国内小説 - セール作品一覧
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-食えない作家志望の青年との同棲生活を描く。 「こう世間が不景気じや、あなたの勤口もあぶないもんだし、筆の方でちやんとやつて行ける自信だつて、ないんでしよう。――ね、家を持てないなら私と死んで頂戴! 家を持つか、心中するか、どつちかにして頂戴よう!」 いつまでたってもうだつの上がらない作家志望の青年・捨六と、浮気癖のある若い女給・時子。食い扶持を求めて小田原、名古屋、東京と転々とするものの、なかなかお金をお稼げない捨六に、業を煮やした時子は心中してくれと懇願するが――。 時子の独白で綴られる表題作に、久しぶりに再会した二人の一夜を描く後日談「別れた女」を併録。
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-一流商社に勤める伊藤一郎は、ひょんなことから赤坂のホテルでクラブの美人ママと密会する社長を目撃する。そして伊藤は社内に社長の隠し子である娘がいることを知る。伊藤の令嬢探しの旅がはじまった。 交通ゼネストの前夜、赤坂のホテルで一夜を過ごす相手を物色していた万国商事のエリートサラリーマン・伊藤一郎は、そこでクラブのママ風の女性に目をつける。だが、彼女には先約があった。その相手とは万国商事の社長だった。驚いた伊藤は様子を見守ったが、2人は食事をしただけで別れてしまう。興味を抱いた彼は、ある策略を使って、ママの部屋へ侵入に成功、半ば強引に関係を持ってしまう。その時、彼はママからある秘密を聞きこんでしまう。それは伊藤も勤める万国商事に社長の“隠し子”である娘が働いているというものだった。そのことは社長以外、誰にも知らされてはおらず、ママも名前だけは死んでも言えないと突っぱねる。野心に燃えた伊藤は、名前も顔も知らないが、どこかにいるはずの社長令嬢を探して結婚しようと決意する。情報は4年前に短大を卒業した気立ての良い美人ということだけ。年齢にして23~24歳となるのだが、大企業である万国商事でその年齢に該当する女子社員は200人をくだらない。そして、彼の令嬢探しが始まるのである。社長室から総務課・・・・・・ほかの部署に至るまで自らの肉体を駆使して情報を得ていく女性の総数は16人。いずれ劣らぬ美貌の持ち主ながら処女から遊び慣れている娘までそれぞれだ。だが、最後の最後に登場した女子社員・・・・・・それは伊藤の旧知の間柄で唯一結婚を意識した女性だった。果たして、伊藤の運命は・・・・・・!?
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-絶世の美人女優・田村景子が二匹の飢えた獣たちに誘拐され、人里離れた山荘に監禁される。景子は輪姦された上に緊縛、淫具、浣腸責めといたぶりぬかれるのだが・・・・・・。 プロカメラマンの沢村和雄は、かつてのアシスタントだった吉田昌作に抜き去られ、SM雑誌の専属カメラマンに成り下がっていた。さらに吉田は今をときめく絶世の美人女優・田村景子との結婚まで発表していた。すべてを吉田の陰謀だと信じて疑わない沢村は、腐りきっていた。そんな時、一人の若い緊縛師・木原を紹介されて意気投合。そして木原の友人の妹である女子校生を拉致し、凌辱の限りを尽くすことに協力してしまう。「凌辱写真を撮ってあるから大丈夫」という木原の目論見は外れ、2人は警察から追われる身となっていることを知る。そこで破れかぶれになった沢村は吉田への復讐として婚約者である景子を拉致・監禁して凌辱の限りを尽くし、その一部始終を吉田に送り付けてやることで復讐を果たすことを思いつく。作戦はまんまと成功し、2人は景子を人里離れた山荘へと監禁した。嫌がる景子に無理やり口唇奉仕をさせた挙句、代わる代わるレイプ。それだけでは飽き足らずに、緊縛、剃毛、淫具責め、浣腸責めと続けていくうちに、景子も断続的な悲鳴を上げながらも、酔いしれていくようだった。「許して・・・・・・」と昂った声を張り上げながらも体から衝き上げて来るものに耐えられなくなったように、景子は狂おしい身悶えを示しだすようになっていくのだった。表題作をはじめ、全三篇を収録!
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-食品会社の課長・宮地は妻子持ちの地味な44歳。ひょんなことから20歳以上年の離れた社内の部下と関係を持ってしまったことから心は千々に乱れていく・・・・・・。 食品会社の調査課長である宮地孝雄は44歳、妻と2人の子どもを持つごく平凡なサラリーマンだ。身長も162センチの痩せ型で最近は頭に白いものが目立つようになってきた。真面目さが取り柄のような宮地だが、唯一の楽しみは月に1~2度行きつけのバーで若い女性客を眺めることだった。その日もビールの小瓶を2本空けて、店を出ようとしたところ入れ違いに入ってきた若い女に声をかけられた。赤っぽいセミロングな髪の毛、色白で丸顔、はっとするほど目が大きい。短いスカートから、半ばむき出しにした形のいい太腿がのぞいている。気を取られていると彼女が言った。「課長さん・・・・・・」 彼女は同じ会社の文書課に勤める岡本汐美だった。年は20歳以上も離れている。バーで杯を交わして店を出ると汐美は積極的になり、宮地をラブホテルに誘う。そして宮地も夢中になって若い汐美の体を貪った。宮地は、この数年来、味わったことがないくらいの、まさに目のくらむような快感だった。その日から、すっかり宮地は汐美の虜となってしまう。暇さえあれば、汐美を誘うようになるが、あれほど積極的だった汐美はつれなく断り続ける。宮地は責任を取って、妻子を捨ててもいいとまで考え込んでしまうが、一方の汐美は迷惑そうな顔をするばかり・・・・・・。真面目過ぎる中年男と遊び慣れた若い女の考え方はどんどんすれ違っていく。表題作含め6作の短編集。
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-画家の卵である栗橋は、1週間毎日のように、違う女を抱いている。微妙に変化する女の体に、栗橋は日々、新鮮な経験を重ねていく。明日はどんな女が現れるのだろうか。 画家の卵である栗橋は暇を持て余しているが、その時間すべてをガールハントに充てているほどの女好きだ。街に出れば、好みの女子大生に声をかけてホテルに連れ込み、処女を頂戴してしまう。電車で出会ったOLの定期券を盗み見ては偶然を装い、同じ駅で降りて近づく。人妻であろうがフィアンセ持ちであろうが、お構いなし。豊満な体を持つ色っぽい女とうまく事を運んだまではよかったが、これがなんと美人局。怖いおじさんから這う這うの体で逃げ出すことになるのだが、ナンパをやめる気など微塵もない。それどころか、はては高名な画家の娘から母親がかわいがっている学生時代の後輩、それに実の妹の親友にまで手を出してしまう。栗橋の尋常ならない女体への執念の凄まじさには驚かされるばかりだが、それ以上に女性の気をひかせるナンパテクニックの数々は著者の実体験に基づくものというのが定説だ。流行作家になってからは妻子と別れ、中野新橋の芸者と所帯を持ち、銀座の複数ホステスと同棲し、最後は30歳下の音大生と結ばれたという逸話も持つ、官能小説の第一人者である著者の面目躍如の1冊。
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-女医を目指す「あたし」は医学生だけど、まだ処女。けれども、アルバイト先の病院で数々の変な先生や患者たちにイケナイことを教えられて・・・・・・もう普通には戻れない!? あたしは女医の卵。人間の体に接するチャンスが多いから、アレにも関心が強いの。同僚の女子たちもみんなそう。でも、勉強は忙しいし、意外にチャンスが少ないの。欲求不満をため込んだあたしたち処女軍団は遊び人の男たちに「卒業」させてもらおうと思ったんだけど、あたしは不覚にも失敗。悶々とするあたしに病院でのアルバイトが舞い込んだの。でも、そこは男性器増大や包茎手術専門の病院で、しかも院長が大のスケベ。あっという間にあたしの純潔は奪われちゃったわ。ううん、それだけじゃないの。包茎の童貞くんに頼まれて、「オトコ」にする手伝いをやらされたり、増大しすぎて、勃起したままの暴力団員らに「責任をとれ」と言われて代わる代わるお相手をさせられたりと散々。新しいバイト先の病院は処女膜再生手術専門で、そこの院長先生もとんでもないの。麻酔で眠らせた大勢の処女を奪いながらも処女膜を再生するから大丈夫だ、なんてほざくのよ。同僚のミツ子さんと組んでこの悪徳医師を懲らしめようとしたんだけど、逆に快感に目覚めちゃって・・・・・・もう変態ばっかり。ほんとうに女医になれるのかしら。
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-渇いた欲望が渦巻く女子刑務所。看守の淫らな命令にも従わざるをえない。殺人罪で服役中の圭子は脱走に成功するが、逃げる圭子に淫獣たちの魔の手が迫る。 女子刑務所に服役中の圭子の罪は殺人罪だ。当分の間、男の肌とは触れ合えない。愛する淳三としたい。思いはそれだけだったが体は正直だ。自ら看守長の三村を誘惑し、三村の大きいモノを迎え入れて絶頂に達する。しかし、その一部始終を女看守に見られており、今度は女看守の命令で女同士のプレイを強いられる。ところが別の刑務所に移されることが決まり、乗った移送車が土砂崩れで横転、その隙に圭子は脱走することに成功する。飢えた圭子は若いカップルを襲い、女を縛りつけて目の前で男の肉棒を堪能する。トラック運転手も誘惑し、獣のようなセックスを貪った。もっともカネなどない。食べるためには稼がなくてはならない。圭子がもぐりこんだのは売春宿だった。初めての客はヤクザも恐れるという悪徳刑事の黒田だった。さんざんおもちゃにされた挙句、黒田の情婦にされた圭子に試練が訪れる。不良少年たちに代わる代わるレイプされたかと思えば、黒田の企みで4人のヤクザに輪姦された。黒田は最初から圭子を海外に売り飛ばすつもりだったのだ。自ら脱走囚であることを黒田に告白した圭子だったが、黒田はすでにお見通しだった。このままでは異国の地で一生を終えることになる・・・・・・黒田におもちゃにされながら圭子は黒田の拳銃に手を伸ばしていた。
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-田舎の学校に巨乳の美人教師・友美子が赴任してきた。学校内で唯一の男子である耕太はすっかり友美子に魅せられてしまうが、幼なじみの先輩・咲子も悩ましい。 都会から離れた学校に、美人教師が赴任してきた。23歳の友美子先生だ。しかも、はち切れんばかりの巨乳の持ち主だけに、耕太は一目見てすっかり友美子に魅せられてしまう。一方で耕太の幼なじみで先輩でもある咲子にも友美子とは違う魅力があるため、捨てがたい。とはいえ、女性をまったく知らない童貞の耕太は猛る股間を持て余し、自慰行為で発散するしかなかった。あるとき、授業中に友美子が倒れてしまう。友美子の下宿先に見舞いに行った耕太は寝ている友美子に興奮して、巨乳にむしゃぶりついてしまう。意識朦朧となりながらも、友美子はキスしてくれた上に手で耕太のモノをしごいてくれたのだ。そして秋祭り。大粒の雨に降られ、耕太は秘密部屋としている納屋に友美子を連れて雨宿りすることに。そして感激の初体験を済ませることに成功するのだが、それを機に友美子の下宿に夜這いをかけても拒まれることもなく、校内で耕太がいたずらをすると潤んだような目でどんなことでも応じるようになっていく。また、初体験を済ませたことで自信をつけた耕太は咲子にも果敢に迫っていく。咲子の両親がいない間に咲子の部屋に上がり込み、拝み通してからの口内射精、そして初合体。当初年下の耕太をバカにするような口調で罵っていた咲子に変化が見られるようになっていく。体を重ねていくうちに咲子は耕太に好意を抱くようになっていたのだ。美女二人の芳香を求めてやまない耕太の顛末は・・・・・・。
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-神谷はサラリーマンで大のつく女好き。口八丁手八丁でホステスから女子大生、未亡人、看護師、女教師、美容師らを篭絡、快楽の海に溺れていく。 神谷は30歳のサラリーマンである。1か月のうち女が欲情している日を当てるのが特技だと自負している。道を歩いていても、会社の中ですれ違っただけでも、欲情していると目を付けた女を見つければ、片っ端から声をかけてベッドに誘い出すのが癖だ。今宵のターゲットは上司に誘われた新宿のバーでホステスをしていた友恵だ。発情していると確信した神谷だが、その日は思いかけず、かわされてしまう。それでも目を付けた女は必ず落とすと決めている神谷は翌日、電話で友恵を誘い出すことに成功する。深夜の鉄板焼き屋でいいムードになったが「排卵日だから」と固辞する友恵。「携帯用のビデを持っているから」と返す神谷。神谷の熱意についに股を開く友恵だったが、客と寝るのは初めてだという。聞けば、同棲している男がいるのだが、嫉妬深く浮気がばれようものなら暴力を振られるうえにインポテンツでもあるというのだ。「一度寝た女とは二度と寝ない」ポリシーの神谷が次に目を付けたのは同じアパートに住む女子大生の尾崎伸子だった。女子大生が好みそうなイタリアンレストランに誘うとホイホイとついてきた。ピザと赤ワインで酔わせてダンスホールで踊っていくうちに抱きついてくる。簡単にものにできると踏んで旅館に誘うも「それは嫌!」という。なんと彼女の好みは外ですることだった。芝生の上で貪りあう二人。金網のフェンス越しにはカップルが多数いるだろう。警察官に見つかれば声を掛けられるかもしれない。そんなスリル感が二人を燃えさせるのだった。神谷の次のターゲットは同じ会社に勤める大崎幸子だった。右瞼は常に二重なのに、左瞼は一重。その一重瞼が時折二重になることに気付いた。見るとどことなくふっくらと色っぽく、桜色に染まっているではないか。その時こそが欲情のサインだと見抜いた神谷は外線で会社にいる幸子に連絡を取り、近くの喫茶店で落ち合い、あっけなくベッドインに成功する。しかし、グラマラスな肢体を持つ幸子だったがテクニックはいわゆる“マグロ”だった。いきり立っていた神谷のモノが急速に萎んでいくのが自分でも分かった。幸子の左瞼は一重に戻っていた。 7つの物語をまとめた短編集。
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-東南アジアを舞台に元AV女優や風俗嬢など過去にわけありの女たちが、“女の性”に葛藤しながらも痴態の限りを尽くし、快楽に溺れ続ける。 シンガポールの代表的なホテルといえばラッフルズホテルだ。この名門ホテルのバーが元AV女優・福岡まりんのお気に入りの場所だ。時折、日本人観光客にうっすらと素性がばれることがあっても気にしない。AV女優とは気が付かないまでも、華奢なのに乳房だけ盛り上がったまりんは男たちの視線を引き付けるほど目立っていた。現地の中華系の大金持ちの息子であるリーが現在の恋人だ。しかし、リーとの出会いは最悪のものだった。同じ語学学校に通っていた派手で遊び好きな女が、まりんを元AV女優と気付いて中華系の金持ちの男たちに売ったのだ。日本のAVはシンガポールでも人気があるからだ。だまされて、彼らの待ち構えるチャイナタウンの豪華マンションに連れて行かれる。そこにはリーのほかに二人の男がいた。マリンをだました女は吐き捨てる。「好きにしていいよ、この女」。AVでは複数プレーもSMもレズも経験済みだったが、それらはあくまで仕事。報酬をもらって合意の上だ。しかし、異国で拉致監禁みたいな真似された上で輪姦など、完全な犯罪である。 しかし、まりんは開き直った。怒りに燃えた。自ら裸になって彼らを一人ずつ相手にしてやった。やられたのではない。こちらから、やってやった、のだ。あまりのテクニックに彼らは降参してしまった。特にリー。なんとまりんを恋人にしてしまうのである。そんなあるとき、まりんが世の中でもっとも憎んでいた、自分を捨てた実母が所用でシンガポールにやってくるという。運命の再会を果たしたまりんの心に去来したものとは・・・・・・。 この「熱帯性熱情的寝室」を含めた7編のオリジナル短編集。
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-大手化粧品会社を舞台にモデルとの情事というスキャンダルを握られた杉山専務。部下の竹内啓一郎が自らの体を武器に犯人を追い詰めていくのだが・・・・・・。 銀座化粧品の宣伝制作主任である竹内啓一郎は、スタジオでイメージガール候補の江崎まゆみと甘美な情事を楽しんでいた。そこに青山勇吉と名乗る謎の男から電話が入る。竹内の強力な後ろ盾である杉山専務が元イメージガールで現在はモデルとして活躍している水谷アリサとのセックスシーンを撮ったという。ネガを返してほしければ5000万円支払え、拒絶すればマスコミに写真をばらまくとの脅しだった。次期社長の椅子を目前にした杉山の窮地を救うため、竹内はさまざまな女性たちと関係を持ちながら情報を集め、青山の行方を追うのだが、その竹内にも罠が仕掛けられていた。竹内が水谷ありさと関係を持った翌日にアリサの死体が発見され、さらには竹内とアリサのセックスシーンも撮られていたのだ。追い詰められる竹内だったが、ようやく青山の正体を暴くことに成功。青山と対峙するのだが、そこで思わぬ出来事が起きたのだった。そして、アリサを殺害した意外な犯人とその動機も明らかになる・・・・・・。
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-「植物学の父」とその糟糠の妻を描く。 小学校中退ながら、ほぼ独学で植物の研究に生涯を捧げ、輝かしい業績を残した牧野富太郎と、想像を絶する生活苦にもめげず夫を支えた妻・寿衛子の生涯を、富太郎と同郷の著者が丹念に描く。 裕福な商家に生まれた富太郎は、父母を亡くしたにもかかわらず、研究と趣味のため湯水のように金を使ったので、たちまち困窮。なおも高利貸しから借金を重ね、借金取りに追い回されるのが常態となる。そんななかでも、寿衛子は13人の子ども(成長したのは7人)を育て上げ、待合の女将として働き、富太郎の夢を叶えようとした。 夫婦の手紙を紐解きながら、「植物学の父」とその糟糠の妻の素顔に迫った名作。
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-父の再婚で突然できた若くきれいな義母、そして義姉に興奮を隠せない昭吾は次第に倒錯した欲望に取り憑かれていく。そして、その牙は自分を慕ってくれていた幼なじみにまで向けられていく。 山尾昭吾は父親と二人きりの生活を長らく続けてきた。その父親が突然、再婚することになり、二人きりで住んでいた屋敷に義母・義姉と同居することになった。あまりに美しい義母、義姉に一瞬で心を奪われた昭吾は彼女らの下着で自慰することが日課になっていく。だが、それだけでは満足せず、次第にエスカレートしていく。義姉の早苗はすでに男性の経験もあり、あっさりと昭吾の欲望を叶えてくれた。さらに暴走していく昭吾は幼なじみでもある恵美へも自分の欲望をぶつけていく。昭吾のことを好いている恵美は言いなりになった。それを良いことに昭吾はさらに倒錯した欲望を募らせていった。早苗と恵美にレズプレイを強要して、終いには二人と代わる代わるに関係を持つ。そして、最後の目標だった義母の芙美子に対しても手練手管を使って騙し、陵辱の限りを尽くしていく。最初は頑なに拒んでいた芙美子も次第に快感に溺れ、自分の理性が壊れていくのを理解しながらも快楽の渦に巻き込まれていくのだった。
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-フェロモンをまき散らす美人スポーツ記者・冴子が、禁欲生活でスランプに陥っている各界の若手選手たちを乳液まみれの魅惑のふとももで昇天させ、再生させていく。 矢神冴子はMスポーツ新聞社の遊軍記者で27歳。新聞記者には珍しく、毎日超ミニスカート姿が定番で、量感をたたえたふとももには誰もが振り返り、生唾を飲み込むほどのセクシーさだ。そんな彼女の新企画はJ大学を卒業した3人のプロスポーツ選手のその後。プロ野球にドラフト1位で入団したスラッガー・長沢、プロサッカーに鳴り物入りで入ったストライカー・大木、そして相撲界に嘱望されて入門した小久保。それぞれ学生時代に輝いていたころの雰囲気は見る影もなく、低迷していた。そんな彼らの共通しているのが「腰の切れが悪い」と見抜いた冴子は自らアプローチしていく。そして、決して最後までは許さないまでも手や口、そして誰もが生唾を飲み込むふとももを乳液まみれにして、腰の切れを取り戻させる。冴子の”秘密の特訓”で彼らは輝きを取り戻していくのだった。そして、さらに憧れの上司の指示でJ大学出身の低迷する陸上競技選手、プロゴルファー、柔道選手、騎手たちも次々と復活させていく。
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-國重雅美は23歳。甘いマスクにサッカーで鍛えた体の持ち主であるにも関わらず未だ童貞だ。そんな彼に勤務先の女社長や人妻受付嬢たちから性の手ほどきを受けて、男としての自信を取り戻していく・・・・・・。 大学卒業後、「平沼商事」に入社した國重雅美は入社半年が過ぎても大した仕事も与えられず、妖艶な女社長・小坂井明菜の運転手兼お供という立場。サッカーで鍛えた体の持ち主でイケメンでもある雅美は大学時代の失恋から立ち直れず、女性不信に陥り、未だ童貞のままだった。草食系で奥手な雅美は美人社長に手取り足取り、やさしく実技指導されて、ついに童貞を卒業することになる。めくるめく初体験を味わって男に開眼した彼の次なるお相手は会社の先輩受付嬢の青山杏子だ。28歳と雅美より年上ながらすでに人妻である杏子から声をかけられた雅美は誘われるままに居酒屋へと連れて行かれて口説かれる。そして、ラブホテルへ。抜群のテクニックを持つ杏子のワザによって快楽に溺れてしまう。男としての自信を取り戻し、女性恐怖症を克服した雅美は、大学時代に別れた因縁の相手である圭子に3年ぶりに連絡を入れる。再会したふたりはお互いに思い違いをしていたことに気付く。なんと圭子はお見合いも断り、雅美のために純潔を守っていたのだった。そして、ついにふたりは結ばれるのであった。
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-主人公・亮は神秘的な魅力を持ったセクシーな美青年。女たちを引きつけて離さない彼の美貌は、一つ屋根の下に暮らす女たちが見逃すはずがない。乱れた愛欲生活に溺れた果てに・・・・・・。 マダム倉田こと倉田千春は自分の名を冠した一大ビューティーサロンと付属の美容学校、化粧品部門の『マダム倉田コスメティクス』のオーナーである。長年ジャズダンスで鍛えたスタイルはとても40代には見えない妖艶な魅力を保っている。そんな千春が夢中になっているのが、20歳以上も年下の美青年・亮との愛欲の日々だ。たまたま入ったビストロでバイトしていた亮を一目見て気に入りスカウト。住み込みの専属運転手として雇い、自分専用の愛玩具として日々、体を交わらせていた。だが、亮の魅力に惑わされていたのは千春だけではなかった。豪邸には千春だけでなく、千春の妹である副社長の美津子もまた姉の目を盗んで亮と逢瀬を重ねていく。これだけでは終わらない。未だ男を知らない千春の娘・梨沙は豪邸の温室で薔薇の香りに包まれながら亮に抱かれる。家政婦の友江は声が漏れないように納戸で交わり、その肉体に執着していく。たまに豪邸を訪れてくる二人の女も同じだ。整形したことをごまかすための休日を屋敷で過ごすアイドルのさやか、千春を慕う秘書の洋子も亮の虜となってしまう。一人の男をめぐる6人の女模様。最後は悲劇的な結末が待っていることも知らずに女たちは亮にのめりこんでいく。
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-23歳になる麻里は在宅で出版社の仕事を請け負っている。何の変哲もないアパートで暮らしているのだが、彼女は「智康」という名のペットを飼っていた。 麻里は今年で23歳になる。高校生の時に飼っていた十姉妹を蛇に食べられてしまい、ペットを飼うのはためらっていたのだが、現在は猫を飼っていた。智康という名前で、実は人間である。猫のように気まぐれな年下の男に、麻里はすっかりはまっていた。だが、智康は麻里にべったりと懐く一方で、カナという専門学校の同級生と同棲もしていて、別れるといいながら一向に別れる様子はない。智康をなんとかして独占したいと願う麻里は、次第に倒錯した欲望を抱き始める。そして、ついに麻里はカナにすべてをばらして、手を引かせようとするのだが・・・・。恋愛と結婚、愛情と肉欲の光と影に揺れ動く女を描き出す表題作のほか、智康とは正反対の性格でがっしりとした体格の晃司との倒錯した愛を描いた「男という犬を飼う」、若いホストに狂って、自ら壊れていく女の悲哀を描いた「ホスト狂い」を収録。
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-姫島羊祐は31歳でSEXコンサルタントのアシスタントとして活躍中。クライアントをはじめとした女性たちからの誘惑がひっきりなしなのだが・・・・。 多忙な院長に代わり、獅子奮迅の活躍をするSEXコンサルタントのアシスタントである羊祐の仕事は、他人の悩みを聞き、解消してやることだ。ところが彼は175センチの長身に加え、イチモツは円周14センチとかなり太い。そんなこともあり、クライアントの女性相談者や行きずりの若い女、院長夫人にその姪である看護師のみつ子とひっきりなしに誘惑の声がかかる。時にはカウンセラーを受けに来た若夫婦に頼まれて、ラブホテルに入っての「診察」なんてことも・・・・。とにかく欲求不満な女たちの要求が激しくてモテて仕方ないのだが、一戦交えた後に女たちはこぞって不満な顔をする。そう、羊祐のものは円周こそ大きいが長さが足りなかったのである。短小コンプレックスを抱えた男の、珍無類の奮闘を描く経済小説の名手・清水一行によるエロティックコメディー。
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-総合商社・東日紡績の澤野課長は48歳。しかし、同じ会社の実業団ビーチバレーボール部で活躍する麻尾真純に一目惚れしてしまう。彼女は20歳で自分の娘といってもいいほど年の差が離れているのだが・・・・ 澤野が「ビーチバレーの妖精」のグラビアを見て一目惚れしたのは実業団ビーチバレーボールチームに所属する美人アスリート・真純だ。ついには湘南に彼女の出場する試合を観戦に行き、そこで真純と出会う。笑顔がたまらない20歳はまだ処女だった。しかし、真純と知り合ったのをきっかけに、なぜか澤野の女性運は好転する。それまではくたびれた中年に過ぎなかったのに、真純との出会いを機に眠っていたものを呼び起こされ、かつての性春を取り戻していくのだ。部下のピチピチしたOL、小料理屋の美人女将、重役秘書らと次々と体を重ねることに成功する。そして、28歳年下である本命の真純の処女まで自分のものにし、真純の体を開発していく。真純は身も心も澤野に捧げるようになっていくのだった。
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-バンドマスターでピアノ講師でもある大町俊が出会う若い女たちはなぜか大町に触れただけで興奮する異常体質の持ち主だった。 大町俊はクインテット(五重奏)のバンドマスターでアレンジャーやピアノ講師としての顔も持っている。大町が情事を重ねているのは女子大生の板倉弓子だ。そして、いつも身体を重ねる度に恍惚の言葉を発し、失神してしまう。そんな弓子が愛おしかった。ところが、あるとき、抱き合った際に違和感を感じた。いつもと反応が違うのだ。とっさにほかに男ができたことを感じ取り、激しく嫉妬を覚えた。あれほどのいい身体を持ち、セックスの反応も良い弓子を手放すのが惜しいのだ。そんなある日、大町は弓子の友人である花野りえに逢うことになる。大町はりえの身体に異常な興味を引かれる。というのも、大町の身体が触れただけで、りえは身震いし、陶酔するかのような表情を浮かべるからだった。そんな大町とりえを邪魔するのが同じバンドメンバーの秋山だった。じつは板倉弓子を奪ったのは秋山だった。しかし、りえにも興味を抱いた秋山は嫉妬に狂ったのだ。そんな最中に大町はりえの姉であるふゆのと知り合う。そして、ふゆのもまたりえと同じような体質の持ち主で、大町に異常に興奮するのだった。何度も身体を重ねるようになるが、大町のりえに対する欲望は決して薄れたわけではなかった・・・・・・。
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-山岳小説の名手が挑むジュブナイル冒険小説。 海辺の町で暮らす三浦紫郎は、早くに両親を海難事故で亡くした小学6年生。大潮の日に、ある岩に耳を近づけると、誰かがつぶやくような不思議な音が聞こえるので、紫郎は「つぶやき岩」と名付けていた。 ある大潮の日、いつものように岩のつぶやきを聞いていると、岬の断崖に黒い顔をした老人が立っているのを見つけた。祖父によると、戦時中、岬には地下要塞が掘られていて、大量の金塊が隠されているという噂があり、それを探す“金塊亡者”が時折出没するらしい。 紫郎は担任の小林恵子やその弟・晴雄の協力を得て岬の秘密を探ろうとするが、その矢先に晴雄が殺されかけ、恵子の自宅が荒らされる。さらに紫郎自身も、何者かに命を狙われてしまう。 じつは、岩がつぶやく構造にこそ岬の秘密を解き明かす鍵があるのだが、はたして紫郎は真実に迫ることができるのか――。NHKでドラマ化もされたジュブナイル冒険小説の名作。
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4.0東京のやくざ組織・東鞘会に所属する兼高昭吾は、弟分の室岡と沖縄に飛び、ターゲットの喜納修三を殺害した。その夜、一人になった兼高は激しく嘔吐する。実は兼高は警視庁組対部に所属する潜入捜査官だったのだ。後継者問題をめぐり、東鞘会では血で血を洗う抗争が続いており、喜納殺害はその一環だった。兼高の最終任務は東鞘会会長である十朱の殺害。十朱は警視庁を揺るがす、ある“秘密”を握っていた。ボディガード役に抜擢された兼高は、身分が明かされた瞬間に死が迫る中、十朱への接近を図るが……。 電子書籍版限定、書き下ろし短編を収録! ※本書は2017年9月1日に配信を開始した単行本「地獄の犬たち【電子書籍限定!書き下ろし短編収録】」をレーベル変更した作品です。 (内容に変更はありませんのでご注意ください)
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-母と妹ー二輪の濡れた花心にぼくは猛り狂った肉刀を交互に突き当てていった。インモラルな情欲がぼくらを淫獣家族に変えていったと思ったら、意外な事実が明らかにされて・・・・・・。 ぼくは医学部に通う大学生だ。しかし、実家に帰ったところ、ひょんなことから亡き父と若き母親のSM写真を見つけてしまう。ぼくは虜になった。そしていつしか、母親を性のおもちゃにするようになり、さらに10代の妹・貴美代にもSMプレイを仕込んで虜にさせてしまう。淫欲にまみれた生活だったが、転校した大学で昔なじみの小織と出会い、恋に落ちる。そして、小織もまたみんなでSMの虜にしていくのだが、母親から驚愕の事実が告げられる。なんとぼくと母親・貴美代の間には血のつながりがなかったのだ。そして、小織とのほんとうの関係とは・・・・・・!?
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-スケベ心満載の旦那たちをあざ笑うかのように、その一枚も二枚も上手の淫乱妻たちは、ありとあらゆる知恵を使って心と体の快楽に溺れ、饗宴に悶えるのであった。 二階から正彦くんの降りてくる気配を感じて、あたし、スケスケのネグリジェをはだけたようにしてうたた寝のふりをするんです。正彦くんは夫の遠縁にあたる大学生で、2か月前から我が家に下宿するようになっていたの。彼ったら、ずんぐりむっくりの主人なんかとは全然違ってアイドル顔負けのスリムでハンサムで格好良いさわやかな感じです。子どももいながら、あたしは正彦くんと愛欲の限りを尽くして、しかもそれはエスカレートするばかり・・・・・。表題の「快感ゲーム」ほか6作の短編集。妻たちの猛烈なセックス攻勢の前になすすべなく、弄ばれる男たちの悲哀を描いた物語。
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-泰平グループ傘下の泰平電装社長急逝の後を継いで、元女優でもある若き未亡人、白石真砂美が社長となった。だがその矢先、美貌の女社長のレズシーンを盗撮した写真が、脅迫状とともに送り付けられてきた。 花形淳平は元人気俳優でその美男子ぶりから、数多くの女性と浮き名を流してきた。一方で、泰平グループ総裁の息子という側面も持ち、社内のトラブルを処理する役割も担っていた。泰平電装の新社長の下に送られてきた脅迫状を捜査するうちに泰平電装内に女スパイは暗躍していることを察知した花形は片っ端から、疑いのある社内の女性社員たちと関係を持ち、真実に迫る。そして、ついに犯人を割り出すことに成功する。そして、その女も花形は落とすことに成功して、ライバル起業の逆スパイに利用することを思いつく。しかし、最後の最後で思いもよらぬ大どんでん返しが待っていた。
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-あたしは18歳。高校卒業したばかりのスチュワーデス見習いなんです。乗員やお客様にどんな恥ずかしいことをされても愛想良く裁かないと本採用にならないんです。それにしても、なんで男の人ってみんなこんなにエッチなのかしら! あたしは高校卒業したばかりの18歳、スチュワーデス見習い。もちろん、処女。だけど、憧れのスチュワーデスになるためにはいろいろなエッチな研修があるの。それにパスしないとスチュワーデスにはなれないの。研修ではお口で奉仕させられたり、危うく処女も奪われそうになったりしたわ。スケベな機長や副操縦士、他のスチュワーデスは多国籍で、本採用のあとのフライトで飛んだハワイでは、もちろん外国の男たちも相手にしなくてはならない。さらにはズーズー弁のハイジャック犯まで登場しての大乱交。ハチャメチャすぎるコミックエロス。
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-女性専用のエステに通う生足美女と性に飢えた少年たちが繰り広げる乱倫の日々。さかりのついた雄と雌たちの暴走は誰にも止められない。 女性専門のエステサロンを経営する宮下敬子は、たとえ40歳を過ぎてもストッキングなどはかないきれいな生足でいて欲しいと店を始めた。その店に集まるのは生唾ものの肉体を持つ人妻ばかりだ。そして、敬子の店でアルバイトをする男子高校生や大学生、または彼女の周辺にいる少年たちはそれぞれに「性の悩み」を抱えていた。敬子は彼らの悩みを聞いては得意の「モモズリ」で昇天させていく。そして、大人の階段を一歩上った彼らは、それぞれ思いを寄せる女性たちを相手に思いを遂げていくのだった。そして、敬子の息子もまた密かに敬子へ複雑な思いを寄せていた・・・・・・。
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-18歳の男子高校生・千春は童貞だ。ふとしたことから千春は父の美人秘書の虜となってしまう。さらに高校時代に憧れていた1歳先輩の女性とも急速に惹かれあうようになり・・・・・・。 佐々木千春は18歳の高校生だ。童貞である。父親は著名なインテリアデザイナーなのだが、その父の秘書である29歳の柳沢美也子に心を奪われてしまう。熟れきった妖艶な肢体の魔力に抗いきれない千春は美也子の手ほどきでキス、そして濃厚なペッティングと徐々に快楽に溺れていく。そして、美也子もまた3歳年上の婚約者がいるものの、みずみずしい18歳の少年の肉体の呪縛から逃れられないようになっていく。 そんな二人の間に現れたのは、千春の高校時代の1歳年上の先輩でずっと憧れていた小坂忍だった。現在、インテリアデザイナーを目指して専門学校に通っているのだが、ひょんなことから忍の父親のアシスタントとして働くことになってしまう。もちろん、忍ともそれなりの関係は持ってはいたものの、まだ最後の一線は越えておらず、処女と童貞の関係だった。そんな折、父親から「息子に悪い虫がつかないように」とお目付役を二人の女性に命じるのだった。競争する形になった彼女たちは千春に迫っていく。ハラハラして、純情なところも見せる千春だが、誘惑には勝てず、まずは妖艶な美也子と、そして忍の処女もいただくことになる。三つ巴の愛憎劇の行き着く果ては!?
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-鍬原は銀行員。上司の命令で預金獲得のノルマを達成するために、有閑マダムたちの性の欲求を満たすことに・・・・・・。 鍬原賴三(らいさん)は京王銀行中野支店の預金係副長。33歳、独身。身長179センチ、体重79キロの頑丈な体つきに好色な女たちは舌なめずりするほどだ。上司の命令で預金獲得のノルマが課せられているのだが、よりによってかつて鍬原が担当していた団地の有閑マダムたちが集団で定期預金を解約すると騒ぎ始めた。それを阻止するために身体を張った「営業」に精を出すことになる。「レターフレンド」という呼び名の“マン拓交信”など奇想天外なものばかり。さらに艶福家の父親に複数の愛人がいたのだが、そのうちの一人である銀美には父に内緒で高校生のときに筆下ろしをしてもらった経験を持つ。そして十数年後、今度は銀美の娘・佳津子が「1000万円預けてもいい」と言い出しついに関係を持つことになる。つまり親子どんぶりだ。この他にも、銀行の同僚の美人妻を寝取ったり、父親の別の愛人から「便秘解消のため」にセックスをせがまれるなど、まさにパンツを穿く暇がないほどの享楽人生を送るのだった。城山三郎や高杉良と並ぶ経済小説の大家が官能小説に挑んだ意欲作。
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-日舞の家元、弥之輔は、親友の日本画家・水越豊彩と共に美女をなぶることを至上の喜びにしていた。そんな弥之輔の前に美人姉妹が現れるのだが・・・・・・。 日舞の家元、東雲流三代目弥之輔は好色家としてつとに知られていた。めぼしい弟子に手をつけることなど朝飯前だ。そして、親友で日本画家の水越豊彩もまた変態として有名だった。共通の趣味は二人がかりで美女をなぶりものにすることだった。複雑な家庭に育った10代の弟子である矢霧を呼び出し、素っ裸にした上で豊彩がデッサンを描き、弥之輔が弄ぶのだ。その上でテレビ局の重役に処女を差しだして、流派を大きくしようと目論んでいた。 そんな弥之輔の前に二人の美人姉妹が現れた。姉は弥之輔に弟子入り志願してきた菅谷和歌子、妹は銀座のクラブ『絢』のママ、広瀬夏美であった。舌なめずりする弥之輔と豊彩。しかし、彼女たちは実母の復讐のために現れたのだ。彼女の実母はまだメジャーになっていない頃に弥之輔の求めに応じて、金の工面をして、身体をおもちゃにされながらも最後にはボロぞうきんのように捨てられていた。 入念に復讐の準備を進めてきた姉妹だが、ひょんなことから素性を知られてしまう。そして、逆に剃毛、アヌスなぶり、ワカメ酒、強制レズ・・・・・・と二人は弥之輔と豊彩のどす黒い欲望の餌食となり、転落の渦に飲み込まれていくのだった。
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3.0異様な風習を持つ村にやってきた安彦少年は次第と究極の快楽を求めるようになる。姉と慕う従姉・奈美子を愛し始めるのだが・・・・・・。 両親を喪い、叔父夫妻の住む村にやってきた羽仁安彦は同級生の神主の息子である大月昭吾とすぐに仲良くなる。安彦に誘われ、自宅に遊びに行くと座敷牢に入れられた姉・光子の姿があった。何度か家に行くうちに病的なまでの妖艶さを持った光子は目をぎらつかせ、自慰を始め、安彦に卑猥な限りを尽くす。衝撃を受けた安彦は異常ともいえる性に目覚め、安彦と同様両親を喪い東京から転校してきた同級生のめぐみを卑猥に虐める一方で、村に出戻ってきた23歳の元人妻・小夜子に誘惑される。しかし、安彦ははじめから村に帰省していた年上の従姉である奈美子に心を寄せていた。なんとか距離を束付けようとする安彦だったが、奈美子は安彦のことを弟としか見ていなかった。奈美子は全寮制の学校に通っていて、寮に戻る日に安彦に手伝いをして欲しいと懇願し、女子寮に連れて行かれる。そこで知り合ったのが奈美子の同級生の恵理子が学校案内を買って出てくれたのだが、テニス部の部室で安彦は恵理子に誘惑され、童貞を失うこととなる。その晩、恵理子の誘いで女性達が集まる謎のパーティーに連れて行かれ、磔にされる。そしてまだ処女である女生徒の貫通式の相手をさせられる。そこに光子が過激な自慰の結果、突然死んでしまう。村に戻った安彦と奈美子に魔の手が襲う。それは昭吾の仕業だった。最後の最後に驚くべき真実が明らかにされる。安彦と奈美子の運命はいかに・・・・・・。
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5.0父の仇討ちの旅に出た城下一の美人姉妹だったが、本懐を目前にこともあろうに仇に捕まってしまう。そして陵辱の限りを受けるのだが・・・・・・。 江戸から明治に世の中が変わっていくところ、伊豆・長岡の荒れ寺に坊主のふりをして住み込んだ半次郎が、有料の世相講釈で、村人や山賊の人気を博していた。会津出身で、若松城が落ちてから流れてきたのだが、実は官軍との戦の中で、指揮官と主を仲間の甚八と共謀して殺害していた。勝てぬ戦を前にしてふたりの首を官軍に差し出し、褒美を得ようとしたのだ。が、主を裏切ったふたりは武士の風上にもおけないと官軍からも追われる。ケンカ別れのあと三島の女郎屋に身を潜めていた甚八から、久しぶりの連絡が入る。殺した主の妻の志乃とその妹美雪、指揮官の息子の梅三郎が仇討ちのために、近くまで来ているというのだ。志乃は会津白菊隊の隊長だった。討ち死にしたと思っていたが、生き延びていた。白菊隊の隊員だった美雪ともども、腕がたつ。そこで甚八たちは山賊に助っ人を求め、三人を待ち構えるのだった。ところが、本懐を前に、志乃、美雪らは半次郎たちに捕まってしまう。そして陵辱の日々が始まる。心では嫌悪しているものの、次第に身体は正直に反応していく。甚八に犯されながらも、志乃は熱病に冒されたように全身をぶるぶると震わせる。そして、甚八が鋭くうめいて射精する。志乃は熱い男の体液が激しい勢いで自分の体内に放出されたことを知覚すると大きくうなじをのけぞらせるのであった。
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-小さな出版社で雑誌編集者をしている響子はとにかくクールだ。男と寝ることも平気だ。しかし、そこに至るまでにはある過去が隠されていた。 26歳の雑誌編集者・瀬尾響子はとにかくクールだ。数年間つきあっているている夏夫と激しい一夜を共にした翌日に彼から3年のニューヨーク赴任が決まったと告げられても、微動だにしないほどだ。実は響子には過去に激しい恋をして激しく傷ついた経験があった。女子高生時代に、父・洋一の会社で片腕だった妻子持ちで一回り年上の矢部俊介に心惹かれるも、母・亜似子から猛反対される。表向き「妻子持ち」が理由だったが、実は母親と矢部の間に何かがあったらしかったからだった。そのことを知った響子は怒り、母と矢部を軽蔑する。そして、その直後に亜似子が急死。自暴自棄になった響子は好きでもない大学の同級生に抱かれて処女を失う。それからは奔放な性に目覚め、夏夫と別れた後は取材で知り合った人気俳優の加納満と付き合うもスキャンダルに巻き込まれてしまう。自暴自棄になった響子は編集長の橋本とも一夜を共にしてしまう。そんな状況で響子に救いの手を差し伸べたのは偶然再会した、あの矢部俊介だった。父が引退した後に会社を引き継いだ矢部は事業を大きくし、敏腕経営者として各方面に人脈を持つ大物になっていた。そして私生活では離婚し、独身に戻っていた。そして、時間を重ね合ううちに、響子の心は次第に昔を思い出していき、最後は・・・・・・。性が愛の究極なのか、それとも愛が性の究極なのか。一人の「バリキャリ」レディーが性の遍歴を重ね、真実の愛を掴むまでを描いた、著者の長編デビュー作。
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-S商事の営業二課の課長代理をしている上杉は妻子持ちだ。職場の花だった部下の西原順子と時間を過ごすうちに深い仲へと発展していく。 行きつけのパブに立ち寄った上杉は、すぐ近くで部下の女性社員たちが猥談をしている場に出くわしてしまう。「(うしろの穴は)やっぱりナメナメしてあげたほうがいい。タマのほうにかけてそうすると、男性なんかもうー」。あまりのあけすけぶりに呆れる上杉だったが、その中に部下である西原順子がいるのには驚いた。順子は職場の花だったのだ。しかし、二人で話をしてみると猥談は先輩女性社員に無理矢理付き合わされただけで、実際は実家暮らしで両親からの束縛が激しく、会社で拘束され、盛り場へ出るときも同僚と一緒と、毎日息が詰まる生活を送っていた。そして、言葉巧みにホテルに誘うも上杉が妻子持ちであることを理由にセックスは拒む。その代わりに口で上杉の下半身に奉仕する。達者ではなかったものの、一心なその姿が何より刺激的だった。順子もいけないとわかっていながらも上杉に心を奪われていく。上杉が順子の実家まで送っていったある晩、両親の束縛にいよいよ耐えきれなくなった順子は自ら上杉を求め、実家近くの公園のベンチでついに結ばれるのであった。この「夜の暦」はじめ、オフィスを舞台にした珠玉の10作短編集。
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-北海道の繁華街・ススキノに次々と男たちを路地などに連れ込んで犯す痴女が現れた。その痴女の正体を追う新聞記者の運命は・・・・・・。 「ススキノに痴女現る」という新聞記事が街中に大反響を呼んだ。記事を書いた記者・北見の行きつけの小料理屋でもその話で持ちきりだった。痴女といっても、電車の中で男の下半身を触るなどという単純なものではない。酔っ払った男を深夜、路地などに連れ込んでホルマリンをかがせて犯すという強烈なものだ。おまけに犯された男は何も覚えていないのだが、目を覚ますと下半身に生えている恥毛が1本残らずそり落とされているのだ。男たちは熱狂した。「自分も犯されてみたい」と・・・・・・。記事が反響を呼んだために、北見は特集を組むことを命じられる。取材を進めてみると、痴女は色白の美人で、サングラスをしている。年齢は30歳前後で襲われる男は決まって10代後半の若い男だ。北見は知り合いである特殊浴場勤務の女の情報を元に取材を進める。そして、ついに警察が動き始める。第5の被害者が持っていた現金を痴女に奪われたというのだ。しかし、その被害者は32歳ということに加え、恥毛も剃られていない。これまでとは違うパターンだ。狂言だったのだ。振り出しに戻ったわけだが、ある夜、北見は背後から声をかけられた。ハスキーな声だった。出た!と思った時には、もう意識がなかった。北見が発見された時、まわりには深夜とは思えないほど人垣ができていて、無残に剃りとられた恥毛の上に口紅が1本と使用済みコンドームが落ちていた。シャツをめくるとお腹には「これから冬眠。春まで待って!」と口紅で書かれていた。痴女は一帯誰なのか!? 表題作「痴女伝説」に加え、「とまどい」「ウエディングベルが鳴る前に」「夜の指」など9作からなる短編集。美人官能作家として時代の寵児となった著者の会心作である。
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-美少女アイドルとその母親の元に悪徳所属事務所社長から命を受けたヤクザたちが向かい、陵辱の限りを尽くすのだが・・・・・・。 暴力組織とも繋がりのある芸能事務所社長の勝山は、手段を選ばない男だ。移籍を画策するアイドルは手下のヤクザを使い、陵辱してその様子をカメラに収めて脅迫。移籍封じするどころか、美少女好きの政治家に抱かせるなど骨の髄までしゃぶり尽くしてきた。今度の標的は、人気アイドルの宇佐美メグだ。まだ男を知らない純情な少女だ。熟れた母親・あき子と写真集撮影のために事務所の社員寮に滞在していた。そこに勝山の息がかかった2人のヤクザが忍び込み、まずは母親に陵辱の限りを尽くす。心ならずも体が反応してしまうあき子。ヤクザに犯されながらも我を忘れ、激しく反応し、よがり超えをまき散らして悶え狂う。その様子を見せつけられるメグも一糸まとわぬ真っ裸にされる。その姿に興奮したチンピラのテツは自らの肉棒をメグの口に押し込もうとするのだが、そこでメグが反撃し、膨張したテツのイチモツを爪切り鋏で思い切り切り刻む。そしてあき子を弄んで風呂に入っていた兄貴分のサブに向かってメグが出刃包丁を突き立てて、黒幕の名前を聞き出す。大どんでん返しの結末は・・・・・・。 この「柔肉の報酬」に加え、「悪女の肉宴」「娼婦母 禁断の約束」「注文の多い人妻モデル」ほか計6編を集めた名手・館淳一の短編集。
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-40歳の行雄は12歳年上の姉に恋い焦がれるシスコンだ。女に甘えることが大好きで、3歳年下の響に身も心も可愛がられて喘ぐ・・・・・・。 37歳の響は、しつこい男や、用もないのに追ってくる男に対しては鉄面を見せる男っぽい性格だ。しかし、ふとしたことで知り合った身長180超えの大男で40歳になる行雄にはなぜか引かれるものがあった。行雄のすることはどこか遠慮がちであり、手慣れなさが垣間見えたからだ。長年にわたって仕事をしている大人の男なのに女の前では少年の部分が顔を覗かせるのだ。じつは行雄は6歳のときに結婚した12歳年上の姉に憧れを持つシスコンだったのだ。だから行雄はことあるごとに響に甘えてくる。響の乳房に頭を埋め、乳首をペロペロ舐め回してくる。響の手首を掴んで、自分の下腹部に持って行く。実際には3歳年上にも拘わらず、目の前の行雄はたまらなくかわいい。さっぱりした性格の響だが、セックスの対象になる男の前では、嘘のように女の部分が増殖してしまう。「体を弄ばれることってなかったから、いろいろなところを触られたい」という行雄に響は欲情する。シャワーも浴びずに絡み合う。髪の毛や腋の下の匂い、性器の匂い・・・・・・汗や体臭さえ燃え上がる女にとってはご馳走になるのだ。密室で男を飼いならしたいという欲望をかなえて、響は満足そうな笑みを浮かべるのだった・・・・・・。今まで著者が書いてきた作品とは一線を画したという自信作「響」に加え、「HUG」「仮面の夜」「冷たい熱帯魚」「脱皮」「ヌードモデル」など9作をまとめた短編集。
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5.0夫の再就職問題で知人だった佐久間に相談したことで、美人妻・千亜紀の運命は急転していく・・・・・・。 夫・真人が勤めていた大手銀行が倒産。再就職に悩む真人のために29歳になる貞淑な妻・千亜紀は学生時代にバイトしていたときに知り合った大手損害保険会社の元専務だった佐久間德二郞に相談した。すると、佐久間からはかつていた会社への再就職を条件に千亜紀の体を弄ぶ。そして、要求は次第にエスカレートしていく。夫のためとはいえ、佐久間に体を許したことが千亜紀の胸に悔恨の念を宿す一方で、体は佐久間にされた破廉恥な行為を待ち望んでいくのであった。そして、佐久間の命令で入った華道教室で講師として待ち構えていたのは佐久間の後妻である美和だった。バイセクシャルである美和のテクニックに千亜紀は頭では拒むものの、体はいつしか美和を求めるようになっていく。精神的に崩壊しそうになると思いつつも、抗うことのできない快楽に千亜紀は溺れていくのであった・・・・・・。
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5.0萩原朔太郎の長女が描く、壮絶な物語2篇。 「天上の花」は、詩人・三好達治を、幼いころから三好にかわいがられていた著者ならではの目線で描く。三好は前妻(佐藤春夫の姪)と別れ、朔太郎の妹・慶子と付き合うようになるが、きらびやかな生活を好む慶子と、貧しくても平和な暮らしを望む三好の愛の生活は、やがて破滅的な最後を迎える――。第55回芥川賞候補作。 「蕁麻の家」は、母親が他の男のもとに走ったことが原因で、幼少期から祖母、叔母など家族みんなに疎まれ、頼みの父親からも避けられてしまう主人公の、まさに棘に囲まれているような生活を描いた秀作。第15回女流文学賞を受賞。
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-拉致監禁された深窓の令嬢が二人の兄弟に弄ばれながらも、徐々に快楽の虜となっていき・・・・・・。 30歳になるしがないサラリーマンの「おれ」は、女房にせがまれ、やっとの思いで一戸建ての家を購入した。しかし、女房からは1年も経たずに三行半を突きつけられた。出て行った女房の代わりに自宅に住み着いたのが8歳年下の弟の治だった。 肉体労働をしている治は並みのサラリーマンよりも稼ぎは良い。あるとき、治は“大きな荷物”を抱えて帰ってきた。その荷物の中身は、深窓の令嬢だった。その日から、その令嬢は兄弟たちの欲望のはけ口とされるようになる。 自宅に軟禁され、食事と眠る時間以外はひたすら陵辱の限りを尽くされる。当初こそ、必死に逃げようとしていたものの、檻の中で飼われる彼女は次第に気力をなくし、しまいには自らとろんとした眼で腰を振るうようになっていくのであった・・・・・・。 メインの「俺たちのペット」に加え、同時収録されている「レイプライダー」「乱歩を読みすぎた男」も清純な処女たちを陵辱するというなんとも過激な作品集。 団鬼六に師事し、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。
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-熟年離婚、病気、さらに閑職へ追いやられた仕事人間が、人生を楽しむために美女たちと乱倫の限りを尽くす。 高砂佑一郎は「スタービール」のエリートコースをひた走ってきた。仕事一筋で役員の一歩手前までいったものの、家庭を顧みなかったため、妻に愛想を尽かされて三行半を突きつけられてしまう。さらに肝臓を患い、長期入院を余儀なくされてしまう。ようやく復帰したもの、自分の席は他の人間に取って代わられて、与えられた仕事は閑職といってもいいものだった。 これまでの人生はなんだったのか・・・そう考えた高砂は、残りの会社員人生を仕事ではなく、かつて大好きだった女遊びに費やすことに決める。社長の姪で人妻である香澄、フードジャーナリストの由夏、書道家の涼子、わけありの32歳・綾美、そして部下で結婚を控えている美樹・・・・・・数多くの美女たちと夜ごとまぐあい、下半身が渇く暇もない。 背徳あり、複数プレイあり。とびきりの女たちと秘態の限りを尽くし、快楽に溺れまくるのは、すべてを犠牲にして頑張ってきた会社人生への復讐なのか。 団鬼六に師事し、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。
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-夜毎テレフォン・セックスで自らを慰めるOL。意気投合した男と一夜を共にしたことが悪夢の序曲となる。 昼は普通のOLをしている佳子は、夜のなると別の顔を見せる。ひとり寝の空虚な夜、テレフォン・クラブに電話をかけて見ず知らずの男たちと淫話を交わしながら自慰にふけるのだ。 しかし、あるとき意気投合した男と会うことに。そのまま、ホテルへ行って獣のように欲望を貪り合う。そして、その男と何度か肌を重ねるうちに、次第に佳子の近辺に不審な出来事が起こる。 まず無言電話が頻繁にかかってくるようになった。そして次第にエスカレートして佳子の情事の際の喘ぎ声が流れてくるようになる。相手の男には素性は明かしていないのに・・・・・・犯人はあの男なのか?なんの目的で? 性に渇いた女に迫る恐怖の日々。そして意外な結末が待ちかまえていた。 表題作に加え、官能バイオレンス七篇の短編集。 団鬼六に師事し、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。
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-裸身を震わせ喘ぐ社長夫人。隣では社長令嬢が悶え狂う。すべてをかなぐり捨て、女達はひたすら欲望を貪る。 現在、探偵をしている阿久津には耐えがたい屈辱の過去があった。かつて下着メーカーの敏腕営業マンだった彼が出張より1日早く帰ってくると、妻の裕子が裸のまま縛られ、恍惚の顔を浮かべていた。相手の名前を聞き出そうとするも決して口を割ることはなく、離婚届を置いて阿久津の元から忽然と姿を消していった。 そして、あることから相手の男が自分の同期で、直属の上司でもある白木政彦であることがわかるが、阿久津の方が左遷に追い込まれて会社を辞める羽目になる。 会社を追われ、探偵になった彼の元に、現在は滝沢社長の令嬢・麻紀と結婚して次期社長候補となっている滝沢(白木)政彦の身辺調査の依頼が入ったのだ。阿久津は政彦と同時に麻紀の身辺調査も開始したところ、麻紀が年下のテニスコーチと不倫していることを突き止める。 そして、麻紀と“取引”で彼女の体を奪う。当初は抵抗していたものの、阿久津の変態チックなプレーの虜になってしまう。 一方、政彦はというと滝沢社長の後妻・舞と不倫していた。つまり、義母と禁断の関係を持っていたのだ。そのことを知った阿久津は艶めかしい舞にも“取引”を持ちかけ、舞をおもちゃにする。そして舞もまた阿久津のテクニックで快楽に溺れていく。 滝沢社長の性癖も調べ上げ、滝沢一族の秘密を握った阿久津は、かつての怨念を果たすべく ある復讐劇を思いつく。それはなんとも淫靡で、滝沢一族を崩壊させるにはもってこいの計画だった・・・・・・。 団鬼六に師事し、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。
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-強引な男の手によって羽織った黒衣の裾は乱れ、白い腿が露わに。尼僧は涙を流しながらも・・・・・・。 交通事故で愛する夫を失い、尼僧となった春月尼はまだ28歳。仏門に入ったものの、その体には女盛りの血潮がたぎっていた。 やはり夫を失った南麻衣子の元に赴いた際にはまだ四十九日も経っていないにもかかわらず、若い男・京介に攻められ喘ぐ麻衣子の姿を目にしてしまう。そして、その光景を見て、体の芯が熱くなってくるのを感じてしまう。さらに京介に迫られても体の芯が疼いてしまうのだ。 男は亡くなった夫しか知らない春月尼だったが、次々と好色な男たちが現れる。建設会社の社長をしている荒木から必要に迫られ、ついに一線を越えてしまい、自分が生身の女であることを自覚するのであった。荒木に心を奪われそうになるも結局は遊ばれて捨てられてしまう。 紆余曲折の末、美術評論家を名乗る父親ほど年の離れた冬木政彦と結婚することになるが、冬木の性技で、それまで隠れていた淫乱ともいえる性癖がだんだんと開花する。冬木の弟子と関係を持つように命令されても嬉々として応じる自分がいた。 いつしか、求められたら体を開き、ときには自ら男を誘惑して快楽に溺れていくようになっていた。そして意外な結末が春月尼を待ち受けていた・・・・・・。 団鬼六に師事し、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。
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-これが、美女のナマの匂いなんだ…… 謎の巨乳美女に導かれ、体当たりで挑むビジネス戦争。勝つのは誰だ!? 「あなたの会社の一大事、知っておかないと損だわ」 ――ファストフード・チェーン「スナックチキン」本社に勤める藤井の前に突如現れた、謎の巨乳美女・真弓。 透けるように白い肌と完璧なプロポーション、そして抜群の感度のよさをあわせもつ真弓と夢のように濃密な時間を過ごした藤井は、彼女からライバル社の不審な動きを知らされる。 支店に送り込まれた美貌の女スパイ、政財界の大物たちを手がけるセックス・カウンセラー、熟女ながらバージンと噂のある女社長……平凡なサラリーマンにすぎない藤井の前に、次々現れる美女たちの狙いとは? 急成長を遂げつつあるファストフード業界を舞台に、色と欲が渦巻くミステリアスな官能ストーリー。 睦月影郎が存分にそのフェティッシュな本領を発揮した、熟れ頃美女のやわ肌が香りたつかのようなタッチが、あなたの五感を直撃する! 団鬼六に師事、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。
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-ひとりの好色な男とその愛人が出会った「はじめて」から「名残の一夜」までを描く、愛と性の連作短編集。 〈なんとかならないものかな〉――レコード店店主の吉住が友人を見舞った帰りの電車の中で見かけた、飛び切りのいい女。 白い肌、染めていない髪。清楚で気品があって……、しかし、女には思いがけない秘密があった。 三業地に籍を置く芸者・八千代だったのだ。正体を知り、早速会いに出かけた吉住は、思い描いた通りの八千代の肉体を堪能するが……。 吉住と彼の愛人・絹を主人公に、童貞グループの筆おろし、文学少女の処女喪失から、大きすぎる悩みを持つ男、不治の病に侵された男の最後の願いなど、2人が出会うさまざまな形の愛と性を描いた連作短編集。 純文学作家として何度も芥川賞候補に名を連ねた川上宗薫ならではの、研ぎ澄まされた官能表現が味わえる佳作。 団鬼六に師事、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。
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-ああ、あたし、この人とも、セックスすることになるのかしら……若妻が発揮するイケナイ内助の功とは? マイホーム主義者で、40代までに家を建てることを目標にしている、サラリーマンの夫。週に一度のあのことの最中にも、いいアイディアが浮かんだら設計図を書き始めるほど、家づくりに夢中だ。しかし、肝心の土地と資金は、まだなかった。夫の夢を実現させるには、「主人にまかせるんじゃなくて、あたしが積極的に動かないと、ダメなんじゃないかしら」と思いはじめた若妻は、OL時代に何度かデートしたことのある銀行の支店長に連絡を取り……。「男性をクラクラとさせて、言うことを聞かせちゃう」ことには自信のある彼女が、土地所有者、一級建築士、弁護士らを相手に、次々とイケナイ内助の功を発揮しまくる。ねっとりとエロティックな語り口とコミカルなストーリー展開は、まさに宇能鴻一郎の真骨頂! 団鬼六に師事、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。
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-卑劣な社内スパイは誰だ!? 得意のベッドテクニックを駆使してスパイの正体を暴け! 住宅メーカーの営業課長・明石一郎は、社内でも一目置かれる存在。女子社員の間での人気も高く、同じ課の平山啓子とは密かに逢瀬を楽しむ仲だった。 ところがある日、反りの合わない赤堀専務によって、会議の席上で社内不倫を暴露されてしまう。 あれだけ秘密にしていたのに、いったいどこから漏れたのか? 社内にスパイがいるに違いないと考えた明石は、怪しいと見た女子社員を片っ端から口説いてはベッドに連れ込み、得意のベッドテクニックを駆使して自白させようと試みるが、スパイの正体はようとして知れなかった。 しかしある夜の「調査中」に、天敵の赤堀専務に思わぬ異変が……。 直木賞作家・阿部牧郎がバブル期の大阪を舞台に描く、ミステリー仕立ての官能小説。 団鬼六に師事し、季刊官能文芸誌「悦」の創刊編集長を務めた松村由貴による解説つき。
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3.9林真理子が描く『風と共に去りぬ』第一巻! 〈小説『風と共に去りぬ』を読んだことがあるだろうか。私を作家へと導いてくれた小説である〉――自身の「原点」と語るあの名作を、ヒロイン、スカーレット・オハラの一人称小説として林真理子が鮮やかにポップに現代に甦らせた! 南北戦争時代の米国ジョージア州。「このあたりいちばんの美人」ということになっているスカーレットは、わがままでうぬぼれやで思慮浅く、華やかなドレスとパーティー、そして男の子たちにちやほやされるのが大好き。「他の娘の恋人を奪うのが趣味」だと、まわりの女子どころか実の妹にまで嫌われている。 そんな史上最強のヒロインの波瀾万丈な人生。恋あり、三角関係あり、冒険あり。最高に面白い、待望の第1巻!
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3.0川端康成文学賞受賞作を含む秀逸な短編7編。 「もう来たらあかんよ。ほんまに来イへんな」 昭和11年、大阪の置屋で出会った若い娼婦は、男が深みにはまってしまいかねない魔性を秘めており、実際に6人の男が破滅に追いやられていた。〈私〉ももうしばらく一緒にいたいと願うが――。 和歌山、大阪をめぐる旅に出た男が40年前の一夜の記憶を辿っていく「なぎの葉考」のほか、70代の老夫婦が重い病気を抱えながら命を長らえていることにささやかな幸福を感じる「しあわせ」、〈私〉と確執のある父とその2番目の妻、子が入水自殺してしまう「耳のなかの風の声」など全7篇を収録した名作短編集。
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-セゾングループの総帥が描いた兄弟の物語。 出征と敗走、捕虜生活を経験した兄と、終戦の年に生まれた異母弟。歩んできた道も、価値観も異なる二人の男の半生を描いた大作の上巻。 復員後、大学在学中から商売を始めていた兄・忠一郎は、卒業して商社のアメリカ駐在員となり、そこで出会った日系米国人との出会いから、新しいビジネス――サンドイッチ店のヒントをつかむ。 片や新聞社に入った弟・良也は、妻がありながら、かつての恋人・茜への想いが断ちがたく、取材旅行の傍ら茜の痕跡を訪ね歩く……。 著者の実体験を彷彿とさせる設定や、戦後の経済史をたどるような記述が物語にリアリティを与え、読者の心をつかんで離さない。
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4.3最高の調味料は、“優しさ”と“思いやり”。 中原温人は社会人四年目の少女マンガ編集者。恋人のたんぽぽさんと、美味しい食事をするのが一番の楽しみ。そんな彼が作る料理は、人の心の綻びを癒してくれる。そこには「優しさと思いやり」が詰まっているから――。 心の空腹も満たす美味しい八皿、どうぞ召し上がれ。 ●第一話 肉じゃがよりも優しく ある日突然温人の家を訪れた姉・木の実。仕事のトラブルに落ち込み、号泣している。見かねた温人は、姉に肉じゃがを供する。時間をかけてじっくり煮込んだ、甘く蕩けるような味わいに、木の実は自分を省みるのだった。 ●第二話 きのこパスタは戦わない 人気マンガ家・卯月りおんの原稿が上がらないという。編集部に不満を覚え、一方的に絶縁宣言したのだ。助けを求められた元担当の温人は、食材を携え卯月の仕事場に赴く。 ●第三話 山形のだしエクスプレス 温人の友人・琉惺は、家柄も外見もパーフェクトなイケメン。そんな彼が、同僚女性に恋をした。だが温人が話を聞くと、琉惺の恋愛ベタが発覚し……。 登場レシピは卵焼き、ホットチョコレート、卵リゾット、カレー、親子丼など。大切な人に美味しいごはんを作ってあげたくなる。心温まる全八編。
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-贖罪の日々を送る男に許される日は来るのか。 東京郊外で大学講師を務める矢口忍。その聴講生・卜部すえの、誠実で奥ゆかしく、はかなげなところに惹かれ恋仲になるが、すえとはまったく違うタイプの女性に心を奪われ、結婚してしまう。 すえの「最後に、もう一度会いたい」という願いをにべもなく断った翌日、すえが自殺――。以来、矢口は北海道の寒村で中学校の教師になり、自分を罰するためにひたすら禁欲的な生活をしていた。 しかし、友人の誘いで出掛けたシリアへの旅をきっかけに、矢口の心に変化が生まれ、止まっていた時間が少しずつ動き出す――。 1976~77年に「毎日新聞」に連載された、「愛とは何か」を鋭く深く問う、傑作長編小説の上巻。
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4.8全ての親娘に。もらい泣き必至の結婚式小説。 「あたし、生まれてきてよかった」 ベストセラーシリーズ『バッテリー』完結から12年! ついに辿り着いた あさの文学の最高到達点! 謹啓 光がきらめきを増し、本格的な夏の到来を感じるころとなりました。 この眩しい季節に、わたしたちは結婚いたします。 つきましては、わたしたちの結婚の宴にぜひとも ご臨席をお願いしたく、 招待状をお送りさせていただきます。 わたしたちが、わたしたちの新たな旅立ちを 祝っていただきたいと思う方々だけを ご招待した、ささやかな宴です。 ご多用中とは存じますが、どうか、よろしくお願い申し上げます。 謹白 日時 七月一日 午前十一時より 場所 やまべリラホテル 二階 インディゴ 九江 泰樹 瀬戸田 萌恵 「私たち、本物の夫婦になれるかな?」 ※この作品は過去に単行本として配信されていた『末ながく、お幸せに』 の文庫版となります。
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3.0骨董屋を舞台に愛と人情を描いた直木賞作品。 銀色の日傘をくるくる回しながら子猫のアブサンと夏の盛りにふらっとやってきた真弓が、「時代屋」の女房として居着いたのは5年前のことだった。 東京は大井町の一隅にある骨董屋を舞台に、男女の淡く切ない恋情と、市井の人々との心温まる日常を味わい深く描いて第87回直木賞を受賞した「時代屋の女房」。 後に映画化もされ話題を呼んだ秀作と、追われた男と不思議な2人の老人、匿われていた女の“仮名の男女”が演じ合う夢幻劇のようなひと夏の出来事を描いた「泪橋」、著者による新たなあとがきも併せて収録。
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4.1翌年の廃校が決まっている、男子だらけの県立高に通う錫之助。ある日、担任から音楽室の片付けを命じられハンドベルを見つける。その音色に魅せられ、居合わせた3人の同級生――イケメンでそつがない播須、いじめられ体質の美馬、不良の土屋とハンドベル部を創立することになる。顧問は担任でお地蔵さん似の教師、あだ名は「ダイブツ」。チームワークもバラバラ、音楽の知識もないメンバーで、「女子高のハンドベル部との交流」という不純な目標から始まった部活動。だが、4人は徐々に演奏の面白さに目覚め、出会う人々の輪は広がってゆき…。卒業目前、錫之助がハンドベルの演奏を通して見た未来とは? 一人では絶対に演奏できない楽器、それがハンドベル。4人の凸凹男子高校生と独身教師が奏でる、笑えて泣ける青春物語! 文庫オリジナル書き下ろし短編「まつげに積もる雪」も収録!
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4.0上流階級が秘密に繰り広げる淫靡な「交歓」。 出版社社主であった亡父の跡を継ぎ、経営者となった桂子さん。だが、そんな折、夫が脳卒中で急逝してしまう。 夫の研究室に残されたBRAINというコンピューターとフロッピーの遺言。未亡人となった桂子さんの前に出現した亡夫の学友だったと名乗る謎の財界の大物・入江晃。桂子さんは太陽のような魅力を持つ入江に惹かれていくのだが、入江には知られざる顔があった。 竹林別荘、秘密倶楽部、豪華邸宅と上流階級の濃密な交歓を華麗典雅な筆致で描いた知的刺激が満載の倉橋ワールドが展開される。「桂子さんシリーズ」の第3弾。
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2.5孤独を見つめる作家が描いた最高傑作! 少年の頃に足を怪我し、父を亡くし母親の手で育てられたわたしは、母に気兼ねする内向的な性格になっていた。そして、親しかった友人の自死と、恩師とも言える神父の失踪。若き日の二つの喪失を抱えて生きるわたしの前に現れたのが、教え子である女子大生の真琴だった。 心ざわめくわたしは、真琴に勧められるままに山陰の神社を巡る旅に出ることになった。それが、二つの喪失に関しての謎を解き明かすことになるとは――。 波風の立たないように静かに暮らしていたわたしに、大きな転機が訪れる。 構想6年。美しい文章で綴られた著者の最高傑作。 ※この作品は過去に単行本として配信されていた作品の文庫版となります。
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-映画「かぞくいろ」の小説版ストーリー。 地方のローカル線を舞台に鉄道にまつわる人々の人生を綴った映画「RAILWAYS」シリーズ第3作。夫を突然亡くしてしまった奥園晶は残された夫の連れ子・駿也を抱え、夫の故郷・鹿児島に住む義父・節夫に会いに行く。節夫は、長い間疎遠だった息子の死、突然現れた息子の嫁、久しぶりに会う孫の存在に困惑。行くあてがないという2人を自宅に住まわすことを決め、3人の共同生活が始まる。生活のため仕事を探していた晶は、義父と同じ肥薩おれんじ鉄道の運転士を志し、試験を受けることを決意。新しい出発を夢見るが…。 映画では、辛い生い立ちの中、やっと手に入れたはずの幸せも崩れ、それでも強く生きるシングルマザーを有村架純、とまどいながらも二人を温かく支える義父を國村隼が演じる。 本作は、映画脚本を原案にオリジナルストーリーを盛り込んだ小説。有村架純演じる晶の裏に隠された波乱の人生に感涙必至です。
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-耽美女子vs九州男児の異色のラーメン小説。 家族経営の博多とんこつラーメン店「満月亭」。店の前で行き倒れていた耽美ファッションの怪しい女を、見るに見かねてラーメン店で雇うことに。ひたすら美しい世界を探求するその女は、店の中を完全に耽美の世界へと模様替え。ラーメンと耽美という異色なコラボレーションが博多で反響を呼び、地元テレビ局が取材に訪れる。それをきっかけに大ブーム到来。あれよあれよと人気店に成長するのだが・・・・。老舗ラーメン店に突如舞い降りてきた少女は、店を救う天使か、それとも廃業に追い込む悪魔なのか?!ラーメン嫌いな耽美女子と生粋の九州男児・蓮華によるラーメン戦争勃発!新感覚ラーメン小説誕生!
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-将棋ファン必読の書、伝説の真剣勝負が甦る。 文壇きっての愛棋家であった山口瞳が、斯界の巨星・大山康晴から中原誠、米長邦雄ら第一線棋士との真剣対局“十番勝負”に挑んだ、1972年のユニークな自戦記。 軽妙洒脱な文章で綴られながらも、将棋の世に観る棋士の魅力と、男の哀歓を描いて将棋を知らずとも読み応え充分。「血涙」は大げさではなく、総ては勝つためと、ステーキは食うは、マッサージ師を呼ぶは、酒は飲むは、挙げ句、胃腸薬を飲んで下痢止めを飲んで、身体は七転八倒……、まさに涙ぐましいほどの“真剣勝負”であった。担当編集・宮田昭宏氏のあとがきも今回、新たに収録。
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4.3みずみずしい感性が光る永遠の恋愛小説集。 「ひとつ例にとると、『傘を探す』という作品。僕はこの、失われた雨傘を探して夜の街を、人から人へとめぐり歩くストーリーをいまでも面白いと思います。 もし若い佐藤正午がこれを書いていなければ、いま僕の手で新たに挑戦してみたいくらいです。 短編集『夏の情婦』を読み返して、この五編がいずれも、書くべきときに書かれた小説である、と三十年後のいま思える、それが僕の率直な感想です」 (本書「三十年後のあとがき」より) 「鳩の撃退法」、「月の満ち欠け」と、次々に小説読みたちを唸らせる傑作を発表し続けている著者が、「永遠の1/2」でのデビュー直後に執筆した恋愛小説五編を収録。 「傘を探す」の他には、小説賞を受賞した三十一歳のぼくがネクタイを介して大学生の自分と年上女性との恋愛を追憶する「二十歳」、男と女のフラジャイルな関係を気だるい夏の残暑のなかに再現してみせた「夏の情婦」など。 いずれも恋愛をテーマにしているものの、その語り口は変幻自在で、すでに「小説巧者」の片鱗をうかがわせる作品ばかりだ。 【ご注意】※集英社より一九九三年三月に刊行された文庫をもとにして、新たに著者が書き下ろした「三十年後のあとがき」を加えて、再文庫化したものです。
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3.0中上健次の盟友が模索し続けた文学の可能性。 「それにしても、言い争いばかりしてきたような気もする。そして、私にとって、はじめて出会った時に思い決めた“中上健次”への徹底的大反論はまだ、これから先のことだったのだ。 (中略)いずれにせよ、私の“中上健次”という名の目標は、今更、なにが起ころうと変えようがない。中上さんも、それは承知のうえだ、と私は信じている」 <「“中上健次”という存在」より> アイヌ、プルトン、マオリの言語と文学――急逝した中上健次を読み直し、新しい世紀に向けて文学の可能性を探ったエッセイ集であり、中上とデビュー以来盟友として深く関わった津島佑子の1990年代の文学的軌跡でもある。
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5.0悩みも悲しみも笑い飛ばす最強女の一代記! 匹田サダ、大分の名家生まれ。サル顔が原因で田舎の農家へ嫁に出される。実家への対抗心から村初めての精米所を設立し、大繁盛。男の子を九人産んだ。女太閤様。ブスでも鼻つまみものでも、超魅力的and超パワフル! ボンボンの兄や、美人の妹に負けちゃおれん。サダは家族を飢えさせることもなくよく働いたが、歯に衣着せぬ物言いのせいか、誰にも好かれなかった。息子たちにまでくそババアとののしられたが、それでも彼女は、日本一の女太閤様だった。 「私にはな、金剛様がついちょるんじゃ。じゃあけん、精米所をやれば成功するし、子どもを産めば、みな男の子じゃ。金剛様にかぎらず神様も仏様も、自分の足でしっかり立っちょる者の味方じゃけんな」 悩みも悲しみも笑い飛ばす、最強女の一代記!
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-尊厳ある死を迎えるための老詩人の試みとは。 広告制作会社でクリエイティブ・ディレクターとして働く42歳の私は、CF撮影で17歳のモデル、サキと知り合う。自宅が近いということもあり、サキを送って行くが、彼女は途中コンビニに立ち寄り、大量のパンと菓子を買い込み、「あなたの部屋に連れて行ってください」と懇願した。私の家に着くと、サキは購入した食べ物を一気に食べ、今度はそれをすべて吐いた。案じて私がサキの肩を抱くと、彼女は「あたしと、セックスしたいですか」と訊く。そして、「でも、するのは祖父の部屋だけにしてください」と続けた。後日、サキの祖父の部屋に行くと、そこには斑ボケの始まった78歳の老詩人、長谷川がベッドにひとり横たわっていた。長谷川はすでにほとんど寝たきりで、下の世話も自らままならずの状態。私はサキに頼まれ、長谷川を風呂に入れるが、老詩人の刺激的な言葉に共鳴するものを感じるのだった。以後も長谷川の部屋を訪れることになる私だったが、ある日、この老詩人の口から、彼が心に秘めていた計画を打ち明けられるのだった。
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-超絶エンタメコミックノベライズ化第二弾! 警官を懲戒免職された、元気と腕っ節の強さが取り柄の男・菊川玲二。その資質を見込まれた菊川は、薬物を扱うヤクザ・数寄屋会の轟周宝を捕らえるべく、潜入捜査官になっていた。数寄屋会の直参になるため、数寄屋会総本部に菊川は日浦たちと乗り込んだが、幹部から直参の条件として、菊川は轟周宝のボディーガードを務め、極悪非道なチャイニーズマフィア・仙骨竜を関東から一掃しろという任命を受ける。 そんなある日、轟周宝の美しい妻・毬子と娘・カレンの買い物に同行をしているところを仙骨竜に襲われてしまい、なんとカレンが連れ去られてしまう……。そして、カレンは上海に連れて行かれたことが分かった。菊川は無事にカレンを連れ戻すことができるのか!? 2016年12月23日より全国東宝系にて映画公開予定の、『週刊ビッグコミックスピリッツ』連載中、大人気コミック『土竜の唄』。ノベライズ化は待望の第2巻です。
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4.2本屋大賞候補の音楽小説三部作、新装文庫版を電子化! 新生学園大学音楽科の創設者を祖父に持つ津島サトルは、プロのチェリストを目指し、一家の敷いたレールに乗っていたはずだった。しかし芸高に落ち、失意のまま新生学園大学付属高校に入学する。 サトルはそこで一流の音楽を奏でるため奮闘する同級生たちに出会う。フルートを奏でる美少年・伊藤慧とポニーテールの鮎川千佳。そして、見たこともない澄みきった目をしたヴァイオリン奏者、南枝里子。オーケストラの想像以上に過酷な練習は、彼らを戸惑わせる。夏休みのオーケストラ合宿、文化祭、南とピアノの北島先生とのトリオ結成と、一年は慌ただしく過ぎていくが……。 本屋大賞ノミネートの傑作青春音楽小説3部作が、人気漫画家・穂積さんの描き下ろしカバーイラストで新装文庫化!!
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3.8相葉雅紀主演映画原作、早くも電子化! 書店員・光には、絵本作家になりたいな、という漠とした夢があった。恋に関しては、だいたい相手から告白されて付き合うが、「やさしいんだけど……」といわれて最終的には終わってしまうパターンが続いていた。そんな光には、「デビル・クロース」、略して「デビクロ」という謎キャラに変身して、「デビクロ通信」なるイラスト入りのメッセージを添えた手製ビラを、ポストなどに無差別に撒くという意外な一面が。そんな光に思いを寄せる実家の鉄工所で働く溶接女子の杏奈の好意に気づくことなく、ある日、光は彼女に運命の人が現れた話を嬉々としてしまうのだが――。 この冬読みたくなる、ミラクルなラブストーリー。
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3.6嫉妬と羨望が混じり合う女たちの物語。 映画監督・柚木真喜子が海外の映画祭である賞を受賞した。OLを辞めてまで一緒に映画の脚本を書いてきた志保。柚木の友人の後輩で、当時柚木の彼氏だった男を奪い結婚したさつき。地元のラジオ番組の電話取材を受けることになる、柚木とは年の離れた妹の七恵。柚木が出入りしていた画家の家で、柚木と特別な時間を過ごした亜紀美。息子がどうやら柚木に気があるらしいと気を揉む、柚木が所属する芸能事務所の女社長・登志子。柚木に気に入られ、素人ながらも柚木の映画「アコースティック」で主演を演じた十和。 柚木に翻弄される女性六人の心の揺れから、柚木という一人の女性の生き方が見えてくる連作短編集です。最終話にシナリオを配した構成の実験的小説がついに電子化。
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3.5携帯サイトでみんなが泣いた24歳の物語“おしゃれ”と“キャリア”と“恋愛”、どれかひとつだけではクールじゃない。全部手に入れないと意味がない――。里子、24歳。高校卒業と同時に上京し、池袋でひとり暮らししながら、渋谷109でショップ店員として働いてきた。女友達への対抗心から、些細な見栄をはることで積み重なっていく小さな嘘、少しずつ増えていく借金。自分をカッコよく見せるためについたはずの嘘が、どんどん彼女を孤独にしていく……。そんな里子が、ある日、恋愛対象にすらならないはずの高校生、タカノと出会って……。 ピンヒールで背伸びした“大人の女の子”が、今、ほんとうの自分を探しはじめた。
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4.5乙女のカリスマ作家・嶽本野ばらの名作、「下妻物語」がとうとう電子書籍化!四方八方田んぼだらけの茨城県下妻。そんな田舎で浮きまくりのバリバリロリータ少女 ・ 桃子は、大好きなお洋服欲しさに始めた個人販売で、これまた時代遅れなバリバリ ヤンキー少女・イチコと出会う。見た目も趣味も全く違うこの二人。わかり合えるはずはないのに、やがて不思議な友情が芽生えて……。 ギャグぶっちぎり! 思いっきり笑ってほんのり泣ける爆走青春ストーリー。あの「温泉卓球」コマーシャルを撮った CFディレクター・中島哲也氏が自ら監督を名乗り出た素敵な素敵な映画化原作!
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4.0電話の向こう側には、感動があった。 あなたがかけた通販の電話。沖縄につながってるって知ってましたか? 東京の商社をリストラされた理美は、故郷の沖縄に帰った。しかし、働き口はコールセンターしかない。いやいや面接に行ってみたものの、その近代的な設備に圧倒され、働くことを決意する。研修がはじまった。役を演じろ、ウイスキーの顔を作れ! など、はじめて聞かされることに戸惑う日々。そして、実務につく日がやって来た。クレーマーにおせっかいおばちゃん、かまってちゃんなど、トラブルにてんやわんや。そんな理美が、会社の代表として「電話応対コンクール」に出場することになる! 手に汗握るコンクールの結末は? 果たして理美は、日本一になれるのか? あまり知られていなかった業界のディティールと、そこで働く女性の成長を描く、本邦初のコールセンター小説の誕生です!
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5.0甘い幸せな嘘が詰め込まれたラブストーリー 都会での新進気鋭のシナリオライターというプレッシャーから逃避行したナオキ。すべてを投げ捨て、あてもなく彷徨いたどり着いた海の美しい港町で、彼はバーテンとなる。そこで出会った家族のような常連客の面々、そして、真っ白な画用紙のようにピュアで心の美しい琴美との恋から、彼は次第に自分を取り戻す。そしてそこでの出会いをバネに取り組み始めた、新たなシナリオ。 その頃、世間では新しいドラマが人気を博す。そこで描かれる恋愛は、まさに琴美が大切にしている、彼との秘密のデートだった。「なぜ?」・・・そして、次第にすれ違う、二人の恋。ドラマの中で進む、二人にそっくりな恋愛模様。 ドラマは終盤、皮肉にも脚本家としての自分を取り戻したナオキが、それにより琴美とすれ違いはじめ、二人の恋愛は、ハラハラ、ドキドキの展開に。 ドラマの恋の行方は?そして、ナオキと琴美の恋の行方は・・・? ベストセラー「あらしのよるに」の著者、きむらゆういちが書き下ろしたラブストーリー(文庫版)を電子化。
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4.2復活した悲運の作家の青春小説集 泳いで、酔っ払って、泳いで、酔っ払って…。夏の大学町を舞台に、若い男女たちが織りなす青春劇。プール、ジャズ、ビール、ジン、ラム、恋愛、セックス、諍い、そして暴力。蒸し暑い季節の中で、「僕」とアキ、文子、道雄、慎の4人は、プールで泳ぎ、ジャズバーで酒を飲み、愛し合い、諍いを起こし、他の男たちと暴力沙汰になり、無為でやるせなく、しかし切実な日々を過ごす。タイトルの出典であるガルシア・ロルカの詩の一節「僕らは共に黄金の服を着た」は、「若い人間が、ひとつの希望や目的を共有する」ことの隠喩。僕たちは「黄金の服」を共に着ることができるのだろうか? 他に、職業訓練校での野球の試合をモチーフとした「オーバー・フェンス」、腎臓を患って入院している青年の日々を描く「撃つ夏」を収録。青春の閉塞感と行き場のない欲望や破壊衝動を鮮烈に描いた短篇集。「黄金の服」と「オーバー・フェンス」は芥川賞候補作品。
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4.3人気作家が挑む、3.11以降の世界 『亡国のイージス』『終戦のローレライ』の作者、5年振りの現代長編! 未来を見失ったすべての人たちに贈る、傷ついた魂たちの再生と挑戦の旅路。 2011年3月11日、東日本大震災発生。 多くの日本人がそうであるように、平凡なサラリーマン・野田圭介の人生もまた一変した。 原発事故、錯綜するデマ、希望を失い心の闇に囚われてゆく子供たち。 そして、世間を震撼させる「ある事件」が、震災後の日本に総括を迫るかのごとく野田一家に降りかかる。 「どうだっていいよ。仮に原発がなくなったって、どうせろくな未来はないんだ」 「被災地の人たちには悪いけど、ここだけは無事に済みますようにって、本気で祈ってる自分が情けなくて……」 「道筋だけ示しておいてやれ。目指すべきものが示されれば、放っておいても子供たちは歩き出す」 傷ついた魂たちに再生の道はあるか。 祖父・父・息子の三世代が紡ぐ「未来」についての物語――。
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3.6駄菓子屋の奥に、子どもだけの食堂開店! 激務の末にロケ先で怪我を負い、心身ともにダメージを負った楓子は憧れて入った映像制作会社を25歳で退職した。実家で無為徒食の生活を過ごした後、80歳になる祖母が営んでいた東京・下町の駄菓子屋「かすがい」を継ぐことになった。 1ヶ月経ち、「おばちゃん」と子どもたちに呼ばれるのにも慣れ、常連の子の顔と名前も覚えて来た頃、ひとりの少年の存在に気がつく。夕刻にやって来てきっちり300円分の菓子を買って帰るのだ。その理由に気がついた楓子がとった行動とは──(第一話 その名も『かすがい食堂』)。 貧困、いじめ、摂食障害など問題を抱える子どもたちのために、楓子は店の奥の台所で食事を提供することにした。肉汁のあふれるハンバーグ、もりもりごはんが進む野菜炒め、みんなで囲む寄せ鍋……!! 楽しく温かい食卓を描く全四話。
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4.3最期を見据えた生き様から光を得る人生賛歌。 舞台は、美しくもありときに恐ろしい顔を見せる海と島。3人のおじいさん=ジイの生き抜く姿と,そのジイから思いを受け取る人々の心模様をときに温かく、ときにいきいきと、ときに静かな筆致で描ききります。全3編の物語。 ●海神~わだつみ いじめが原因で不登校になった小学四年生の優生。ある日、瀬戸内の島に暮らす曾祖父を訪ねることになる。死期が近いはずの曾祖父・清次は、病人とは思えないほど元気に優生らを案内し、饒舌に振る舞う。その後入院となった曾祖父と優生が交わした二人だけの約束とは……。 ●夕凪~ゆうなぎ 70代後半の老医師とそのクリニックに20年以上勤め、支え続けてきた48歳看護師の女性。ある日、クリニックを閉院すると宣言した後老医師が失踪する。必死で探す看護師の女性が行き着いたのは瀬戸内の島。もう戻らない、と告げる老医師の覚悟とは。静謐でほのかに温もる大人の慕情。 ●波光~はこう すべてを陸上競技に捧げてきたが、怪我により人生どん底になってしまった澪二。試験を前に逃げるように子供の頃訪れていた島にある祖父の家へ。石の博物館のリニューアルオープンの準備を手伝ううちに、今まで知り得なかった祖父の青春時代、親友、そして唯一の後悔を聞き……。 ※この作品は単行本版『海とジイ』として配信されていた作品の文庫本版です。
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4.3希望と再生の物語、映画「前科者」小説版! 罪を犯した者、非行歴のある者の更生に寄り添う国家公務員、保護司。阿川佳代は保護司になり早3年。仕事にやりがいを感じ、道を外れてしまった「前科者」のために奔走していた。担当する前科者の中の一人・工藤誠は、真面目な仕事ぶりを雇い主から評価され順調に更生していた。このままいけば自立の日も近いと心を躍らせる佳代だったが、最後の面会日を前に、誠は忽然と姿を消してしまう。その頃、謎の連続殺人事件が発生し──。 阿川佳代をあの有村架純が、工藤誠を森田剛が演じる話題の映画「前科者」が2022年1月全国公開。消えない罪を背負った者は、過去を乗り越えることができるのか。感動のオリジナルノベライズ! (底本 2021年12月発行作品)
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3.7長野オリンピック金メダルに隠された実話。 1998年長野オリンピックスキージャンプ団体。金メダルを狙う日本代表チーム(通称:日の丸飛行隊)。その中心選手、原田雅彦のジャンプを特別な想いで見つめる男がいた。元日本代表・西方仁也だ。前回のリレハンメルオリンピック団体戦で、原田の失敗により惜しくも銀メダルに終わった西方は、長野での雪辱を誓い、日々練習に励む。ところが4年後、代表には選ばれず、不本意ながら裏方であるテストジャンパーとなっていた。 誰もが知る、長野オリンピックスキージャンプ団体金メダル。その栄光の裏に、誰も知らないテストジャンパー25人の闘いがあった。 長野オリンピック大逆転の金メダルに隠された感動の実話。西方仁也役に田中圭。土屋太鳳、山田裕貴、眞栄田郷敦、小阪菜緒など、豪華出演者による映画「ヒノマルソウル~舞台裏の英雄たち~」(2021年5月公開予定)。
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4.3夫がいても、息子がいても、恋はするわ。 名門高校に息子を通わせる縁で出会った3人の母たち。 浮気相手と失踪した夫を待つ杏、 不倫夫に悩むセレブ妻・まり、 専業主夫を持つバリキャリ妻・優子――三様の人生はやがて交錯し始める。 それぞれが夫に不満や諦め、怒りを抱え、 落第寸前の息子たちへの不安も募る。 これまで築き上げてきた人生、キャリア、そして家族―― 守るべき尊さと、何か物足りない虚しさを奥底に秘めた3人がふとした瞬間に向き合ったのは、「妻」でも「母」でもない、「女」としての自分だった。 平凡な毎日に突如現れた“恋”との出会いは、母たちの人生に何をもたらし、何を失わさせるのか。 『東京ラブストーリー』『あすなろ白書』などの代表作がある柴門ふみの同名漫画を原作に、『セカンドバージン』『大恋愛~僕を忘れる君と』など社会現象を巻き起こした名ドラマを世に送り出した大石静が脚本を執筆。 木村佳乃、吉田羊、仲里依紗という豪華キャストが織りなす母たちの惑い、揺らぎ、エロスが話題となったドラマでは、心に響くセリフも多数。 読み返す度に、彼女たちの迷いに共感し、よろめきにトキメキ、強さに背中を押されるサプリメントのような一冊です。
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5.0「最強の世界」を目指して冒険が始まる! ここは、湖に面した芝浜高校。極度の人見知りだが人並外れた空想力を持つ浅草みどり、カリスマ読者モデルでアニメーター志望の水崎ツバメ、金儲けが大好きな金森さやかの三人は映像研究同好会を立ち上げ、アニメ制作に打ち込んでいく。 しかし、学内の治安維持を担い絶大な権力を持つ「大生徒会」は、映像研の起こした問題行動に目をつけ、その活動を“不適切”だと判断。 部活の統廃合、資金繰り……様々な逆境を乗り越え、文化祭を目指すことになった映像研メンバーは、脳内にある「最強の世界」を実現すべく奮闘する。 主人公の浅草みどりに齋藤飛鳥、水崎ツバメに山下美月、金森さやかに梅澤美波と乃木坂46の人気メンバーを迎え、『あさひなぐ』の英勉監督が「絶対に手を出してはいけない原作」を実写映像化。 アクション、美術、VFX、アニメなどあらゆる技術を総動員し、日本映画界が持つすべてを駆使して制作されたエンターテインメント超大作をノベライズ。 この作品はカラー写真が含まれます。
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4.0佐藤勝利(Sexy Zone)高橋海人(King & Prince)出演、『セトウツミ』の此元和津也が脚本を手掛けた、ドラマ・映画・Hulu横断「ブラック校則」プロジェクト待望のノベライズ化。 クラスの最底辺を生きていた創楽(佐藤勝利)と中弥(高橋海人)。ある日、恋するあの子が生まれ持った美しい栗色の髪を黒く染めるよう強要され不登校に。『こんなルールは、もうたくさんだ』…いま2人の男子高校生が立ち上がる! ちっぽけな自分でも何かを変えることができる。ダメな自分でも一歩踏み出せるかもしれない。恋するあの子のため、500人の生徒の自由を手に入れるために、「ブラック校則」と大人たちに立ち向かう。創楽&中弥コンビが繰り広げる、奇想天外な戦い方とは?
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-話題のアニメーション映画ノベライズ! サーフィンが大好きな大学生・向水ひな子は、マンションで起きた火事の消火に来ていた消防士の雛罌粟港と出会い、恋に落ちる。幸せな日々を過ごす二人だったが、あるとき港が海の事故に巻き込まれ、命を落としてしまう。大好きな海を見られなくなるほど憔悴するひな子が、ある日ふと二人の思い出の歌を口ずさむと、なんと水の中に港の姿が……。 世界が注目するアニメーション監督・湯浅政明による待望のオリジナル最新映画「きみと、波にのれたら」(2019年6月公開)をノベライズ! 巻頭カラー全16ページで、映画の見所となるシーンとその原画も掲載。小説でしか読めないオリジナルエピソードも楽しめる、贅沢な1冊になっています。 ひな子と港の世界を、小説版文庫「きみなみ」でも、とことんお楽しみください。
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3.0貧乏でも楽しい! 自伝的青春小説の金字塔。 ときは高度経済成長期の真っ只中。 長崎で「天才」と期待されたヴァイオリン少年・雅志は、大志を抱き、中学進学を機に単身で上京する。 両親の期待を一身に背負った少年は、貧乏に耐え、苦悩しながら、ひたすら稽古に励んでいた。 ところが、音楽系の高校受験に失敗したことで、ヴァイオリニストになる目標に疑問を持ち始め、悪友たちと過ごす時間が増えていく。 『お前を信頼しています』--そんな母の手紙に胸を痛めながら…。 切なく哀しいけど、可笑しく、そして決して諦めない青春物語の金字塔! ※この作品はカラー版です。