澤村伊智のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大好きな比嘉姉妹シリーズ、7冊目。
5巻あたりから、登場人物こそシリーズお馴染みのメンバーが出てくるものの、短編集が続いていたので、ちょっと寂しさを感じていました。
でも本作は、短編集でありながら各話の「原因」から「結果」までしっかり描かれていて、ちゃんと怖くて大満足。
特に面白かったものには詳しい感想を↓
■たなわれしょうき
ある地方には、魔除けの鍾馗の腕が4本ある「たなわれしょうき」という像を門柱に置く風習がある。
ライターの野崎と見習いの翔太は、その変わった風習の取材中に怪異に襲われる。
地方のちょっと変わった風習。
そこにまつわる怖い由来。
そして実際に怪異に巻き込まれる。
短編なのに全部入りのボリューム満点な一作。
これこれ、こーゆーの読みたかった!
■戸栗魅姫の仕事
YouTubeで高い人気を誇る霊能者・戸栗魅姫が浄化を依頼されたのは、迷宮化した巨大な温泉ホテルだった……。
インチキ霊媒師 VS 本物の霊媒師。
大好きな琴子がインチキ霊媒師に実力を見せつける「俺つえぇ!スッキリ回」かと思いきや……
インチキ霊媒師さんも、いいところあるやない!
なんだかんだで、怪談なのにちょっとほっこりするお話。
■火曜夕方の客
都内のとあるカレー専門店。
毎週火曜日にやってくるという不気味な客。彼女は1000円札でカレーを二人前買い、一口だけ食べると、すべてを持ち帰る。
後をつけた店主が見たものは……。
有名な「飴買い幽霊」をモチーフに、みんな大好き真琴と野崎のペアが事件の真相に迫る。
事件の全容が明らかになるわけではなく、一部どうしても解せないところもあるけれど、それも含めてオカルトな事件。
エンタメ小説として、楽しい一編でした。
■くろがねのわざ
褒めると呪われるという曰くのある映画。
特撮オタクによる、特撮オタクのための怪談。
■とこよだけ
叙述トリック、好きですよね。
■すみせごの贄
シリーズお馴染みの料理研究家・辻村ゆかりが探偵役。
……なのですが、ずっと昔に読んだ『ずうのめ人形』の内容をすっかり忘れていたため、最後のオチがよくわかりませんでした。
これは完全に私の記憶力の問題。
全体的にはかなり面白かったです。
ただ、そろそろ短編集よりも、比嘉姉妹ががっつり活躍する長編が読みたい!
次は長編、お願いします。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ作者お得意の叙述トリックが読める「母と」も良かったが、やはり「あの日の光は今も」がとても良かった。一度読んだ後に、「今の話何?は?」となり、検索をかけるとどうやら過去作の登場人物が関係していたようで…。
「ずうのめ人形」を読んだのは随分前だったので、思わず読み返してしまった。で、なるほどと納得した。
ずうのめ人形で黒幕(?)だった辻村ゆかりが淡々と自身の考察を話す推理パートはとても面白かった。辻村ゆかりにしかできない真相究明だったのだと思う。しかしまぁ……ラストの嫌なオチも辻村ゆかりのせいなわけで……。キャラとして立っているので今後もちょくちょく辻村ゆかりの喋っているところを見たいと同時に「お前はもう喋るな」とも言いたくなる不思議な感覚。
しかし彼女の「言霊」のような能力はかなり短編向きなので、今後も出てくるんだろうなぁ、なんて思ったのだった。(そしてこの後「すみせご」を読んでやっぱり、となった。) -
Posted by ブクログ
序盤から変な違和感はずっとあったし
なんか文章変だなとか
あーまあなんかたまに会う友達に敬語になったりもあるかもなーとか
1人称3人称まじってるようなへんな部分がたまにあって
いやでもそれもなんか味なんかなーと読み進めてたんだけど
ソレが匂わせだったとは
ぜんぜん気づかなかったわー
そもそも大体謎は解決したら、まあ山の降りておしまいかななんて思ってたのになんか1章のこってるし…
そんな感じでだいぶ騙されたなーという感想
最後のオチは置いといて怨霊だ逃げろというより
ちゃんと説明した方が信憑性は絶対あるよな
現地の人ならともかく、旅行者連中には間違いなく説得力あるだろ… -
Posted by ブクログ
前作のぼぎわん同様面白かった
前作は章立てで視点が変わる描き方で
今作は日常と小説が交互に進み、謎を追いかける
小説の視点になることで不都合な部分が隠され
たまに顔をだす不穏な文章にモヤモヤする
読み進めるうちにモヤモヤがなんとなくカタチになって
ネタバラシでこれかー!と思い知る
上手いこと騙されたなーと思いつつ小説パート上手いことやったなーって考えてると
日常パートにも引っ掛けられてた事に気付いてビックリした
日常パートのトリックは1ミリ疑ってなかったから本当にびっくりして初めは奥さん?と思ったくらい
非常に楽しく読ませてもらったし
前作に続いて映画化しても良いんじゃないかとおもうけど
日常パートのほうのトリックがなーとも思う
ハサミ男の映像化でがっかりしたのを思い出した -
Posted by ブクログ
比嘉姉妹シリーズ3作目。
短編集であり、これまでの作品に登場した人物の前日譚的短編も収録されている。
澤村さんの短編集を読むのは今回が初めてだ。
これまでのシリーズ長編2作と比べると、怖さよりも純粋に楽しさがまさった。
それには、1つ1つの話が短かったこともあるかもしれない。
しかし何より、怪現象の原因や背景がホラー初心者の自分の予想の斜め上をいく展開で楽しめたこと、シリーズ登場人物たちの過去を知れたことが大きかったと思う。
印象に強く残った短編の1つ、タイトルからして異質な「居酒屋脳髄談義」は職場の飲み会での複数の男性対1人の女性の嫌な会話から始まる。
これもホラーなのか?と思いながら読み進んでいったところしっかりと怪現象で驚き、こんな感情になれるとは、というまさかの読後感が得られた短編であった。
そういった意味でも、ホラーの奥深さや幅広さを体感することができた1冊だ。
比嘉姉妹シリーズはもちろんのこと、澤村さんのノンシリーズの短編集も読むのが楽しみとなった。