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北町奉行所同心の夫を亡くした商家出のうめは、独り暮らしを楽しもうとしていた矢先、甥っ子の隠し子騒動に巻き込まれ、ひと肌脱ぐことを決意するが……。笑って泣いて──人生の哀歓、夫婦の情愛、家族の絆を描いた宇江佐文学の最高傑作!
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Posted by ブクログ
晩年の作品なんだなぁ、伊佐次でファンになってずーっと読んで来て、最終回も、というか最後に書いたものを読み終えてまだまだ終わらないと、心の中に刻んだ。うめ婆は本来の自分を取り戻したい思う事が、実はずっと行って来ていただけで自分で気づかないだけだったと思う。あんな楽しい集まりに倒れた時に集まるのは日頃の...続きを読む行い以外ないので。うめ婆も続くつもりだったんだろうな、どんどん相談事が持ち込まれて解決して、お金も自立すること考えるんだろうな、武家屋敷には戻らないだろうな。
宇江佐先生の遺作。未完なのが悲しくて悔しいけれど、うめは今日も頑張ってお江戸を生きているだろうと思えるのがせめてもの救いか。未亡人になったうめは同心の妻だったが元はといえば醤油問屋のお嬢様育ち。夫亡き後思い立って一人暮らしを始め隣人や実家の兄弟や甥との交流を経て、成長しきれなかったお嬢様のままの自ら...続きを読むの心や思い至らなかった亡くなった夫のさりげなさ過ぎて分からなかった優しさにようやく気付く所などはちょっと我が身も顧みて反省をした(笑)。こんなに江戸の市井を楽しむ事が出来る宇江佐先生の新作をもう読む事がないと思うと残念でならない。先生のご冥福を改めてお祈りいたします。
内容(「BOOK」データベースより) 北町奉行同心の夫を亡くしたうめは、堅苦しい武家の生活から抜け出して独り暮らしを始める。気ままな独身生活を楽しもうと考えていた矢先、甥っ子の隠し子騒動に巻き込まれ、ひと肌脱ぐことを決意決意するが…。遺作にして最後の長篇時代小説。 令和2年8月3日~5日
息子も一人前になり夫も見送った。一人になりたい梅の夢を叶えるべくしもた屋に住むことに。近所の人々とのふれあいで、新しい自分を発見する。
やっぱり宇江佐真理は巧い❗ 読みやすい文章と、リーダビリティはさすが。 大店の箱入り娘だったうめは武家に嫁ぐが心底馴染めず、夫が亡くなり子供達も独り立ちしてから、念願の町屋で一人暮らしを始める。 捕物帖どころか、なぁんの事件も起きない。ホント、日常と親戚のゴタゴタがあるだけ。なのに、おもしろい。する...続きを読むする次を読んでしまう。次々に登場人物が増えるけれど、書き分けもすばらしく上手くて、きちんと全員人となりが分かるし、それぞれに愛着がわく。 最後、未完とは言え、「うめ再起する」で終わっているところもよかった。 もっと宇江佐作品を読みたかったけれど。
良かったー。 宇江佐さんの作品は登場人物の言葉はスカッとして心地良く、そしてあたたかくてホッとしつつハッとさせられる。 女性として生きにく時代だったのに、連れ合いが亡くなり自分の思うように生きていき、色んなことを感じ日々を過ごす過程がとても良かった。 ただ、どうしても宇江佐さんの描く子供は可愛げがな...続きを読むく好きになれない笑
2015年に亡くなられた宇江佐真理さんの遺作にして最後の長編時代小説。 人生に同じ日はない。楽しいこと嬉しいこと、悲しいこと悔しいこと、全部含めて人生である。家族とは、良いことは共有して悪いことは分散できる有難いもの。うめは家族を捨てたのではなく、堅苦しい武家社会に反抗したかったのだろう。
201710/作者の人柄をほうふつとさせるようなうめ婆のキャラ、他の女性陣も生き生きとしてて、面白かった。残念ながら未完の作品だけど、もやもやが残る中途半端な終わり方ではないので、気にならなかった。もっと宇江佐作品を読んでいたかったとは思うけども。
もっともっと宇江佐真理の市井人情小説を読みたかった。どうしようもない事だけど、ほんまそう思う。 朝日新聞夕刊に連載していた作品の文庫化、未完がつくづく惜しい。それにしても闘病で命を削りながら、このレベルの作品を書けるのだから凄いものである。 同じく未完の小説を書きつつお亡くなりになられた某先生に...続きを読むは、シリーズを書き繋ぐ作家が現れて今に至っている。勿論宇江佐作品はそういうものではないのは分かっているが、こういう宇江佐的人情を引き継いだ後継作家が出てきてほしい。 あと1作で書籍化した彼女の作品は全て読み終わってしまうけど、何度も何度も再読するのは間違いないと思う。
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