歴史・時代作品一覧

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  • 冥暗の辻 無茶の勘兵衛日月録4
    4.0
    越前大野藩の無茶勘こと落合勘兵衛は嵯峨野典膳との死闘に勝つも深傷を負い床に臥した。一方、彼の親友で小姓組頭の伊波利三は、若殿松平直明の不行跡を諫言し、その激怒から職を解かれ謹慎処分を受ける身となった。暗雲が二人を包み、それはやがて藩全体に広がろうとしていた。大河ビルドンクスロマンの傑作シリーズ第四弾!
  • 残月の剣 無茶の勘兵衛日月録3
    3.5
    無茶勘こと落合勘兵衛は帰途、浅草猿屋町で病に倒れていた一人の老剣客を助けた。医師によれば重い肝の臓の病で、余命は一ヵ月との診立てである。男の名は百笑火風斎。大和国吉野天河郷に住し、後村上天皇から位衆傅御組の名を賜り代々天皇守護の務めをする家柄という。驚く無茶勘だったが、やがて凄絶な藩主後継争いの渦に巻き込まれて……。
  • 火蛾の舞 無茶の勘兵衛日月録2
    4.0
    “山路亥之助を討て”江戸に着くやいなや「無茶勘」こと落合勘兵衛に下されたこれが秘命であった。親友で、次期藩主松平直明の小姓頭である伊波利三によれば、これは上意討ちではなく若君直々の密殺令であるという。山路は先の銅山不正事件で目付けを斬り大野藩を逃亡した男である。なぜ自分が? 政事の暗部が静かに勘兵衛を呑み込みはじめた……。
  • ムッシュ・ジャポネ
    -
    パリの美術学校で学ぶ日本人画家・片岡哲夫、彼に恋い焦がれる下宿先の娘・アンナ、そして親友だったドイツ人・エリッヒ。若者3人の友情は、やがて戦争という災禍に巻き込まれ、ねじれてゆく……。  第二次世界大戦下のフランス、パリ。退廃芸術理論を推し進めるナチスによって奪われた絵画には、大量の贋作が紛れ込んでいた。その見事な贋作を作り続けたのは誰か。ナチス党内で頭角を現し、特別任務を受けて調査を始めたエリッヒは、やがてバロンと呼ばれる画商、そして彼に付き添う若き日本人画家の存在に気づく。  電子オリジナルの長篇サスペンス小説。 ●佐野広実(さの・ひろみ) 1961年横浜生まれ。1999年第六回松本清張賞を『芳年冥府彷徨』(島村匠名義)で受賞。2020年第六十六回江戸川乱歩賞を『わたしが消える』で受賞。近作は『誰かがこの町で』(講談社)。電子書籍封切作品に『ムッシュ・ジャポネ』『浮世絵鑑定談』『森嶋中良 御典医の次男坊』がある。「新青年」研究会会員。
  • ムッソリーニを逮捕せよ
    -
    戦争を止めるには、最高権力者の逮捕しかない! 泥沼化した第二次世界大戦下、イタリア国軍中枢にいた一人の参謀が、密かに危険な作戦を開始した。「早期休戦」による救国に燃えた将軍たちは、1943年7月25日ついに決行。この極秘計画の全貌を、初めて解明した講談社ノンフィクション賞受賞作品。
  • むつかしきこと承り候 公事指南控帳
    3.5
    江戸時代、薬屋ながら副業として公事(裁判)の相談に乗る時次郎。そこそこ儲かっているが、高い書物を買うので余裕はあまりない。それと子作りに熱心でない事を恋女房からは責められ通しだ。おまけに持ち込まれるもめ事は、一筋縄ではいかないものばかり。不貞を働いたとして殺された夫の潔白を証明したい、息子が呪い殺されたのでそのことをお上に訴えたい、破産したのに財産を隠していた相手から金を取り戻したい――。さて、次はどんな厄介な事件が舞い込んでくるのやら?
  • 睦月童
    3.9
    ある東北の村から日本橋の酒問屋に招かれた、不思議な目を持った少女・イオ。酒問屋の跡取り息子・央介は、その目を見たことで激しい良心の呵責に襲われ、かつて自分が犯した罪を贖おうとする。やがて更生した央介とイオは、彼女の目を使って、江戸で起こる数々の事件を解決していくことになるが……。青年と少女の交流と成長を通して、「罪と向き合う」ことの意味を描いた、感動のファンタジー時代小説。
  • 睦月童
    3.7
    おめえの鏡は罪じゃあなく、人に残った人らしいところを映すんだ。人にとっていちばん大事な、あったかい心だ。ある東北の村から日本橋の酒問屋に招かれた一人の少女・イオ。彼女は「人の罪を映す」という不思議な目を持っていた。荒れた生活を送っていた酒問屋の跡取り息子・央介は、彼女の目をみたことで激しい良心の呵責に襲われ、かつて自分が犯した罪を贖おうとする。やがて更生した央介とイオは、彼女の目を使って、江戸で起こる数々の事件を解決していくことに。しかし、イオの出生の秘密を知る侍が現れたことで、二人の運命は大きく動き始める……。人にとって「罪」とは何か。そして「許し」とは何か。イオの不思議な能力の源泉に隠された秘密とは何か。そしてイオの過酷な運命を、央介は救うことができるのか。日本ファンタジーノベル大賞でデビューした著者が贈る、感動の時代小説。

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  • 陸奥爆沈
    4.2
    連合軍の反攻つのる昭和18年6月、戦艦「陸奥」は突然の大音響と共に瀬戸内海の海底に沈んだ。死者1121名という大惨事であった。謀略説、自然発火説等が入り乱れる爆沈の謎を探るうち、著者の前には、帝国海軍の栄光のかげにくろぐろと横たわる軍艦事故の系譜が浮びあがった。堅牢な軍艦の内部にうごめく人間たちのドラマを掘り起す、衝撃の書下ろし長編ドキュメンタリイ小説。

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  • 無敵の殿様 天下御免の小大名
    3.8
    わずか五千石の禄高でありながら、足利将軍家の血を引き継ぎ、参勤交代を免除された特殊な大名――喜連川家。その前当主・喜連川恵氏は、いまだ壮年ながらもはやばやと隠居し、「大御所」として気ままな江戸暮らしをはじめた。だが、これに納得がいかないのが、時の権力者・松平定信……。なにしろ恵氏は、老中就任と十万石加増という前代未聞の誘いを『喜連川家は徳川の家来にあらず』と、即座に断ったのである。徳川政権のもと、ただひとり将軍の家臣ではない恵氏が、世間の常識や慣習にとらわれず、さまざまな難事件を解決していく。実在した風変わりな武家の活躍を描く、期待の新シリーズ!
  • 無敵浪人 徳川京四郎  天下御免の妖刀殺法
    -
    根津権現の門前町に住まう謎の素浪人・徳川京四郎。 龍と牡丹をあしらった片身替わりの小袖を着こなす、まさに惚れ惚れするような若武者である。 しかもこの男、世間で噂されているとおり、徳川家のご落胤……現将軍・徳川吉宗の甥っ子にあたり、大名、旗本の誘いを蹴って市井暮らしを選んだ、まっこと変わり者の若さまなのである。 そんな京四郎、なんの因果か、女読売屋の松子と手を組み、町場のさまざまな騒動や事件に首を突っこんでいく。 吉宗から拝領したいわくつきの妖刀村正をぶんまわし、最強の剣法『秘剣雷落とし』が許せぬ悪を裁く! 痛快娯楽の最高潮、無敵の新シリーズ開幕!
  • 胸に棲む鬼
    4.0
    志賀島の竜女に恋着された、凜々しい若者の悲劇、奴隷の牧畜を考える冷酷な美女の本性、防人の留守家族に起った戦慄の事件、女奴隷と恋に落ちた高僧の宿業、女の奸計に引っかかり、生霊をとりちがえてしまった傀儡師の嘆き等、奈良、平安朝の下層民の、命のしたたかな強さとあっけない死を語る、傑作短編集。
  • 宗春行状記
    -
    江戸幕府もようやく安定期に入った享保年間。将軍跡継ぎ問題の宿怨から、八代将軍吉宗と尾張の徳川宗春(むねはる)はことごとに対立した。綱紀を粛正し倹約を命ずる吉宗の政策を馬鹿にするように、大勢の供を連れて遊廓に通い、城下で芝居・遊興を催す宗春であった。江戸時代随一の風流大名、尾張宗春の豪胆奔放な半生を活写した長編時代小説。
  • 無法許さじ 居眠り同心影御用17
    3.0
    火盗改の頭から直々に密偵連続殺害の謎解きを頼まれ死地に挑む! 元筆頭同心で今は居眠り番、蔵間源之助の目が覚めた。法で裁けぬ禁断の「往生堀」に巣食う悪党どもを許すな。「血飛沫の寛次」の謎とは? 北町奉行所の凄腕筆頭同心・蔵間源之助は故あって「居眠り番」と揶揄される閑職に左遷された。同心の矜持を保つべく始めた「影御用」だが、町中の打物屋に雨宿りした折、火盗改の頭から内密の探索を依頼された。八日間に三人もの火盗改密偵が謎の死を遂げたが、その真相を探ってほしいというのである。そして……。「往生堀」という無法地帯が浮かんできた。
  • 夢魔の寝床
    -
    天正九年十二月、信長は、織田軍によって焦土と化した伊賀を巡視後、館に戻り、眠りについた。夜半、目を覚ました信長の傍らに黒装束の男が一人…。男は伊賀者の将・百地丹波と名乗った。伊賀者の助命を請う百地の願いを一笑にふした信長だが…。本能寺の変を大胆な発想で描く表題作のほか、戦国から明治へ、各時代に生きた人間たちを活写する贅沢な歴史小説集。
  • 無明剣、走る
    4.0
    五代将軍綱吉の治世。江戸の幕閣の争いに巻き込まれ、江戸家老の謀略によってさらなる窮地に陥った阿波藩二十五万石。存亡の危機に立ち上がった若き剣客荒木田隼人、闇の棟梁・仏の源十郎らは、阿州剣山に眠る伝説の埋蔵金を死守するため一路徳島へ!国民的ミステリー作家が壮大なスケールで贈る、手に汗握るこれぞ時代小説の傑作!
  • 無明剣、走る
    -
    徳川綱吉の時代、幕閣の主導権をめぐる柳沢吉保と酒井但馬守との争いに巻きこまれた阿波二十五万石。藩をわがものにせんとする奸賊、江戸家老の野望。幼い藩主を助ける、浪人隼人、闇の棟梁仏の源十郎、豪商鳴門屋十兵衛。阿州剣山に眠る巨額の埋蔵金は、誰の手に? 鬼才西村京太郎が、初めて挑む長編時代小説。
  • 無銘刀~御刀番 左京之介(十一)~
    3.0
    小石川傳通院の裏で、五人の沼津藩藩士が斬殺された。背後に、妖刀村正に似た無銘刀を遣う凄腕の剣客の存在が浮かび上がる。汐崎藩御刀番頭の左京之介は、度重なる襲撃に怯える沼津藩藩主・水野忠成の懐刀で、これまで対立していた土方縫殿助から助けを求められる。土方の求めに京之介が下した判断とは――。霞左文字が、権力者たちの謀略を斬る! 感動のシリーズ最終巻。
  • 無役御家人隠密帖 売られた女房
    値引きあり
    -
    お節介が身上の無役の御家人・一色東馬は、実は老中の隠密。だが老獪な爺様である老中は、密命と称して雑用も押し付ける。ある日、花屋の女房が借金のかたに連れて行かれることに。女房は元売れっ子遊女で、再び彼女を苦界に落とす企みが進行していた……

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  • 無用庵隠居修行
    4.7
    直参旗本・日向半兵衛は、出世のことしか考えない同僚に嫌気がさし、「あらゆる欲を捨て去り、何もこだわらぬ無の境地になって死にたい」という願いを込めた「無用庵」で隠居暮らしを始める。のんびりと過ごすはずだったが舞い込んでくる事件の数々。「口は悪いが情けにゃ弱い」日向半兵衛が難事件を解決する痛快時代小説。
  • <村上水軍と毛利>村上水軍 系譜と毛利氏との関係
    -
    毛利氏中国制覇の鍵、三島(能島・来島・因島)村上水軍。村上水軍の系譜を追うと共に、三島のなかでも、毛利氏の家臣団には属さず、「傭兵部隊」の色が濃かった能島村上氏の、加勢動機とその報酬にせまる。切っても切れない村上水軍と毛利氏との関係とは。
  • 紫式部と清少納言 二大女房大決戦
    3.8
    紫式部は執筆に追われていた。「源氏物語」を餌に、帝の関心を愛娘・彰子へと向けさせたい藤原道長から、続きを催促されているのだ。創作の手がかりが欲しい紫式部は、素性を隠し、荒れ屋で暮らす清少納言の元を訪れる。そこで、皇后定子の霊鬼が宮中を徘徊しているという噂を、うっかり口にしてしまい…。小競り合いばかりの二人が、霊鬼探しでまさかの共同戦線。平安文学好きには夢、超展開の二大女房大決戦! サイテーのライバルがサイコーのバディになる!?
  • 紫匂う
    4.1
    心極流の達人ながら、凡庸な勤めに留まる蔵太。二人の子供とともに穏やかに暮らす、その妻・澪。すれちがいの暮らしを送る澪の前に、一度だけ契りをかわした男・笙平があらわれる。側用人にまで出世したかつての想い人との再会に、澪の心は揺れる。今、ここで、心のままに生きられたなら――。直木賞作家が描く、人妻の恋。日本人の心が紡ぐ、美しく、哀しき恋。全国17紙に掲載された大人気連載!
  • 村を助くは誰ぞ
    4.3
    尾張が美濃に攻め寄せるという。軍勢が村へ入れば村人たちには生き死にの大問題だ。オトナ衆の次郎衛門は戦火から村を守るため、織田勢から自軍の乱妨と略奪を禁止する命令書をとりつけようとするが……。戦乱の中で奔走する村人たちの、たくましさとせつなさを描いた表題作を始め、全6本の粒ぞろい歴史短編集。※本書は、2004年12月に新人物往来社より刊行されたものを文庫化にあたり加筆修正したものです。
  • 室町お伽草紙 青春!信長・謙信・信玄 卍ともえ 山田風太郎傑作選 室町篇
    -
    足利将軍家の姫・香具耶を手中にした者に南蛮銃三百挺を与えよう。飯綱使いの妖女・玉藻の企みに応じるは信長、謙信、信玄、松永弾正。日吉丸、光秀、山本勘介らも絡み、痛快活劇の幕が開く!
  • 室町小町謎解き帖 : 1 消えたろくろっ首
    3.0
    日本橋の呉服商「三浦屋」の箱入り娘、お雪は今年十九。その美しさは広く江戸中に知れ渡り、“室町小町”と謳われるが、本人はいたって内気で、家に引きこもる毎日。そんな折、両国の見世物小屋で「ろくろっ首」の見世物を演じていた女の首なし死体が見つかる。その話に興味津々のお雪は家を抜け出し、現場を訪れるが、ならず者に襲われてしまう。新シリーズ第一弾!
  • 室町小説集
    -
    三種の神器の一つの“玉”を巡り、吉野川源流の山奥での武家、公家、入道、神官入り乱れての争奪の顛末。南北朝の対立が生んだ吉野・川上村の伝説が、博渉、強靱な思考の虚々実々の息吹で鮮烈に蘇る。転換期の奔流するエネルギーの“魔”を凝視しつづける常に尖鋭なアヴァンギャルド・花田清輝が、“日本のルネッサンス草創期”の“虚実”を「『吉野葛』注」「画人伝」「力婦伝」等の5篇で構築する連作小説。
  • 室町少年倶楽部
    4.0
    蹴鞠で遊んだ少年の日よ何処。将軍足利家の後継者・三春丸と、その後見人である少年管領・細川勝元。みずみずしい生命力に富むふたりを取りまく権力闘争の機略。十五歳の少年に二十五歳のお妾を取らせる策略合戦。出家を望む三春丸に仕掛けられた秘策が引きおこす花の御所の奇々怪々。歴史的事実に大胆な創作を加えることで浮きあがる人間の真実を、破天荒に描く風太郎節益々快調! 表題作のほかに「室町の大予言」を収録。
  • 室町耽美抄 花鏡
    4.0
    庶民の「申楽」を、「能」という幽玄の域にまで高めた世阿弥。金春禅竹はその娘婿となり、指導を受けて深く結びついていった。そして義父の最期のとき、奥義が記された伝書が遺される。世阿弥が伝えようとした秘法とは……表題作のほかに、能楽を大成した世阿弥を描く『風花』/闇を背負って禅の修行に明け暮れた一休宗純を描く『闇鴉』/わび茶の祖・村田珠光を描いた『詫茶』。求道にかけた互いの宿命が交錯する連作歴史小説。
  • 室町幕府を開いた男 足利尊氏(上)
    -
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 鎌倉幕府の失政を正すために挙兵し、公家たちの反動政権にも反抗した足利尊氏。彼にはどのような生活があったのか。武家の棟梁としてよりも、子として、夫として、父として、また兄として彼はいかに生きたか。鎌倉幕府を倒すまでの若き尊氏の生きざまを描く大型歴史ドラマ。

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  • 室町無頼(上)(新潮文庫)
    4.4
    応仁の乱前夜。天涯孤独の少年、才蔵は骨皮道賢に見込まれる。道賢はならず者の頭目でありながら、幕府から市中警護役を任される素性の知れぬ男。やがて才蔵は、蓮田兵衛に預けられる。兵衛もまた、百姓の信頼を集め、秩序に縛られず生きる浮浪の徒。二人から世を教えられ、凄絶な棒術修業の果て、才蔵は生きる力を身に着けていく。史実を鮮やかに跳躍させ混沌の時代を描き切る、記念碑的歴史小説。
  • てやんでえ 目明し朝吉捕物帖
    -
    山谷堀の船宿「若竹屋」の主人清兵衛が何者かに殺された。清兵衛は芝明神下の岡っ引き政五郎の甥。下手人の捜索にあたる政五郎だったが、縄張り外の故か、半年経っても手がかりひとつ得られなかった。北町奉行曲淵甲斐守は、地元浅草に根ざした者を使って解決を図ろうと決意する。白羽の矢が立ったのは聖天下の博徒朝吉。対抗勢力との抗争で絶体絶命だったところを助けられた朝吉は、奉行御承知の十手を与えられ、目明かしとして探索に乗り出すことになった。朝吉は一匹狼のならず者だが、情に厚く人気者。堀の人々の助けと謎の幕閣「稲荷堀の御前」の後ろ盾が朝吉を事件の核心に迫らせる。だが、単なる殺しと思われた事件の裏には、恐るべき企みが……。
  • 目明しやくざ
    -
    弥七親分の甥の伊佐吉は、酒、女、博打と三拍子そろって何でもござれのやくざな男。ところが、捕物にかけてもなかなかの腕利きで、ちょいちょい伯父の手伝いに駆り出される。可憐な町娘や妖艶な年増、果ては大名の姫君まで……。事件を彩る女たちの色香に迷いながら、ついにはもつれた謎を解き、意外な真相を探り出す。目明しやくざ伊佐吉の、痛快無頼の捕物帳!
  • 冥界転生
    完結
    -
    史上屈指の剣豪×最凶の謀略内閣×陰陽師の末裔 数奇な運命で集いし光と闇の異才が、激突する! 〈あらすじ〉 最強の陰陽師・安倍晴明の血を引く一族に生まれた女子高生、明知凛は日ごと大きくなる顔のあざに悩まされていた。政治家であり神主でもある父は、それは世に憎悪が渦巻き何かが起きる際に現れる「さらら姫」に関係すると言う。 時を同じくして、失政が続き内閣支持率は史上最低のなか貧困に喘ぐ国民の憎悪や怒りを一身に集める総理大臣のもとに、地獄の下にある冥界と地上界を結ぶ間道・将門の首塚を抜け出た平清盛が現れ、その体を乗っ取ってしまう。 清盛は生前の野望を果たすために「霊力」を集め、北条義時、井伊直弼など史上屈指の謀略に長けた傑物を冥界から次々呼び寄せることで、独裁者への道を突き進む。 その過程で、明知凛が冥界の者に敵対する陰陽師の力を持っていることが露見してしまう。さらに、数奇な運命で両者に繋がっていた宮本武蔵、柳生十兵衛、沖田総司、謎の陰陽師などが集い、激しい戦いが繰り広げられることに。 果たして憎悪や怒りといった人の想念から生じる「霊力」は、清盛と陰陽師のどちらに利するのか。歴代屈指の剣豪たちの勝負の行方は……。 映画化『もしも徳川家康が総理大臣になったら』、舞台化『もしも彼女が関ヶ原を戦ったら』著者による、歴史×政治×ミステリーの新感覚エンタテインメント最新作!
  • 冥官小野篁 ─『大怨霊 橘逸勢』を裁く─
    -
    時は平安時代、あの世と現世を往来したとされる伝説の男・小野篁の事件簿〈第2弾〉! 今回は藤原北家による初の他氏排斥事件とされる平安初期に朝廷を揺るがした「承和の変」がテーマ。謀反の汚名を着せられ、最下層の身分に落とされたまま無念の死を迎えた学者貴族・橘逸勢は果たして冤罪だったのか? 冥界における裁判に挑んだ小野篁の活躍を描く。
  • 治郎吉格子 名作短編集(一)
    -
    みごとな仕上がりで、思わず息をのませる短編の名品佳作。――江戸を荒しまわった揚句、上方に高飛びしてほとぼりの冷めるのを待っていた鼠小僧。ムズムズしてきた例の手くせと持ち前の義侠心が、女のことから暴発した表題作「治郎吉格子」。ほかに「増長天王」「醤油仏」「八寒道中」「野槌の百」「銀河まつり」「無宿人国記」「雲霧閻魔帳」の7編を精選して収録する短編名作集。
  • 名将 大谷刑部
    3.8
    秀吉の奉行として活躍、後、越前敦賀に五万石を領有。病との闘い。盟友・三成との友情。そして関が原。名将大谷刑部の生涯を描いた長編時代小説。
  • 名将 佐竹義宣
    3.7
    北の伊達、南の北条とつばぜり合いを演じてきた弱小戦国大名・佐竹義宣は、豊臣秀吉の小田原攻めに馳せ参じ、将来を秀吉に賭けた。石田三成の支持を得て一躍常陸の大大名にのし上がった義宣に、隣国の徳川家康は挟撃を警戒、しきりに誼みを通じようと接近を図る。豊臣政権の存続こそが佐竹の安泰と見る義宣は、三成、上杉景勝の家老・直江兼続と盟約を結ぶが……。「関ヶ原」の運命を握った男が最後に選んだ生き残りの戦略!
  • 名勝「識名園」の創設(上巻)-琉球庭園の歴史-
    -
    沖縄県発・おきなわ文庫シリーズ第13弾 識名園(シチナヌウドゥン)は琉球王家最大の別邸で、国王一家の保養や中国皇帝の使者である冊封使の接待などに利用されてきた。2000年3月には特別名勝に指定され、同年12月にはユネスコの世界遺産に登録されている。 「本書は、沖縄県で初めて人の手になるもので国宝級の文化財として、国の特別名勝に指定された琉球王朝時代を代表する庭園「識名園」について、本格的に取り上げた初の研究である。そして、それは同時に「識名園」を頂点とする琉球庭園について、時代を追って整理された研究としても初のものである。その「識名園」を管理・運営する那覇市において、十五年間、文化財保護を担当してきた著者が、余すところなく「識名園」の魅力を浮き彫りにする。-2000年紹介文-」 著者は沖縄県那覇市教育委員会生涯学習部文化財課課長の古塚達朗氏。著者が長年学んできた自身の専門分野である民俗学の手法を織り混ぜながら「識名園」をテーマに琉球庭園史としてまとめられている本書が電子書籍として復刊!
  • 名将宮崎繁三郎 ビルマ戦線伝説の不敗指揮官 新装解説版
    -
    名将の資質とはなにか--功名を排し、己れの本分に徹して人心掌握につとめ、寡少の兵力に甘んじつつも、百戦不敗の名を轟かせた名指揮官の生涯を綴る陸軍人物伝。万骨枯るインパールで、英軍司令官をして賞賛の辞をおしまない戦闘を展開した日本陸軍きっての戦略・戦術家の生きざまを活写する感動の戦記文学。
  • 名将 山中鹿之助
    3.0
    山陽、山陰11カ国を支配した出雲の戦国大名・尼子氏は、台頭する毛利元就の圧迫を受け滅んだ。逃れた遺臣たちは、山中鹿之助を中心に主家再興を誓う。急成長する織田信長に接近した鹿之助は、羽柴秀吉の支援を取りつけることに成功するが…。それから160余年後の江戸中期、京都・大徳寺に人々が集い、鹿之助の末裔であることを公表した。その一族とは…? 戦国武将の意地と誇りはいかに引き継がれたか。傑作歴史長編。
  • 明治暗殺伝
    -
    官軍の先鋒隊として東に向かった赤報隊は明治元年三月、突如偽官軍とされ下諏訪で斬首刑に処せられた。が、斬首直前に配下の叶弦三郎は追っ手を振り切り逃走、一人復讐を心に誓ったのだった。明治六年、仕込杖を携えた人力車夫が新政府の要人暗殺を重ねていた。下手人は弦三郎。維新下を生きのび、新政府憎しの恨みだけが彼を駆り立てていたのだ。最後の標的として的を絞ったのが、岩倉具視。暗殺計画を察知した警視庁大警視川路利良との息づまる攻防戦が開始された…。

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  • 明治維新を創った男 山縣大貳伝
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    吉田松陰が「心の師」と仰いだ男がいた! 松陰は百年前の思想家・山縣大貳の書を読んだとき初めて、それまでの思想を変え、「倒幕」を意識したのだ……。享保十年(1725)、甲斐国に生まれた山縣大貳は、さまざまな学問を身に着け、頭角を現していくが、ある不幸な事件により、甲府勤番与力の職を解かれてしまう。江戸に移り住んだ大貳は、時の権力者・大岡忠光に見込まれて仕えた後、学校を開き、その知識と人柄からたくさんの生徒を集めるようになっていった。しかし、著書『柳子新論』において、四民平等を訴え、「王政復古」「天皇親政」が理想の政治形態だと説き、やがて幕府からその思想を危険視されるようになり……。松陰より百年も前に革命の精神を説き、明治維新の隠れた火付け役となった気骨の思想家の生涯をさわやかに描く、感動の歴史長編。

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  • 明治一代男
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    これからは、力より金や! 金がもの云う世の中や。……幕末から明治、間引きされそこなった貧農の子・捨吉は、ふしぎな愛嬌と図太い度胸で、権威にこびず旧弊を捨てて、ひたすらに金と女に執着、ついに天下一百貨店を開業して……。自分の力で儲け掴みとる人生、底辺からのし上ってゆく男の、痛快サクセスストーリー。おのれの才覚と度胸でのしあがった男の痛快一代記!
  • 明治開化 安吾捕物帖
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    文明開化の明治新世相のなかで、次々と起きる謎の奇怪な事件。それにのぞむは、赤坂氷川町の隠宅で自適の日々を送る、幕末の英傑、勝海舟。彼の名(迷?)推理にほだされつつ、事件解決に活躍する紳士探偵、結城新十郎。そして勝手に首を突っ込んでくる、個性様々な仲間たち。独特のユーモアと毒舌のなかに文明批評のわざをピリリときかせながら、卓抜な推理的構成で捕物帖の面白さを堪能させる、安吾の傑作エンタテインメント。
  • 明治開化 安吾捕物帖(上)
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    開化期の興味津々の世情・風俗をバックにした異色連作ミステリー。ホームズ役は旗本の末孫で洋行がえりのハイカラ男、結城新十郎、これに、右隣で町道場をひらき巡査に剣術を教えている泉山虎之助、左隣に住む人気戯作者、花廼屋因果(はなのやいんが)がからむ。そしてきわめつきは当時氷川(ひかわ)に隠居暮らしをおくる勝海舟。虎之助が難事件のはなしを勝に報告すると、勝は独自の見解を披瀝して事件を推理する。しかし、最後に事件のなぞを解くのは新十郎である。本巻には「舞踏会殺人事件」から「冷笑鬼」まで10編を収録。

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  • 明治開化安吾捕物帖 合本版
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    純文学、歴史小説、推理小説、随筆など多彩なジャンルを執筆。その独特な性格と作風から無頼派、新戯作派と呼ばれる。名探偵結城新十郎登場。明治の前半頃、神楽坂に住む新十郎は元徳川重臣元旗本の子孫で洋行帰り。手腕を買われて警視庁からたびたび要請され事件解決に乗り出す。勝海舟もなるほどと思わせるような名推理を披露するものの、しかし真相は?果たしてどちらが真犯人を捕まえるのか。全二十話が一気に読める合本版。※読みやすくするため現代の言葉に近づけていますが、作品の性質上、そのままの表現を使用している場合があります。
  • 明治剣鬼伝
    -
    明治十一年、長州出身の陸軍将校が相次いで斬殺される事件が起きた。謎を追う警視局探偵掛・藤田五郎は一人の男に目をつけた。早乙女魁、二十一歳の書生。その正体は無眼流の天才と呼ばれる左利きの剣豪だった。さらに事件の背後には時の内務卿・伊藤博文暗殺計画が!

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  • 明治剣客伝~日本剣豪譚~
    -
    文明開化の明治、断髪、廃刀令の施行により、剣道は衰え、職を失った剣士たちは、〃撃剣興行〃などで細々と生計を立てていた。しかし、西南戦争の折りの警視庁抜刀隊の活躍で、明治政府も改めて剣道の価値を見直す。苦難の時期を乗り切り、旧幕時代から伝わる各流派の奥義を次の世代に残した名剣士たち。名勝負の数々が、いま、鮮やかに甦る。
  • 明治撃剣会
    5.0
    魂消える、作品集。 語り草となった太刀風がよみがえる、剣豪小説の醍醐味をいま再び! 明治七年、和歌山へきた撃剣興行一座の一番の遣い手に賭け試合を挑まれた旧幕臣の腕の冴えを描く表題作ほか、著者が剣豪作家として活躍する契機となった、現代の道場破りに息を呑む「孤独な武者振り」、新撰組外伝といえる「祇園石段下の血闘」など全八篇。太刀風鋭い剣技描写が光る、新鮮で骨太な作品集。
  • 明治殺人剣
    -
    新政府の反対分子を一掃するため資金を必要としていた伊藤博文ら長州閥は、ニセ札を作るという途方もない暴挙を考え出した。計画の邪魔になるのは川路利良大警視ただ一人。刺客として差し向けられたのは、殺人流の極意“三年殺し”を体得した男だった…。明治十二年、衆目を集めた藤田組ニセ札事件を背景に、剣鬼と化した男の非情の最期を描く迫真の力作!

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  • 明治サムライ時代論 明治維新は「戦う自由」を解放した
    -
    徳川幕藩体制の解体から日露戦争終結までの日本近代史を「サムライ」をキーワードに描く。 日本は明治時代に急速な近代化を遂げたと指摘される。しかし、これは「文明開化」や「殖産興業」のみに着目した偏った見方である。当時の指導者たちは西郷隆盛はもちろん、板垣退助も伊藤博文も福沢諭吉も、みな元は武士であった。彼らは明治時代になっても「サムライ精神」を胸に抱き、武士道を導きの糸として、わが国の未来を切り開いた。 サムライたちは「戦い」において本領を発揮する。わが国中世において最大の戦いは豊臣秀吉の朝鮮出兵であったが、徳川幕藩体制はこの「戦う自由」を封じ込めることにより天下太平の世を実現した。その一方、秀吉が夢見た朝鮮さらには中国の征服は江戸時代、国学の流れをくむ学者たちにより正当化され、この思想は幕末の志士たちに受け継がれた。 幕末の動乱により天下太平に幕が引かれ、わが国は再び「戦い」の時代に突入する。封じ込められていた「戦う自由」が呼び覚まされ、朝鮮や中国を「征服する自由」も復活する。日清戦争、日露戦争を経て日中戦争、太平洋戦争にまで連なる「戦い」の近代史は中世から流れる「サムライ精神」により引き起こされたのである。 本書の続編に当たる『民衆 対 陸軍』は日露戦争終結後から太平洋戦争までを「民衆の台頭」をキーワードとして描く。
  • 明治讐鬼伝
    -
    〈警視局内部に汚職と強請組織の頭がいる!?〉川路警視局長が渡欧中の明治十二年六月、巡査殺しの犯人を追っていた探偵掛・藤田五郎は恐るべき事実をつかみ、愕然とした。そんな最中、藤田は殺し屋一味“十五屋”の石動重左と知り合った。重左は神陰流の剣の達人であり、尾去沢鉱山払い下げ事件で巨額の私服を肥やした井上馨工部卿の命を狙っていた…。

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  • 明治新選組
    4.3
    明治5年初冬、浅草蔵前の裏長屋の一室に、男が居を定めた。箱館五陵郭で降伏し、新島に終身刑で送られていたものの、思わぬ赦免状で江戸に移った相馬主計(かずえ)。相馬は常陸笠間藩を脱藩して新選組隊士になり、鳥羽伏見戦争後、各地を転戦。土方歳三の戦死後は新選組隊長を名のっていた。先に逝った者たちを想いつつ日々を過ごそうとした主計には、数奇なめぐりあわせが待っていた――。第10回日本エンタテインメント小説大賞を受賞した表題作のほか「近江屋に来た男」「後鳥羽院の密使」「斬馬剣新六郎」「一つ岩柳陰の太刀」「尾張忍び駕籠」を収録。歴史の闇に埋もれた志ある男たちの姿を描き出す気鋭の傑作歴史小説集。
  • 明治忠臣蔵
    -
    幕末維新の混乱期、変革の世の荒波に揺れる加賀前田藩を、さらなる激震が襲った。藩主・前田慶寧の懐刀であり、藩政改革を推進してきた若き執政・本多政均が、改革に反対する藩士一派の凶刃に倒れたのである。代々家老職にあった本多家、その遺臣たちは主君政均の無念を晴らすべく、敵討を決意する。そして明治4年11月23日、義士たちは立つ。奇しくもそれは、敵討禁止令発布のわずか1年あまり前の出来事であった――。武士の本懐を貫き散った義士たちの敵討劇を描く歴史長編。
  • 明治天皇 全6巻合本版
    値引きあり
    -
    幕末、日本近海には外国船が頻繁に出没し、徳川幕府の動揺をさそっていた。一方、貧窮のつづく禁裏では、今上の帝(孝明帝)が暗澹たる世情を憂いておられる。そうした折り、生を享けたのが明治天皇であった。浦賀に現れた黒船は、徳川二百六十年の泰平の夢を破った。激しく開国を迫る列強に、佐幕開国か尊皇攘夷か、世論はまっぷたつに割れた。大老井伊直弼の果断にして仮借ない政策は、世にいう“安政の大獄”の嵐となって全国に吹きあれた。将軍継嗣問題も強引に紀州慶福と定め、水戸派勢力の一掃がなされた。その反動は大きく、京洛は天誅につぐ天誅の巷と化した。騒擾のなか、まだ自分の運命は知らぬまま、祐宮は、健やかに成長していた。桜田門外の変で井伊直弼が倒れると、幕府には和宮降嫁にすがる公武合体の融和策しか手段がなくなった。騒然たる世相のさなか、将軍家茂が倒れ、つづいて孝明帝も崩御。若き睦仁親王(明治天皇)の双肩に国家存亡の危機がのしかかる。
  • 明治の文豪セット
    -
    明治を代表する文豪の作品を厳選紹介! 収録作品は、夏目漱石『こゝろ』『三四郎』『それから』『門』 森鴎外『舞姫』『山椒大夫』など。 何度も読み返したくなる珠玉の名文をあつめました。
  • 明治叛臣伝
    3.0
    明治維新前後の混乱期。官軍となった薩摩・長州藩士の中には、心驕って汚職や不正を働く輩も。このため、一般民衆の生活はあまり向上せず、かえって負担が重くなり、苦しくなった。 新政府の不正を暴き、理想の世を築くために、欲も野心もなく、純粋な情熱を傾けて戦った男たち。反逆者の汚名をうけ、空しく命を失った彼らの波乱に満ちた生涯を描く傑作歴史小説。
  • 明治・人斬り伝
    -
    司法卿を狙う刺客七人を倒し、一夜にして時の人となった“人斬り警部”ことニ階堂晋介は、その功績によって不平士族の標的となった。だがその晋介にも密かに狙う「標的」がいた。大恩ある江藤新平を叛逆の罪で処刑した政府、その黒幕・大久保利通暗殺である。しかし“人斬り警部”を利用しようとする様々な思惑が、晋介を翻弄しはじめるのだった…。

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  • 明治無頼伝
    4.0
    新選組三番隊長・斎藤一――鳥羽伏見の敗戦後、会津藩に身を投じ、軍と闘い抜いた彼は、明治になり、藤田五郎と名を改める。新政府に抵抗を続ける旧会津藩士・高津仲三郎を助けるべくその跡を追い、東京警視庁に奉職しつつ、さらに西南戦争にまで参加した彼が見た「明治」という時代とは。幕末有数の剣士といわれ、時代の変化にも己の節を曲げずに強く生き抜いた男の軌跡を追う、本格歴史長編小説。

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  • 迷走大将 上杉謙信(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 英雄の生身の人間像に鋭く迫る、初の戦国長編!! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 明と暗のノモンハン戦史
    4.3
    1990年前後から、ノモンハン戦史に関する旧ソ連軍側の第一次資料が利用できるようになったことから、在来のノモンハン戦像が大きく揺らいだ。著者が本書を執筆しようと考えたのも、この動きが進んで、日露(ソ)双方の資料がほぼ出そろったと見定めたからである。従来までの日本側資料中心の研究では、「日本軍の人的損害はソ蒙軍の約二倍」「ソ連の圧倒的勝利、日本の惨敗」という「既視感」が定着していた。しかし、旧ソ連側の資料が公開されるにつれ、ソ連側の人的損害などが日本軍を上回っていたことが判明し、「日本が勝っていたのではないか」という議論が盛んにされるようになってきた。著者の今回の研究では、数字だけを見ての判断ではなく、「何を目的に戦われたのか」「その目的をより達成しえたのはどちらか」というような視点から、新たにノモンハン戦を掘り下げてゆく。戦史研究の上で見落とせない一冊である。

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  • 名刀月影伝
    3.0
    『天下に小烏丸はただひと振り』藩主松平定信の一言から、白河藩の山本助十郎と絵師の林幹之助は、平家ゆかりの宝剣小烏丸の真贋吟味を命じられる。ふた振りある小烏丸のいずれが真物なのか――。その後、定信が編纂する古宝物図録集『集古十種』に収録する刀剣の調査のために、上方入りした二人は、粟田口則国が奉納された八幡宮で放火事件に遭遇する――。三条宗近、正宗など世に名高い名刀の消息を訪ねる二人旅が始まる。
  • 「鳴動」そこむし兵伍郎 奥州岩月藩出入司元締手控
    値引きあり
    -
    奥州岩月藩の金庫番、出入司元締の要職にある富沢兵伍郎は、藩上層部の権力闘争を尻目に、新田開発を推進、さらに良質の木材の「輸出」をもくろむなど、疲弊しきった財政の建て直しに日々奮闘する。しかしその途上、藩は幕府から蝦夷地出兵を命ぜられる――!
  • 名品絶塵
    -
    欽家は蘇州でも有名な贋作の専門家系であった。贋作というからきこえがわるいので「複製品の製作」と言いなおせばよいであろう。おなじにせものでも、欽家のつくったものとわかれば、「欽家款」といって、かなり高い値段がついたものだ。 蘇州の有数な画人である貢幻門に二人の門下生がいた。一人は模本づくりに熱中する欽晋道で、もう一人は蒙古の朝廷に仕えて重用されている高応城である。 南宋の首都臨安が陥落したのは一二七六年二月だが、それより三年前、元軍の包囲を五年にわたって受け力尽きた襄陽の陥落が南宋の運命をきめた。そしていま芸術のみやこ蘇州は蒙古軍の襲来の前に風前の灯である。 欽家は蘇州の名品を必死で守ろうとしていた。しかし、その方法は? 蘇州にも蒙古の馬蹄の響きが伝わってきたのだ。

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  • 死神幻十郎 冥府の刺客
    4.0
    南町奉行同心神山源十郎は三河の代からの直参で、源十郎の代で九代目を数えた。 阿片密売組織の罠にはまり、妻を凌辱されたばかりか、自身小伝馬町の揚屋に収監された。 奉行の沙汰が下り、斬罪の裁決が決まった。 しかし、男は死罪所で死ななかった。身代わりの罪人が死に、地獄の底から舞い戻ったのだ。 一度死んだ男、死神幻十郎は楽翁と呼ばれる老人に迎えられ、闇の剣を疾らせるのだった。
  • 冥府の刺客
    -
    長崎の女郎・花桂は、同じ宿の女郎・薄雲に元気がないのが気になっていた。それを尋ねると、薄雲は、天草四郎と情を通じたと話した。総大将の四郎が討ち死にした島原の乱が治まってから、すでに十二年が過ぎている。討たれた首は替え玉のものだったのか。四郎は、原城に散った一揆勢三万七千余の血涙の思いをはらすとも語っていた。史実に挑む「性と暴力」の新路線。
  • 名門斬り 居眠り同心影御用14
    3.5
    将軍の側近くに仕える書院番組頭から影御用。 事態は思わぬ展開へ! 身を持ち崩した名門旗本の御曹司を連れ戻す単純な依頼に、一筋縄ではいかぬ深い陰謀が秘められていた。 同心父子にも危険が迫る! 居眠り源之助シリーズ、第14弾 北町奉行所の凄腕筆頭同心・蔵馬源之助は故あって「居眠り番」と揶揄される閑職に左遷された。同心の矜持を保つべく始めた「影御用」だが、今回は将軍の側近くに仕える書院番組頭で大身の名門旗本から直々に極秘の御用を依頼された。身を持ち崩した息子を連れ戻してほしいという。一見単純な依頼だったが、事態は思わぬ展開を見せ、殺人事件も……。
  • 明暦群盗図(電子復刻版)
    -
    戦国の遺風いまだ消えず、巷に浪人があふれていた明暦年間――女遊びがこうじて扶持を失った伊吹進二郎は、ふとしたことから、芝居小屋瓢座(ひさござ)を根城とする群盗の仲間にはいることになった。頭の草間匡助、若衆春日千之助、天草の乱の残党細見喜十郎など、腕に覚えのある面々が揃っていた。いずれもが、世をすねて太く短く生きようとの魂胆。ある夜、日本橋の豪商くじら屋に押し込んだ……。長篇時代小説。

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  • 明暦水滸伝
    -
    時は明暦。家康がもたらした太平の世が次第に息苦しさを増す中、幕府の将来を憂慮した知恵伊豆こと老中・松平信綱は、江戸全体を陥れる、無謀かつ非情な陰謀を企てた。一方、信綱と因縁浅からぬ旗本奴・水野十郎左衛門は日々に倦んでいた。しかし、この陰謀を知り動き出す……。江戸水滸伝三部作、第二弾。『無頼の剣』を改題。
  • 明和絵暦
    -
    尊皇学者・山県大弐の影響をうけ、藩の進むべき道をめぐって対立を深める小幡藩の青年藩士たち。そして兄と許嫁とが敵味方に分かれることになった時、八千緒は……。大弐と苦難をともにする若者たちをとおし生涯のテーマ〈人間の真価は何を為したかではなくて、何を為そうとしたかだ〉を追究。若き周五郎が娯楽小説作家としても第一級の腕前であることを証する二作目の新聞小説。

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  • めおと
    3.5
    小藩の江戸留守居役・倉田家に、一人の女が姿を現した。夫・勇之助の、腹違いの妹だと聞かされた幸江は戸惑いながらも迎え入れるが、どこか様子がおかしい。兄妹の間に何か秘密があるのではないか? 女の正体は…。疑惑にさいなまれる若妻を描く「江戸褄の女」をはじめ、「猫」、「佃心中」、「駆け落ち」、「虹」、「眩惑」など、夫婦や男と女のそれぞれの“かたち”を綴る珠玉の全6篇。人気作家の原点を示す、オリジナル傑作時代小説集。
  • 夫婦十手
    3.7
    岡っ引き・七五郎(しちごろう)が無惨(むざん)な死骸(むくろ)で見つかった。一人娘のお蝶(ちょう)は仇討を誓うが、下手人は藪(やぶ)の中。父の十手を返しにいったお蝶は、南町奉行所吟味方与力から新たに十手を拝領することになった。夫となった虎三と夫婦で事件の探索に当たっていた折、七五郎惨殺事件の糸口がつかめた。そして浮かび上がった「真相」とは――。本邦初の「夫婦目明し」シリーズ第1弾登場!
  • 妾屋昼兵衛女帳面 側室顛末
    3.3
    世継ぎなきはお家断絶。苛烈な幕法に苦しむ大名旗本は、秘かに妾屋を訪れた。そんな稼業を営む山城屋昼兵衛の元に、ある日、仙台藩主の側室の求めが。だが、それを機に将軍継嗣にも絡む大規模なお家騒動が勃発。巻き込まれた昼兵衛は、側室を守る大月新左衛門と共に、大藩との熾烈な暗闘を繰り広げる。 人気沸騰の著者が放つ新シリーズ第一弾!
  • 妾屋の四季
    3.8
    女で稼ぐ商売ゆえ、体を張って女を守る――その矜持を胸に秘めて妾屋を営む山城屋昼兵衛。哀愁漂う過去を振り切り、今を豪快に生きる山形将左。武士という身分を捨て、愛する八重と生きる道を選んだ大月新左衛門。大奥や吉原との激闘を潜り抜けた三人はその後も波乱の四季を生きていた。女の悲哀と男の気概。「妾屋昼兵衛女帳面」シリーズ外伝!
  • 目からウロコの太平洋戦争 複雑な戦史がスッキリわかる!
    -
    太平洋戦争が終結して半世紀以上の年月が流れている。しかし、この戦争のもつ意味や問題は今でも取りざたされている。太平洋戦争とは一体どのような戦争だったのだろうか。二度とおこしてはならない悲劇の歴史ではあるが、この戦争なくして現在のアジアや日本を語ることはできない。とくに日本にとっては軍国主義から民主主義国家へと変貌を遂げた、大きな転換のきっかけともなっているのだ。だが、中学・高校では時間的な制約もあって、近現代史、ことに太平洋戦争はあまり学ばれることなく通過してしまう。本書は太平洋戦争の原因から経過、結末などをわかりやすい文体で綴った入門書となっているので、誰にでも無理なく読める一冊。また、当時の日常生活や国民が統制された現実などを、豊富な写真と資料で展開している。語り継ぐべき教訓は、次代へしっかりと伝えていくべきだとする、歴史の認識が新たになる好著。

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  • 妻敵にあらず 足引き寺閻魔帳
    -
    与惣次行きつけの居酒屋に忘れられた風呂敷包み。中には位牌と骨壺、それに十両もの金が。最近馴染みになった老人・吉助が置いていったのだ。経緯を聞いた宗徳は与惣次を連れて吉助の住居を訪れたが、すでに引き払われていた。長屋の住人の話では、一緒に暮らしていた女が流行病で亡くなったという。そのとき突然、紀州犬の豪の吠え声が響いた。見ると袴姿の若侍が逃げてゆく背中が……。

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  • 妻敵の槍 無茶の勘兵衛日月録15
    3.0
    越前大野藩の次期後継松平直明廃嫡を目論む幕府大老酒井忠清と、その走狗越後高田藩小栗美作による執拗な工作は、大野城下に暗殺団を潜らせるに至った。御耳役落合勘兵衛と影目付らの活躍で彼らを一掃することに成功。しかもこれは藩内の誰一人知らぬ隠密裡に行なわれたが犠牲も大きかった。が、更に新たな事態が……

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  • 眼鏡屋直次郎
    -
    花の大江戸、文政年間。「全く新しい眼鏡を作ってやる!」と意気込む男がいた。日本橋の老舗眼鏡屋の跡継ぎ息子直次郎。蘭方医学を志し、長崎でシーボルト先生に師事したものの落ちこぼれ。自暴自棄になっていたところに舞い込んだ「女向け眼鏡を作ってほしい」という吉原一の美人太夫からの注文で目が醒めた。やっと見つけた自分の道をきわめるべく、再び長崎へ――。
  • 目利き芳斎 事件帖1 二階の先生
    -
    湯島に千里眼あり──。 持ち込まれる謎を、次々と解き明かす! 三年ぶりに実家に帰ると、帳場には妙な男が……。 骨董屋の跡取り和太郎と鷺沼芳斎の出会いだった。 江戸の謎解きはおまかせ! 謎解きって面白い! 新シリーズ第1弾! 「お帰り、和太郎さん」「えっ」──どうして俺の名を知ってるんだ…いったい誰なんだ? 家を飛び出て三年、久しぶりに帰ってきたら、帳場に座って俺のあれこれを言い当てる妙なやつが──。湯島の骨董屋「梅花堂」に千里眼ありと噂される鷺沼芳斎と、お調子者の跡取り和太郎の出会いだった。骨董の目利きだけでなく謎解きに目がない芳斎が、持ち込まれる謎を解き明かす事件帖の開幕。
  • 女狐
    5.0
    お前、私と相対死しておくれでないか――女の一言が男を出口なしの恋の地獄へと落とした。大店の若内儀・お艶との心中の仕損じから落ちぶれた伝次の、無惨きわまる恋を描く表題作をはじめ、市井に咲いた毒の花・悪女を凄艶に描いて鮮やかな時代小説デビューをかざった傑作短篇集。
  • めぐり逢い 新島八重回想記
    4.0
    天保14年、新島襄は上州安中藩江戸屋敷詰の祐筆の家に生まれる。尊皇攘夷運動の中、キリスト教精神に触れてアメリカへの密航を決意する。他方、八重は会津藩の砲術指南役の家に生まれる。藩主・松平容保が京都守護職に任ぜられ、鳥羽・伏見の戦いが勃発する。──単身渡米して西洋の精神を学ぼうとする襄。会津城で最後まで戦った八重。後にキリスト教精神の「良心」に基づく大学創設に結実するそれぞれの人生の軌跡とは!
  • めぐり逢ふまで 蔵前片想い小町日記
    4.0
    独り身上等! 結婚は初恋のあの人とする。ああ胸がいっぱいで、まんじゅう食べる手がとまらない……7歳の時に命を救ってくれた〈光る君〉に恋焦がれ、いまや23歳の〈片思い小町〉おまき――だったが、近頃すてきな男(年下の医者見習いや絵師志望の優男)が次々目の前に。だめいけない、あたしは〈光る君〉だけと決めてるの、ああ、でも、どうなってしまうの!? ……迷走する恋模様5篇による〈江戸大恋愛〉連作長篇。
  • 巡る桜~上絵師 律の似面絵帖~
    3.7
    池見屋から巾着絵の仕事を減らされ、律は焦りを覚えていた。そんな折、葉茶屋・青陽堂では、商品に古茶が混じったことで、得意客が離れる騒ぎが起こる。商売敵による差し金ではと若旦那の涼太は悔しさを滲ませるのだが……。職人としての誇りをかけた仕事に打ち込みながら、ゆくえ定まらぬ恋に心揺らす律。得意の似面絵が事件解決にも一役買う、人気シリーズ第四弾。
  • 目こぼし歌こぼし
    -
    下級武士の息子・足柄七十郎は、ふとしたことから、城下の居酒屋「とろろ」で起きた、不可解で恐ろしい殺人事件にまきこまれた。事件の渦中におかれ、謎の古地図をふところに、仇討ちに出た七十郎は、藩の非人間的な搾取のからくりを知る――人間が真に人間らしく生きる自由と平等の問題を追求した、意欲的な長編時代小説。
  • 飯盛り侍
    3.8
    佐嘉龍造寺家の足軽・弥八は、戦の後方支援を担う賄い方として、日々食糧調達に奔走していた。戦に傷ついた仲間にうどんを振る舞う弥八に目を留めた当主・隆信は、自らを満足させる飯を作らねば斬り捨てると言い渡す。傘代わりの鉄鍋を頭に、腰に包丁を差した"飯盛り侍"の一代記、開幕!<文庫書下ろし>
  • 目付殺し 風烈廻り与力・青柳剣一郎[8] 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    4.0
    匕首で心の臓を一突きする殺しが頻発していた。青柳剣一郎配下の同心只野平四郎は、五人目の殺害現場に遭遇し男と対峙。腰の据わりや俊敏な動きから、相当な遣い手と看破する。さらに被害者が御小人目付、御徒目付と、旗本を監察する役人にまで及び、剣一郎は背後にただならぬ陰謀の存在をかぎ取るが……。情と剣とで悪を断つ! 風烈廻りシリーズ第8弾!
  • 神君の遺品~目付 鷹垣隼人正 裏録(一)~
    3.5
    五代将軍綱吉自らの推挙で目付役となった鷹垣隼人正暁。ある日、一人の書院番が駿府勤番中の悪行で斬首にされ、三人の子息も切腹となった。疑念を抱き調べる暁を謎の浪人が襲うが、義兄・五百旗平太郎の剣が撃退する。将軍の座を巡り、黒鍬、伊賀、甲賀の忍や妖しの僧兵が暗躍。失われた記録はどこに? 綱吉の許しを得て探索する暁は、平太郎を伴い駿府へ……。
  • 芽吹長屋仕合せ帖 ご縁の糸
    3.5
    不貞を疑われて妻の座を追われ、独り住むことになった日本橋の芽吹長屋で、おえんはふとしたことから男女の縁を取り持つことになる。嫁(い)き遅れた一人娘と絵の道をあきらめた男、ひどく毛深い侍と若い娘、老いらくの恋。遠慮のない長屋のつきあいにもなじむ頃、おえんの耳に息子の心配な噂が入ってくる……。人びとの悲しみと幸せを描く時代小説。『結び屋おえん 糸を手繰れば』改題。
  • 芽吹長屋仕合せ帖シリーズ(全3巻)合本版(新潮文庫)
    -
    不貞を疑われて妻の座を追われ、独り住むことになった日本橋の芽吹長屋で、おえんはふとしたことから男女の縁を取り持つことになる。嫁(い)き遅れた一人娘と絵の道をあきらめた男、ひどく毛深い侍と若い娘、老いらくの恋。遠慮のない長屋のつきあいにもなじむ頃、おえんの耳に息子の心配な噂が入ってくる……。人びとの悲しみと幸せを描く時代小説。 ※当電子版は新潮文庫版『芽吹長屋仕合せ帖』シリーズ全3巻をまとめた合本版です。
  • 芽吹長屋仕合せ帖 日日是好日(新潮文庫)
    完結
    4.0
    長屋に暮らし縁結びの仕事に生きがいを感じているおえん。だが、三十路半ばにして、ふと思案する。わたくしは一人で生きていくのだろうか……。そんな時、持ち込まれたのは、あろうことか別れた夫の再縁話、そして自分の見合い話だった。焦らず、己れをごまかさず、わたくしは、わたくしを生ききろう――。丁寧に気持ちに向き合う日々の先に出会えたご縁とは。芽吹長屋仕合せ帖シリーズ最終巻。
  • 芽吹長屋仕合せ帖 日照雨(新潮文庫)
    4.5
    三十代のおえんは独り長屋で暮ら しながら〈縁結び〉の仕事をして いる。評判はよいがいささか難し い話も舞い込んで……。息子を一 人で育てる女の縁をとりもつ「結 び観音」。腕のいい魚売りがなぜ か縁談に尻ごみする訳とは(「鯛 の祝い」)。他、「神かけて」「夕 明かり」「余寒」表題作の全六編。 人の営みの陰影を〈ご縁の糸〉が 浮かび上がらせ、照る日曇る日の 心の機微をしみじみ描く時代小説。 (解説・大矢博子)
  • 雷剣の都 目安番こって牛征史郎4
    3.0
    京都所司代・松平豊後守資訓急死の陰に謀殺の疑いありとの投書が目安箱に入った。真相を探るべく京に上った目安番・花輪征史郎は、鞍馬山中の寺で驚愕の光景に出くわした。境内の裏手で九代将軍家重呪殺の調伏が始まったのだ。しかもその場に、将軍の弟・田安宗武の姿も見える。これは何を意味しているのか? 無外流免許皆伝の心優しき旗本次男坊好評シリーズ第4弾!
  • 虚飾の舞 目安番こって牛征史郎3
    3.0
    九代将軍家重の側近・大岡忠光から示された、目安箱への連日の無記名の投書には「勅語奉答の儀の時、何かが起きる。仮名手本忠臣蔵以上の事件になる恐れあり」とあった。直参旗本千石、花輪家の次男坊・征史郎は「目安番」として、投書の裏を探るべく、将軍の弟・田安宗武の身辺から調べはじめた。征史郎の剣と兄の目付・征一郎の頭脳が策謀を断つ!
  • 誓いの酒 目安番こって牛征史郎2
    -
    直参旗本千石、花輪家の次男坊・征史郎に、九代将軍家重の側近・大岡忠光から密命が下った。日本橋の両替商・両口屋が目安箱に「喜多方藩で御家騒動の恐れあり」と投書してきたので探索せよ、というのである。喜多方藩主と家重の次女紀美姫の婚儀が整っていた。無外流免許皆伝の征史郎は両口屋に出向いたが……。
  • メリケンざむらい
    -
    米田桂次郎は、万延元年(1860年)に16歳で、日米修好通商条約批准交換のための幕府遣米使節団に、通訳見習いとして随行した。アメリカ人にトミーと呼ばれる人気者で、当時の通詞の中では抜群に英語がうまくなった。帰国後はハリスに仕え、戊辰戦争で敗走。激動の時代を大正初期まで生きぬいた、米田桂次郎の波瀾の生涯。
  • もう一枝あれかし
    3.5
    すれ違う子供が泣き出すほどの醜男の、愚直な恋のゆくえ(「甚三郎始末記」)。騙されていると知りながら待ち続ける遊女の哀しき運命(「風を待つ」)。自ら始末をつけるべく散り急ぐ男に、残された妻の覚悟を描く表題作など、心に染み通る5篇。四季の彩り溢れる情景と、男女の一途な愛を細やかに綴る傑作時代小説。解説・大矢博子
  • 孟夏の太陽
    4.8
    為政者の徳とは何か。 現代にも通じる王と宰相の関係を描く長篇! 古代中国・晋の宰相として国を支え続けた趙一族の盛衰を、 歴史と運命への透徹した視点をもって描いた初期の傑作長篇。 中国春秋時代の大国・晋。 この国の重臣を代々務めた趙一族。 太陽 の如く酷烈な趙盾、族滅の危機に瀕した趙朔、 名宰相・趙武、王子 朝の乱を鎮定した趙鞅、その子趙無恤……。 二百年にわたる一族の興亡を、透徹した歴史観と清冽な筆致で描いた著者初期の傑作。 指導者に求められる「徳」のありようをめぐる物語。 解説・平尾隆弘 ※この電子書籍は1994年に刊行された文春文庫の新装版を底本としています。
  • 耄狂耄語
    -
    あなたに“読む資格”は存在するのか 現代社会の「正しさ」を疑い、 物事の本質を見抜く生きた哲学書。 ――正解を求めるな。最適解を探せ 「正解」は時代の変容に耐えられない。答えは常に、その瞬間の「最適解」でなくてはならない。 ――賢くなるより、愚直であれ 努力なき「賢さ」は「小賢しさ」に堕ちる。「愚直」に徹して生きれば、真理への道が観える。 ――明るい道より、暗い道を選べ 分かれ道では、自分が損する道を選べ。その犠牲が相手の心を動かし、巡り巡って自分に返ってくる。 凡庸を嫌い、愚直を愛し、一所懸命に生き抜く76の教え

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  • 蒙古来たる(上)
    -
    朝鮮海峡のはるか彼方に不気味な牙をむくフビライの蒙古。フビライは何度も使者をよこし、「友好」と称した臣従を日本に求めてきた。鎌倉幕府はおののき、国論は分裂した。幕府の執権北条時宗は悩みつつも強硬派に組していた。一方、幕府の御家人で伊予の豪族・河野通有はこの指針を危ぶみ、時宗に諫言しようと鎌倉をめざす。その途上の京都で、通有は公卿の中納言実兼に遭い、実兼が和平論者と知るが、疑念もいだく。事実、実兼には蒙古などどうでもよく、幕府の支持する現天皇をしりぞけて、上皇をかつぎだす思惑で動いていたのである。その手足が幕府の六波羅探題(京都)の長官赤橋義宗であり、鎌倉にいる義宗の弟義直であった。実兼はすでに肥後天草の武士・獅子島小一郎を籠絡し、天皇暗殺さえ企てていたが、これは小一郎に見抜かれて失敗していた。これらの人物たちに、日本に逃げてきているペルシャの王女と家来たち、それを援助するクグツの一団が絡む。さらにはおどり念仏を主唱する智真房、声高に救国を説く日蓮などの時代の動きをもまじえて、物語はアジアにまで広がる舞台と複雑な経緯を描きながら、ついに蒙古の襲来というクライマックスへ。

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