あらすじ
フジテレビ問題の検証を行った「第三者委員会調査報告書」はすべての企業に向けて「人権尊重に基づく経営」を訴えるものでした。『嫌われる勇気』の著者であり日本を代表するビジネス書ライターである古賀史健氏が、その報告書を独自の観点で振り返り、全ての日本人への警鐘としてまとめる〈新・社会派ビジネス書〉です。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
この本自体はフジテレビで起きた性暴力に対するレポートを元にしているため、女性への人権侵害という事例がメインとして話されているが、「凝集性の高い集団が、調和を保とうとして、逸脱者を排除してしまう。そうして外部の意見を聞けなくなる」という状態自体はどこでも起こりうるのではないかと思う。
たとえば新卒入社者ばかりの会社に入った中途入社者。クラスに転校してきた帰国子女。移住者と昔からの住人。どうあれ同質性が高く、一体感があり、「仲の良い」グループほど異質な存在からの意見を排除してしまう。「和を乱すやつ」に対して「あなたのためなのだ」と説得を試み、それが失敗すると「あなたのためなのに」とムッとして今度は排除してしまう。
女性の人権問題という範囲に限らず、「あ、いま私雰囲気悪くしたくないからって疑問を飲み込んだな」という瞬間が頻繁にあるようなら、多分その集団は浅慮に陥りかけているのだと思う。
いわゆるオールドボーイズクラブ世代の壮年男性だけではなく、全ビジネスパーソンが読むべき著だと思う。
Posted by ブクログ
本書の執筆した目的に共感、単なるワイドショーネタ終わるべき話ではなく学びのある事案だと思います。
正直報告書をまとめた動画をみたくらいで中身を把握できていなかった。フジ社内で一定レベルまで性暴力であるとの認識もあったが意思決定はされなかった。
この問題はフジの課題であるが、さらに拡大し一般化して日本の組織課題として捉えて解決策を考える内容。
課題はとても納得、いかにうわべだけであるか、自らの成功体験から抜け出せないベストアンドブライテストのような状況であるかがわかる。
その後の解決策は黄金の3割を目指すべきというもの、その理由も示されるが個人的にはまだ納得しきれていない。男性と女性の比率というある意味二項対立は解決策となるのか。
その他数多ある差別をなくすことを考えると比率を3割とする以外の解決策も必要ではないか。
人権知識をつける、ことは本書でも語られとても納得ができる。経験するまで理解できない方も自分含めて多くいるなかでどう知識をつけるか。
とてと大事な問題。
子育てをしていても子供はとても自然に、何の気なしに差別発言をする。
親として指摘するが自分も知らず知らず行いがちだと自覚させられる。
社会的な寛容性をどう担保すれば良いのか。
Posted by ブクログ
「はじめに」「おわりに」内にあった筆者の言葉がとても心に残りました。
○はじめに
・同質性が高い組織は、外部からの視点や異なる意見を受け入れにくく、外部とは異なる内なるルール(内輪の論理)がまかり通り、集団浅慮にも陥ることも多い。
・フジテレビ経営陣は今回、典型的な集団浅慮に陥った。組織を守るため、「オレたち」を守るため、そのちっぽけなプライドを守るため、集団浅慮は加速していった。見て見ぬふりを決め込み、被害に遭った女性の人権をないがしろにし、ステークホルダーへの説明責任を果たそうとせず、結果として330社以上ものスポンサー離れを招いた。
○おわりに
・人は、自らの「知らなさ」を自覚できなくなったとき、「知らなさ」を教えてくれる他者が周囲からいなくなったとき、集団浅慮の坂を転がり始める。
・「知る時が来れば、その人は無知ではなくなる」。価値感のアップデートも、社会の変革も、すべては「無知ではなくなる」ことからはじまるのだ。知らないことは恥ではない。知ろうとしない自分を、恥ずべきなのである。そしてすべての他者を「尊重」する姿勢こそが、「知ろうとすること」の第一歩になると、僕は思っている。