなムラ社会が出来てしまったのだと思う。
尊重というのはもちろん大事だと思うが、やはり仕組みを変えるのが大事。組織の循環促す解雇規制の撤廃は痛みはあっても大きく変化を起こす起爆剤だと思う。

0
2026年03月01日

Posted by ブクログ

【書名と著者】
集団浅慮 「優秀だった男たち」はなぜ道を誤るのか?
古賀史健

【目的】
知的エリートを自認するであろう人たちの集団が狂った決断に至るメカニズムに興味があった。

【読後感】
2章くらいまでは集団浅慮のはなしと認識できた。
3章から先は着地の見えない暴走列車になる。リベラルなワードを並べて多様性やら人権意識やらで「同質性の高い壮年男性」を叩く。
この本の出版に関わった方々の集団浅慮も感じ取れる、さまざまな読み方ができる一冊。
フジテレビ問題を契機にした男性叩き本なのかも。

【印象に残ったポイント】
・論理展開のジェットコースター
フジテレビの分析から集団浅慮を予防する具体論に行くかと思いきや

・リベラルな言葉で奇跡は起きない
相互理解、尊重といった頭の中の話で浅慮が防げると考えているようだが、一方で「同質性の高い壮年男性」に対する尊重は感じられない。

・集団浅慮を防ぐには?
あくまで会社の話に閉じるが、ムラ化させないための人事異動と、人事異動を前提にした暗黙知の形式知化、会社に引き留めておける待遇の設定、組織内の仕事と人事の責任所在の明確化
なのかなと思った。
ただ、私人ながら顔を出して仕事するような業界だと違うのかも。
わたしは失礼ながらアナウンサーそのものがらんと思ってるけど(アナウンスなら自動音声で足りる)、社内外で仕事をもらうためにアプローチするという点と凝集性の高さが守られない社員を作ってしまうのだなと悲しくも感心した。

0
2026年05月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

フジテレビ問題を題材に「集団浅慮の罠」を考察した本。
どこの会社、組織でも起こりえることだと思う。
凝集性。同質性。集合的幻想。水を差せる自由。黄金の3割。人権知識。
学ぶ姿勢が大事。それと考えること。

0
2026年03月21日

「ビジネス・経済」ランキング