澤村伊智のレビュー一覧

  • ししりばの家

    Posted by ブクログ

    比嘉姉妹シリーズ第4弾。今作の舞台は、いわゆる“幽霊屋敷”。
    そしてこれは、姉・比嘉琴子が霊能者として覚醒した事件でもあります。

    「ししりば」は、その家、そして家族形態そのものを守ろうとする存在。
    砂を自在に操るこの怪異は、家庭内に潜む異質さや閉塞感を象徴しているようにも思えました。

    ホラー作品でありながら、家庭の束縛や同調圧力を“砂”で表現しているようにも読めます。
    当初は“砂=家庭の暗喩”かと思いましたが、読後には、むしろ安部公房『砂の女』へのオマージュのような、
    自らその恐怖に回帰してしまう心理の構造に重なる印象を受けました。

    幼い頃、逃げるしかなかった琴子が、
    過去の後悔に向き合い、力を得て再び立ち向かう
    これは霊能者としての成長譚としても読める一作です。

    0
    2025年08月22日
  • 学校の怪談じゃ、ものたりない? 君に綴る5つの恐怖

    Posted by ブクログ

    『学校の怪談じゃ、ものたりない? 君に綴る5つの恐怖』。澤村伊智・内藤了・梨・伴名練・藤ダリオによる豪華書き下ろし短編集。高校生を主人公にした5つの物語は、怪談からデスゲーム、モキュメンタリーまで恐怖のバリエーション豊か。
    私は澤村伊智さんを目当てに買ったのだが、期待以上だった。大人ではなく、高校生に向けて書くならこの書き味で読み味になるだろうと思う
    ホラーは露悪や冷笑と距離が近いジャンルで、それ自体は悪いことではないのだけど、高校生へ向けるというのなら少し風通しのよさというか爽やかさがほしい。大人にあてて書いたものなら削がれてしまうような要素こそほしい
    そういう期待に華麗に応えてくれていて、ただ怖いや恐怖による絶望とかで終わらないホラーを書いていて、本当にこの作家が好きだなと思った

    0
    2025年08月21日
  • 邪教の子

    Posted by ブクログ

    ハイ!澤村伊智さん!

    う〜ん…
    これはホラーなのか?
    それとも、カルト宗教に洗脳されてから、脱出した人の行く末?
    結局、精神的には、抜けられず、精神が崩れる…みたいな。

    ある意味ホラーやけど、怪異現象とかやなく、カルト宗教の怖さというか…

    この宗教、ええ事言ってだけど…やっぱり…

     「大地の民」って言うカルト宗教。

    教祖かなんか知らんけど、発端が、あんなもん見つけたから、狂ったか。

    見つけたもんが、恐るべしもんで、これを見つけたのが自身の運命みたいに思って…
    やっぱり、お化けとか、幽霊とかより、人間が一番怖いって事かな。

    澤村さんは、ホラーでもミステリータッチのが多いけど、これはまさしくミステリーやな。
    こういうカルト宗教は、なんか怖いな…
    こんなん、いつ起こるか分からんし、いつでも起こり得るし…
    まずは、セミナーで、人を集めて、そこから徐々に…
    お金を摂取!

       : (´・ω・`):コ、コワイ

       にゃはは〜
       にゃはは〜


    ( ゚д゚)ハッ!
    …なんか、同じようなの知ってる!
     お布施ばっかり、要求するカルト…

    0
    2025年08月21日
  • こわい話の時間です 部分地獄

    Posted by ブクログ

    9人の作家によるアンソロジー。
    5人が既知だったので読んでみるか、と。

    全体的に面白かったけども、加門先生、斜線堂先生、澤村先生の作品はかなり良かったなー。特に斜線堂先生のはゾワっと来た。

    芦沢先生と宮部先生は怖いというよりは不思議な良い話ってところか。これも良かった。

    短い話は外れることも多いけど半分以上は 面白かったので良いアンソロジーであった。

    0
    2025年08月20日
  • アウターQ 弱小Webマガジンの事件簿

    Posted by ブクログ

    ねりりんが良すぎて語彙力なくなるー!
    文庫の帯を外したら表紙にいてニヤニヤした。

    ミステリーかホラーとかジャンル分けするのは烏滸がましくなる。
    歌うハンバーガーのお店は行きたいなあ。

    0
    2025年08月17日
  • すみせごの贄

    Posted by ブクログ

    短編集であるが登場人物は過去作品の人々なのでなかなかユニバース感が出てきてファンとしては嬉しい限り。カレー屋の話は昔の怪談を現代風にアレンジした要素もあり楽しめる。表題作はあまり印象に残らなかった・・・。

    0
    2025年08月16日
  • こわい話の時間です 部分地獄

    Posted by ブクログ

    「えんまさん」黒史郎
    「おはよう、アンちゃん」太田忠司
    「青いコップ」加門七海
    「きれいずかん」井上雅彦
    「部分地獄」斜線堂有紀
    「おやすみ、ママ」宇佐美まこと
    「靴と自転車」澤村伊智
    「ログインボーナス」芦沢央
    「よあるきのうた」宮部みゆき

    0
    2025年08月13日
  • ファミリーランド【電子特典付き】

    Posted by ブクログ

    印象としては、世にも奇妙な物語のようなストーリー。近未来の生活の様子を表した短編集ともいえます。「マレッジ・サバイバー」は、常にスマホ片手に、SNSで誰かと繋がっていないといけない現代のデジタル監視社会のさらに一歩先の社会を見ているようで、怖かったです。ラストの話は葬儀の話。昔は会社の親族が亡くなれば必ず、葬儀に行ってましたが、最近はみんな家族葬で行かなくなり、更に、最近ではお通夜もしないプランもありと、ここ二十年でもずいぶん変わってきたなあと思うにつれ、バーチャル葬儀も、本当に遠い未来にこのようなことができたりするのかなあと思ったりもしました。

    0
    2025年08月11日
  • 一寸先の闇 澤村伊智怪談掌編集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    どの話もじわじわと怖くなってきた。短編だから、読みやすく満足感もあるから良い本だと思う。個人的に一番好きだった話は「保護者各位」という題名のものだった。他の物語と少し違って、実際に配られるプリントのように書かれているのが余計怖かった。

    0
    2025年08月10日
  • 怖ガラセ屋サン

    Posted by ブクログ

    人間が一番怖い、ってよくある感想が第一話から華麗に論破されるのめっちゃおもろい
    2話と3話が個人的に特にヒェッてなった
    それはそれとして、こう言う作品の怖い存在ってなんで全部女の人なんだろ

    0
    2025年08月08日
  • ししりばの家

    Posted by ブクログ

    前半むっちゃ怖くて後半アツめ(でもこわい)
    ので、モキュ好き考察好きには刺さらないかも
    私は謎解明されるホラーが好きなので刺さりました
    文章でこんないろんな表現できるんだ?と思う
    たのしい

    0
    2025年08月04日
  • アウターQ 弱小Webマガジンの事件簿

    Posted by ブクログ

    連作短編としてとても面白い。ホラーというよりはミステリーだがやっぱいホラー要素もしっかりと入っている。1作1作の短編としてのクオリティも高く、あーそーゆーこととかあと発券があって面白い。弱小ウェブマガジンがテーマでありながらメディアの加害性に自覚的なのがとてもよい。

    0
    2025年08月04日
  • 頭の大きな毛のないコウモリ 澤村伊智異形短編集

    Posted by ブクログ

    日常に潜む異形・怪異が詰まった作品。どれも好きだけれど「ゾンビと間違える」はスカッとしつつ言いようのない感情を植えつけられました。ゾンビものはあまり好きではないから自分でも意外。表題作もインパクト大!まさしく日常系ホラーといった感じで、じわじわ来る怖さがたまらないです。そしてぜひ、「自作解説」まで読んで…!

    0
    2025年08月02日
  • すみせごの贄

    Posted by ブクログ

    比賀姉妹シリーズの短編集。
    短編なのでストーリーの重厚さはあまりないけれど、色々な面白さがある一冊だった。
    後味がすっきりしているものもあり、じっとりと嫌な感覚が続くものもあり。どの話がどうとはいえないけれど、それぞれなかなか面白かったなぁと思う。

    一番インパクトが強かったのはタイトルの「すみせごの贄」かなぁ。りーたんが出てきた時点でもう嫌な予感がするよね……

    0
    2025年08月01日
  • 学校の怪談じゃ、ものたりない? 君に綴る5つの恐怖

    Posted by ブクログ

    伴名練と、澤村伊智の作品がなければ星は一つだろう。
    梨の作品は立て付けがかなり陳腐。内藤了の作品は物足りない。藤ダリオの作品は古くさく、いやにチープだ。

    0
    2025年07月31日
  • 頭の大きな毛のないコウモリ 澤村伊智異形短編集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    面白かった。4.3くらい。

    「禍 または2010年代の恐怖映画」
    映画の編集目線でホラー映画に取り込まれていくところが面白い。脚本に引っ張られるというか、本家に取り込まれるというか。
    でも最後は結局全滅エンドなのが、なんかな。

    「ゾンビと間違える」
    冒頭の間違えたいってなんだ?と思ったけど、ゾンビなら殺してもオーケーという世界観。えぐい。国家単位でやったのがナチスだけど、この作品だと社会全体、個人の考えとしてもそれが根付いてしまってるのがえぐい。

    「縊 または或るバスツアーにまつわる五つの怪談」
    怪談話が繋がって一つの真相が見えてくるのが面白い。最初の人の話でなんか変な会話あったけど、臭さのせいかよ!という面白さ。
    マネージャーもヤバい奴だとわかったし。
    結局アイドルは死んで魂がさ迷って、別の魂またはナニカがアイドルに入った?

    「頭の大きな毛のないコウモリ」
    保育園での連絡ノート。途中、膨大な調査資料的文章が書かれて、これはヤバいなと思った。
    結局親子で吸血鬼になったオチ。
    面白い。

    「貍 または怪談という名の作り話」
    まさかのドラえもんに繋がるとは思わなかった。なんでN君とは思った。のび太だったのか。
    みんな死に方がえげつない。
    表題がタヌキの漢字なのにヤマネコと読ませるのもそういうわけか。

    「くるまのうた」
    ローカルな話で面白かった。でもうたが怖いというより、このうたを都市伝説にするぞ!という人間の気概のほうが怖い。

    「鬼 または終わりの始まりの物語」
    「あなたの人生の物語」を意識して作られたらしく、なるほどなと思う。
    誰が誰に語りかけているのか不思議だったけど、なるほど桃太郎。
    怪談を読んでたらSFになってて面白かった。

    「自作解説」
    こんなにわかりやすい嫌な文章が書いてある!と面白く読んだ。
    本物の自作解説も嬉しい、助かる。作者本人が書いた時、なに考えていたのかわかるの楽しい。
    本編の自作解説自体も面白かったけど、最後はかろうじて解説めいた体裁の文章で終わってるのが個人的には惜しい。でも読者としては、こうなったよ、というオチがわかるので助かるし面白かった。



    このなかで好きなのはバスツアーかな。視点が変わることで、真相がわかって面白かった。

    0
    2025年07月25日
  • アウターQ 弱小Webマガジンの事件簿

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    娯楽系Webマガジン「アウターQ」編集部の新人ライター湾沢らが取材で遭遇する奇妙な落書き、一見入り辛い店、ストーカーに襲われた地下アイドルの復帰ライブ、絵画の女性が夢に現れると語る男……謎は事件を喚び、やがて辿り着く意外な真相を描いた連作短編集(小説誌発表の4編+単行本刊行時書き下ろしの3編を合わせた)全7編。
    ・公園の遊具に書かれた漢字の文字列の落書き。小学生たちは“露死獣の呪文”と呼び解読に夢中になった。自身もかつてその公園でよく遊んでいた湾沢は、ネタ調査のため今もその呪文が残っているのか調査に向かうが、取材の過程で当時の同級生が後に自死していたことを知る(「笑う露死獣」)。呪文らしき暗号を解いた先に辿り着いた結末は相当に後味が悪い。

    ・摂食障害を患って失職状態にあった女性フードライターの守屋雫に《アウターQ》から執筆依頼の連絡が入る。期限は半年。再起を誓って体調改善とリサーチを始めた雫は湾沢の助言も得て、自宅の近所に一風変わったハンバーガー屋を発見する(「歌うハンバーガー」)。
    収録作中では、他とやや趣を異にする作品。結末は……ある意味では救いがあるとも読めるのか。

    ・ストーカーに切り付けられ引退したアイドル餅田阿闍梨の復活ライブ。その撮影を手伝うことになった湾沢だったが、阿闍梨を襲ったストーカーもライブ会場に現れていた(「飛ぶストーカーと叫ぶアイドル」)。探偵役としてこの後も活躍する自称“地底系”アイドル、練馬ねりが初登場。

    《アウターQ》に加わった実話怪談系ライターの怪談王子こと南田北斗。彼の1本目の記事になった怪談は、湾沢が遭遇した14年前の大事故に関わるものだった。(「目覚める死者たち」単行本時書き下ろし)湾沢と、彼を《アウターQ》に引き入れた先輩ライター井出が親しくなったきっかけのある事故が語られ、ラスト2編の前フリともなっている。ミステリが一気にホラーに暗転するラストがいい。

    ・子どもの頃から実家に在った絵の女性が近頃夢に出てくる。その女性を探したい―と井出に相談してきた旧友の浅野。井出と湾沢、そして編集部の渦巻はこれを記事にまとめるため調査を開始する(「見つめるユリエさん」)。浅野が井出に「お前」と呼びかける二人称で書かれた一編。作家は意地でも大団円では終わらせないようで……。

    ・東京都青梅市にあるオブジェと人形に囲まれた奇妙な屋敷を取材した湾沢。住人の羽山の人柄と数々のアウトサイダーアート、彼が作った滝の見える展望台に魅了された湾沢の記事は注目を呼び、彼が“天国屋敷”と名付けたその家には客が集まるが(「映える天国屋敷」)
    ・“天国屋敷”で起きた事故により湾沢自身と彼を取り巻く状況は一変する。だが事故は実は誰かの手によるものと判明し(「涙する地獄屋敷」)。前後編を構成するラスト2編も単行本での書き下ろし。最後に明らかになる事実は序盤からの伏線を回収するものであると同時に、湾沢にとっては苦く重いものでもあった。

    「ミステリー連作短編集」との帯書きの通り謎自体は合理的な回答が提示されるがそこに挿まれる超自然的な描写や―この作家お得意の―好人物に見えたキャラも一皮むけば……といった人怖的要素が、コメディタッチという口当たりのよさの下にある強い辛さや痺れ味としてかなり効いている。またこれは解説でも触れられているが、「言葉を伝えることの重さと難しさ」が全編を通じたテーマにもなっているようで、それはWeb記事やSNSで発信されるもののみならず、他人に対して直接語る言葉にも付いて回るものだ、と読み手に突き付けられているようにも感じられた。

    0
    2025年07月25日
  • ファミリーランド【電子特典付き】

    Posted by ブクログ

    面白かったです。
    少し先の未来にありそうなお話にぞわぞわってしました。幼い時、大きくなったら、ドラえもんに会えると思っていましたが、そこまで世の中は進まずでした。この先の未来がどこまで進んでいき、どんな世の中になるのかと想いを馳せることが出来た1冊でした。

    0
    2025年07月22日
  • 一寸先の闇 澤村伊智怪談掌編集

    Posted by ブクログ

    掌編集なのでとても読みやすかったです。

    どの話も想像を掻き立てる得体の知れないものばかり出てきます。
    学校のプリントの話が特に印象的でした。

    あと『 血』という話のなにが血なのか気になって夜しか眠れない

    0
    2025年07月19日
  • 頭の大きな毛のないコウモリ 澤村伊智異形短編集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    短編集なんですけど、この作家さんの世界観がこれでもかと濃縮されててすっごいゾワゾワ気持ち悪い怖さがあった。褒めてます。
    題名の「頭の大きな毛のないコウモリ」が好み。結局ホラーは訳がわからないまま終わるのが一番面白い。

    0
    2025年07月15日