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こんな夜更けにバナナかよ 愛しき実話
大泉洋主演で映画化! 話題の映画のノベライズ。 鹿野靖明、34歳。 難病の筋ジストロフィー患者で、 一人では寝返りも打てない。 だけど、自由に生きたい! 自ら集めたボランティアに支えられての 自宅暮らしはわがまま放題。 バナナが食べたくなったら、 たとえ真夜中でも我慢しない。 病院で、天井を見つめて ただ生きているだけなんて、意味がない。 そのわがままは命がけだった。 壮絶ながらも、命の輝きに満ちた日々を描く 笑って泣ける話題の映画のノベライズ版。 大宅賞、講談社ノンフィクション賞をW受賞した 原作から生まれた映画のノベライズ版。 -
源氏物語の女君たち
世界最古の大恋愛小説のストーリーを追いながら、個性あふれる王朝の女性たちのキャラクターを分析した、源氏物語の入門書。 1997年4月から6月の3カ月間、NHK教育テレビ「人間大学」で「源氏物語の女性たち」という番組を書籍化した作品です。この番組は寂聴さんが毎回、源氏物語ゆかりの地に出かけていき、語るという内容。作者の紫式部をはじめ、光源氏が最も愛した紫の上、男を虜にした魔性の女・夕顔、誇り高くインテリ女性・六条御息所、情熱的で官能的な朧月夜など、光源氏を取り巻く女たちをわかりやすく解説しています。 「紫式部は仏教に帰依してもなお物語を書きつづけたことで、救われていたのではないでしょうか。『源氏物語』の底には、女人成仏の悲願がかく流れているように私には思われてなりません」 といった具合に、寂聴さん独自の見解が満載です。 -
幽霊審査員
なんと宇野警部が、大晦日の国民的テレビ番組「赤白歌合戦」の審査員に! 大好評「幽霊」シリーズ第25弾。 ケガをした警視総監の代役をつとめることになった宇野は、慣れないタキシードを着せられ、メークまでされて審査員席で大奮闘。 恋人で女子大生の夕子は、「ずるい!」とうらやましがりつつも、「何か起こる」と予言する。果たして、本番が始まり、秒刻みの進行で大騒ぎの舞台裏で、事件が……。 表題作のほか、「犯罪買います」「哀愁列車」「愛と憎しみの果て」「意地っ張りの季節」「もういいかい」「過去のある勲章」の全7篇。 「世の中が変わっても、常に変らないものを描き続けていきたい」と仰る赤川さん。人が殺されても、男女が争っても、どこか温かい感情が流れる赤川作品の真骨頂です。 殺伐とした現実を見据えながらも、すがすがしい読後感を残す7篇。 -
「ななつ星」極秘作戦 十津川警部シリーズ
豪華列車「ななつ星」の車中で明かされる、戦争末期に試みられた日中和平工作の秘密とは!? 警視庁副総監からの命令で、十津川警部は「ななつ星」へ乗り込む。 乗客を装うために同伴した妻・直子は、豪華列車に声を弾ませるが、十津川はマークすべき人物が誰なのかさえも分からない。同乗するは、台湾からの旅行客、アメリカ人夫婦、気鋭の歴史学者、外務省の職員。 やがて、列車最後部の7号車DXスイートに集まった彼らは、太平洋戦争末期の1945年にあったという南京政府の高官・繆斌(みょうひん)による日中和平工作について激しい議論を交わす。 十津川は、彼らの目的が日中の歴史の真実を明かすことと知るが、ここに敵対する勢力が登場、思わぬ妨害工作で乗客たちは絶体絶命の危機に直面する! JR各社が手掛ける「クルーズトレイン」のなかでも、JR九州が運行する「クルーズトレインななつ星in九州」はいまだに予約が困難な人気豪華列車。「一度は乗ってみたい……」と思う読者も多いはず。 本書は、鉄道・トラベルミステリーの第一人者である著者が、「ななつ星」に実際に乗車し、車内を隅々まで取材して書かれた、臨場感溢れる作品である。 2015年に単行本として刊行された本書には、西村さんの実際に乗車した「ななつ星」への感動と、戦後70年という節目にも関わらず対立を深める日中両国への危機感とが込められている。作中、熱く議論される歴史の断章は、鉄道ファンのみならずすべての日本人必読だ。 -
最高のオバハン 中島ハルコの恋愛相談室
中島ハルコ52歳、バツ2、女社長。自称・いま最もブレイクしているオバハン。金持ちなのにドケチで、口の悪さは天下一品。新幹線ホームのキヨスクで週刊誌を立ち読みしたり、大地震が起きたとき、無理矢理運送会社のトラックに自宅まで送らせたりといった無茶苦茶なエピソードが満載。そんな彼女の周りには、なぜか悩みごとを抱えた人間が寄ってくる。「十年間付き合ってる不倫相手に貸した三百万円が返ってこない」「老舗の和菓子屋の跡継ぎ息子がミュージシャンになると言い出した」「自分の学歴(東大卒)が高すぎてオトコができない」「40過ぎてやっと結婚したい相手が現れたのに、同居している実家の両親が結婚に猛反対」など、さまざまな相談が持ち込まれる。これらの悩みを、ハルコは決してきれいごとは言わず、独特の人生観によって解決していく。 心あたりのある人は読んで恐ろしくなり、若い読者にとっては、きたる人生の参考書にすらなるのではないだろうか。常識にとらわれず、本音で行動するハルコの歯に衣着せぬ物言いには、聖人君子の教えにはない、不思議な説得力がある。胸のすくような啖呵と、ハルコの傍若無人なようで鋭い洞察力が、悩める人々の背中を押してくれる、痛快エンタテインメント小説。※本作品は 2017年10月5日まで販売しておりました単行本電子版『中島ハルコの恋愛相談室』の文庫電子版となります。 本編内容は単行本電子版と同じとなります。 -
晩鐘
佐藤愛子九十歳・奇跡の話題作、待望の文庫化! 老作家・藤田杉のもとにある日届いた訃報――それは青春の日々を共に過ごし、十五年間は夫であった畑中辰彦のものだった。 「究極の悲劇は喜劇だよ」 辰彦はそういった。 それにしても、どうして普通じゃ滅多にないことばかり起るのか。 当時の文学仲間たちはもう誰もいない。 共に文学を志し、夫婦となり、離婚の後は背負わずともよい辰彦の借金を抱え、必死に働き生きた杉は、思う……。 あの歳月はいったい何だったのか? 私は辰彦にとってどういう存在だったのか? 杉は戦前・戦中・そして戦後のさまざまな出来事を回想しながら、辰彦は何者であったのかと繰り返し問い、「わからない」その人間像をあらためて模索する。 枯淡の境地で、杉が得た答えとは。 『戦いすんで日が暮れて』『血脈』の系譜に連なる、かつて夫であった男と過ぎし日々を透徹した筆で描く、佐藤愛子畢生の傑作長編小説。 -
ブラウン神父の秘密
第四作品集に至っても、未だに驚異的なクオリティーを保つ〈ブラウン神父〉シリーズ。容疑者の詩人の不可解きわまりない行動の謎「大法律家の鏡」、この世の出来事とは思えぬ状況で発生した金塊消失事件「飛び魚の歌」、強烈な真相が忘れがたい「俳優とアリバイ」、常識をはるかに超えたユーモアと恐怖の底に必然的な動機がひそんだ「ヴォードリーの失踪」など全10編を収録する。〈ブラウン神父〉シリーズの精髄ともいうべき逆説とトリックの凄みが横溢する、巨匠チェスタトンにしか書きえない名短編集。【収録作】「ブラウン神父の秘密」「大法律家の鏡」「顎鬚の二つある男」「飛び魚の歌」「俳優とアリバイ」「ヴォードリーの失踪」「世の中で一番重い罪」「メルーの赤い月」「マーン城の喪主」「フランボウの秘密」/解説=高山 宏 -
ブラウン神父の不信
名作揃いの〈ブラウン神父〉シリーズでも、とりわけ傑作が集まっている第三集が、読みやすくなって、新しいカバーでリニューアル! これを読まずして〈ブラウン神父〉シリーズは語れない傑作「犬のお告げ」、チェスタトンならではの大胆で奇想天外な密室トリックが炸裂する「ムーン・クレサントの奇跡」、濃厚なオカルティズムで後世に多大な影響を及ぼした必読作「金の十字架の呪い」、真相の意外さが光る逸品「翼ある剣」など、珠玉の8編を収録する。ブラウン神父の魅力あふれる名推理をご堪能あれ!【収録作】「ブラウン神父の復活」「天の矢」「犬のお告げ」「ムーン・クレサントの奇跡」「金の十字架の呪い」「翼ある剣」「ダーナウェイ家の呪い」「ギデオン・ワイズの亡霊」/解説=法月綸太郎 -
シャーロック・ホームズの事件簿(新版)【深町眞理子訳】
「高名の依頼人」をはじめ、「サセックスの吸血鬼」「這う男」など、おなじみベイカー街221Bを訪れる依頼人が持ち込む難事件。あるいは、サセックスのささやかな家に隠遁したホームズを待ち受ける事件……。1887年、『緋色の研究』で颯爽と登場し、たちまちのうちに名探偵の代名詞となるほどの人気を博したシャーロック・ホームズは、4長編56短編で全世界のファンを魅了し、いま鮮やかに退場する。「読者諸君、今度こそほんとうにシャーロック・ホームズともお別れだ!」深町版ホームズ全集、ここに完結。/解説=有栖川有栖※本書は、2017年4月14日新版初版発行の書籍を底本としております。 -
ブラウン神父の知恵
逆説の論理の魔術師チェスタトンを代表する、名シリーズの第2集。トリックの凄みでは、名作揃いの巨匠チェスタトン作品のなかでもトップクラスに位置する「通路の人影」、ポオの「盗まれた手紙」にも比肩する「銅鑼の神」、仮装舞踏会を舞台に神父の心理試験反対論を織りまぜた「機械のあやまち」など、いずれ劣らぬ名作12編を収録する。小柄で不恰好、手にした帽子と蝙蝠傘をまるで大荷物のように扱いかねている――とても名探偵とは思えない外見のブラウン神父が明かす事件の真相は、読む者の度肝を抜く!【収録作】「グラス氏の失踪」「泥棒天国」「イルシュ博士の決闘」「通路の人影」「機械のあやまち」「シーザーの頭」「紫の鬘」「ペンドラゴン一族の滅亡」「銅鑼の神」「クレイ大佐のサラダ」「ジョン・ブルノワの珍犯罪」「ブラウン神父のお伽噺」/解説=巽昌章 -
ブラウン神父の童心
奇想天外なトリック、痛烈な諷刺とユーモア、独特の逆説と警句で、ミステリ史上に燦然と輝くシリーズの第一集。小柄で不器用、団子のように丸く間の抜けた顔。とても頭が切れるとは思われない風貌のブラウン神父が事件の真相を口にするとき、世界の風景は一変する。レストランの塩と砂糖を入れ替えるなど、奇妙な痕跡を残していく二人連れの神父を追う名刑事ヴァランタン。その背景には何が? ブラウン神父初登場の「青い十字架」のほか、大胆なトリックが炸裂する「見えない男」、あまりに有名な警句で知られる「折れた剣」など12編を収める。【収録作】「青い十字架」「秘密の庭」「奇妙な足音」「飛ぶ星」「見えない男」「イズレイル・ガウの誉れ」「狂った形」「サラディン公の罪」「神の鉄槌」「アポロの眼」「折れた剣」「三つの兇器」/解説=戸川安宣 -
シャーロック・ホームズの復活【深町眞理子訳】
名探偵ホームズが宿敵モリアーティー教授とともに〈ライヘンバッハの滝〉に消えた「最後の事件」から3年。ロンドンで発生した青年貴族の奇怪な殺害事件をひとりわびしく推理していたワトスンに、奇跡のような出来事が……。名探偵の鮮烈な復活に世界が驚喜した「空屋の冒険」を始めとして、ポオの「黄金虫」と並ぶ暗号ミステリの至宝「踊る人形」、奇妙な押し込み強盗事件の謎が鮮やかに解かれる「六つのナポレオン像」など、珠玉の13編を収録する、シリーズ第3短編集。/収録作=「空屋(くうおく)の冒険」「ノーウッドの建築業者」「踊る人形」「ひとりきりの自転車乗り」「プライアリー・スクール」「ブラック・ピーター」「恐喝王ミルヴァートン」「六つのナポレオン像」「三人の学生」「金縁の鼻眼鏡」「スリークォーターの失踪」「アビー荘園」「第二の血痕」「解題=戸川安宣」「解説=巽昌章」 -
月下上海
第二十回松本清張賞受賞。スキャンダルを逆手にとり人気画家にのしあがった財閥令嬢・八島多江子。謀略渦巻く戦時下の上海で、多江子が愛する運命の男たち。 昭和17年10月、八島財閥令嬢にして当代の人気画家・八島多江子は、戦時統制化の日本を離れ、上海にやってきた。そこで、招聘元である中日文化協会に潜入していた憲兵大尉・槙庸平から、民族資本家・夏方震に接近し、重慶に逃れた蒋介石政権と通じている証拠を探すように強要される。 「協力を断れば、8年前の事件の真相をマスコミに公表する」 8年前、多江子が夫・瑠偉とその愛人によって殺されかける有名な事件が起きた。愛人は取り調べ中に自殺し、瑠偉は証拠不十分で釈放されたものの、親元の伯爵家から除籍され、満州へ追われた。そして奇跡的に一命を取り留めた多江子は、スキャンダルを武器に人気画家へのし上がった。だが、その真相は、愛人と外地へ駆け落ちしようとした瑠偉を許せなかった多江子が、他殺に見せかけて自殺を図ったのだった。槙は何故か、その秘密を嗅ぎつけていた――。 -
回想のシャーロック・ホームズ【深町眞理子訳】
レースの本命と目されていた名馬が失踪し、調教師の死体が発見された。犯人は事件当夜に厩舎情報をさぐりにきた男なのか?錯綜した情報のなかから絶対的な事実のみを取りだし、推理を重ねていくシャーロック・ホームズの手法が光る「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」。ホームズが最初に手がけ、探偵業のきっかけとなった「〈グロリア・スコット〉号の悲劇」、発表時イギリスに一大センセーションを巻き起こした、宿敵モリアーティー教授登場の「最後の事件」など、11の逸品を収録するシリーズ第2短編集。/収録作=「〈シルヴァー・ブレーズ〉号の失踪」「黄色い顔」「株式仲買店員」「〈グロリア・スコット〉号の悲劇」「マズグレーヴ家の儀式書」「ライゲートの大地主」「背の曲がった男」「寄留患者」「ギリシア語通訳」「海軍条約事件」「最後の事件」「解題=戸川安宣」「解説=小池滋」 -
Aimee
【書籍説明】 地下世界に広がる聖なる火種の村。村人達は古くから伝わる教えにより、自分達を『劣った者』であると信じて質素な生活を送っていた。そんな中、村一番のおてんば少女エイミーは窮屈な生活と教えに疑問を抱き、同じ思いを抱く青年シルヴァンと共に、真実を知る為の計画を立てる。それはこの地下世界からの脱出、すなわち想像だにしなかった世界への大きな一歩だった! 教えで村人達を縛る大司祭やその息子である聖職者ハロルドとドミニクほか、エイミーを取り巻くユニークな登場人物の描写も見逃せない、臨場感のある冒険ストーリー。 【著者紹介】 銀河忍 児童書作家。子どもの頃からファンタジーが大好きで、少年少女に向けた物語を中心に小説やその小説にちなんだ挿絵を描いている。「大人も子供も楽しめる作品を広めていきたい」という想いから、主にファンタジーを手がける児童書作家として活動中。 -
アストロロジカルクロス
【書籍説明】 荒野を駆ける賞金稼ぎの主人公、アルフィーが出会ったのは1人ぼっちの女の子。彼女と共に星のきらめく常夜の世界で繰り広げる冒険ファンタジーです。 空に輝く無数の星。人々はその星と星をつないで、星座を作ったと言います。星の形を神話の神様にたとえ、星のような無数の物語を語り継いでいったと。 そしてそれを聞いてはまた空を見上げ、英雄達に思いをはせていたと。 だからでしょうか。人々がいつの時代になっても、星を見ることをやめないのは。 そしてそれはこの世界でも同じで、人々は困ったとき、迷ったときに空を見上げ、頭上に輝く星達を見ては神様に思いをはせるのです。 空に浮かぶ星々はいつでも輝いて、人々を見守ってくれているのですから。 この物語は、そんなきらめく星が瞬いている空の下、とある荒れ果てた荒野から始まります―――。 【著者紹介】 銀河忍(ギンガシノブ) 児童書作家。イラスト作家。子どもの頃からファンタジーが大好きで、少年少女に向けた物語を中心に児童向けの小説やその小説にちなんだ挿絵を描いている。 「大人でも子どもの心を忘れずに楽しめる作品を広めていきたい」という想いから、主にファンタジーを手がける児童書作家として活動中。 デビュー作は「Noir Grand Guignol 第一幕 終焉の調べ」2019年まんがびと刊行 -
もしも土方歳三が検事だったら 処刑殺人事件 連続殺人事件の真相を、検事生命を懸けて究明する。
【書籍説明】 土方歳三は東京地検の公判部検事である。 刑事部の捜査検事が起訴した連続殺人事件の裁判を担当することになった。 夫が我が子を虐待死させるのを手伝った女、融資先を窮地に追い込んで自殺させた銀行員、 轢逃げ事件をもみ消した大病院の院長、同級生をリンチして殺してしまった女子高校生が、次々と殺された。 ネット上で、「正義の執行者」と名乗る人間が「処刑した」と宣言した。 警察と捜査検事は、「正義の執行者」が野口健司であることを突き止め、逮捕、起訴した。 だが、歳三の鋭い勘は野口の自白に嘘を感じた。 真犯人は他にいる! 歳三は、刑事部に再捜査を求めたが、刑事部長伊東甲子太郎は頑として撥ねつけた。 公判部長の清河八郎も起訴取消しを許可しない。 野口の弁護士山南敬助は情状酌量を求めるばかりで、野口の無罪を主張しない。 歳三は検事生命を懸けて、法廷において真相を明らかにする決意を固めた。 弁護士近藤勇、犯罪心理学者沖田総司らの協力を得て、歳三は検事の使命を果たそうとする。 【目次】 四件の殺人 連続殺人 正義の執行者 サイコパス ネットのヒーロー 再捜査拒否 殺人の動機 処刑宣言 無罪の主張 検察側の証人 プロファイリング 真相究明 秋霜烈日 -
われら
今から約1000年後、勝利した都市国家の「単一国」は、野蛮で無秩序な人間社会に訣別し、「緑の壁」にかこまれた理想社会を築いていた。そこには「私」はなく、あるのは「われら」だけであった。「住人」は、ガラス・シルクの制服を着、数字と文字を組み合せた国民番号で区別されている。生活の隅々までが「時間律法」に規制され、むろん性にも自由はなく、性生活は性規制局が決める相手と予定表にしたがって行なわれる。単一国は、目下建造中の宇宙船「積分号」によって、他の惑星へ「幸福」をもたらすために出かけようとしている。本書はその宇宙船の製作担当官D五〇三号の詳細な「手記」として記録されている。DはI三三〇号という女性との禁断の「恋」に悩まされ、最後には…。1920年代初頭にロシアで書かれたディストピア小説の先駆的名著。 -
P+D BOOKS 二百年
6代にわたる一族の物語を詩歌とともに綴る。 妻子を置いて出奔し、港湾労働者として働きながらアメリカに渡ろうとするが果たせず、家族のもとに連れ戻されたものの、好奇心の赴くままにさまざまなことに手を出した幕末生まれの直治。家の資産をほとんど使い果たしてしまった直治は、しかし娘婿に西洋医学を学ばせ、孫の梅子には津田英学塾で学ばせる。 梅子の子・檀(まゆみ)は夫の仕事の都合で海外赴任を経験し、その子・桂は外国人と結婚し海外で暮らしているが、娘を連れて日本に帰ることもある。 そんな6代200年にわたる一族の物語が、同時代の出来事や登場人物たちが愛した詩歌などとともに綴られる、穏やかな作品。 -
パッキパキ北京
コロナ禍の北京で単身赴任中の夫から、一緒に暮らそうと乞われた菖蒲(アヤメ)。愛犬ペイペイを携えしぶしぶ中国に渡るが、「人生エンジョイ勢」を極めるこの女はタダじゃ絶対に転ばない。過酷な隔離期間も難なくクリアし、現地の高級料理から超絶ローカルフードまで食べまくり、極寒のなか新春お祭り騒ぎ「春節」を堪能する。街のカオスすぎる交通事情の把握や、北京っ子たちの生態調査も欠かさない。これぞ、貪欲駐妻ライフ! 北京を誰よりもフラットに「視察」する菖蒲がたどり着く境地とは? 一気読み必至の「痛快フィールドワーク小説」!――「味わい尽くしてやる、この都市のギラつきのすべてを」 -
P+D BOOKS 雪
著者独特の幻想的な世界に誘う11の短篇。 ――あちこちで、小綬鶏が啼き、遠くで郭公や鶯も鳴いていた。肩の翼を持ち上げて、飛ぼうとするがうまく飛べず、やはり人間になるしかない、と思った。―― 自由に空を飛べる鳥の姿に、飛びたくても飛べない主人公の心情を重ね合わせる「鳥の歌」、「ゆきゆきて、神軍」を上映する日本の映画館で、戦時中の人肉食を告白し日本への帰国を拒否した元日本兵らしき人と、当時のインタビュアーが邂逅する「黒衣の人」、静かに降りしきる雪のなかで、登場人物たちの心が離れていき、言い知れぬ重みが増していく表題作「雪」など、幻想的で夢とうつつの境界があいまいな11作からなる短篇集。 -
P+D BOOKS 海
漁師町の人たちとの交流を描く自伝的小説。 ――巨大なかじきであった。かじきは二度、三度と海上に躍り上った。嘴だけではなく、かじき全体が鋭い大きな刃物のように見えた。かじきは海を裂き、空を切った。かじきの怒りが、必死の抵抗が、空や海を圧していた。その迫力に、私の全身は震えた。―― 東京の家屋敷を売り払い、母親とふたりで鴨川の漁師町に流れ着いた〈私〉。売れない画家であったが、手元のお金もさみしくなり、漁師の手伝いをして小銭をもらっていた。荒波にもまれる小船の上の生活は厳しいが、烏賊、蛸、鰤、鯖、鰹といった房総の恵みと、漁師たちとの濃厚な交流が心地よく、いつしかすっかりこの町のとりこになっていた。 ――海人の生活が原始的であるが故に、却って私は強く惹かれるのであろう。―― 著者自身「最も気に入った作品」と言い切る自伝的小説の名篇。 -
脂肪の塊り Boule de Suif
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ギ・ド・モーパッサンの代表作、『脂肪の塊り』(原題: Boule de Suif)がフランス語で読める!<b/> 『脂肪の塊り』(原題: Boule de Suif)は、1880年に刊行されたエミール・ゾラが主宰した自然主義文学の短編集『メダンの夕べ』(Les Soirées de Médan)の中に収められた、フランスの小説家、ギー・ド・モーパッサン(1850-1893)による短編小説。 普仏戦争を背景に、娼婦エリザベート・ルーセ(ブール・ド・スイフ)を主人公にした物語で、モーパッサンの出世作であり、彼の数多い短編小説の中でも最も有名な作品の一つである。本書は日本語翻訳ではなく、フランス語でお読みいただけます。 -
私はスカーレット
林真理子が描く『風と共に去りぬ』第一巻! 〈小説『風と共に去りぬ』を読んだことがあるだろうか。私を作家へと導いてくれた小説である〉ーー自身の「原点」と語るあの名作を、ヒロイン、スカーレット・オハラの一人称小説として林真理子が鮮やかにポップに現代に甦らせた! 南北戦争時代の米国ジョージア州。「このあたりいちばんの美人」ということになっているスカーレットは、わがままでうぬぼれやで思慮浅く、華やかなドレスとパーティー、そして男の子たちにちやほやされるのが大好き。「他の娘の恋人を奪うのが趣味」だと、まわりの女子どころか実の妹にまで嫌われている。 そんな史上最強のヒロインの波瀾万丈な人生。恋あり、三角関係あり、冒険あり。最高に面白い、待望の第1巻! ※『私はスカーレット』文庫版の1~4巻は単行本として配信されている『私はスカーレット 上』 と同様の内容になります。 -
准教授・高槻彰良の推察
「怪異は、現象と解釈によって成り立つんだよ、深町くん」 人の嘘がわかる耳を持ち、それゆえに孤独になってしまった大学生・深町尚哉。 なんとなく受講した「民俗学2」のイケメン准教授・高槻になぜか気に入られ、 怪異に出会うとついテンションが上がってしまう彼の「常識担当」として助手をすることに。 高槻のもとには、奇妙な事件が次々と持ち込まれ――? このアパートは、幽霊物件?! 隣の空き部屋から聞こえる奇妙な音の正体は…。 ――「第一章 いないはずの隣人」 ふと気づくと、周りにいつも針が落ちている……。これは呪い?それとも…。 ――― 「第二章 針を吐く娘」 肝試しに出かけた少女が消えた。しかし数日後、彼女は帰ってきた。足の裏はきれいなままで…。 ――「第三章 神隠しの家」 ちょっぴり残念なイケメン准教授と、常識担当の大学生の凸凹コンビが 民俗学の知識を使って、怪奇事件や都市伝説の謎を「解釈」する軽快なミステリ、開講!!! イラスト/鈴木次郎 -
ハンチバック
23の国と地域で翻訳決定! 芥川賞受賞作 【2025 国際ブッカー賞ロングリスト】【2025全米図書賞・翻訳文学部門ロングリスト】に選出! 23の国と地域で翻訳決定。話題沸騰の芥川賞受賞作がついに文庫化! 「私の身体は生きるために壊れてきた。」 井沢釈華の背骨は、右肺を押し潰すかたちで極度に湾曲している。 両親が遺したグループホームの十畳の自室から釈華は、有名私大の通信課程に通い、しがないコタツ記事を書いては収入の全額を寄付し、18禁TL小説をサイトに投稿し、零細アカウントで「生まれ変わったら高級娼婦になりたい」と呟く。 ある日、グループホームのヘルパー・田中に、そのアカウントを知られていることが発覚し――。 【文庫版の特徴】 ・ルビを大幅に増やしました。 ・著者が執筆にあたり大きな影響を受けたと語る『凜として灯る』の著者・荒井裕樹氏との往復書簡「世界にとっての異物になってやりたい」(「文學界」2023年8月号)は、大変話題となりましたが、今回新たな書簡を特別付録として追加し、全文を巻末に収録しました。 単行本 2023年6月 文藝春秋刊 文庫版 2025年10月 文春文庫刊 この電子書籍は文春文庫版を底本としています。 -
マイクロノベル集
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 マイクロノベルを200本収録。 ※ 固定レイアウト(画像)です。 「言葉」 言葉を溜めていたコップを、肘をひっかけて割ってしまった。生活や仕事や読んだ本の中から美しい文言を選んで少しずつ蒐集していた。床に散らばったそれらをあらためて見ると、どれも私の立ち振る舞いとはかけ離れたものばかりだと気づき、硝子の破片を拾いながら涙が止まらなくなった。 「観覧車」 巨大な観覧車があり、車輪の直径は視認できないほど長い。搭乗者は、地上を離れ街や山を見下ろし空を越え、やがて宇宙へ出る。1周するのに約1.2万年かかるため、道程の1%にも及ばないところで人の寿命は尽きる。遠い時間を経て、再び地球に戻った"帰還遺体"は、丁重に埋葬されるだろう。 -
神様の御用人
神様たちの御用を聞いて回る人間──“御用人”。ある日突然、フリーターの良彦は、狐神からその役目を命じられた。膝を壊して野球の道を諦め、おまけに就職先まで失った良彦は、古事記やら民話やらに登場する神々に振り回されることになり……!? 特殊能力もない、不思議な道具も持ってない、ごく普通の“人間”が神様にできること。それは果たして、助っ人なのかパシリなのか。けれどそこには、確かに神々の「秘めたる願い」があった。
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