澤村伊智のレビュー一覧
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折に触れて澤村伊智作品は読んでいて注目しており、ユリイカの特集号も読んだりしているのに何故これを読んでいなかったのか不思議でならない。
件の特集号でぼぎわんが、ぼぎわんが、とやたら出てくるので読まずに読み進めるのも解像度が低いなと思い読み始めたわけだ。
こんなにエンタメ感の強いホラーだったとは。三津田信三フリークという前知識もあったしもっとおどろおどろしいものを思っていたので衝撃。
キャラ立ちもぱっきりしているのでいっぺんで比嘉姉妹の虜になり、シリーズの続刊をポチった。まだ読んでるとこなのにw
怪異とバトる感じとか懐かしのGS美神を彷彿とさせるところもあってファンとしてはうはうは。
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Posted by ブクログ
ホラーアンソロジー。どれもこれも怖い、としか言いようがありません。
お気に入りははやせやすひろ×クダマツヒロシ「警察が認めた〈最恐心霊物件〉」。実話恐怖ものだからこそのリアルな恐怖感がとんでもないです。ひっそりとしたわけの分からない怖さも、ぐいぐい来るパワフルな怖さも両方ある……! たしかにこれは最恐の物件です。嫌すぎる。
栗原ちひろ「余った家」も怖い……というより、これは一番嫌な物語でした。普通ではないルールに支配された家から逃れようとする主人公。おかしいのは自分の置かれた環境なのか、自分自身なのか。どのように生きるのが幸せなのか、基盤が揺らいでしまう感覚がとても危うくて不安な作品でした。 -
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ネタバレ認知症の祖父と留守番していた時、田原秀樹は「ぼぎわん」に遭遇した。
祖父は亡くなり、秀樹は新しい家庭を築いた。新婚生活を営む秀樹のもとに、再びぼぎわんは姿を表す。妻・香奈、娘・知紗を守るため、民俗学者の友人やオカルトライター、霊能力者に縋る。果たして、ぼぎわんの魔の手から家族を守ることができるのだろうか。そして、ぼぎわんとは何だろうか。第22回ホラー小説大賞受賞作。
めちゃくちゃ怖かった。
特に第二章の最後の新幹線が怖い。まさかトイレにやってくるとは。よく新幹線に乗るので、ちょっと薄暗くて耳が詰まる無音の空間の気味悪さがよく思い出せた。指定席でしか出かけないのもあるかもしれないが、夥しい数の -
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Posted by ブクログ
ネタバレホラー小説を読み始めたのはここ最近のことだけど、
ホラーオブホラーといって差し支えない作品なんじゃないかと思う。
怪異の真相を解き明かす流れはミステリー小説に似たものがあって
ミステリー好きの私としては喜ばしい限り。……毎回騙されてるけどね。
こういうホラー作品を読むと人間の醜悪さとか偽善者ぶりみたいなのが浮き彫りになって、それが原因で生まれた怪異の方を不憫に感じる。
毎回言ってるような気がするけど、一番怖いのはやっぱり人間なんだな。
やっぱりこの世で最も排除すべきは人間であったか……。
最後はいろいろ丸く収まって、平穏な日々が戻ってきましたみたいな終わり方なんだけど、
含みのある不穏な