著者は、「比嘉姉妹シリーズ」を代表に、現在のジャパニーズ・ホラー・ノベル界の一線で活躍する作家・澤村伊智。著者のファンではあるが、本作はまだ読めていなかったので、文庫化のタイミングで手に取ってみた。
四ツ角高校三年二組、クラスで一番の美しい容姿を持つ羽村更紗が、突如自殺する。告別式では、家族が断固として彼女の顔を見せようとしない。その翌週、羽村の次にクラスで美人と言われていた野島夕菜が・・・。不可解な状況の中で噂されるのは、人の容姿を"美しく/醜く"変えてしまえる「ユアフレンド」のまじない。担任の小谷舞香は、クラスで起こっている異変を探るが―――。
誰もが持つ「美醜の"呪い"」をテーマにした、学園ホラーミステリー。容姿によって序列が決まると言っても過言ではない学校生活。クラスの美人が醜くされる。下位カーストと言われる"ブス"の、妬み憎みによる呪いなのか?次は自分が狙われるかもしれないと怯えるクラスの女子たちに対し安全圏から、時に好奇心を抑えず、高みの見物をする男子や外の教師たち。人のドロドロとした部分を露にする呪いの正体、その真相とは―――。
"まじない"という超常的な恐怖と、"人の醜さ"という遍在する恐怖を交えて描いた、著者の十八番とも言える作品。読者を「あっ」と言わせるミステリとしての伏線や展開もあり、読後の何とも言えない虚しさもさすがのもの。やっぱり澤村伊智は長編が良いね!
「<(自分が)美しくなりたい>と願うことと、<(誰かを)醜くしたい>と願うことは、表裏一体ではない。」普通に考えるとそのとおりなのだが、本作を読んでいる最中、それが表裏一体であるとつい考えてしまっていた自分に気付く。なんとも見事に誘導されてしまったものだ。いやはや、感服しました。でもやっぱり、可愛い子が酷い目に遭うのh・・・(これ以上はいけない)。