小説作品一覧

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  • 霊界予告殺人
    -
    交通事故で臨死体験した探偵作家が、日常生活に戻ると、次々に不可思議な体験をする。まばたきをしない人々、唇も動かさないのに聞えてくる話声、そして死んだはずの恋人が姿を現わす。死者の国=霊界に踏み込んだ男は、コナン・ドイルを名ざした殺人予告状に遭遇。だが彼は殺され天上は大騒動に……。臨死体験した探偵作家が、ヴァン・ダイン、クリスティ、乱歩、正史らと、霊界殺人の謎解きに挑む!
  • 立原道造の世界
    -
    優美な抒情、音楽との融合、青春の痛み……。「優しき歌」などで知られる四季派の詩人・立原道造の魅力は、数多く挙げられようが、それに加え、彼が夭折者であったことも、後世の若者に愛好される要素だ。その詩を含め、彼はすなわち青春なのである。本書は、「四季」派研究で知られる著者が、豊富な資料(新資料含む)と広い観点とで、立原道造の足跡を解いた、最良の研究書である。夭折した天才詩人の全貌を、その生い立ち、精神形成、詩法などの面からとらえ、新資料や彼の代表的作品を収める素晴らしい入門書!
  • 前夜のものがたり
    3.0
    明日、答えが出るのにじっとしていられず、バーの扉を押し開けた。53歳にして私は、竹馬の友を相手にこの店の女主人を取り合うことになり…(「蘭の前夜」)。三角関係、熟年夫婦の危機、家出した娘に許しを請う旅――中年男性が折々に迎える人生の転機を、ほろ苦い思いとともに切り取った作品集、全8話。
  • 退職勧告 新装版
    3.0
    「粗大ゴミのように私を放りだそうとしたのはあなたじゃないか」経営不振を乗り切るための組織改革で昇進したはずが、実は“社内失業者”と化していた三矢不動産部次長の大下。彼の許に突然届いたのは「解雇通知」だった。自分を引き抜いた常務の裏切りを痛感した大下は、「日本管理職組合」に復職を訴えるが……。(表題作より)非情で身勝手な企業に挑む男たちを描く傑作短編集。
  • 京都怪談 神隠し
    3.5
    「近づくのは、よくない」友人が語る京都最恐の場所とは――(花房観音「楽園」収録) 令和の古都に積み重なる怪異を5人の作家が綴る! 京都に所縁のある作家たちが書き下ろす〈京都〉が舞台の実話怪談集。 花房観音、田辺青蛙、朱雀門出の実力派とともに、怪談師として活動する深津さくら、新進気鋭の舘松妙の五名がそれぞれの〈京都の怪〉を披露する。 たびたび出没する鬼の目撃例をまとめた怪異譚「鬼の話」、心霊スポットで異形に追いすがられる戦慄「深泥池」、著者自身も巻き込んだ死の連鎖「死神」など洛中洛外の恐怖譚を収録。 京都は怨念の土地――令和も続く古都の念は魅惑的に貴方に取り憑くに違いない。 著者について 「花祀り」で第一回団鬼六大賞を受賞しデビュー。 著書に『ゆびさきたどり』『好色入道』『うかれ女島』など。 近著に『京都「魔界」探訪』を監修。
  • アヤカシ・ヴァリエイション
    3.7
    妖しくも美しき、スタイリッシュ伝奇アクション、ここに開幕! 美貌の青年、真継晴の周囲で繰り返し起きる悲惨な事故。 それは晴の祖父、座倉統十郎が持つ骨董品「匣」の相続を争う、親族たちの謀略だった。 命を狙われた晴の護衛として雇われたのは、横浜山手に店を構えるという、骨董品店「杠屋(あかなしや)」の面々。 彼らは、いわくつきの古道具「特殊骨董」の始末を請け負う特殊骨董処理業者であり、彼ら自身もまた特殊骨董の化身――付喪神なのだという。 呪われた「匣」の秘密と晴の過去を知るために、座倉家に乗りこんだ晴と杠屋の妖かしたち。 そこで彼らが出会った真実とは――?
  • 異界怪談 底無
    -
    毛穴が蠢くような奇妙な読み味がクセになる黒史郎の異界怪談第二弾! 小さい頃に遊んでもらったお姉さんの、おぞましい正体「大好きだったお姉さん」、 小学校の発表劇、居るはずのない誰かが子どもたちに交じっている!?「鬼役」、 何度も火災に見舞われる家の住人が口にした絶望の言葉…「祟られてるんです」など、 まとわりつくような怪異譚が綴られる。 誘われて闇を覗けばあっと言う間に囚われる、そこは底無しの恐怖――。
  • 恐怖箱 八裂百物語
    -
    二週に一度、社の酒と榊を取り替える仕事。 その裏に何が…(「気安い仕事」収録) 引き裂かれる日常。傷口から覗く闇。恐怖と不思議の実話怪談100! 4人の怪談猛者が代わる代わる紡ぐ百の実話怪奇譚。 事故現場で瀕死の被害者と目があってしまった少女。 その夜、寝ていると…「交通事故」、離島の海の水底にあった女性の顔。 すすり泣く女は何を訴えて…「水中の女」、寝室に響くラジコンカーの発進音と壁にぶつかる激突音。 音の正体は…「ラジコンカー」、イギリスの田舎町の宿屋に出るとある霊。 見た者は幸運になるというが…「首なし」、新居の出窓にできる謎の水たまり。 その原因は…「黒い手」、霊感がないことが雇用条件の高収入バイト、山の中でやらされる仕事とは…「気安い仕事」ほか、ページを捲る手が止まらない戦慄の百物語! 著者について 神奈川県出身。 O型。 大入道。 足のサイズは31.5cm。 いくつかの大学の非常勤講師の傍ら怪談蒐集と執筆を行う。 ロシアンブルーの猫のお父さん。 コーヒー焙煎とシフォンケーキ作りが趣味。 主な著作に『実話怪談 寒気草』『恐怖箱 怖気草』、『恐怖箱 醜怪』他〈憂怪〉4部作(竹書房)など。
  • 「超」怖い話 己(つちのと)
    4.0
    これは悪夢か、地獄か、小説か。 否、すべては現実。 「あなた」だったかもしれない誰かの恐怖体験! 令和となり、シリーズ生誕28年目を迎えた「超」怖い話、最新作。 五代目編著者・松村進吉を筆頭に、深澤夜、原田空が支える究極のトライアングルが描き出すリアルで禍々しい恐怖のうねり。 体験者の記憶と魂に限界まで肉薄し、彼らの人生そのものを怪奇とともに炙り出し、紙面に焼き付けた話の数々は、いっときの怖気やスリルを超えた永久不滅の衝撃がある。 我々が日常、何気なく呼吸する空気には死者たちの様々な残留思念が溶けている。 怨み、妬み、憎しみ、痛み……それに気づいた時、本書に収められた実話の数々が真の恐怖となってあなたの胸に落ちるだろう。 著者について 1979年、栃木県生まれ。2006年にデビュー。 2014年から冬の「超」怖い話〈干支シリーズ〉に参加、2017年『「超」怖い話 丁』より〈十干シリーズ〉の共著も務める。 単著に『「超」怖い話 鬼胎』(竹書房文庫)、松村との共著に『恐怖箱 しおづけ手帖』(竹書房文庫)がある。
  • 楽譜と旅する男
    3.3
    依頼があれば、どんな譜面でも、必ず見つけ出す――楽譜探索人。彼は欧州から中国、果ては日本まで……古今東西に散った音楽に秘められる人々の過去まで解き明かす。忘れ去られた旋律が響かせるのは、いつかの罪の記憶か、はたまた美しき愛の残像か。第14回酒飲み書店員大賞受賞『奇譚を売る店』の魂を受け継ぐ、摩訶不思議の連作幻想短編集。
  • 100億人のヨリコさん
    4.1
    貧乏極まり行き場を失くした小磯は、学生課で寮費1300円という怪しげな「富穣寮」を紹介される。大学キャンパスの奥の奥。そこでは、変人の寮生たちが奇妙な自給生活を繰り広げていた。しかも部屋には、夜な夜なヨリコさんという「血まみれの女」が現れるという。ヨリコさんの正体を解き明かそうとする小磯は、やがて世界の存続をかけた戦いに巻き込まれていく!
  • 裂けた背景
    -
    「同窓会に出席する」と言い残し家を出て名古屋から上京し、行方を断っていた元教師・野坂は、遺体となって埼玉県吉見百穴で発見される。遺体は新宿の連続放火を報じる新聞を握りしめ、傍らには、野坂の教え子で人気放送作家・泉慎也の黒焦げの名刺が落ちていた。野坂と放火犯をつなぐ鍵は何なのか? また泉の役割は? 謎を孕む本格推理の傑作。アリバイ崩しが冴え渡る!
  • [会社を休みましょう]殺人事件
    3.0
    「忙しい、忙しい」を連発して、いつも社内を右往左往。休みたいのに休むのが怖い「一生懸命サラリーマン」の森川昌。そんな彼の上司が殺された! そして変態殺人者と疑われた彼は、必死の推理で真犯人をあぶり出す。だが、後に残るは人間関係の気まずさと空虚な絶望。そして脱組織をめざした彼に、最後の悲劇が訪れる! 癒しと恐怖の三人称敬語体ミステリー。
  • 夏の終わりに君が死ねば完璧だったから
    4.0
    片田舎に暮らす少年・江都日向(えとひなた)は劣悪な家庭環境のせいで将来に希望を抱けずにいた。  そんな彼の前に現れたのは身体が金塊に変わる致死の病「金塊病」を患う女子大生・都村弥子(つむらやこ)だった。彼女は死後三億で売れる『自分』の相続を突如彼に持ち掛ける。  相続の条件として提示されたチェッカーという古い盤上ゲームを通じ、二人の距離は徐々に縮まっていく。しかし、彼女の死に紐づく大金が二人の運命を狂わせる──。  壁に描かれた52Hzの鯨、チェッカーに込めた祈り、互いに抱えていた秘密が解かれるそのとき、二人が選ぶ『正解』とは?
  • 僕らの空
    -
    高校2年生の美島陸(みしまりく)は、何故かいつもの帰り道で迷子になった。いざなうような三毛猫についていくと、どこまでも続く階段に、不思議な姿をした神様が二人。その場所にたどり着けたことがすでに、奇跡の始まりだったのだ――。人を探したくて言葉を喋る猫、幸せを求めて後ろ足で立つ犬、家族のために、早熟な才能を得た小学生。そして陸が願った未来とは……!
  • 行こかメリケン、戻ろかジャパン ハワイ移民の100年
    -
    1868年、明治維新の騒然たる中を、日本初のハワイ移民団150余名が、横浜港を船出した。時あたかもカメハメハ王朝がアメリカに併合されていく「南海の楽園」ハワイで、彼らはどんな苦難に直面したのか? 出稼ぎ、定住、帰化、戦争へと続く激動の歴史を、興味深いエピソードでつづる。ハワイ移民物語の決定版。
  • 永い夜
    3.0
    官能の行きつく果てに横たわる、生の荒廃。生を支えるはずの性の力があまりにも大きく、逆に生を破壊してしまう可能性を秘めている。性の極限には死が存在する――。愛欲の深淵を通して滅びの歌をうたいあげる、立原正秋作品集。「渚通り」「狂い花」「曠野」「双頭の蛇」「永い夜」の短篇5篇を収録。
  • 拝み屋備忘録 怪談首なし御殿
    4.0
    首のない異形の人びとが巣食う最凶心霊物件 (「首なし御殿」収録) 拝み屋が綴る大人気シリーズ第2弾! 拝み屋を生業にする郷内心瞳が書き下ろした、大人気シリーズ拝み屋備忘録の第2弾! 日夜現れる異形の医者に身体をボロボロにされていく恐怖と絶望を綴った三部作「診察」「往診」「再来」、迷い込んだ神社で遭遇した、記憶に留めたくないほど恐ろしいおんな「忘れ去りたい」、依頼を受けて著者が訪れた怪しい気配が蠢く戦慄の館。そこに隠された因果とは…「首なし御殿」など、著者自らの体験を含めた数多の怪奇譚を収録! 著者について 郷内心瞳 (ごうない しんどう) 宮城県出身・在住。郷里の先達に師事し、2002年に拝み屋を開業。憑き物落としや魔祓いを主軸に、各種加持祈祷、悩み相談などを手掛けている。2014年『拝み屋郷内 怪談始末』で単著デビュー。『拝み屋備忘録 怪談双子宿』(小社刊)のほか『拝み屋郷内 花嫁の家』『拝み屋怪談 逆さ稲荷』『拝み屋怪談 来たるべき災禍』『拝み屋異聞 うつろい百物語』などを執筆。
  • 瞬殺怪談 業
    -
    すぐ読めて、あっ! 怖い 恐怖が連続する152話の実話怪談 人気シリーズ第5弾! 1~2ページの怪談を詰め込んだ恐怖度MAXの一冊。ホラーの鬼才・平山夢明を筆頭に、黒木あるじ、黒史郎、我妻俊樹、つくね乱蔵、神薫、小田イ輔、伊計翼、鈴木呂亜、小原猛ら実話怪談の名手が集い、全152話をすべて書き下ろした。瞬きする間もなく、押し寄せる恐怖の濁流に吞まれる―― 著者について 平山夢明 (ひらやま ゆめあき) 神奈川県生まれ。『SINKER 沈むもの』で小説家デビュー。短編『独白するユニバーサル横メルカトル』で日本推理作家協会賞短編賞、『DINER』で日本冒険小説協会大賞、大藪晴彦賞を受賞。著作に『或るろくでなしの死』『暗くて静かでロックな娘』『ヤギより上、猿より下』他。実話怪談では『「超」怖い話』『東京伝説』『平山夢明恐怖全集』『怪談遺産』などシリーズ多数。
  • 恐怖箱 怪画
    3.5
    見てはならぬ。触れてもならぬ。 曰くつきの美術・骨董品に纏わる怖い話! 自殺した父が集めていた曰くつきの美術品。最近購入した品の中に自殺の原因があると考えた息子は…「全部正解」、祖父が中国で買ってきた白い陶器の猿。祖父と少年の前でだけ猿は本物になる…「お猿」、叔母の家から持ち出した遺品の風景画。その夜から不気味な老人の幻影が纏わりつき…「凋落」、小学生の息子が拾ってきたダルマの絵。以来、家では異音とともに恐ろしい現象が…「ダルマさん」、昭和初期に華族の愛人が囲われていた屋敷には開かずの間があった。好奇心からこじ開けると、中には30枚に及ぶ同一人物の肖像画が。だがそれは凶事の始まりでもあった…「開かずの扉」ほか、呪われた絵画、美術骨董品に纏わる26の実話怪談! 著者について 加藤一 Hajime Kato 1967年静岡県生まれ。O型。獅子座。人気実話怪談シリーズ『「超」怖い話』4代目編著者として、冬版を担当。また新人発掘を目的とした実話怪談コンテスト「超-1」を企画主宰、そこから生まれた新レーベル『恐怖箱』シリーズの箱詰め職人(編者)としても活躍中。主な著作に『「忌」怖い話』、『「超」怖い話』シリーズ、『「極」怖い話』シリーズ(以上、竹書房文庫刊)、『怪異伝説ダレカラキイタ』シリーズ(あかね書房)など。
  • 怪談標本箱 死霊ノ土地
    5.0
    「赤い部屋で寝るな」 社宅として提供された空き家の禁忌。やがて恐ろしいことが…(収録話「死霊ノ土地」より) 高崎で怪談会を主宰する著者が聞き集めた戦慄の実話! 高崎で怪談会を主宰する著者が集めた戦慄の実話怪談。長屋の二階から覗ける警察署の検視室。ある夜、運び込まれた焼死体を見てしまった姉妹は…「検視室」、軽井沢で撮った写真に写り込んでいた金髪の女性。以来、無性に軽井沢で死にたくなり…「軽井沢で死のう」、太腿の肉の中に棲み着く赤い蛇の夢。狐が遊ぶ稲荷の絵を部屋に飾ると…「赤い蛇」、庭の草叢に埋もれていた達磨のような黒石。顔に見える部分が見据える先で次々と不幸が…「黒達磨」、社宅としてあてがわれたのはかつて社長の実家だった空き家。そこには様々な禁忌が…「死霊ノ土地」他、全58話収録! 著者について 戸神重明 Shigeaki Togami 群馬県出身在住。単著に『怪談標本箱 雨鬼』『怪談標本箱 生霊ノ左』『恐怖箱 深怪』、共著に『田舎の怖イ噂』『恐怖箱 煉獄怪談』『怪 異形夜話』他19冊がある。地元の高崎市でイベント「高崎怪談会」を主催。多趣味で昆虫、亀、縄文土器、スポーツ観戦、日本酒などを好む。
  • わけありシェアハウス
    4.0
    ある夜、なりゆきではじまった記憶喪失の青年との同居生活。それは真奈美にとって、住処を提供する代わりに苦手な家事を肩代わりしてもらうという契約関係のはずだった。  美味しいご飯とお酒、たわいもない会話を交わす温かい日常を過ごすうち、惹かれあい、いつしか恋人へ発展したふたり。けれど、好きになればなるほど「記憶を取り戻したい」「夢なら早く覚めて欲しい」という彼の願いが真奈美の心をかき乱し――。  これは、不確かで甘く切ない恋物語。
  • P+D BOOKS 小説 太宰治
    4.0
    1巻715円 (税込)
    “天才”太宰と駆けぬけた著者の青春回想録。 作家・檀一雄は太宰治の自死を分析して、「彼の文芸の抽象的な完遂の為であると思った。文芸の壮図の成就である」と冒頭から述懐している。「太宰の完遂しなければならない文芸が、太宰の身を喰うたのである」とまで踏み込んでいる。 昭和八(1933)年に太宰治と出会ったときに「天才」と直感し、それを宣言までしてしまった作家・檀一雄。天才・太宰を描きながら、同時に自らをも徹底的に描いた狂躁的青春の回想録。作家同士ならではの視線で、太宰治という天才作家の本質を赤裸々に描いた珠玉の一編である。
  • P+D BOOKS 辻音楽師の唄 ~もう一つの太宰治伝~
    -
    1~3巻715~880円 (税込)
    津軽出身作家だから描けた「若き太宰治伝」。 新しい世代にも常に熱狂的信奉者が現れ、いまだ人気の衰えぬ作家・太宰治。彼にとって「書く」こととはなんだったのか。家への激しい憎悪と絶望的なまでの孤独感、結婚を控えての心中事件、「太宰治」という筆名に秘められた思い。 太宰の幼年期から青春時代までを克明に辿り、同じ津軽地方出身で直木賞作家の長部日出雄が、その太宰像を塗り替えた著者渾身の新たなる太宰伝。太宰への特別な愛情と深い理解を両輪に、著者ならではの視点で描いた秀作長篇評伝。
  • リアスの子
    3.8
    東北の港町・仙河海市の中学校で教師を勤める和也。担任するクラスに転校してきた早坂希は、問題を抱える少女だった。朝帰りの噂を聞いた和也が早朝、様子を見に行くと、希のジョギングする姿が。和也は、顧問を務める陸上部への入部を希に勧めるが――。多感な中学生と若き教師の心温まる物語。東日本大震災以降、仙河海市を舞台にした著書の先駆けとなった作品。
  • モルフェウスの領域【電子特典付き】
    3.7
    桜宮市に新設された未来医学探究センター。日比野涼子はこの施設で、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年の生命維持業務を担当している。少年・佐々木アツシは両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために5年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する。人間の尊厳と倫理を問う、最先端医療ミステリ! ★豪華電子版特典付き! 【電子書籍・共通あとがき】 【著作解説】電子版あとがき『モルフェウスの領域』 【関連小文】1 「自作解説」 初出『ジェネラル・ルージュの伝説』 【関連小文】2 「はるかなる南アフリカ 前編 危険なヨハネスブルグとクルーガー国立公園」  【関連小文】3 「はるかなる南アフリカ 中編 来た、見た、負けた、ダーバン・ナイト」  【関連小文】4 「はるかなる南アフリカ 後編 麗しのケープタウン」  付録1【海堂尊・全著作リスト】 付録2【作品相関図】 付録3【桜宮年表】 付録4【「桜宮サーガ」年代順リスト】 付録5【「桜宮サーガ」構造】 付録6【「海堂ラボ」登場人物リスト】 付録7【関連小文索引】
  • 玉村警部補の災難【電子特典付き】
    5.0
    「バチスタ」シリーズでおなじみ加納警視正&玉村警部補が活躍する珠玉のミステリー短編集! 出張で桜宮市から東京にやってきた田口医師。厚生労働省の技官・白鳥と呑んだ帰り道、二人は身元不明の死体を発見し、白鳥が謎の行動に出る。検視体制の盲点をついた「東京都二十三区内外殺人事件」、DNA鑑定を逆手にとった犯罪「四兆七千億分の一の憂鬱」など四編を収録。書き下ろしのあとがきを含む電子特典付き。
  • カレイドスコープの箱庭【電子特典付き】
    5.0
    誤診か、検体取り違えか――。田口&白鳥コンビ、本当に最後の事件! 閉鎖を免れた東城大学医学部付属病院。相変わらず病院長の手足となって働く“愚痴”外来・田口医師への今回の依頼は、誤診疑惑の調査。検体取り違えか診断ミスか――。国際会議開催の準備に向け米国出張も控えるなか、田口は厚労省の役人・白鳥とともに再び調査に乗り出す。「バチスタ」シリーズ真の最終章! 書き下ろしのあとがきを含む電子特典付き。
  • 残業税
    3.4
    1~3巻715~770円 (税込)
    残業をすればするほど取られる税金が増える「時間外労働税」が導入された。残業時間は劇的に滅って、社会のありようは変わりつつあった。だが、もっと働かせたい企業も残業したい労働者も多く、サービス残業という「脱税」は絶えないのだが……。根っから真面目な残業税調査官と熱血労働基準監督官が働く人たちのために奮闘する、リアルすぎるお仕事ミステリー!
  • 田舎の怖イ噂
    -
    古くからの言い伝えや独自の風習が残る村や町。 そこにはよそ者が触れてはいけない禁忌のゾーンがある。 よそ者は餌食になる、四本鳥居に祀られた神の正体とは…「じいちゃんが住む村」 村の集まりに紛れ込む招かざる客。隣に座られた人は死ぬというが…「お呼ばれさん」 水子供養の地蔵の正体は呪いの願掛け地蔵。若い女性がお参りすると…「授かり地蔵」 山の掟を破ったマタギとその家族が辿る怖ろしき末路…「マタギとミナグロ」 タジョウサマという謎の神を祀る役目の家。屋敷の奥の開かずの間には何が…「禁忌:おじいちゃんの家で見たモノ」 ――他、秘密を知ったら帰れない! 土着の恐ろしい因習、禁断の田舎怪談20!
  • 忌印恐怖譚 みみざんげ
    4.0
    知らないところで自分が言っていたらしい。 「これからぼくたち心中するところなんですよ」(「キヨミ」収録) 日常の裏側にびっしり恐怖の卵が湧いている我妻怪談! 幻惑の名手・我妻俊樹が描く、日常のすぐ横に口を開けた常世の深淵――。記憶の底にある家を探していると、祖母に異変が起きる「ヒロエおばさん」、バス停で出逢った身の毛もよだつ異形とは…「待合室」、バスで寝ていたら知らぬ間に異界に迷い込んでいた「深夜バス」、40歳を境に突然、命を脅かす怪異に見舞われ始める「ガタガタ」など、48篇の実話恐怖譚を収録。黄泉からの声があなたにも聞こえる――。 著者について 我妻俊樹(あがつま・としき) 『実話怪談覚書 忌之刻』で単著デビュー。「奇々耳草紙」シリーズ、『忌印恐怖譚 くちけむり』『めくらまし』など多数。共著に「FKB饗宴」「てのひら怪談」「ふたり怪談」「瞬殺怪談」「怪談五色」「怪談四十九夜」シリーズなど。歌人でもある。
  • 一〇八怪談 夜叉
    3.0
    煩悩を吐き出すがごとく綴られる一〇八話の恐怖譚! 朝起きると全身にびっしり、女の髪が… (第八八話「黒髪」収録) 緻密な調査が恐怖を屹立させる実話集! 怪談とは煩悩の因果である――緻密な取材と調査で炙り出す怪談に定評がある気鋭・川奈まり子が新たな境地を拓いた渾身作!品川駅のホームで視たのは、水に漬かった腐乱死体のまぼろし…「白昼夢の水葬」、群馬県の山中で迷い込んだ首塚の正体とは…「化かされて首塚」、日本各地を巡る男が行く先々で怪異に遭う…「霊感実演販売士」、有名殺人事件現場近くで頻発する事故の謎…「あの事件の死神」など――すべて実話の108話の怪異が容赦なく貴方を襲う。心して読まれよ。 著者について 川奈まり子(かわな・まりこ) 『義母の艶香』で小説家デビュー。実話怪談では『赤い地獄』『実話怪談 出没地帯』『穢死』『迷家奇譚』『実話奇譚 呪情』『夜葬』『奈落』など。共著に『嫐 怪談実話二人衆』『女之怪談 実話系ホラーアンソロジー』『怪談五色 破戒』『怪談四十九夜 出棺』『現代怪談 地獄めぐり』など。TABLO(http://tablo.jp/)とTOCANA(http://tocana.jp/)で実話奇譚を連載中。
  • 「忌」怖い話 卒哭怪談
    -
    ある日突然、左の視界に現れた黒い点。 それは戦国時代に端を発する祟りの始まりだった…… 呪われた一族の運命。「代々二人」の意味とは? 書き下ろし実話怪談! 〈お前は鬼から隠れたり追われたりする遊びをしてはいけない〉家族からきつく戒められていた少女が、ある時神社の境内でかくれんぼをしてしまい…「もう、いいかい」、結婚式で招待客の首にマフラーのごとく巻き付いていた炎。やがてそれは蛇のように新婦の手首に移ってきて…「人を呪わば」、ある日突然、左目の視界に黒い点が現れ、徐々に視力が奪われていく。それは祟られた一族の宿命であり、因果は戦国時代に遡ると言うのだが…「代々二人」他、負の念が呪となり禍をなす戦慄の43篇。伝説の実話怪談シリーズ「超」怖い話の最古参メンバーにして、現4代目編著者が手掛ける渾身の一冊! 著者について 加藤一 Hajime Kato 1967年静岡県生まれ。O型。獅子座。人気実話怪談シリーズ『「超」怖い話』4代目編著者として、冬版を担当。また新人発掘を目的とした実話怪談コンテスト「超-1」を企画主宰、そこから生まれた新レーベル『恐怖箱』シリーズの箱詰め職人(編者)としても活躍中。主な著作に『「忌」怖い話』、『「超」怖い話』シリーズ、『「極」怖い話』シリーズ(以上、竹書房文庫刊)、『怪異伝説ダレカラキイタ』シリーズ(あかね書房)など。
  • 初めの愛
    3.0
    男は危機的な状況にある。愛人と暮しながら、妻子のほうにも週に一度帰る、そんな状態が会社の取引先社員の失踪によって、明るみに出かねない。自分にも他人にも誠実であろうとする彼が、ふと立ち返るのは、おのれの愛の初源の場……。35歳、中間管理職の、真摯な宙ぶらりんの生。芸術選奨新人賞受賞の野心的長編。
  • 原発サイバートラップ
    4.0
    韓国の原発がハッキングされ、放射性廃棄物をつり下げたドローン制御の気球が100基、空に浮かんだ。犯人の要求は「竹島の独立」。日本海沿岸の原発が破壊されれば日本が最大の被害を受けるが、韓国国内の事件には手出しできず、要求内容から日本の関与も疑われている。与えられた猶予は、48時間。疑心暗鬼の日韓にアメリカ軍需企業の思惑も交差する事件のゆくえは!? 現代を描くサスペンス!
  • 裸の華
    4.3
    舞台上の骨折で引退を決意したストリッパーのノリカ。心機一転、故郷札幌で店を開くことに。訳ありの凄腕バーテンダーやタイプの違う二人の女性ダンサーと店は軌道に乗り始める。しかし、私も舞台に立ちたい、輝きたいという気持ちは募るばかりで──。ノリカの表現者としての矜持と葛藤。そして、胸が詰まるような踊り子たちの鮮烈な生き様を描く、直木賞受賞作『ホテルローヤル』に連なる一冊。
  • 学校の怖イ噂
    -
    ・うちの中学は四年に一度人が死ぬ。 ・全員の記憶から消された生徒がいる。 ・図書館の蔵書が自殺者からの寄贈本だった。 ネット投稿、母校の黒い噂&学校の闇話!! 「遅くまで学校にいると、“とっぺさん”がやってくる」 七不思議の七番目、恐怖のとっぺさんの正体とは……? たかが噂、されど噂。 呪われた音楽室、消えない落書き、存在しないはずの生徒、使ってはいけない水道……面白半分にネタにしていたら、本気でヤバいやつだった。 学校に行くのが怖くなる最恐の18話!
  • 怪談師の証 呪印
    5.0
    「死にます。さよなら」 そう遺して自殺した上司から、なぜか奇妙なメッセージが届く(『LINE怪談』収録) TVなどでも大活躍! 怪談社の実話怪談集! 現代における怪異体験談の蒐集と発表を行う団体、怪談社。そこに在籍するのは、舞台やメディアで怪談を語る怪談師・上間月貴と糸柳寿昭、書籍として実話怪談を世に出している書記・伊計翼。彼らの手元に集まる怪異から選りすぐりを収録したのが今作だ。病室に突然吹き抜けた風、その顛末「病院の風」、肝試しに心霊スポットに行ったという友人から“逃げろ”という電話、その驚愕の理由「住所どこだっけ」、地下鉄で見知らぬ男に右肩を叩かれた。そこから起こる奇妙な女のストーキング「バトンタッチ」など64編を収録。 著者について 伊計翼(いけい・たすく) 関東に実在する怪談イベント団体「怪談社」の書記。著作に『怪談社』十干シリーズ、『怪談社書記録 赤ちゃんはどこからくるの?』『怪談与太話』『魔刻百物語』『あやかし百物語』『恐國百物語』『怪談社RECORD 黄之章』他多数。
  • 怪談奇聞 立チ腐レ
    -
    自死四名、事故死一名―― 必ず祟られる最恐物件、その凄惨な過去と衝撃の現在! (『最終報告』収録) 体を張って怪異を招き寄せる小田怪談! 身を削るかのように、様々な怪異を蒐集している小田イ輔。家の裏にある錆びて使われなくなった焼却炉がどうしても怖い、その理由がわかった時…「焼却炉」、職場の同僚が妙な独り言をつぶやき続けるのだが…「未来受信能力」ほか、既刊『啜リ泣キ』『祟リ喰イ』に収録された「強烈に祟る家」の驚愕の続編と真実が明かされる「最終報告」など、怪異のその後や顛末も収録。足下が揺らぐような暗黒の恐怖、それが決して他人事ではないことを貴方は知るだろう――。 著者について 小田イ輔(おだ・いすけ) 宮城県出身。職を転々としつつうろうろと東北地方を彷徨い歩いては、その土地の人間に訪ねて怪談を蒐集している。黒木あるじ推しで『FKB饗宴5』にて初登場、単著に『FKB怪幽録 奇の穴』『FKB怪幽録 呪の穴』〈実話コレクションシリーズ〉の『厭怪談』『呪怪談』『忌怪談』『邪怪談』『憑怪談』『怪談奇聞 祟リ食イ』『怪談奇聞 啜リ泣キ』、共著に『FKB懺・百物語』など。
  • 修羅ノ国 北九州怪談行
    4.0
    「俺たち、誘導されてないか…?」 怨霊に「始末」される。 最凶心霊スポット「力丸ダム」の秘密に迫った三人の男を襲う恐怖! 福岡・小倉・北九州の実話怪談!! 犬鳴トンネルとともに九州最凶と謳われる心霊スポット「力丸ダム」。そのダム湖を撮った一枚の写真に、湖上を駕籠を担いで進む行列が写っていた。この心霊写真を切っ掛けに現地を訪れた著者が辿り着いた因果の真相とは…。長編ルポ「力丸ダム」他、「小倉駅前のデパート」に纏わる幽霊騒動、「若松主婦殺人事件」の霊夢、伐ると祟られる「扇天満宮の大銀杏と座敷牢」の怪、福津市の謎の野獣「本木の化け物」、嘉麻市の皿屋敷に纏わる怪談など、北九州在住の著者がご当地の知られざる怪奇伝承と自身の心霊体験を綴った実話怪奇ルポルタージュ! 著者について 菱井十拳(ひしい・じゅっけん) ノンフィクション作家。元漂泊の居酒屋系食レポライター、旅行家、ラーメンスープ研究家。北九州市定住後は主に石炭関連の産業遺産に興味を持ち日々探索を行う。2018年、史実を扱ったルポルタージュ怪談「怨霊黙示録 九州一の怪談」(竹書房文庫)を発表。
  • えーえんとくちから
    4.3
    「えーえんとくちからえーえんとくちから永遠解く力を下さい」「「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい」──この世界への鋭敏で繊細なまなざしから生まれたやさしくつよい言葉たち。彗星のように短歌界にあらわれ、2009年、惜しまれながら二十六年の生涯を閉じた夭折の歌人のベスト歌集が没後十年を機に未発表原稿を加え待望の文庫化。
  • 若い芸術家の肖像
    3.0
    アイルランドのダブリン郊外で生まれたスティーヴン・ディーダラスは、僧職につくべく、厳格な教育をうける。信仰と愛と芸術との葛藤に悩みつつ、芸術家になる決心をかため、ダヴリン大学に進む。……ジョイス自身の20歳までの生活を材料にして、青年の感受性をみずみずしく描いた、青春小説の傑作。
  • 牙王物語
    5.0
    北海道・大雪山の峻烈な自然の中で、生をうけた混血犬・キバは、渓流で死に瀕したところを牧場主の娘・早苗に救われ、牧場で育てられる。キバの屈強ぶりを見込んだ猟師が、殺人熊・ゴンを倒すための猟犬としてもらい受けたが、キバの血にひそむ野性は、彼を再び山深く逃亡させた。動物文学の第一人者が描く感動の名作。
  • サウスポー魂
    -
    「先発したらやね、27人を27球で打ちとる、それが最高のパーフェクトよ」と、度胸いちばんのスーパー左腕・江夏豊。シリーズ奪三振401(世界記録)、11回延長試合ノーヒットノーラン、球宴奇跡の9連続三振 連続セーブ、日本シリーズ最終戦最終回無死満塁での熱投etc.……。その輝ける栄光への道のりと秘められた孤独。これぞプロの破天荒人生を描く、痛快ド根性野球小説!
  • 恐怖実話 狂縁
    -
    「わたし、生霊がとばせるから…」という彼女と別れた男の部屋に突然、虫が多量発生した! 『部屋の虫』収録。 過去に結んでしまった縁が、時と場所を越えて牙をむく――不可思議な体験に内包された人の狂気と闇を炙り出す実話集! 姑のイジメに耐えてきたが決裂、離婚を前に決行した復讐とは「十年かけて」、嫌いな上司を呪いたいと生半可な祈祷をしたばかりに…「呪殺法」、寝て起きると口の中が塩辛い。そんなバイトの先輩の後ろに視えていたのは…「眠る場所」など28編の怪異と狂気。日常で感じる些細な違和感は、怪異なる縁が牙をむく前兆なのかもしれない。
  • 実話怪談 呪紋
    5.0
    亡くなった同僚から「明日は必ず行きます」と会社に毎朝電話がある…。『明日は必ず』収録。大人気怪談師の実話集! 怪談師として憑依的な語りで魅了する牛抱せん夏。自身の体験も含む43話の怪談を披露する。多額の借金を背負った夫婦の家に現れる着物姿の女とは「貧乏神」、とある因縁の心霊スポットに踏み込んでしまったために起きる惨劇「因果応報」、濁った瞳を持つアンティーク人形の怪異「ビスクドール」、昼過ぎなのに夜のように暗い家。何かがおかしい、そう感じたとき玄関に誰かが来た! 「式神」など。ふとした日常にぽかりと口を開ける暗闇、誘われて踏み込めばもう戻れない。
  • 闇塗怪談 解ケナイ恐怖
    5.0
    一族の繁栄を護るという“まだら様”。その忌まわしき秘密を知ってしまった男は…「知人の死因」、通夜の晩、亡くなった人といちばん親しかった者が添い寝をする風習。祖母の通夜で添い寝役に選ばれた少年は…「横に寝る」、著者が台所にいると窓から顔を出すおばさん。近所の不吉な話ばかりをしていくのだが…「台所の窓」、熊撃ちの名人が山で遭遇した恐ろしきモノ。二度と山に入らなかった猟師の末期…「猟師の死に方」他、自身の体験や友人から聞いた生々しき恐怖実話の数々。 金沢の営業マンが綴る実話怪談。シリーズ初、著者渾身のオール書き下ろし!!
  • 崖っぷちの花嫁
    2.0
    亜由美が遊園地で目撃したのは、ジェットコースターのレールの上を歩く女性だった! 助けに向かうと彼女は宝石のセールストークを始めた末に、拳銃自殺を図る。 間一髪で止めたものの2人とも入院し、 女性が勤める宝石店から亜由美に豪華なお礼が届くが、この店は数年前に傾きかけていて……。 きらびやかな宝石店に隠された秘密を亜由美と愛犬ドン・ファンが追う! 花嫁シリーズ第26弾。表題作ほか「花嫁は今日も舞う」を収録。
  • 15歳のテロリスト
    4.1
    「すべて、吹き飛んでしまえ」  突然の犯行予告のあとに起きた新宿駅爆破事件。容疑者は渡辺篤人。たった15歳の少年の犯行は、世間を震撼させた。  少年犯罪を追う記者・安藤は、渡辺篤人を知っていた。かつて、少年犯罪被害者の会で出会った、孤独な少年。何が、彼を凶行に駆り立てたのか――? 進展しない捜査を傍目に、安藤は、行方を晦ませた少年の足取りを追う。  事件の裏に隠された驚愕の事実に安藤が辿り着いたとき、15歳のテロリストの最後の闘いが始まろうとしていた――。
  • 雨物語
    3.0
    新宿歌舞伎町の喧騒をやりすごした片隅に、その小さな酒場はある。ここに慕い寄る常連客たちの、歯に衣着せない会話の妙。だが、彼らの情報やマダムとの応答の背後には、人生の明暗や世相の風波が見え隠れするのだった。軽妙洒脱な語り口で定評のある「小説の名手」が、酒場を舞台に人生模様を描く独特の長編小説。
  • 密室 本能寺の変
    5.0
    信長はどのように死んだのか?殺したのは誰なのか? 日本史上最大の“密室”の謎が、いま解き明かされる!? 「上さまをもっともお慕いしているのは、この光秀である――」天正10年(1582)6月1日。織田信長は茶会を催すため、わずか30人の警護を伴って京の本能寺に入ったが、 明智光秀はそれを心底憂えていた。そこに集まったのは信長を討たんとする「刺客」ばかり。そして、このまま信長が誰かに殺されるのをみすみす許すくらいならば、いっそわが手で、と挙兵を決意する。だが翌日、本能寺を取り囲んだ光秀は、信長がすでに殺害されたことを知る。居合わせたのは太政大臣の近衛前久や博多の島井宗室など、信長に恨みを抱く公家や豪商ばかり。いったい誰が? どのような方法で? 憤怒に包まれた光秀の、犯人捜しが始まった!
  • 黒本 平成怪談実録
    4.0
    キャンプで目撃した樹上の女。現代に起きた神隠し。不審な水音が響く男子寮。いきなり動き出す猿の玩具。銀色に光る謎の飛行物体。住む者に不幸をもたらし続ける家。そして、背筋も凍る体験で知られる峠――。怪談蒐集をライフワークとする作家が、様々な人びとから聞きとった、世にも怖ろしい話。あなたが決して見てはならぬもの、決して聞いてはならぬ音がある。文庫書き下ろし。
  • 恐怖実話 怪の残像
    4.0
    怪しいブードゥー人形をクスコさんは海に流した。さ迷う呪いは…。怪異の現場に密着する、吉田怪談! 怪異が起こる場所にはいったい何があるのか? いわくのある現場に訪れ、怪談を蒐集する著者が綴る恐怖の一冊。工事のために訪れた家で、作業を進めるたびに起こる怪異、衝撃の結末「空き家」、信号で止まるたびに景色が真っ赤に染まって見える交差点、その訳は…「視野」、職場で一緒になった男から聞いた奇妙な話「カミサマを捨てる」など35編を収録。忌み深き場所で怪の残像をなぞることで――あらたな怪異が発現するかもしれない。
  • 怪談四十九夜 荼毘
    -
    黒木あるじ、我妻俊樹、黒史郎、神薫、つくね乱蔵、真白圭、冨士玉女、鈴木呂亜、ふうらい牡丹、緒方あきら…実話恐怖譚の手練れが揃った恐宴で血も凍る! 禍々しくも手練れたちが集い、実話怪談49話を収録する今作。黒木あるじを筆頭に我妻俊樹、黒史郎、神薫、つくね乱蔵、真白圭、冨士玉女、伝説系からは鈴木呂亜、新たな書き手として怪談最恐戦2018の投稿部門で最恐賞を獲ったふうらい牡丹、佳作受賞の緒方あきらが参加。ふっと気がついたときには周囲が底知れぬ闇に包まれている――怪異はもう引き離せない。 著者について ●編著者プロフィール 黒木あるじ(くろき・あるじ) 『怪談実話 震』で単著デビュー。『黒木魔奇録』「無惨百物語」シリーズ、『怪談売買録 拝み猫』『怪談実話傑作選 弔』『怪談実話 終』など。共著には「FKB饗宴」「怪談五色」「ふたり怪談」「瞬殺怪談」等シリーズなど。小田イ輔や鈴木呂亜、ムラシタショウイチなど新たな書き手の発掘にも精力的だ。
  • 実話怪談 寒気草
    4.0
    旧家の仏壇と庭の隅に隠された穴とのおぞましき関係とは? 死ぬ、消える、終わる。呪われた実話全23話! 怪異が原因で人が死んだ話、失踪した話、人生が狂ってしまった話――すなわち凶悪なレベルで呪いや祟りが発動した実話ばかりを集めた実話怪談集。後継ぎが触れると家が絶えてしまう旧家の仏壇の秘密…「仏壇」、廃寺の床下に封印されていた箱。中には縛られた人形が…「廃寺の人形」、刑場跡に作られた学校の職員室。そこには座ると死ぬ席が…「職員室」、道路拡張のための立ち退きを渋る一人暮らしの女性。二階のものが反対しているからと言うのだが…「能面の家」ほか、容赦ない力があなたを闇に突き落とす衝撃の23話! 著者について 神沼三平太(かみぬま・さんぺいた) 神奈川県出身、O型。大学の非常勤講師として働く傍ら、趣味で実話怪談の蒐集を始めた。実話怪談コンテスト超-1/2010年大会、稲川賞受賞。第8回ビーケーワン怪談大賞優秀賞受賞。2011年『恐怖箱 臨怪』(竹書房文庫刊)にてデビュー。主な作品に『実話怪談 怖気草』、「憂怪」四部作『恐怖箱 崩怪』『恐怖箱 坑怪』『恐怖箱 叫怪』『恐怖箱 醜怪』(竹書房文庫刊)、『恐怖箱 怪談とか。』『恐怖箱 袋小路』(Kindle)、共著に「恐怖箱 百物語」シリーズ等がある。
  • 戸隠伝説
    4.3
    作家・水戸宗衛の助手・井上は、偶然にも、謎の美女・ユミと知り合う。彼女は、戸隠の神につながる家系の娘だった。ふたりは恋人同士になり、同時に、井上自身の感覚には奇妙なものが漂いはじめる。やがて彼は、信州に戻っているというユミからの誘いで、戸隠山へ出かけた。彼を待ちうけていたのは、古代の神々の激闘だった。壮大なる伝奇ロマンの名作!
  • 黒いシャッフル
    3.5
    中学時代の恩師が亡くなって開かれたお別れ会。かつてのいじめられっ子が、経済的にも恵まれ、まばゆいばかりに美しくなっていた。なのに私たちときたら――。ヒモ状態の浮気夫、引きこもりの暴力兄、ストーカーと化した元夫。同級生3人で愚痴を言い合ううち、飛び出してきた計画。「交換殺人でもする?」冗談めかした発言が、やがてリアルさを帯びてゆく!
  • Nの悲劇 東京~金沢殺人ライン
    3.0
    美緒は、担当する作家の西崎彩から、相談を受けた。“The Judge”と名乗る相手からの不審な手紙。彩は、まったく心当たりがないと言う。立川で起こった殺人事件の現場に残された「死刑執行!」と書かれたカード。そして、彩の住む金沢での殺人事件でも同じカードが。2つの事件、そして彩との関わりは!? 壮と美緒が炙り出した“The Judge”の正体とは!?
  • クラシック リバイバル 女人追憶1
    -
    少年の性の目覚めを描いた巨編が待望の復刊。 小学五年の春、母の裸に女を感じた宮崎真吾。すでに性を意識することはあり、女体に対する興味もあったが、母への冒涜と思った真吾はその後も優等生でむじゃきなこどもを装いつづける。 時は戦時中。小学六年の秋に、友だちから自転車旅行に誘われた真吾は、その姉である良子から誘惑的な行為を受け、中学に入った夏には、女学校三年のいとこ千鶴とのエロチックな戯れに興じる。幼なじみでひとつ年上の妙子に恋心を抱きながら、性に目覚めていく真吾。 終戦を迎え、軍関係への道を断たれた中学二年の真吾は妙子に告白、ふたりはようやく恋仲になる。妙子との良好な関係の一方で、不良女学生の文江や遊女のみよ、汽車のなかで出会った女学生の路子など、さまざまな女性たちが、真吾を甘美な世界へと誘っていく。 戦中から戦後へ、時代や価値観が変わっていくなか、不変でありつづける、男と女、愛と性。その狭間で揺れ動きながらも、未知なる世界へ足を踏み入れていく少年の心情を丁寧に描く、青春大河ロマン待望の復活。
  • 傷ついて愛
    -
    美佐子は、夫の牧田がけがで入院したと聞いて、疑惑をつよめる。夫がけがをしたバーのある町は、日常生活とおよそ関係がない。なぜ夫は、そんな場所に行っていたのか? 結婚して10年余、美佐子は夫との愛情にすきま風が吹いているのを実感していた。そして病院にかけつけてみると、若い娘が……。現代の錯綜した愛の姿と多様性を、女性側からサスペンス豊かに描く長編。夫婦って何?
  • 聖ルカ街,六月の雨
    -
    桂子はニューヨークで一人暮らす日本女性。彼女の生活のすべてを知る者はいない。優しいそよ風のような魅力を持つ桂子と、都会の喧噪や人生に疲れた男たちが出会う時、それぞれのラブ・ストーリーが生まれる。ニューヨークを知り尽くした著者がニューヨークを舞台に描く、ちょっぴり不思議で洒落た恋愛模様。15のNY恋愛物語。
  • 木曜組曲 〈新装版〉
    3.8
    耽美派小説の巨匠、重松時子が薬物死を遂げて四年。時子に縁の深い女たちが今年もうぐいす館に集まり、彼女を偲ぶ宴が催された。ライター絵里子、流行作家尚美、純文学作家つかさ、編集者えい子、出版プロダクション経営の静子。なごやかな会話は、謎のメッセージをきっかけに、告発と告白の嵐に飲み込まれてしまう。重松時子の死は、はたして自殺か、他殺か──? 傑作心理ミステリー。
  • 京都九条のあやかし探偵~花子さんと見習い陰陽師の日常事件簿~(一二三文庫)1
    無料あり
    4.0
    あやかし、幽霊といった人ではないモノが視える高校生・新城孝春は、あることをきっかけにトイレに潜むあやかし、通称花子さんと出会う。高校に入学し新生活を始めた孝春は、様々なあやかしと出会うのだが、彼らのことは謎だらけ。孝春はその不思議を解決するため、あやかしの事は何でも知っている花子さんに相談をすると、とある条件を出されることになる――。見習い陰陽師の少年と「あやかし探偵」の花子さんが織りなす、あやかし日常ほっこり短編集。
  • ラディアン アニメノベライズ ~見習い魔法使い・セトの冒険~
    -
    カッコいい大魔法使いを目指す少年・セトは、人類に災いをもたらす怪物・ネメシスを倒すため、伝説の地「ラディアン」をさがす旅に出る!! 育ての親である魔法使い・アルマのもとをはなれ、セトと同じ見習い魔法使いのメリ、ネメシス研究者のドクや、「13人の魔法使い団」のひとり・ヤガなど、さまざまな人々と出会いながら、大魔法使いへの道を歩みはじめる!! フランス生まれの王道・冒険ファンタジーをノベライズ!
  • 明日に手紙を
    4.0
    1巻715円 (税込)
    製品に欠陥のある洗濯機が原因で、女性が感電死する。製造元のK電気興業は欠陥を知りながらそれを認めず、世間から非難を浴びる。そんな悪い状況から抜け出したいK電機工業の成瀬は、被害者家族の平田夫婦や不買運動をしている人々の絆を壊すため、捏造した手紙を出す計画を提案する。その計画は思惑通りに進んでいくかに思われたが……。シリアスな展開、まさかの結末!! 傑作ヒューマンサスペンス!!
  • 実録都市伝説~世怪ノ奇録
    3.0
    2017年に発見された小惑星「オウムアムア」はハーバード大学教授が「人工的に作った小型宇宙船の可能性が高い」と発表!(『宇宙の夢は』収録。) 呂亜、驚愕の実話シリーズ第2弾! 世界にはなんと珍奇な話が転がっているものか――都市伝説の蒐集をライフワークとする奇妙な男・鈴木呂亜による恐怖実話再び!その場所からは石ひと欠片も持ち出してはならない、その禁忌を破ると「持ち出し厳禁」、天から落ちてきたかたまり、それはゼリーのようなもので…「降って来るもの」、運命に翻弄されたかのような人々の最期「あまりにも皮肉な死」、人類最後の夢なのか、それとも悪夢か「宇宙の夢は」など32編を収録。大いに怖れ慄き噂せよ! 著者について 〇監修者 黒木あるじ(くろき・あるじ) 『怪談実話 震』で単著デビュー。「無惨百物語」シリーズ、『黒木魔奇録』『怪談売買録 拝み猫』『怪談実話傑作選 弔』『怪談実話 終』など。共著には「FKB饗宴」「怪談五色」「ふたり怪談」「瞬殺怪談」等シリーズなど。小田イ輔やムラシタショウイチなど新たな書き手の発掘にも精力的だ。 〇著者 鈴木呂亜(すずき・ろあ) 自称「奇妙な噂の愛好者」。某都市でサラリーマンとして働くかたわら、国内外の都市伝説や奇妙な事件を集め、自らもひそかに取材に勤しんでいる。 黒木あるじ氏の推薦により抜擢。ちなみに鈴木呂亜という名前は、日本で一番ありきたりな苗字の「鈴木」と、都市伝説を意味する「ロア」を組み合わせたペンネームで、本名や生年月日、年齢などのプロフィールは一切が非公表になっている。
  • 奇譚百物語 死海
    -
    「傘を差した女が立っているそうだけど、立ちんぼらしいぜ」 噂を聞いたMさんはその顔を仰ぎ見た刹那、あッと尻餅をついた。(第1話「傘を差す女」より) 怪異は古今東西、誰の身の上にも起こりうるもの――無国籍百物語の登場だ。代々守ってきた家で突然凶事が起こりだしたのはなぜ?「忌み地」(22話)、結婚式で新婦側の友人が歌う祝いの歌に混じって聞こえてきたのは「不穏な言葉」(42話)、ロンドン東郊外にある林を散策していると見知らぬ男が現れて木の下を掘れと言う「指示をする男」(62話)幼い頃の友人が夢に出てきた。気になり家を訪ねたら母親「息子は死んだ」と言うが…「旧友の母親」(66話)など、極上の恐怖が待っている。 著者について 丸山政也(まるやま・まさや) 2011年「もうひとりのダイアナ」で第3回『幽』怪談実話コンテスト大賞受賞。著書に『恐怖実話 奇想怪談』『実話怪談 奇譚百物語』『奇譚百物語 拾骨』『怪談実話 死神は招くよ」
  • 「超」怖い話 亥
    -
    お前はあのシシば喰った。 秘密を漏らせば、カシンワトゥィがお前の四肢を喰いに行く…。 猪撃ちの猟師の家に泊まった旅人を襲う恐怖。謎の言葉の意味とは!?(「カシンワトゥィ」より) 禁忌の実話怪談23話!! 中古価格で購入した新築未入居物件は、なぜか生き物の死を呼んでしまう。その原因は思わぬ所に…「忌み家」、霊が出ると噂の廃屋を探検しに行った少年二人が見たものは…「イエローハウス」、サークル仲間で行った海外ダイビング。突然メンバーの一人が消えたと騒ぎになるが…「サブマリン」、阿蘇で知り合った猟師の家に宿を借りた旅人。好意からと思っていたが、夜に突然連れ出され…「カシンワトゥィ」他、著者4人の個性と嗅覚のもと集められた戦慄の23話。平成最後の「超」怖い話! 著者について ○編著者 加藤一(かとう・はじめ) 1967年静岡県生まれ。O型。獅子座。人気実話怪談シリーズ『「超」怖い話』四代目編著者として、冬版を担当。また新人発掘を目的とした実話怪談コンテスト「超-1」を企画主宰、そこから生まれた新レーベル『恐怖箱』シリーズの箱詰め職人(編者)としても活躍中。主な著作に『「忌」怖い話』、『「超」怖い話』、『「極」怖い話』シリーズ(以上、竹書房文庫刊)、『怪異伝説ダレカラキイタ』シリーズ(あかね書房)など。 ○共著者 久田樹生 (ひさだ・たつき) 1972年九州生まれ。2007年より冬の「超」怖い話に参加。主な著作に『「超」怖い話 死人』『「超」怖い話 ひとり』など。 渡部正和(わたなべ・まさかず) 山形県出身、O型。2010年より冬の「超」怖い話に参加。主な著作に『「超」怖い話 鬼門』『「超」怖い話 鬼市』など。 深澤夜 (ふかさわ・よる) 1979年栃木県生まれ。2014年より冬の「超」怖い話に参加。2017年より夏も兼任。主な著者に『「超」怖い話 鬼胎』など。
  • 黒衣の映画祭
    -
    映画人の夢であるニューヨーク映画祭への出品。その権利を賭けて二人の気鋭監督が競い、独立プロを持つ名島が勝利を得た。敗れた立木とは、極西映画の同期生だった。だが映画祭の開幕間近、名島は突如ニューヨークから消えた。そして同じ頃、日本では立木が殺されていた! 著者得意の分野でトリックを築く意欲的長篇ミステリー。
  • 外食王の飢え
    3.8
    私大卒業まぎわ、倉原礼一は卒論を破り捨てた。自分は一流の人間でなければならぬ。私大卒の資格はいらない。野望は福岡に端を発した。レストラン「レオーネ」のチェーン化に奔走する倉原。一方、首都圏には沢兄弟の「サンセット」が進出。倉原は首都圏決戦を挑んだ。外食産業の覇者をめざした男の野望と情熱をえがいた傑作長篇小説。
  • 黄金峡
    4.0
    東北の静かな山村に、日本最大のダム建設計画が持ち上がった。交渉のため村に乗り込む開発側と、先祖伝来の土地に愛着を抱く住人たち。多額の立ち退き補償を巡り、村は賛成派・反対派に分かれ騒然となる。ダム建設は、人々に何をもたらすのか。補償交渉に翻弄される人々の苦悩ーーダムが人を壊していく……。ダム問題をえぐる衝撃作。高度経済成長黎明期の1959年に、経済小説の先駆者が執筆した傑作社会派小説。
  • ファーザーズ・イメージ
    3.0
    父は頭がよくて勤勉で、家では威張りくさっていた。しかし、しょせんは二流の人。それも二流まで這いあがってきた無名の人である。こんな男にはなりたくないと思っていた。でも父は、私を愛していたのだ。ようやく、それがわかった……。いま初めて語る父への憎悪。少年が越えるべきエディプスへの思いを吐露した、現代家族必読の書。
  • 天下を取る
    -
    二流大学卒ながら、エリート人間とはひと味違うバイタリティを社長にみこまれ、東洋物産に入社した大門大太。入社早々、「天下取り」を宣言し、参謀を買って出た同期の亀村兵治、爽快な生き方に惚れた安原沢子らの協力で、次々に難関に体当りを開始する。快男子の型破りな行動を痛快に描く、現代サラリーマン出世物語。
  • 商社一族 小説穀物戦争
    -
    昭和60年、地球を異常気象が見舞った。ソ連、中国、インドをはじめ、世界は深刻な食糧危機に突入する。アメリカ穀物メジャーを舞台に、各国の存亡を賭けた血みどろの争奪戦が始まった。この日あることを見越して着々と手を打ってきた東洋物産の津島ら日本人商社マンの双肩に、一億の生命は委ねられた……。食糧パニックの危機を防ぎ、米ソなどの野望から日本を守る男たちの勇姿をえがく、企業情報小説の傑作。
  • 世界が記憶であふれる前に
    4.0
    超記憶をもつ少女の壮絶な半生。  ナノは超記憶能力をいかし、東京大学医学部にダントツの成績で合格した。しかし、体調不良に見舞われ、自身の寿命が長くないのではと疑い始める。そこで、二億円を元手に、一人でひっそりと生きていくと決意し、最後の計画を実行する。  宅配ドライバーのソライは、ナノが仕組んだ計画に巻き込まれ、預金を盗まれてしまう。手がかりもなく、警察すらお手上げかと思われたが、ソライはナノにたどり着く。盗んだお金を返すというナノについて、香港に行くソライ。盗み出した金を引き落とし、帰国しようとしたところで、事態は急展開。二人の運命が大きく動き出す。  「想いのこし」というタイトルで映画化されたベストセラー 『彼女との上手な別れ方』で作家デビューした気鋭の脚本家による、“忘れられない”物語。
  • 黒怪談傑作選 闇の舌
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    身の毛がずっぽぬける程、怖ろしい……。 黒史郎は我々と同じ次元にいながら別のモノを召喚して生きている。――平山夢明 実話怪談の恐怖が凝縮した傑作選! 肝試しに行った霊園にあった穴。降りていった友人がいつの間にか血だらけで後ろに立っていた…「地獄」、固定電話が混線して妙な声が入る「あぶない入道」、台風の夜、寝ている床から変な音がして、両親の寝室はもぬけの殻…地底人だと顔を強張らせる弟だが…「地底人、コワイ」など。黒史郎の綴る実話怪談の中から、選りすぐりの怪談と書き下ろしを含めた45編! 極黒の一冊がここに!! 著者について 黒史郎(くろ・しろう) 小説家として活動する傍ら、実話怪談も多く手掛ける。単著に『黒塗怪談 笑う裂傷女』、『実話蒐録集 暗黒怪談』『実話蒐録集 漆黒怪談』『実話蒐録集 闇黒怪談』『実話蒐録集 魔黒怪談』『異界怪談 暗渠』ほか。共著に「FKB饗宴」シリーズ、「怪談五色」シリーズ、「百物語」シリーズ、『怪談四十九夜』『瞬殺怪談 刃』など。
  • 恐怖箱 厭獄
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    「こいつで呪いを注入する…」 村の秘祭で使われた鬼の面と木刀。それに宿る怨嗟の因縁とは…? 陰鬱な闇から滴る怪と命の水音。暗黒ゆえに引き込まれる実話怪談! 町の観光名所を探していて辿り着いた山奥の洞窟神社。だが、そこには呪いの絵馬がずらりと…「減らない絵馬」、初潮を迎えるまで女子は赤いものを身に着けてはならない―家のしきたりを破ってしまった長女は…「唇と爪先」、廃墟マニアの二人組が忍び込んだ二階建ての家屋。ベッドの上に放置されていた拘束衣にふざけて袖を通した男は…「縛る」、差別を色濃く残した村の秘祭。祭りで鬼役を担っていた若者は村を出て、積年の恨みを晴らすべく復讐を始める…「無差別」他、無間地獄の如く救いのない闇が広がる怪談実話全40話収録! 著者について つくね乱蔵(つくね・らんぞう) 福井県出身。第2回プチぶんPetio賞受賞。実話怪談大会「超‐1/2007年度大会」で才能を見いだされデビュー。内臓を素手で掻き回す如き厭な怪談を書かせたら右に出る者はいない。主な著書に『恐怖箱 厭怪』『恐怖箱 厭鬼』『恐怖箱 厭魂』『恐怖箱 絶望怪談』『恐怖箱 万霊塔』、その他主な共著に「怪談五色」シリーズ、「恐怖箱トリニティ」シリーズ、『アドレナリンの夜』三部作、ホラーライトノベル『僕の手を借りたい。』などがある。
  • 銀行ガール 人口六千人の田舎町で、毎日営業やってます
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    「こんな田舎から出ていって、いつか都会のモデルになる!」 そんな野望を持ちながら、神山銀行で営業として働く五十嵐吟子、24歳。だが、彼女の思いとは裏腹に今日もお客様から厄介な相談が舞い込む。戦前から続く雨漏り食堂の修繕費用融資から、リサイクルショップの立ち退き交渉、はては振り込め詐欺犯逮捕まで!? お客様がお困りとあらば義理人情と正義感にあふれる吟子はとにかく黙っていられない。スカッと爽快、地方銀行女子の奮闘ストーリー!
  • 怪談供養 晦日がたり
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    怪談〈呪い〉は語り広めることで厄が薄まる― 今年、成仏させておかないとヤバイ39の最凶話! 拡散希望! 妊婦が羅城門をくぐると生まれてきた子は鬼となる。言い伝えにより一族はある儀式を…「とりかえ長男」、映画サークルが撮影で使った寺にあった目鼻を描かれていないこけし、それには恐るべき由来が…「顔のないこけし」、遺品整理で引き上げられてきたアンティークの鏡台。それには開かずの抽斗があるのだが果たして中身は…「黒いドレッサー」他、凶悪な何かを宿した怪談全39話を収録。怪談は語り広めることでその厄を薄め、浄化させることができるという。つまり、無害化することができるのである。それは呪いや祟りの大本たる怨霊たちが自らの無念を多くの人々に知って欲しいと願っているからに他ならない。彼らの成仏にあなたもぜひ協力してほしい……。
  • 起業闘争
    4.0
    1巻715円 (税込)
    リーダー・碓井優の下、大企業・石川島播磨重工を集団で辞めた80人の男たち。苛烈さを増す情報処理産業を舞台に、寄らば大樹の陰を良しとせず、信じる道を貫いた者たちの果敢な行動を描いた実名企業小説。
  • 僕と彼女たち
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    僕は28歳。野原理恵子に失恋した痛みを抱えつつも、いま成田伸子と深い関係になろうとしている。でも伸子と結婚するつもりはない。もっと好条件の相手がいそうだし、現に、僕のまわりには数人の女が虎視眈々僕を狙っているのだ! 北沢浩平と彼を巡る5人の女性たち。独身時代を謳歌する若いサラリーマンの「愛と性のモラル」を描く長編明朗青春小説。
  • シンデレラの葬送
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    結婚式の前夜、理想の夫を得た冴子を訪れた刑事は、北垣なる男のことを質問した。その男は、冴子が一人で那須にドライブした際、事故から一夜を車内で共にした相手だった。シンデレラの生活を直前にした冴子には、あの夜のことは絶対に口外できない。だが、殺人容疑をかけられた北垣にとって、あの夜の事故は唯一のアリバイだったのだ。殺人容疑者から証言をたのまれ動揺する冴子。現代の戦慄を描き出す野心的長編ミステリー。
  • 鶴八鶴次郎
    3.0
    鶴賀鶴八と鶴次郎は女の三味線弾きに男の太夫と珍しい組み合わせの新内語り。若手ながらイキの合った芸で名人と言われる。内心では愛し合う二人だが、一徹な性格故に喧嘩が多く、晴れて結ばれる直前に別れてしまう。裕福な会席料理屋に嫁いだ鶴八と、人気を失い転落する鶴次郎。三年後再会した二人の行く末を描く表題作に『風流深川唄』など三編収録の傑作集。
  • 戻る男
    3.6
    過去をリセットできるとしたらどうしますか。  ある日、作家の新居航生のもとに一通の書状が届いた。航生は、作家として5年前に出版した『もう一つの扉』が大ヒットを飛ばしたが、その後は小説を書いておらず、離婚して一人暮らしをしていた。書状は、タイムスリップを研究しているという、八木俊太郎という人物からだった。それによれば、ある程度ならタイムスリップが可能だという。可能なのは、過去へのタイムスリップのみで、未来は不可能。その過去も、当人が生きている時代に限られ、過去の自分自身に会えるわけではなく、当時の自分に重なることになる。そして、歴史を大きく変えるようなことを実行するのは不可能、ということだった。  自分が体験した小さな事実なら変えられる――。 考えた末に、実際に体験したことを雑誌に書くことにして、航生は八木の提案を受け入れタイムスリップを経験してみることにした。  航生は、中学生のときにいじめの標的にされたことがあり、航生は、この過去を変えようと思った。八木の運転で連れて行かれた部屋で八木と話すうちに、航生は、中二の文化祭会場である市民会館のホールの席に学生服を着て座っていた――。果たして、過去はリセットできるのか。
  • 獅子の門1 群狼編
    4.2
    1~8巻715~880円 (税込)
    孤独の中で強さを渇望する芥菊千代。組から追われる身となった竹智完。美しき獣のごとき志村礼二。愚直に武道に邁進する加倉文平。優しき巨躯の室戸武志。世界を放浪する陳家太極拳の達人・羽柴彦六が5人の若者と出会った時、運命の歯車は俄に動き出す――。血潮たぎる迫力と息をもつかせぬテンポで繰り広げられる夢枕獏のノンストップエンタテインメント!
  • 自意識過剰探偵の事件簿(一二三文庫)1
    無料あり
    4.5
    今日も何処かで、誰かが犯人にされている!?子供の頃の夢を今もなお追い続ける自称女探偵、雲雀野《ひばりの》八雲《やくも》。渋々ながらも、そんな幼馴染に振り回される、助手役を押し付けられた明義《あきよし》。二人が繰り広げた事件の全貌は……暗雲立ち込める真実か、あるいは晴れ渡る虚構か。助手が探偵を騙くらかす、新感覚ボーイミーツガールミステリー!
  • 実話怪事記 狂い首
    4.0
    「えっ?高木って死んだのか?」 同級生が次々と自殺していく…それは40年前のある出来事に由来しているらしい。――「晒し野」収録。 さらなる恐怖を求めて終わりのない取材を敢行した実話怪談集! 日々の取材の中で得た奇妙で不思議な話を丁寧に綴る真白圭の最新作。スタジオに現れる不審な男が妙な問いかけをしてくる。答えられずにいたら…「インストラクター」、砂地で見つけたウミガメの死骸に、黒魔術オタクの友人が妙なことをやり始めると…「魔法陣」、野原に電柱がたくさん立っている! その光景を見て声を弾ませた友人。でもその場にいたもう一人の彼に見えていたのは棒に刺さった生首の数々――〈首〉に翻弄される彼らのその後とは「晒し野」など46話収録。 著者について 真白圭(ましろ・けい) 1971年新潟県生まれ。東京理科大学大学院修了。第四回『幽』実話怪談コンテスト佳作入選後、本格的に怪談蒐集を始める。単著に『生贄怪談』『暗黒百物語 骸』『実話怪事記 腐れ魂』『実話怪事記 穢れ家』、共著に『怪談実話競作集 怨呪』『怪談四十九夜 鎮魂』がある。
  • 実話奇譚 奈落
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    「口もとが犬の鼻面のように前に突出し、白目がない…真っ黒な二つの目が私を睨み付けた」~「降霊怪談顛末記~あとがきに代えて」より 徹底した現地調査から浮かび上がる恐怖! 実話怪談集! 「わたしを写すと化け物が写る」――心霊スポットで写された自分の顔がどれもこれも凄まじく破壊されていて…まえがきで語られる自身に起こる怪異の数々のほか、家庭内の虐待ゆえにいつも「死にたい」と言っていた中学生の姉、ある夜起きた出来事で…「姉」、ある女優を模した人形のてん末「人形」など、徹底した取材で綴った実話怪談39話を収録。「拙作の実話奇譚は黄泉への恋文」(あとがきより)――奈落の暗闇をのぞいているつもりが、のぞかれているのは――あなただ。 著者について 川奈まり子(かわな・まりこ) 『義母の艶香』で小説家デビュー。実話怪談では『赤い地獄』『実話怪談 出没地帯』『穢死』『迷家奇譚』『呪情』『夜葬』など。共著に『嫐 怪談実話二人衆』『女之怪談実話系ホラーアンソロジー』『怪談五色 破戒』『怪談四十九夜 出棺』『現代怪談 地獄めぐり』など。
  • 恐怖箱 屍役所
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    「廊下のあれ、あまり嗅ぎ回らないほうがいいよ」 見た人は精神を病んでしまう。 真新しい市庁舎で、いったい何が…? 役所勤め、教師、警察官、自衛隊…他、公務員が明かす職場の実話怪談! 役所の敷地というものは、大抵色々と事情やら曰くと縁のある土地であることが多い。役所が怪異を呼ぶのではなく怪異の原因を孕んだ土地に役所が建つ…(巻頭言より)。改築された市庁舎の三階にあるフィルムで覆われたガラス窓。その恐るべき理由とは…「市役所の窓ガラス」、地雷除去の訓練中、ある自衛官が突然地面に向かって奇怪な呟きを…「地雷」、元消防官だった父が口にした昔から署に伝わる言い伝えとは…「鬼火」他、衝撃の31話を収録。教師、警察官、消防官、自衛官…刑務所、裁判所その他公的施設で働く公務員が職場で体験してしまった正真正銘の実話。 著者について 加藤一(かとう・はじめ) 1967年静岡県生まれ。O型。獅子座。人気実話怪談シリーズ『「超」怖い話』四代目編著者として、冬版を担当。また新人発掘を目的とした実話怪談コンテスト「超-1」を企画主宰、そこから生まれた新レーベル『恐怖箱』シリーズの箱詰め職人(編者)としても活躍中。主な著作に『「忌」怖い話』、『「超」怖い話』シリーズ、『「極」怖い話』シリーズ(以上、竹書房文庫刊)、『怪異伝説ダレカラキイタ』シリーズ(あかね書房)など。
  • 千人怪談
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    眠れないほど怖い話を聞かせてほしい。 ホラーイベント〈稲川淳二の怪談冬フェス~幽宴~〉と小説投稿サイト〈エブリスタ〉がコラボした投稿企画=【最恐怪談コンテスト】。 全国から集まった恐怖の総数、なんと約1000! そこから受賞作他、審査員もトラウマになった本気のヤバネタ23話を大収録! 今夜はきっと眠れない、眠らせてもらえない……。
  • SHAMAN KING FAUST8 「永遠のエリザ」
    5.0
    「愛しています、ぼくの恋人になってください」ファウストとエリザの出会い、闘病の末に掴んだ束の間の幸福、そして降りかかる悲劇。死とは? 生とは? この問いに抗い続けたファウスト8世の物語。
  • 動詞の考察
    3.0
    たとえば、〈やる〉ーー「俺、あの女とやっちゃった」と言えば色っぽいけれど、「この野郎、やっちまえ」ともなれば物騒な話になる。そのほか、なにげない動詞が綾なす、極上ミステリーの数々。〈割る〉〈する〉〈眠る〉〈とる〉〈切る〉〈合う〉……。言葉から生み出される思いがけない物語。短編の名手の腕が冴え渡った、連作推理傑作集。
  • 兎の秘密 昔むかしミステリー
    3.0
    「かちかち山」の兎と狸の「妖しい関係」があぶりだす、殺人事件の真相。「浦島太郎」が乗った亀は、タイムマシンだった? 「花咲爺」で本当の悪者は誰だったのか? サルカニ合戦を恐れ、さる年の男を拒絶する蟹座の女。一寸法師と内視鏡の深い関係とは――。日本の昔ばなしを斬新な発想で愉しむ、異色短編集。
  • いつまでも昨日
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    北海道の新聞の片隅に載った「お悔み」記事。特別変わった点のないものだったが、なんと東京から反響があった。それもかつてお宮入りかといわれた殺人事件に関係があるらしい。その意外な真相は?(表題作)ありふれた日常生活にふと忍び込む謎を描いて冴える、名匠の秀作推理短編10編を収録。
  • 恐怖箱 青森乃怪
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    本州最果ての地、青森。あの世と繋がる霊場恐山から、神々の棲まう山野まで、雪深き国は神秘と恐怖に満ちている。 赤子の泣き声がする無人駅。だが他の者にはその声が聞こえず…「津軽の子ら」、集落で“カミサマ”と呼ばれる祖母が行う虫きりの業…「むつ、二編」、近所の厄介者の家から出る悪臭。だが家の中は綺麗で…「ハナツマミ者」、録音した覚えのない音声ファイルに入っていた見知らぬ男のある一言。数年後、その意味がわかる…「録音」、死んだ従兄弟が赤い目をして夢に出る。その理由とは…「夢は夜ひらく」他、地元出身在住の著者が集めた究極の青森怪談!
  • 忌印恐怖譚  めくらまし
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    不気味で不思議、そして異様――炙り出されるのは日常のひび割れから滲み出す不安と恐怖の数々。 危篤となった父の病室から見えるモノ「位置」、その幽霊を見るにはあることをしなくてはいけない、でも見ると報いがある「下駄幽霊」、マンションの隣室から妙な音がする。クレームを入れるのだが…「石の音」、飲み屋で隣にいた男たちの会話を耳に挟み、男はとある行動を起こそうとしたが…「密告」など、幻惑の名手が語る奇妙な実話怪談64話を収録。
  • 怪談奇聞 啜リ泣キ
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    怪談を引き寄せる、実態のないものに攻撃をされる――小田イ輔の執筆は命懸けかもしれない。今回も<引きのよさ>が暗く蠢く究極の一冊だ! 怪談なんて信じない、そんな男がふと気づいたのは…「見てはいた」、夜中通りかかって目にした死の現場とは…「命日ですから」、祟られているゆえにみな早死に、最後の生き残りが語ったのは…「啜り泣き」など。 ひとつの怪談話が別の怪談に繋がり必然のように綴られ、あなたもその累にすでに取り込まれている。
  • ライオンの歌が聞こえる――平塚おんな探偵の事件簿2
    4.5
    “ライオン探偵”エルザと天然ボケの助手・美伽が挑む厄介な事件。「家出した亀の捜索中に殺された銀行員が靴下を奪われた理由とは」「老婦人を轢いた犯人はなぜ珈琲をかけて逃げた?」「元カレと永遠の愛を誓って湘南平に取り付けた南京錠を外して」「深夜のビーチで正面衝突したフィアットはどこへ消えた?」――すべては依頼人のために。気高く美しく、時々凶暴な最強タッグが湘南を駆け巡る!
  • アンと青春
    4.1
    アンちゃんがデパ地下の和菓子屋「みつ屋」で働き始めて8ヶ月。販売の仕事には慣れてきたけど、和菓子についてはまだまだ知らないことばかりだ。でも、だからこそ学べることもたくさんある。みつ屋の個性的な仲間に囲まれながら、つまずいたり悩んだりの成長の日々は続きます。今回もふんだんのあんことたっぷりの謎をご用意。待ちに待ったシリーズ第2弾!
  • 黄色館の秘密 新装版~黒星警部シリーズ3~
    3.5
    実業家の阿久津又造一家が住む「黄色館」は、世界の珍品を集めた秘宝館。そこへ犯罪集団から純金製の黄金仮面を盗むという予告が。フリーライターの葉山虹子に呼ばれて密室マニアの黒星光警部が訪れるが、はたして黄金仮面が消え、密室で殺人事件が発生する。この難事件、迷警部・黒星はどう解決するのか――。異色の長編ミステリーが大幅加筆修正のうえ新装版で登場。

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