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Posted by ブクログ
大好きな宇江佐真理さんの作品。
生薬の問屋を営む与平は、息子たちに身上を譲り隠居となった。いつまでも口を出していては一人前にならない。
湯屋で、身の上話を耳にするたび、こうして聞いてくれる人がいる人はいいが、誰もいない人はどうしているのだろう?
「聞き屋」を始めようと店の裏口に机を出して商売が終わった時間から始めることにした。
与平はこの聞き屋で知った貧しい娘を救ってやろうとしたり、また、ただ聞くことで心を休ませる場所にした。
与平の父親は、生薬や問屋の番頭だった。
その店の一人息子はどうしようもない男で、店を潰しそうな浪費家だった。
ある時火事に巻き込まれ死んでしまった。
与平は他の薬屋で手代をしていたが、店の後始末をして看板だけもらった父親の手伝いをして店を大きくした。
その火事のことで地元の岡っ引きにしつこく見殺しにしたのではないか?と言い寄られている。
そんな岡っ引きも死に、、、。
この作家さんの物語は眼に見えるような江戸情緒と、しっとりと貫かれた登場人物の心模様の緻密さリアルさが身上。
まるでそこに自分が立っていたのではないか?と思えるほどの作風。
2度目の読書だが、今回も大満足だった。
Posted by ブクログ
与平のすごさは、「聞く」ところ。
聞き屋なのだから当たり前のことなのだろうけれど、突っ込まずに話を「聞く」のって、案外難しい。
人の話を聞く機会は多いけれど、
「ここでも相槌うった方がいいのかな」
「何かアドバイスとか求められているのかな」
「ちゃんと話聞いてるってこと伝わってるかな」
と頷きながら悩むし、時には
「これいつまで聞かないといけないのかな…そろそろ飽きたぞ…」
なんて思ってしまうこともある。
与平自身、その難しさは自覚していて、それでも話を「聞く」。
それって、多分人に色んな影響を与える言葉を発する人より、ずっとすごいことなのだと、私は思っている。
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