澤村伊智のレビュー一覧
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ネタバレテーマに惹かれたのと、澤村作品目当てと、ホラー作家を発掘したくて手に取った。
イマイチなものもあったが、いくつか好きな話が読めたのでトータルでは良かった。
芦花公園先生の「終の棲家」がとても良かった。この人の作品は他にも読んでみようと思った。
①氷室
家のつくりはワクワクしたが、主人公の罪は余計だった気がする。地域活性化おばちゃん大暴走のサスペンス仕立てで最後に元住人に殺されるの方が良かった。途中からカラクリが見えてしまったし、おじいちゃんが普通に話し始めた時点でちょっと冷めちゃった(笑)
②倒福
軽い読み物としてはギリギリ許せるけど、詮の文字を小さくしてほしかった。読むのに邪魔過ぎた。 -
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Tという企業のセミナーで山奥に集められた老若男女。Tは表向きは飲食店などを経営する普通の企業だが、実は「ひのたま教」というカルト教団。そこで行われる「レクチャー」という名の壮絶なリンチや殺人や洗脳。ボヤ騒ぎに乗じて合宿所から脱出することに成功した6名が、立ち入り禁止の森に迷い込み、その森の中で一人また一人と首を切断されて殺されていく。
教団内部の人間、脱出した6名、その6名の中の生存者である水野鮎実を取材している週刊誌記者、3つの視点で物語が進みます。
教団内部の人間が「脱走者は5人」と言ってるのに、脱走者のターンでは6人いる。この中に教団の人間が1人紛れ込んでいるのでは?と疑心暗鬼に陥って -
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澤村伊智さん「比嘉姉妹シリーズ」3冊目。
個人的な意見としては、
1 → 面白い。ミステリー×ホラーが新鮮で飽きがこない
2 → 原稿の内容が辛すぎてしんどい。そういうのは苦手
3 → 砂の描写や「普通」についての描写が面白い
という感じでした。
今作は怪異のある家について書かれている話で、登場人物の関西色強め。
澤村さんの小説には、「注意して読んでいると違和感を覚える」ような描写や人物がちりばめられていて、その違和感を覚えておくと後々のヒントになるところがミステリー風味を感じる所以です。
特に今作では、「普通やろ」と何度か言われるくだりがありますが、その違和感たるや……脱帽です。
以前の -
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14歳のみんなに読んでもらおう!ということを前提に考えると、かなり真剣にホラーを楽しんでほしいという意思を感じて大変好ましい。学校生活が怖くなるような話ばかりで作者の皆さんの本気を感じる。梨作品とか、読んだら怖くて夜眠れなくなるんじゃないかな。少なくとも私は眠れなくなるような子供だった記憶がある。芦花公園作品に関してはこれ14歳が読んで大丈夫?トラウマにならない?という老婆心がわいた。怖すぎるんじゃないですかこの話。
ホラーに挑戦する機会をもってほしいという企画自体がすごくいいし、著者の面々がガチガチの豪華陣でいっそ笑っちゃうくらいだ。14歳のみんな、読んで震えあがろうね...... -
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約100年後くらいの近未来が舞台の家族を描いた短編集。
ホラーというよりも、世にも奇妙な物語っぽいというか、こんな〇〇は嫌だ!みたいな雰囲気。
こんな嫁イビリは嫌だ!
こんな出産&育児は嫌だ!
こんなビジネス婚は嫌だ!
こんな毒親は嫌だ!
こんな介護は嫌だ!
こんな葬儀は嫌かも?
よくある家族の問題に未来のテクノロジーが絡んで、いい時代になったどころか新しい問題を生んでしまっているのに、未来を生きる登場人物たちはそれに気付かない。
本当にこんな未来になっちゃいそうなのが面白い。
嫁イビリとか介護とか気分が重くなるテーマの話もある中、6作目のお葬式の話はコメディかなって思うくらい面白くてほっ -
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ネタバレ出たら直ちに読みたいシリーズなのに、半年以上も出版に気づかなかったとはなんたる不覚。
気持ち悪くないですか、この表紙の絵。粒々ぶつぶつ、それだけで怖さが増すよと思いながら頁を開く。
もとはホラーが苦手な私にはちょうど良いおぞましさで、時には切なくもある澤村さんの話が好きです。
本作では特に「火曜夕方の客」が悲しくて、ネグレクトを受けていた子どもたちのことを思うと居たたまれず。
「たなわれしょうき」を読み終わった直後に「鍾馗」という名前のラーメン屋の前を通過し、その偶然にちょっとドキッとしました。
短編もいいけれど、そろそろ長編をお願いします。 -