歴史・時代小説作品一覧

  • 奇策―北の関ヶ原・福島城松川の合戦
    3.7
    独眼竜vs.老将!圧倒的な軍勢に真っ向立ち向かった、知られざる“北の関ヶ原”。――慶長五年(1600)、東北の覇権を狙う伊達政宗が二万の兵を進めるなか、福島城を守る上杉方は僅か四千だった。圧倒的不利の中、裏切りの常習者である福島城代・本庄繁長は、いかにして戦うか!?

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  • 奇策屋見届け人 仕掛の章
    値引きあり
    5.0
    旗本の次男坊の仁之助は、とある不祥事のせいで婚家を追い出される。彼は流れ流れて辿り着いた品川宿の「悪人町」で、「奇策屋」の看板を掲げる“おとこ名の美女”宗次郎と出会い、怪しげな仕事を手伝うが……!?
  • 貴三郎あやつり草紙 斬奸
    -
    貧乏旗本の貴三郎は、家族にも内緒で人形芝居小屋でアルバイトをする身。だが、ある夜見知らぬ老人に声を掛けられ、到底無理と思われる仕事を依頼される。引き受けねば、アルバイトをバラすと脅され、しぶしぶ依頼をうけるのだが……。

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  • 如月剣士(上)(電子復刻版)
    -
    紀伊藩主・吉宗が八代将軍職を継いだ。だが、六代将軍・家宣が尾張家のために遺したという御墨附を手に入れ、吉宗の失政を画策する尾張藩の強硬派津田兵部の宿怨は深い。大岡越前守は怪盗五ツ目小僧を密偵に尾張藩の野望を阻止せんと秘策を練る。また、播州三日月城主・森安芸守は吉宗方の密命を帯びて江戸へ。一方、江戸下谷に道場を構える元紀州藩士・立花隼人正は尾張藩邸に乗込むが……。名作時代小説。

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  • 気散じ北斎
    4.0
    希代の絵師・葛飾北斎とその娘・お栄。 数十年にわたる奇妙な親子の絆。 そして蔦重や写楽、歌麿らとの 交わりのなかで浮かび上がる、驚愕の真実とは? 25年大河ドラマ主人公・蔦屋重三郎も登場の傑作時代小説! あんたは私で私はあんた―― 絵師・葛飾北斎は後妻の連れ子であるお栄(後の葛飾応為)と初めて出会ったとき、 手本と寸分たがわぬ線で蛇の絵を見事に描く姿に驚く。 お栄が酒癖の悪い実の父親から虐待を受けていたことを告白すると、 北斎は一生をかけてお栄を守ると誓うが… 合わせ鏡のような北斎とお栄の奇妙な親子関係と版元の蔦屋重三郎、東洲斎写楽、喜多川歌麿、渓斎英泉ら絵師との交わりのなかで、 ある驚愕の真実が浮かび上がる――綿密な時代考証と斬新な着想で描く傑作長編小説! 「「狂」を生きる北斎の知られざる豊かなエピソードを活写した傑作」 菊池仁(文芸評論家)
  • 輝山
    4.1
    代官・岩田鍬三郎の身辺を探るため、江戸から石見国大森銀山にやって来た金吾。代官所で中間として働き始めるが、そこで待っていたのは銀山を支えるため懸命に生きる人々との出会い。 命の危険にさらされながら間歩の中で鉱石を採掘する掘子、重い荷を運び母と妹を養う少年、世を憎み、酒浸りの日々を送る僧侶。そして彼らを慈悲深く見守る岩田鍬三郎……。 さまざまな思いに触れ、金吾はいつしか彼らに魅せられていく。 新直木賞作家の受賞第一作!
  • 鬼手 小早川秀秋伝
    3.0
    将来の豊臣政権の重大な役割を担うよう、父・秀吉に言い聞かされ育った秀秋。だが秀吉の死後、豊臣家を支えるふりをしつつ、私利私欲のため実力者同士が衝突を始める。秀秋は愚者を装い、敵味方を冷静に判断し行動する。そんな彼を、陰に陽に手助けする武将たち。やがて日本はふたつの勢力に分かれ運命の時を――。息詰まる合戦シーン、頭脳戦を織り交ぜ、気鋭が新解釈で描く慟哭の物語。関ヶ原小説の新スタンダード!
  • 喜娘
    4.3
    帰国を前にして皇帝代宗に謁見した第14次遣唐使一行の前に、ひとりの娘が現れた。第10次遣唐大使として入唐しながら帰国できず、唐の朝廷に仕えて一生を終えた藤原清河の娘である。その忘れ形見・喜娘を父の故国日本へ連れてゆくよう申し渡される…。帰国した喜娘たちの運命を軸に、日唐交流の秘話とロマンを描く歴史文学賞受賞の表題作「喜娘」、梅の老樹から浮かび上がる下級官人の数奇な過去「惜花夜宴」、ほかに「夏の果て」「すたれ皇子」「嘉兵衛のいたずら」の3篇を収録。平城京に生きる人々の息吹が今に甦る秀作集。
  • 鬼神の剣
    -
    福岡藩黒田家の上士八名に凌辱された妻が一人息子を殺し、自害。なぜ、わが子まで道連れにしたのか? 復讐の鬼神と化し、一人また一人と妻の敵を葬る法眼又一。その脳裡にはいつも謎がこだましていた。幕末開国と波打つ時代の武士魂。

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  • 鬼神の如く―黒田叛臣伝―(新潮文庫)
    4.1
    「わが主君に謀反の疑いあり」。筑前黒田藩家老・栗山大膳は、自藩が幕府の大名家取り潰しの標的となったことを悟りながら、あえて主君の黒田忠之を幕府に訴え出た。九州の覇権を求める細川家、海外出兵を目指す将軍家光、そして忠之――。様々な思惑のもと、藩主に疎まれながらも鬼となり幕府と戦う大膳を狙い刺客が押し寄せる。本当の忠義とは何かを描く著者会心の歴史小説。司馬遼太郎賞受賞。(解説・島内景二)
  • 傷―慶次郎縁側日記―
    3.7
    空き巣稼業の伊太八は、「身内に迷惑を掛けない」というのがモットーだ。豊蔵から共謀を持ちかけられ、目的の瓦屋に忍び込んだはよかったが、何とそこは豊蔵の弟の家だった。自らの信条に反する仕事をさせられた挙げ句、あらぬ罪まで着せられてお尋ね者になってしまった伊太八──彼の運命やいかに? 元南町奉行所同心の隠居・森口慶次郎が人々の心を潤す、粋と人情のお江戸事件簿。
  • きずな水 人情料理わん屋
    4.0
    江戸の“グルメ”と“とらいあすろん”で、絆をつなげ! 客で賑わい商売繁盛な料理屋「わん屋」。そこに常連の同心が面白そうな話を持ち込んだ。大川での泳ぎくらべを見ていたある大名が感じ入り、泳ぐだけではなく、競馬、駆けるを足した三種で競い合う「三つくらべ」を思いついたのだ。皆賛同し、準備にかかるが、江戸の町を大火が襲い、三つくらべに出るはずだった火消しが巻き込まれてしまい…。
  • 奇跡の駆逐艦「雪風」 太平洋戦争を戦い抜いた不沈の航跡
    4.5
    太平洋戦争中、どんなに激しい海戦でも必ず生き残って帰投し、“奇跡の駆逐艦”と謳われた「雪風」。緒戦のスラバヤ沖海戦から第三次ソロモン海戦、ガダルカナル撤収作戦、レイテ沖海戦と数々の修羅場を潜り抜け、戦艦「大和」の沖縄特攻作戦からも生還した“不沈の航跡”は名高い。その強運から“神宿る”と呼ばれた「雪風」を舞台に、二百余名の乗員たちの激闘のドラマを描く!
  • 木曽義仲
    -
    朝日将軍木曾義仲は、信州が育んだ日本の英雄である。 地方から興って五万の大軍を率い、戦火で都人(みやこびと)を苦しめずに無血入城した武将は、有史以来木曾義仲が初めてである。 義仲の目的は、新天子を立て法皇一人独裁の院政を廃止して新しい国造りを行うことにあった。芭蕉、白石、芥川らに続いて見直す、真の義仲像とは…。 新視点で描く傑作歴史小説!
  • 木曽義仲 「朝日将軍」と称えられた源氏の豪将
    4.0
    源氏の貴種に生まれながら、わずか2歳で父を討たれ、母に抱えられて木曽の地に逃れてきた駒王丸。土地の実力者・中原兼遠の屋敷にかくまわれ、その子どもたちと兄弟同然に育った駒王丸だったが、自らの五体を流れる源氏の血を知り、平家全盛の世に何をなすべきかに目覚めていく。やがて義仲と名乗り、凛々しい青年武将となった彼のもとに、平家追討の令旨が下る。二十七歳の旗挙げである。その勇と武略で、横田河原の戦い、倶利伽羅峠の戦いを経て、わずか三年で平家を京から追い落とした義仲。だが上洛からわずか半年後、悲劇の運命が彼を待ち受けていた――。時代に風穴を開け、颯爽たる勇姿を歴史に刻んで散った稀代の英傑を活写する力作小説。樋口兼光、今井兼平、巴御前といった脇役たちの活躍も印象的な、魅力ある物語に仕上がっている。
  • 北風の伊三郎
    -
    裏街道を歩く者たち、追われている者、秘密の旅をする者、無宿人、それに女連れの旅人。下総無宿の北風の伊三郎もそんな一人だった。必殺の技、片目隠しの突きが空気を裂くとき、北風の音が聞こえるという。渡世の義理で用心棒を引き受けた伊三郎は、密命を帯びる武家の兄妹を守って、江戸まで五百三十キロ、敵がひしめく中仙道をひた走った……。
  • 北風の軍師たち(上)
    3.0
    大御所・徳川家斉の気随気儘から発令された三方所替え。二百年にわたり庄内を領した酒井家に代わり、有数の貧乏藩・川越松平家が転封してくるという事態に、庄内領民は阻止運動に立ち上がった。領民を先導する謎の天狗たち、そして庄内に先乗りした川越藩忍び組。両者の戦いの幕が切って落とされた。

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  • 北の黄金
    3.0
    時は寛文。松前藩福山城下は小さいながら賑わいをみせていた。だがその陰では、魔の山に眠る金山を巡り、幕府の隠密が暗躍していた。一方、藩政に不満を抱くアイヌの長・シャクシャインも不穏な動きを見せる。重なる危機に松前藩の秘策は──

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  • 北の麦酒ザムライ 日本初に挑戦した薩摩藩士
    -
    薩摩島津家一門に生まれた村橋久成。幼き日、西郷隆盛が人は愛するものと言った事を胸に刻む。長じて藩の英国留学生となり陸軍学を修得して帰り、戊辰戦争に参戦。勝者として北海道開拓使官吏となった久成は、倫敦で飲んだ旨い麦酒を日本で造ろうと奔走するが…。近代国家への改革の裏で藩閥の権力抗争が渦巻く現実に反発。エリートでありながら、敗者に寄り添い不器用に生きた侍を描く傑作歴史小説。
  • 北の武士たち・狼奉行 傑作時代小説集
    -
    自害の恐れがある代官の嫡男・孫四郎を預かった左金吾。領内に現れた盗賊の討伐に向かう夜、孫四郎が姿を消し――(「赤い米」)。羽州上山藩の僻地に赴任した靱負は、病を運ぶ狼と藩の陰謀に立ち向かう(直木賞受賞作「狼奉行」)。山形在住の直木賞作家が、北の武士の哀楽を活写する短篇集。書き下ろし二篇を収録した、文庫オリジナル編集。
  • 北の黙示録(上)
    -
    伊達政宗が150年前に抱いた、奥州独立の理想と野望。その実現に、伊達を盟主として南部・津軽・上杉・佐竹・二本松の6藩が起った。時は寛政4年、北海道根室にロシアの軍船・エカテリーナ号が寄港した。伊達藩は密かに使者を送り、貿易による経済力の強化、ライフル銃の大量輸入、六藩同盟の確立を急いだ。
  • 北前船用心棒 赤穂ノ湊 犬侍見参
    値引きあり
    -
    塩の浜を血に染めた犬侍の凄絶な立ち合い! 元禄14年春、播州赤穂に向け、摂津を出港する千石船があった。船の名は蓬莱丸、乗組員は素性の知れない面々ばかりで、白い柴犬を連れた千日前伊十郎と名乗る犬侍まで乗り込んでいる。生類憐みの令のもと、お犬様を手にかければ首が飛ぶ。打擲できない犬を従えた犬侍は最強の用心棒だった。 息が詰まるようなご時世に、将軍交代を望む声が出始める。候補は二人、紀伊國屋文左衛門が推す紀伊藩主綱教と大坂の豪商・三代目鴻池善右衛門がよしとする甲府藩主綱重だ。一方、伊十郎と二人、赤穂に先乗りした蓬莱丸の炊・権左は、次席家老・大野九郎兵衛に体よくあしらわれていたが、伊十郎の人柄に魅了された筆頭家老・大石内蔵助の妻りくのとりなしで、ようやく二家老の信頼を取り付ける。 胸襟を開いた大石によれば、松の廊下の刃傷事件の背後で糸を引いていたのは犬侍だという。塩受け取りの当日、潮が満ち始めた塩田の浜に甲斐犬を従えた犬侍・黒虎毛が立ち塞がる。身構える柴犬シロ。得意の石つぶてを握りしめる権左。ついに、伊十郎の龍王剣音無しの秘太刀が虚空に舞った。
  • 北町同心 一色帯刀
    値引きあり
    -
    北町奉行所の定町廻り同心・一色帯刀は、仲間内では融通の利かない堅物と評される四十路男。ある日、老中松平伊豆守信明から奉行所に、極秘の探索命令が下る。江戸の武家地に阿片が流通している噂があるという。同じ頃、同輩の稲垣十四郎が管轄する深川で女郎が斬り殺される事件が発生。現場を微行した一色は、門前仲町の店頭・伝兵衛の評判に不審を抱き、捜査を開始する。やがて伝兵衛の背後に、ある大名家の怪しい影が浮かび上がり……。
  • 隠密廻同心 北町の爺様1
    3.0
    八森十蔵と和田壮平、白髪頭二人の隠し技は、早手錠と寸鉄と七変化。 定廻同心は三十から四十歳。 五十でようやく臨時廻。 その上の隠密廻同心は、六十を過ぎねば務まらない。 これぞ時代推理捕物帳! 隠密廻同心は町奉行から直に指示を受ける。将軍にとっての御庭番のような御役目だ。隠密廻は廻方で定廻と臨時廻を勤め上げ、年季が入った後に任される御役である。定廻は三十から四十、五十でようやく臨時廻、その上の隠密廻は六十を過ぎねば務まらない。北町奉行所の八森十蔵と和田壮平の二人は共に白髪頭の老練な腕っこき。早手錠と寸鉄と七変化を武器に事件の謎を解く。 老練の二人が事件を謎解く新シリーズ第1弾!
  • 闇の黒猫―北町奉行所朽木組―
    4.8
    腕が立ち、情にも厚い定町廻り同心・朽木勘三郎と、彼に心服する岡っ引たちは、商家の盗難騒動、茶問屋跡取り息子失踪事件を鮮やかに解き、いよいよ江戸の闇夜に跋扈する「黒猫」の正体へと迫ってゆく……。
  • 風刃の舞 北町奉行所捕物控
    -
    江戸の空に放たれた一本の矢。それは律儀な魚売りの命を奪った。北町奉行所同心鷲津軍兵衛は、矢の作りから、大身旗本を疑う。すると、手先の下っ引を同じ矢が襲い、軍兵衛も柳条流の遣い手の旗本家用人と対する。その折、一家皆殺しの残忍な押込み一味の潜伏が知れ…。軍兵衛は旗本を裁けるか? 凶賊を捕えられるか? 八丁堀同心の心意気が胸に響く捕物帖。
  • 北町奉行所捕物控【合冊版/全8巻】
    -
    無辜の町人を手にかける凶悪な賊を、北町奉行所臨時廻り同心・鷲津軍兵衛が追い詰める! 悪に立ち向かう八丁堀同心の心意気が胸に響く傑作捕物帖、全8巻を収録した合冊版。
  • 北町奉行所前腰掛け茶屋 夕影草
    -
    元奉行所与力の茶屋の主・弥兵衛に、旗本から法外な金銭を要求されたという呉服屋から相談が…絶好調時代シリーズ第四弾!
  • 北町奉行所前腰掛け茶屋 片時雨
    4.0
    元奉行所与力の店には今日も事件が―? たちまち大反響、 新捕物帳シリーズ第2弾! 名物甘味に名裁き―― 茶屋に事件の香り立つ? かつて北町奉行所与力を務めていた奉行所前腰掛茶屋の老主人弥(や)兵(へ)衛(え)。 新しい甘味の創作に余念がなかったが、浅草で医者をめぐる騒動が起きていると客の噂話を耳にする。 貧乏人から薬代を強引に取り立てる医者町仲間と呼ばれる集まりがあるらしい。彼らの真の狙いとは? 茶屋の常連客の啓太郎と半次、そして看板娘の加代も探索に手を挙げるが……。
  • 北町奉行所前腰掛け茶屋
    4.0
    茶屋の主人は元奉行所与力。 貧乏長屋をく悪党どもの正体は? 名物料理と人情裁きが心に沁みる新捕物帳シリーズ開幕! 江戸北町奉行所の前で腰掛茶屋を開く老主人は、かつて奉行所で御仕置の記録をする与力を務めていた。 訴えや裁きの待合いのため訪れる客の話を耳にし、事件や揉め事の種を見つけ出しては、自ら解決に乗り出す。 看板娘の加代や息子の紀一郎の心配をよそに、仕込み杖を手に今日も探索へ繰り出す弥兵衛だが… 人情と捕物の傑作新シリーズ開店! 目次 第一章 おい、と答えて 第二章 思い半ばに過ぐ 第三章 爪に火をともす 第四章 単糸線を成さず 第五章 欲には目見えず 第六章 頼み難がたきは人心 第七章 暮れぬ先の提灯 第八章 金銀は回り持ち
  • 北町奉行所前腰掛け茶屋 朝月夜
    3.0
    茶屋の娘が追う 男の行方は― 女心と名残り月。 絶好調シリーズ 傑作人情捕物帳! もう一度、会いたい―― 女心の未練か、それとも…!? 元北町奉行所与力で腰掛茶屋の老主人弥兵衛。安倍川餅作りに精を出していたところへ、看板娘・お加代の幼馴染みのお葉が助けを求めてきた。江戸まで駆け落ちしてきた男に捨てられ、身寄りをなくしたお葉は店で働き始めるが……。一方、弥兵衛がかつて追い詰めた乗っ取り屋の一味が再び動き出したらしい。やがて弥兵衛らに魔の手が襲い掛かる!
  • 北町奉行 定廻り同心控
    -
    文化・文政期の江戸は、市中に犯罪がはびこり、事件事故の絶える日がなかった。江戸北町奉行所の定廻り同心・暁蘭之介は、冷徹な法の番人。町衆はみな彼を信頼し、江戸の治安を任せている。蘭之介は将軍家の行列先の通行をも許された御成先御免の着流しに、三ツ紋つきの黒羽織、大小の刀を腰に差し、今日も新たな事件に立ち向かう。自慢の心形刀流の剣を振るって悪を断つ、非情の同心を描く迫力の時代小説!一話完結の全五話で贈る、胸のすく傑作捕物帳!

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  • 北町南町かけもち同心
    -
    江戸八百八町の治安維持に努めていた町奉行所。北町、南町の二カ所があり、一月交替で職務を担当していたが、この両奉行所、実は昔から競争意識が強く、長い間、縄張り争いが続いていた。その深い確執によって、検挙率が下がっていることを懸念していた老中・三枝正弘は、両奉行所に風穴を開ける特命を、一人の同心に託す。“おっとり梅三郎”こと、服部梅三郎──。北町の姓名掛であったこの男の才覚を見込み、南町の同職をも兼ねることを命じたのだ。かくして二つの奉行所に立ち入れる役得の同心となった梅三郎は、双方の調べ書きに目を通し、互いの人事を活用して事件を捜索。町の安泰のため、江戸を駆け巡る! かつてない異色の捕物シリーズ、待望の開幕!!
  • 鬼弾 鹿王丸、翔ぶ
    3.7
    戦国の争乱で荒廃した京の町に、近江の六角(ろっかく)氏が攻めこんだ。しかし鎮撫(ちんぶ)のため町中を見回る六角勢の馬上の武士が次々と鉄砲で撃ち落とされる。標的を無慈悲に倒していくのは一匹狼の凄腕鉄砲撃ち。困り果てた六角氏は甲賀者・伴与七郎に謎の暗殺者の始末を命じた。見えない敵を探す闘いの火ぶたが切られた。(講談社文庫)
  • 喜知次
    4.0
    菊枕は頭痛持ちにきくというので先祖が植えた菊が咲き、花を摘み始める頃、妹ができた。 日野小太郎は五百石の祐筆の嫡男だ。赤い頬の妹を“喜知次”と呼んだ。 友人の牛尾台助の父は郡方で、百姓の動き不穏のため、帰宅が遅い。少年の日々に陰を落とすのは、権力を巡る派閥闘争だった。 幼なじみの鈴木猪平の父親が暗殺される。武士として藩政改革に目覚めた小太郎の成長に、猪平が心に秘めた敵討ちと喜知次への恋心を絡めて、清冽に描く傑作時代小説。
  • 橘花抄(新潮文庫)
    4.0
    両親を亡くした卯乃は、筑前黒田藩で権勢を振るう立花重根に引き取られたが、父の自害に重根が関与したと聞き、懊悩のあまり失明してしまう。前藩主の没後、粛清が始まった。減封、閉門、配流。立花一族は従容として苦境を受け入れるが追及は苛烈を極め、重根と弟・峯均に隻腕の剣士・津田天馬の凶刃が迫る。己の信ずる道を貫く男、そして一途に生きる女。清新清冽な本格時代小説。
  • 吉川元春 毛利を支えた勇将
    4.0
    三万の秀吉軍と相対した五千名の元春軍は、にわかに川の橋板をはずし、船を陸にあげ始めた。「なんと元春め、自ら退路を断つ気か。このような敵と戦っては、味方の被害は計り知れぬ」秀吉はたまらず姫路へと兵を引き揚げた。―父・元就を補佐して中国を平定、弟の小早川隆景とともに「毛利の両川」と称賛された吉川元春。天下取りの愚を避け、毛利の領国を守り抜いた賢明なる武将の生涯。

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  • 亀甲獣骨 蒼天有眼 雲ぞ見ゆ
    3.0
    物語の舞台は、歴史ファンの間でも注目度の高い清代末期の光緒25 年(1899 年)。 中国大陸に進出したイギリス、ドイツ、フランスをはじめとする西洋列強は、中国各地で分割支配を強めていた。 そんな列強諸国に対抗すべく、「扶清滅洋(清を扶け西洋を滅ぼす)」のスローガンを掲げた「義和団」を名乗る集団が、 山東省での暴動をきっかけに各地に広がり、社会は不安定な状況であった。 そんななか、杭州・西湖のほとりにある孤山に暮らす数え年で二十一歳の丁仁は、 金石学者である父・丁立誠の後を継ぎ、学究に勤しんでいた。 ある日、生薬である「竜骨」に神秘的な図形や文字のようなものが刻まれていて、北京で騒動になっていることを耳にした丁仁は、 丁家にかねてから出入りする北京在住の雑貨商人・元突聘に、その子細を尋ねようとする──。
  • 狐小僧、江戸を守る
    3.0
    時は江戸。上野の禅寺で住職の天暁と暮らす十四歳の少年がいた。名は弥六。かつて幕府と盟を結んでいた大妖怪・白仙と、人間の女の間に産まれた〝半妖〟の子だ。だが白仙は七年前、突然数多の妖怪達と江戸を襲撃し、姿を消した。以来幕府は怨霊怪異改方──通称・孔雀組を組織し妖怪を厳しく取り締まり、人も暮らしにくい窮屈な世となってしまった。弥六は、人も妖怪も平穏に暮らせる世を目指し、烏天狗の黒鉄と、夜ごと江戸の町を見廻るが……。妖怪×剣戟ノンストップ時代小説の誕生!
  • 狐の飴売り~栄之助と大道芸人長屋の人々~
    4.0
    贅沢三昧の放蕩息子が、大店を飛び出し、ある日突然、大道芸人たちと長屋暮らし! 熊の兄弟、一人芝居の男、猫の托鉢僧、茶売りの婆さん。こいつらと一緒に暮らす!? このわたしが飴を売る!? そこへ押しかけてきたのは、わたしを裏切った身重の元・許婚。もう、どうなっちまうんだい! 笑って泣けて、心がふわりと温まる江戸人情噺。
  • 喜連川の風 江戸出府
    値引きあり
    3.8
    石高はわずか五千石だが、家格は十万石。日本一小さな大名家が治める喜連川藩では、名家ゆえの騒動が次々に巻き起こる。家格と藩を守るため、藩の中間管理職にして唯心一刀流の達人・天野一角が奔走する!
  • 汽笛一声
    -
    汽車は、明治三年(一八七〇)三月二十五日の測量開始から、五年九月十二日のきょうこの日に開業式を迎えるまでの、二年半におよぶ建設の歴史を乗せて走っていた。宏蔵は、客車の一輛一輛がその歴史のひとこまひとこまに思えて、つかのま放心していた。軌条の上で死んでも本望だと腹をくくり、心血を注いで建設工事にうちこみ、完成にいたった鉄道を、たったいま、随従の高官、各国の公使、代理公使などを多数乗せて、御召の汽車が走ったのである。(本文より)  イギリス人鉄道技師のエドモンド・モレルを師と仰ぎ、日本初の鉄道敷設工事に命をかける若き鉄道技師・宏蔵。大隈重信、伊藤博文、大久保利通、井上馨、西郷隆盛、山縣有朋、江藤新平などがこの利権に絡んで暗闘を演じるなか、今、蒸気機関車は夢を乗せて走る……。 ●志茂田景樹(しもだ・かげき) 静岡県生まれ。おひつじ座のA型。中央大学法学部卒。塾講師、新聞記者などを経て、1976年秋に『やっとこ探偵』で第27回小説現代新人賞を、1980年には『黄色い牙』で第83回直木賞を受賞。
  • きてれつ林蔵 熊狩りの剣
    -
    愛する母の遺言により、枯郷の村からはるばる江戸にやってきたアイヌの少年が訪ねたのは、間宮林蔵なる謎の男…。まだ見ぬ林蔵を想い浮かべ、不安と期待をいだく少年の前に現れたのは、粗末な身なりで突飛な振る舞いをする、なんとも奇妙きてれつなお侍であった。小平太という和名をもらい、衣食住をあてがわれたものの、無愛想で風釆のあがらぬ林蔵は、どうにも好きになれない。不満がたまるいっぽうの小平太だったが、間宮林蔵のもつ不思議な魅力と思いがけぬ優しさに、じょじょに心を開いていく…。冒険家で知られる間宮林蔵の、知られざる顔を描く活劇シリーズ、ここに開幕!書下ろし長編時代小説。
  • 綺堂むかし語り
    4.5
    晴れた空には鳶(とび)が舞い、夕暮れには蝙蝠(こうもり)、秋になれば麹町にも赤とんぼの大群が――。明治初年の東京に生まれた著者が記(しる)す、当時の小学校、初めての芝居見物、町のあちこちに色濃く残る江戸の面影。そして、名作「修善寺物語」の執筆にまつわる思い出など、大正・昭和の歌舞伎界に数多くの名作を残し、「半七捕物帳」を生み出した綺堂の味わい深いむかし語り。

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  • 木戸のむこうに
    3.0
    京ならではの新しい料理を生み出そうとするが、周囲に受け入れられず苦悩する板前。許嫁が花街に売られるのを阻止するため、名画「雁の絵」で一か八かの勝負に出る表具師。悲惨な死を遂げた恋人への思いを一対の雛に忍ばせる人形職人……。匠に生きる男とそれを支える女の哀歓を円熟の文章で綴る傑作時代小説集。
  • 紀伊国屋文左衛門
    -
    荒れ狂う風波を衝いて、紀州みかんを江戸に運んだ文ぞう(のちの文左衛門)は、寛永寺根本中堂の用材調達に男の夢を賭け、力強くわが道を切り拓いて行く…。 時代小説の世界に、新風を吹きこんだ長編力作。
  • 紀之屋玉吉残夢録 : 1 あばれ幇間
    -
    かつて御家人だった幇間の玉吉。裸踊りで座敷を沸かせ、深川の長屋で平穏な暮らしを送る。ある日、己の過去を知る人物から呼び出された玉吉は、三年前から江戸を荒らす押し込み強盗について調べ始める。裏で糸を引く存在に気づいたことをきっかけに、次第に黒い陰謀に巻き込まれていくことに……。果たして、玉吉は稀代の悪に正義の剣を振るうことができるのか!?
  • 牙小次郎無頼剣 夜来る鬼
    3.0
    いずこからともなくふらりと現れ、江戸の片隅に住み着いた素浪人・牙小次郎。傍若無人な振る舞いで毒蛇姫と噂される、水戸徳川家の爛姫からいわれのない怒りを買って、自害に追い込まれた女中お清の怨みを晴らすべく、水戸家下屋敷に単身乗りこんだが……。

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  • 季布の一諾 任侠の鑑、侠客の手本
    -
    「黄金百斤を得るは季布の一諾を得るに如かず」項羽軍の部将だった季布の苦境を救ったのは魯の大侠朱家。劉邦の天下取りでは全国の侠客の力を借りた。朱家は全国侠客の頂点に立ち劉邦側近とも親しい。だが、朱家は時の権勢家と会うことは避けていた。

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  • 奇兵隊の叛乱
    -
    吉田松陰門下の逸材として高く評価された高杉晋作。身分の上下を問わない人員構成で近代軍隊組織の原形となった“奇兵隊”を誕生させ初代総督となった。そこに入隊した赤根武人、世良修蔵、山縣狂介ら若き志士たちの、明日の日本に賭ける夢と理想――。急転する時流のなかで悲惨な末路を迎える奇兵隊の転変を描いて、幕末の動乱を浮き彫りにする。明治政府によって捏造された維新史を糾す歴史小説。
  • 奇兵隊燃ゆ
    4.0
    高杉晋作の跡を継いで長州奇兵隊総管(隊長)に赤根武人が就任した。貧しい階級の出の彼には、密かな野望があった。身分にとらわれない、隊の実力主義を押し進め、誰もが同じ地位に横に並ぶ組織を実現しようとしたのだ。しかし武人の理想とはうらはらに、高杉との溝は深まっていく。ついに二人の仲は、四カ国連合艦隊下関砲撃の日に決定的な対立を迎えた。忘れられた存在だった赤根武人に光を当てることで、維新のもう一つの側面であった「身分制の解放」を掘り起こし、奇兵隊の知られざる一面を鋭く抉った、傑作歴史小説。

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  • 肝っ玉かあさん
    3.6
    昭和ホームドラマの原点・復刊! 東京・原宿にある蕎麦屋「大正庵」の女主人・大正五三子は、太っ腹で、世話好きで、涙もろいお人好し。 くわえて体重もずっしり横綱級で、ひと呼んで「肝っ玉かあさん」。 この原宿の三大名物の一つともいわれる「肝っ玉かあさん」を主人公に、大正庵をめぐる人間模様を軽妙に描きつつ、ほろりとくる作品。 1968年4月から1972年1月まで全117回、3シリーズにわたって放送されたテレビドラマ「肝っ玉かあさん」。 視聴率30%を誇り、その後「ありがとう」へと続く人気路線の先駆けとなった。 その脚本を担当した平岩弓枝が、ドラマを小説に書き直したのではなく、同じテーマで作者の思いを込めて小説にした。 それが本書、『肝っ玉かあさん』である。 巻末の「四十六年後のあとがき」に、ドラマ「肝っ玉かあさん」役の京塚昌子との思い出が綴られている。 【目次】 序章 雨の日曜日 幼馴染 三三子の縁談 夫婦 邪魔っけ 夏の日 運動会 女盛り ちいさな秋 あとがき 四十六年後のあとがき
  • しのぶ梅 着物始末暦
    完結
    3.5
    着物の染み抜き、洗いや染めとなんでもこなす着物の始末屋・余一は、職人としての腕もよく、若くて男前なのだが、人と深く関わろうとしない。一方、余一の古馴染みで、柳原土手の古着屋・六助は、難ありの客ばかりを連れてくる。余一の腕を認めながら、敵対心を燃やす呉服太物問屋の若旦那・陵太郎。朴念仁の余一に片思いをしている一膳飯屋の看板娘・お糸など……。市井の人々が抱える悩みを着物にまつわる思いと共に、余一が綺麗に始末する!! 人情味溢れる筆致で描く、時代小説。
  • 伽羅の残香 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    5.0
    伽羅に似た香りの鬢付け油が大人気の『錦屋』。その主・卯三郎は、何でも金の力で他人のものを奪い取ると評判だ。ある日、腹を真一文字に斬られた男の死体が見つかった。青柳剣一郎は、男が錦屋を探っていたと知り、卯三郎が本物の伽羅をつかっているのではと疑う。さらに、錦屋の用心棒が相次いで襲われ、大盗賊が伽羅を狙っていた話を耳にする。欲望渦巻く争いの行方は!?
  • 侠

    4.2
    江戸時代。博奕から足を洗った余命あとわずかの貧乏蕎麦屋と、店に集う社会のはみだし者達が紡ぐ、どん底ながらも圧倒的な人間賛歌!
  • 休眠用心棒 武士の本分
    -
    吉良家の用心棒として雇われた隣人の身代わりに、上野介の寝所近くに起居することになった傘張り浪人。赤穂浪士の討ち入りに遭遇した彼が、そのときとった行動とは……。表題作ほか、武士道の精華を描く、時代短篇傑作選。文庫オリジナル。

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  • 兇悪な街 ~私立探偵左文字進~
    値引きあり
    5.0
    姿無き殺人者を追いつめる左文字進の名推理! ロスアンゼルス生まれの私立探偵・左文字進と愛妻・史子が次々おきる不可解殺人に挑む!“夜のしじまに今宵もながれる殺しの着メロ”――携帯電話による遠隔操作で爆殺をくりかえす姿無き殺人者によって妻・史子も窮地に陥る。かつてない難敵に、さしもの左文字も逡巡するが、ハイテク完全犯罪の隙をつく、タフな推理が甦る。

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  • 暁英 贋説・鹿鳴館
    4.2
    明治十年に来日した若き英国人建築家ジョサイア・コンドル。のちに「鹿鳴館」建造担当者となる彼は、お雇い外国人として多忙な日々を過ごすうち、天才画家河鍋暁斎に弟子入りする。一方で、国際商社ジャーデン・マセソン社から、ある密命を帯びていた…。謎に包まれた鹿鳴館を描くという作業は、近代日本そのものを描くこと。鬼才、渾身の明治ミステリー800枚。無念の絶筆作品。【解説】杉江松恋・縄田一男
  • 侠客 上
    値引きあり
    -
    夕立に煙る路上で六人の刺客に襲われた塚本伊織は、息子の伊太郎(のちの幡随院長兵衛)に「からつ」と言い残して死んだ。流浪の末に奉公先を得た二十歳の伊太郎は、父の死の謎を解いて敵を討つため、三千石の大身旗本、水野百助の援助で元唐津藩士だった茂平次を彦根に探し出す。そしてすべてを知ることになるが……。江戸一の〈人いれ宿〉を営む山脇宗右衛門の元に身を寄せる伊太郎。だが、その背後に刺客が迫る。
  • 侠客と角力
    4.0
    江戸の世で、アウトローはどこから生まれてどのようにして「侠客」となったのか。相撲が興行として発展し相撲とりが専業となっていった流れの影に何があったのか。江戸風俗の大家・鳶魚の語りによって、そのルーツ、歴史風俗が鮮やかに浮かび上がる。興味尽きない歴史読み物。 (※本書は2010/10/8に発売し、2022/5/17に電子化をいたしました)
  • 侠骨記 〈新装版〉
    3.0
    直木賞作家の名篇! 中国古代ロマンの香気――。 胸のすく逆転劇の表題作をはじめ、名帝舜の青春や百里奚の激情を描く、全4篇の傑作集。
  • 喬四郎 孤剣ノ望郷  蜘蛛の巣店(くものすだな)
    3.0
    文春文庫の書き下ろし時代小説シリーズ第1巻! 悪政を敷く御国家老に父を謀殺された有馬喬四郎は、江戸の長屋に身を潜めて復讐を誓う。が、まずはその日の暮らしが大事。怪しい仕事で日銭を稼ぎ、女人に妻の面影を求め、返す刀で刺客を倒す。ままならぬ日々を懸命に生きる喬四郎と、ひと癖もふた癖もある悪党どもが繰り広げる珍騒動。時代小説の愉しみを満載した、人情ドラマ新シリーズ!
  • 侠盗組鬼退治 天下祭
    -
    神田祭が突然の危機に――祭りを邪魔する鬼は誰だ!? 旗本へのあくどい借財の取り立てをしたとして札差の豊前屋が処刑された。豊前屋と何度も銭相場で渡り合った山師旗本の堀田左近は、その処罰で得をした者が陰謀を仕掛けたと睨み、仲間と調べを始める。一方、江戸の天下祭として知られる神田祭にある異変が――ふたつの出来事には意外なつながりがあった。人情仕事人たちの痛快鬼退治!
  • 侠盗組鬼退治
    3.0
    この侠(おとこ)どもが浮世の鬼を斬る! 悪名高き旗本の裏の顔は――? 痛快! 新シリーズ見参! 悪名高き山師旗本の浮世の悪を断つ鬼退治開幕! 直参旗本でありながら銭相場で大儲けし、名を響かせる堀田左近。実は悪の限りを尽す江戸の鬼を退治するために有能な同士を集めていた。ある夜、強盗頭巾たちに襲われ絶命した若侍の手には富籤の突き札らしき木札が。火付盗賊改役の土屋又兵や仲間たちと真相を調べ始めると怪しげな動きが……。実業之日本社文庫初登場の著者が放つ、痛快時代小説!
  • 侠盗組鬼退治 烈火
    -
    悪い奴らに怒りを燃やせ! 相次ぐ火事の黒幕は!? 人情旗本の必殺鬼退治! 書下ろし痛快時代エンタメ! 火事の裏にある企みは――真の悪党を炙り出せ! 銭相場で大儲けした旗本・堀田左近は、この世にはびこる悪党どもを退治しようと、幼なじみの土屋又兵を火付盗賊改役に仕立て上げた。さらに剣客から盗人あがりまで、義侠心にあふれた仲間を引き込み、世直しに乗り出す。そんな左近の周辺で立て続けに火事が。これは偶然か、それとも……!? 闇にうごめく悪と人情仕事人たちの丁々発止の闘い!
  • 京都四条 月岡サヨの板前茶屋
    値引きあり
    3.9
    〈ドラマ化『鴨川食堂』の人気作家の幕末京都時代小説〉 ほな、おこしやす。 時代移ろう京の都――若女将・サヨの純な佇まいに惹かれ、幕末の志士が集う隠れ家料亭がある。 作家・「下鴨茶寮」主人 小山薫堂氏推薦! 粋を尽くした絶品料理と京の町に息づく人情。ああ、私もこんな茶屋に通いたい。―岡崎琢磨氏 作家・シリーズ「珈琲店タレーランの事件簿」 料理を作る目的はひとえに相手の心を豊かにするため。料理屋そして京都文化を知り尽くした著者だから描けるハンナリ、ほっこりの京情緒溢れる文章の中で、そんな一番大事なことを教えられました。―森川裕之氏 板前割烹「浜作」三代主人 風情漂う京都の町と京ことばとお料理、そして十二支巡り。これぞ京都人の小説です。―中澤めぐみ氏「大垣書店京都本店」店長 あらすじ) 駆け出しの落語家・桂飯朝の小噺のネタ元は、京都のとある古本屋でみつけた幕末のころの日記。『小鍋茶屋の大福帳』と題された帳面には、若女将・月岡サヨの小料理屋での出来事が絵入りでわかりやすく描かれている。おもてなしの成就を願い妙見菩薩へのお参りを欠かさない信心深いサヨの、今宵のお客は幕末明治に名を馳せたあのお方。サヨは幸運で手に入れたレシピ本〈豆腐百珍〉からとっておきの豆腐料理を披露し、お客と料理人が直に対面するカウンター式のお店にも驚かれる。しかしお客の最後の一言は、サヨにとっては意外に手厳しいものだった。麟太郎、小五郎、楳太郎、リョウさん……「お忍び」で茶屋に通う、あの志士や女たちの意外な横顔。落語の小噺をまくらに、幕末の京都でひっそり繁盛した小料理屋をめぐるペーソスあふれる感動の時代小説。(シリーズ第1作『京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋』は講談社文庫から発売中)
  • 京都四条 月岡サヨの小鍋茶屋
    4.3
    〈ドラマ化『鴨川食堂』の人気作家、初めての幕末時代小説〉 土佐の楳太郎(うめたろう)に、しゃも鍋。 薩摩の「吉(きち)さん」には、黒豚鍋。 あの!? 傑物志士たちが登場! 「いやもうとにかく面白い、そして何より旨そうだ!  幕末の京を舞台に偉人怪人相手に繰り広げられるサヨの絶品料理。 さすがは京都の名物グルマン、調理の細部に至るまで描写と蘊蓄が完璧だ。 料理人必読」【13年連続ミシュラン三ッ星獲得】日本料理かんだ・神田裕行氏推薦! 幕末の京都、古寺『清壽庵』の境内にある「小鍋茶屋」は、月岡サヨがひとりで切り盛りする料理店。 昼は行列必至のおにぎり屋として繁盛し、夜は一日一組限定の鍋料理で口の肥えた客を満足させていた。 不穏な情勢のもと、逸品料理で心の安らぎを得た名だたる志士らがサヨに語る思いとは。 おもてなしを極めた美味なる傑作。
  • 京都花暦 直参松前八兵衛
    値引きあり
    -
    京都町奉行となった松前八兵衛を待ち受けていたのは、与力による懐柔の罠だった。事なかれの怠惰な役人の背後には幕府の威信を失墜させる陰謀が。不可解な金公事と心中事件を探索するうちに見えてきた真相とは? 北条方の間者を率いて、八兵衛は古都に巣くう深い闇をあぶりだして行く。〈文庫書下ろし〉
  • 京都見廻組
    4.5
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 坂本龍馬暗殺の実行犯、謎多き見廻組の正体を鬼才が解剖する! 京都見廻組の史料はほとんど残されていない。四百名近くの組士を擁する組織であったにも関わらず、佐々木只三郎や今井信郎、桂早之助など、龍馬暗殺に関わった人物たちの履歴が僅かに伝えられるだけで、大部の研究書はなく、活動の詳細も分っていない。本書は、今に遺される写真や肖像画を手がかりに、「歴画」という独自の手法で幕末の景色を描き続けてきた黒鉄氏が、限られた史料の点と点を結び、見廻組という集団の実態に迫るもの。貴賎老少に関わらず召し抱えられた新選組。一方、旗本・御家人で組織された京都見廻組。同じ京の治安部隊として作られた二つの組織を比較しながら、幕末という特異な時代に若いエネルギーを費やした者たちの運命を、ときにコミカルに、ときにシュールに描き出していく。見廻組をはじめて俯瞰的に捉える意欲作であり、黒鉄歴画の新たな挑戦である。
  • 京の恋だより 眠り医者ぐっすり庵
    5.0
    江戸で 旅の宿で 京で 眠りのお悩み、     解決します! 眠り猫も大忙し!?  お茶修業で出会った若き医者との恋の行方は…? 京都からきた老僧・長海和尚の眠りの悩みを解決した〈ぐっすり庵〉の松次郎と藍。実家の茶問屋・千寿園の跡継ぎ娘として、京のお茶のもてなしの心を修業するよう勧められた藍は、長海とともに京へ向かう。旅先での騒動も経てたどりついたのは宇治・萬福寺。若き医者・幸四郎の手伝いをすることになるが、そこにも眠れぬ悩みを持つ人々が……。 目次 第一章 長生き自慢  ぐっすり庵覚え帖 その壱 睡眠には、体力が必要? 第二章 京への道行き  ぐっすり庵覚え帖 その弐 旅先でも、ぐっすり眠ろう! 第三章 養生ぎらい  ぐっすり庵覚え帖 その参 健康のお供に。スマートウォッチを活用しよう! 第四章 隠居の亭主  ぐっすり庵覚え帖 その肆 一番人気は、夫婦別ベッド?
  • 狂風記 上
    3.0
    怨霊の化身ヒメ一族が、富と権力の亡者どもに熾烈な戦いを開始する。趣向・見立て・語呂合わせなど、卓抜なイマージュとパロディの嵐の中で、現代の都会に伝奇の世界が現れる。
  • 京奉行 長谷川平蔵
    3.3
    「鬼」と呼ばれた火付盗賊改方長官の長谷川平蔵。その父親の初代平蔵が京都西町奉行に赴任した。その前に立ちはだかって京の町を騒がす悪党たち。贋坊主が暗躍する「六勝阿闍梨」、錦市場を巡る陰謀に絵師若冲が巻き込まれる書き下ろし「錦の若冲」、人情の機微を描く「這っても黒豆」を収録。京の風物詩も鮮やかに、新シリーズ堂々の開幕。『祇園詣り 京奉行 長谷川平蔵』改題。
  • 享保のロンリー・エレファント
    -
    享保十三年、第八代征夷大将軍・徳川吉宗が招聘したのは、巨大な「象」であった。海を越えてはるばる旅をしてきた象は、長崎の港に着いたのち、陸路、徒歩で江戸城に向かう。多くの人間を引き連れた象の行く先々は、珍獣を一目見ようとする見物人であふれかえり、さまざまな人間模様を見せる……。史実を元にファンタジックに描かれた連作短篇時代小説。 *わらしべの唄 *獺祭の湊 *象鳴き坂 *半鐘さん *マン・オン・ザ・ムーン *千日手の解法 *エピローグ 象を引く ●薄井ゆうじ(うすい・ゆうじ) 1949年茨城県生まれ。イラストレーター、デザイン編集会社経営を経て作家へ。1988年『残像少年』で第51回小説現代新人賞を受賞。1991年に初の長篇『天使猫のいる部屋』を発表。1994年『樹の上の草魚』で第15回吉川栄治文学新人賞を受賞。映画化・舞台化・ドラマ化された作品も多い。
  • 享保に咲く
    -
    兄を失い、恋人をも失いながら、自ら戦地へ赴いた鶴姫伝説を描いた「戦国姫無常」埋蔵金の言い伝えをもつ“一夜にして滅びた白川郷土の黄金郷”の謎にせまる「帰雲城」自らを犠牲にして、農民を思いやった武士の生き方が心にしみる表題作「享保の花」神戸の街を外国軍の占拠から救った滝善三郎の生き様を描いた「最後の武士道」戦国から幕末まで、実話に基づいた4話を収録。

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  • 狂乱・春の夜の夢~松尾芭蕉と八百屋お七~
    -
    純情一途の恋に燃える八百屋お七、無軌道な邪恋にのめりこむ柏屋お駒。同じ小町娘と謳われながら、正反対の二人の恋が、やがてもつれ合い、あげくは殺人、放火の大事件へ……。お駒の父、柏屋忠兵衛や町奉行所同心、小野寺儀十を門弟にもつ俳人・松尾芭蕉は、鋭い推理で天和江戸大火の不可解な謎に迫る。〃探偵〃芭蕉があばく、悪漢、悪女の陰謀と愛欲模様。
  • 狂恋 二人の小町(電子復刻版)
    -
    江戸市中で小町娘と評判をとった二人の娘、八百屋お七と柏屋お駒。しかしその恋は対照的だった。お七は純情一途、対してお駒は無軌道な性にのめり込む。やがて二人の恋が複雑にもつれ合い、殺人事件、江戸の大火・天和放火事件を引き起こす……。俳人・松尾芭蕉は、門弟の町奉行所同心・小野寺儀十を従えて、もつれた謎を解いて行く。史実をもとに巨匠が描く官能時代小説の決定版!(『狂乱 春の夜の夢』改題)

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  • 巨海に出んと欲す
    -
    陸の掟にとらわれず、遠い海の彼方を見据えた男・藤原純友。大きすぎる器ゆえに、闘いを宿命づけられた男・平将門。京都朝廷が腐敗の極みに達した十世紀。瀬戸内の海を闊歩する海賊衆を束ねた藤原純友は、遊女、傀儡(くぐつ)衆、碧眼の美しい兵(つわもの)など、律令の枠からはみ出した「異端」たちを、不穏な空気が渦巻く東の国に放つ。
  • 巨眼の男 西郷隆盛 1
    -
    黒船の来航以来、世情は混迷を深めるばかり。薩摩はいち早く財政を再建し、雄藩としての地歩を固めていた。幕政改革の舵取りを期待された英明の藩主・島津斉彬に見出され、西郷吉之助(隆盛)は下級武士ながら国事に奔走。だが、斉彬が急逝し、守旧化する藩論。そして吹き荒れる安政の大嶽の嵐。西郷は奄美大島での隠棲を強いられていた。維新最大の功労者、波瀾の半生を描く大河歴史小説第1巻。
  • 虚器南北朝
    -
    後醍醐天皇は吉野に逃れると、都の天皇に授けた三種の神器は偽物(虚器)で、本物(真器)を奉じる朕こそ真の天皇であると吉野に朝廷を開かれた。 それから16年後、なおも続く動乱の最中、大臣家の美しい姫聖子が使者として南朝の御所へ赴いたことから、三種の神器を繞っての争奪にまきこまれる。 怪僧、鬼女、天照衆を率いる怪人に弄ばれる聖子の運命は……。
  • 曲亭の家
    3.6
    小さな幸せが暮らしの糧になる──当代一の売れっ子作家・曲亭(滝沢)馬琴の息子に嫁いだお路。横暴で理不尽な舅、病持ち、癇癪持ちの夫とそんな息子を溺愛する姑。日々の憤懣と心労が積もりに積もって家を飛び出たお路は、迎えに来た夫に「今後は文句があればはっきりと口にします。それでも良いというなら帰ります」と宣言するが……。修羅の家で、子どもを抱えながら懸命に見つけたお路の居場所とは? 直木賞作家の真骨頂、感動の傑作長編。(解説・植松三十里)
  • 虚構斬り 居眠り同心影御用21
    3.0
    偽同心が押し込み強盗。探索の居眠り源之助に将軍御曹子から影御用。 続く奉行所醜聞騒動の陰に三千石名門旗本家への将軍庶子養子入りの噂! 元筆頭同心で今は居眠り番、蔵間源之助が真相に迫る! 南町奉行所の同心を騙る侍一味による押し込み事件が江戸を騒がせている。北町の元筆頭同心で今は居眠り番に左遷された蔵間源之助に、奉行を通して、将軍御曹子から『影御用』が舞い込んだ。偽同心事件はじめ奉行所の権威を揺るがす醜聞騒動を追うなかで、三千石名門旗本家への将軍庶子養子入りの噂が浮かんだ。源之助は将軍御曹子を連れて町廻りに出かけたが……。
  • 清須会議
    4.2
    信長亡きあと、清須城を舞台に、歴史を動かす心理戦が始まった。猪突猛進な柴田勝家、用意周到な羽柴秀吉。情と利の間で揺れる、丹波長秀、池田恒興ら武将たち。愛憎を抱え、陰でじっと見守る、お市、寧、松姫ら女たち。キャスティング・ボートを握るのは誰なのか? 五日間の攻防を「現代語訳」で綴る、笑いとドラマに満ちた傑作時代小説。
  • 清盛と後白河院
    -
    上皇や摂関家などに仕える番犬のような存在でしかなかった武士層が、保元・平治の乱を経て、武力によって朝廷を左右する存在へと変貌した。なかでも源氏と並ぶ平家の総帥平清盛は、もともと皇位に就くなど考えられておらず、あくまで一時のつなぎ役でしかなかった今様狂いの後白河天皇と組んで、後白河の兄・崇徳上皇、摂関家ならびに源氏の勢力をつぎつぎに失脚させ、位人臣を極めるまでになる。だが、武力と財力を独占し、皇位継承にまでかかわりを見せ始めた清盛の存在に警戒心を抱いた後白河は、それまでの二人三脚の関係をかなぐり捨て、一転して旧勢力である上級貴族や寺社勢力とひそかに結び、平家の追い落としを企てようとしていた……。家族・一門の安泰のため、かつての藤原摂関家のような最高権力を掌中にしようとする清盛と、王権ならびに旧秩序回復のためこれを阻止しようとする後白河の、謀略を駆使した激しい確執、二人の権力者の心の葛藤を描く。

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  • 斬らずの伊三郎
    -
    江戸藩邸勤めだった父が惨殺された経緯から、藩に捨てられるように神田三河町の長屋に移り住み、剣術の代稽古で生計を立てる青年・新貝伊三郎。ある日、江戸留守居役から突然の呼び出しを受けるが、その日以来、伊三郎の周囲で奇妙なことが起こり始めた…。

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  • 吉良忠臣蔵 上
    値引きあり
    4.0
    「浅野内匠頭、吉良上野介に刃傷」の報は、青天の霹靂のような衝撃となって江戸城を駆け抜けた。しかし、実態の江戸城中・松の廊下の刃傷事件の背後には、冷酷無比な罠が張り巡らされており――。
  • 吉良忠臣蔵(上)
    5.0
    江戸城中・松の廊下の刃傷事件の背後には、冷酷無比な罠が張りめぐらされていた! 浅野家、吉良家、上杉家、そして将軍綱吉の側用人・柳沢吉保に、赤穂藩家老・大石内蔵助。権謀術数渦巻くパワーゲームを迫力豊かに描き、独自の歴史観で組み立てなおす実像忠臣蔵ロマン。
  • 吉良忠臣蔵【上下 合本版】
    -
    「浅野内匠頭、吉良上野介に刃傷」の報は、青天の霹靂のような衝撃となって江戸城を駆け抜けた。しかし、実態の江戸城中・松の廊下の刃傷事件の背後には、冷酷無比な罠が張り巡らされており――。綱吉の側用人・柳沢吉保、吉良家の参謀・色部又四郎、そして赤穂藩浅野家の家老・内蔵助。卓越した3者による権謀術数が渦巻く、忠臣蔵の真実とは!? ※本電子書籍は『吉良忠臣蔵 上』『吉良忠臣蔵 下』を1冊にまとめた合本版です。
  • 綺良のさくら
    4.0
    江戸初期、南部盛岡藩の草創期に、初代藩主・南部利直の御側用人を務める桜木兵庫の元に生まれた綺良は、周囲の愛情を一身に受けて、幸せな子ども時代を送っていた。利直の五男・彦六郎とは幼馴染みでお互い想いを寄せていた。しかし、そんなある日、二代目藩主に意見をした父・兵庫がその怒りに触れてしまう。そして綺良は、大奥に出仕することに……。幾多の苦難に出会いながらも自らの道を探し求める綺良の“愛”と“夢”を描き切る、感動の時代長篇。(解説・川本三郎)
  • 煌

    4.0
    江戸の音が聞こえる。光がみえる。 花火で織りなす人生模様。 「祝言は挙げられない」簪職人のおりよは、突然許婚の新之助にそう告げられた。 理由はなんとなく思い当たる。新之助は形がよく、おりよは目が見えないから。 二人で歩いていると耳の後ろが熱くなる。女たちの視線が痛い。どうして私だけこんなことに――。 悔しさを押し殺し、手に残る感覚を頼りに仕事に没頭するおりよだったが……(「闇に咲く」)。 物語の舞台は愛知、山梨、長崎、東京、新潟、そして愛知へ。 のろし、弔い、には意味があるように、花火から生まれる時代小説もある。 音をテーマにした五感に響く物語。 遊女、船問屋、紙問屋、簪職人、花火師、旅籠屋…… 市井の人情を掬い取る、珠玉の時代小説。
  • 斬られ権佐
    4.1
    惚れた女を救うため、負った八十八の刀傷。江戸・呉服町で仕立て屋を営む男は、その傷から「斬られ権佐」と呼ばれていた。権佐は、救った女と結ばれ、兄貴分で八丁堀の与力・数馬の捕り物を手伝うようになる。押し込み、付け火、人殺し。権佐は下手人が持つ弱さと、その哀しみに触れていく。だが、体は不穏な兆しを見せ始めて――。一途に人を思い、懸命に生きる男の姿を描いた、切なくも温かい時代小説。
  • 斬られ屋新左
    -
    月夜野新左は駿河板倉藩の武士であったが、若殿の勘気から理不尽な御家騒動に巻き込まれ、一族を喪い江戸へ出奔。持ち前の剣術の腕で大道芸を生計に細々と稼ぐ新左だったが、藩の家老から密命を帯びた刺客が放たれ、また一人、不気味な殺気を持つ男が現れる…。

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  • 切り絵図屋清七 ふたり静
    3.8
    絵双紙本屋の「紀の字屋」に出入りする浪人・清七郎は、弱い者を見過ごしにできない性分。江戸の町に不慣れな者たちが辛い目に遇っていると知り、自分の足で調べ上げた切り絵図を作りたいと夢を抱く。折しも主の藤兵衛が病に倒れ、清七郎に店を譲りたいと持ちかけられる……。『藍染袴お匙帖』の作者による、清新な時代小説書き下ろし新シリーズ誕生!
  • 霧隠才蔵 上
    3.0
    孤高の伊賀忍者・霧隠才蔵。異例の長身にして、伊賀一の術者の才蔵は、徳川家の秘命を帯び、ある巻物の探索をおこなっていた。その「愛宕裏百韻」なる巻物には、徳川幕府の根底を覆す秘密が隠されているという……。だが、豊臣家再興を目論む真田幸村も、同じく甲賀忍者・猿飛佐助に巻物奪取を命じた。関ヶ原合戦後の天下争いの背後で、秘術を駆使した暗闘が開始された! 傑作時代小説!
  • きりきり舞い
    3.4
    『東海道中膝栗毛』の作者・十返舎一九の娘、舞。酒びたりで奇行ばかりの父、押しかけ弟子の浪人や葛飾北斎の娘であるお栄たち居候に翻弄される日々だった。十八歳だというのに縁談はみな父が壊してしまう。そんな舞を武家の若者、野上市之助が見初めた。今度こそ恋が実るか!? 奇人変人に囲まれた娘が懸命に生きる姿を、ユーモアと人情味たっぷりに描く時代連作集。
  • 切柄又十郎(1) 鬼火の巻
    -
    江戸の平和を乱す、非道の盗賊どもを許すまじ  古物商の主従を皆殺しのうえ付け火、逃走する盗賊と出くわした一色又十郎。瞬時に五人をねじ伏せた又十郎は、その無想一刀流を見込まれ火盗改め与力となったばかりであった。そして捕らえた男を解き放ち、大物狩りを行おうとするが、賊の逆襲に与力が次々と血祭りに…。  火盗改めたちは、張り込みと尾行の末、ようやく頭目へと辿りつくが、又十郎の前に恐るべき敵が!  痛快時代小説、「切柄又十郎」シリーズ第1弾! ●えとう乱星(えとう・らんせい) 1949年熊本県生まれ。慶応大学中退後、同人誌を主催。1989年『中風越後』で小説CLUB新人賞佳作を受賞してデビューする。おもな作品に『黄金無双剣』、『裏小路しぐれ傘』(ともに学研)、『書院番殺法帖』(ミリオン出版)、『かぶき奉行』(ベストセラーズ)など著書多数。
  • 霧に棲む鬼 風烈廻り与力・青柳剣一郎
    3.5
    口入屋『宝生屋』番頭の久次郎と町火消し吾平の惨殺体が立て続けに見つかった。風烈廻り与力・青柳剣一郎は手口の残忍さから同一犯と断定。宝生屋・主の与五郎が二人と博打仲間だったと知り遺恨を疑うも、与五郎は身に覚えがないと言う。だが与五郎も謎の刺客に襲われ、15年前の悲惨な事件が浮上する…。哀しみの果てに己を捨てた復讐鬼を、剣一郎はどう裁く。
  • 霧の城
    3.6
    織田の女城主と武田の猛将、許されぬ戦国の恋。武田と織田が争う岩村城攻防戦。一通の恋文が二人の運命を変えた! 美濃国岩村城を攻めあぐねていた武田の猛将・秋山善右衛門は無血開城を促すため、岩村の女城主・おつやの方に一通の書状を送る。そこには和議の条件として、おつやと夫婦になりたいという驚きの申し出が書かれていた。和議を受け入れるか悩むおつやだが……実話を基に、織田と武田の熾烈な戦いと、その後の二人の知られざる運命を描く感涙の歴史秘話!
  • 霧のワルキューレ(1)チャーチル戦時内閣
    -
    1~5巻550~660円 (税込)
    1939年9月……チェコスロバキアを手中に収めたナチスドイツの独裁者アドルフ・ヒットラー。勢いを得た彼はポーランドに侵攻。翌年の五月フランス国内への史上空前の『西方電撃戦』を開始する。ネヴィル・チェンバレンの宥和外交は崩れ去った。 「やつは狂犬だ」長きにわたり失脚していたウィンストン・S・チャーチルは閣僚に返り咲いたのはその時のことだった。
  • 霧丸斬妖剣 一心剣
    3.0
    寛永の世、霧丸は江戸にいた。狙うは柳生十兵衛の首! かつての仇敵であり、いまは友誼で結ばれた宗矩の口添えで娶った最愛の妻・鶴を、その息子に斬殺されたのだ。しかも鶴は身ごもっていた。怒りを白刃にこめ、霧丸は十兵衛の行方を追う!
  • キリン航海記・他二篇
    -
    中国・明の時代に大航海をおこなった宦官・鄭和のセイロン島での活躍を描いた「錫蘭山の仏歯」、鄭和艦隊がキリンを連れ帰った顚末を物語る「キリン航海記」、細川氏と大内氏が明で争った寧波の乱を題材にした「政吉の羅針盤」。未刊行の短篇3本を収録。

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