澤村伊智のレビュー一覧

  • 恐怖小説キリカ

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    ネタバレ

    読み終えて「ひぃぃぃ~!!」と声にならぬ悲鳴が胸の中で反響。過去の自分のレビューを一応確認したことは言うまでもないw
    キリカの正体には薄々気づいたけれど、ホントの恐怖はそこじゃない。そこで終わらない。考えてみれば『ぼぎわん』や『ずうのめ』は琴子さんのような専門に対処してくれる人がいるが、『キリカ』のような事案には誰もいない。事が起こるまで警察も親身に動いてくれないし、自分だけで対処しなければならないんだよなぁ。そうなると、やはり一番恐ろしいのは人間…そうしみじみ思わせる作品を生み出した作者が一番怖い。

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    2019年04月27日
  • 謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー

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    新本格30周年を記念して作られた「館」をテーマにしたミステリアンソロジー。もうそれだけで踊りだしたくなるほど嬉しいのですよ。
    執筆陣は東川篤哉、一肇、古野まほろ、青崎有吾、周木律、澤村伊智と比較的新しめの作家が集まっています。新本格何世代になるのでしょうね。感覚的に孫曾孫世代という感じですが。

    新本格らしい要素がそれぞれに込められています。奇矯な探偵、思い切った設定、大胆なトリック、遊び心に富んだパズルゲーム、一発ネタ的な大どんでん返し、などなど。そうそう新本格黎明期にどんどんガンガン投げつけられたあの感覚がよみがえります。
    ひとつひとつの力が弱くともその組み合わせで読ませるものもあります。

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    2018年08月20日
  • 謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー

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    館ミステリアンソロジー。館好きにとってはたまらない、変な……もとい、魅力的な館がいっぱい登場します。
    お気に入りは青崎有吾「噤ヶ森の硝子屋敷」。一番魅力的な館かなあ。住めないけど(笑)。そしてまさかのトリックに、キャラ立ちの名探偵。そして何よりも気になるのが墨壺コレクション! 他の館でもなんか事件が起こりそう……と期待します。
    周木律「煙突館の実験的殺人」も凄いなあ。煙突館、これもまたなんともインパクトのある館で。とんでもなさすぎました。これは……行きたくないな。

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    2018年03月14日
  • 謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー

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    黒より白の方が万人にお薦めできそう。
    こんなのありかと思う一方、自分の中で可能性を排除していたのでやられた感はある作品や、もしかしたらが当たった作品、ちょっと怖いテイストの作品もありました。
    でも、お薦めの一冊です。
    どんな仕掛けがあるかは読んでのお楽しみに。

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    2018年02月19日
  • 謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー

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    普段アンソロジーなんぞには手を出さない性分ではあるのだが、創刊以来のお付き合いであるタイガであり、お気に入りの作家も複数参加しているということで、購入に至る。      
    東川篤哉「陽奇館(仮)の密室」・・・ユーモアミステリの覇道を往きながら、ユーモアミステリらしからぬオチ。   
    一肇「銀とクスノキ」・・・青春叙述ミステリ。   
    古野まほろ「文化会館の殺人」・・・臨床真実士ユイカ登場。素晴らしいの一言。    
    青崎有吾「噤ヶ森の硝子屋敷」・・・著者らしいの一言。   
    周木律「煙突館の実験的殺人」・・・著者の真骨頂。    
    澤村伊智・・・「わたしのミステリーパレス」・・・知らないお人。

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    2017年12月04日
  • 謎の館へようこそ 白 新本格30周年記念アンソロジー

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    新本格30周年のアンソロジー。
    新しい作家さん探しのために購入。
    とある作家さんだけは文章を受け付けなかったことを除けばたのしめたかなー。

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    2017年12月04日
  • 斬首の森

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    途中まではゾクゾクとした恐怖の様なものに引き込まれていく部分はあったのですが、最後はなんというか…
    この展開も好まれる方もいるのかもしれないなといったところでしょうか。

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    2024年06月22日
  • ぼぎわんが、来る

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    ネタバレ

    怪異はあるけど人も怖い、両方向ホラー。民俗学ってホラーにされがちな気がする。怪異との対決は派手で、迫力があるけど、脳内ではずっとカオナシ大活躍だった。ぼぎわんに原型があるのかな?


    タカナシさん…オウサカさん…とばっちりもいいところね…

    はたから見ると上手くいっているようなタハラさんみたいな家庭でも、実は隙間だらけってこと、こういうすれ違いの仕方は多いのかもしれない。最近は身内に急に破綻した家庭があり、ニュースでもいたましい事件が起こったから、フィクションホラーだけど、考え込んでしまった。「守ろうとしていた」というところに希望が少し見えてよかったな。

    マコトとノザキの関係が切なくて「子供

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    2024年06月20日
  • すみせごの贄

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    この嫌ぁ〜〜〜な感じ、最高だよ〜!そうだよこれこれ!こういうのが読みたかったの!「とこよだけ」なんか、もう、一番ゾクっとしたよ!

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    2024年06月20日
  • ゆびさき怪談 一四〇字の怖い話

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    140文字で描く怪談。ほとんど歌詞のような意味不明な内容のものからオチまでちゃんと着いた物語になってるものまで作家それぞれ個性が出ていて面白かった。
    もちろん私の好みは短くとも物語になっているものだ。下手の横好きではあるが物を書いたこともあるので僅かな字数で書くことの難しさはわかる。でもこの短編集はおそらく一般ウケは狙ってないように思う。ああ、でもWebで人気の意味怖に近いものがあるかもしれない。短すぎるだけに文章の裏を読む想像力は必要だ。
    澤村伊智のは短いながらもやはりキレがあった。あとは一田和樹、岩城裕明の作品が個人的には好みだった。

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    2024年06月17日
  • 斬首の森

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    しがないライターの小田は1人の取材対象と相対していた。名を変えつつ存在しているある会社T。おそらくカルト商法を行なっているその会社の研修合宿についての取材だ。彼女が語るその研修のおぞましい内容、そして逃げ出した彼女が見たものとは……

    サスペンスホラー。何か起こりそうでなかなか起きない、空気だけ不穏な状態が結構長めだったのでやや中弛みを感じたけど、ラストスパートがすごかった。グロ要素強めで絵面はキツいけど、迫り来るような怖さはそんなになかったかな。あと今回嫌なヤツがあんまりいなかった。より映像向けにパワーアップした感じ。

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    2024年06月16日
  • 一寸先の闇 澤村伊智怪談掌編集

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    まあ、面白かったです。個人的に好きな話はさきのばし。話が秀逸で世にも奇妙な物語を見ている気分になりました。

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    2024年06月14日
  • わたしの名店

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    三浦しをんさんの文章が読みたいと思い手に取りました。
    総勢28名のエッセイ集。なのでしをんさんを満喫、とはいかなかったのだけれど。

    エピソードに触れることで行ってみたいお店もチラホラ。都内はもちろん、地方でも。

    なかでも心が動いたのは、藤岡陽子さん。
    食べ物って味だけじゃないよな、と再認識。
    味も香りも、記憶が蘇る。

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    2024年06月12日
  • ししりばの家

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    ネタバレ

    比嘉姉妹シリーズ三作目。
    家というプライベートな場所で人が狂うことはままある。ひとたび家に入ればその家の常識とルールが存在する。その危うさや怖さを、怪異と人間の両方から書いたような作品だった。
    幼い頃の琴子が書かれていて、どんな風に現在の琴子になったのかが分かるというファン垂涎の内容だった。
    床に砂が溜まっているという異様な家での恐怖を表すのに、階段状に調整された文章になっている点で思わずニヤリとしてしまった。廊下にできた幅広い溝を進むシーンでも、文字数を合わせて廊下を思わせるように表されていて、文字を読んでいながらも体験型の幽霊屋敷として楽しめた。
    特にししりばという謎の存在の正体に迫ってい

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    2024年06月11日
  • 予言の島

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    オチは想像できないもので足をすくわれた気分でした。
    ただ、オチがある故に文章は終盤まで違和感があって読むのは少し大変だったし、違和感を感じたまま読み進めるのは苦痛かも。
    そんな理由で最後のオチは楽しめたけど、肝心の文中の違和感とかはほとんど記憶に残らず。
    どうやったら二周目がホラーになるのかもイマイチ、、、勉強します。

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    2024年06月11日
  • 予言の島

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    「初読はミステリー、再読はホラー」
    想像の斜め上をいく真相
    読み終えるとなんだかなぁだが、
    読んでいる最中の違和感は気持ちがよい

    ホラーだがホラーではない
    ミステリーだけだとちょっとルール違反

    ネット見ると表紙と参考文献に仕掛けがあるとのこと
    あくまでおまけ程度かな?驚きはない

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    2024年06月11日
  • わたしの名店

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    小説ではなくエッセイですが、著名人の人生が少し垣間見えた気がします。

    人には、必ず思い出のある名店がある。
    やはり、東京がメインでしたが、関西寄りが多い名店もあれば嬉しいですね。
    それでも、行ってみたい名店が多く迷います。

    僕自身も名店を持っていますが、もう店舗はありません。
    ご飯とモダン焼きが合体した飯モダンが小さい時から大好きでした。
    なんかふっと思い出させてくれるいいエッセイでした。

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    2024年06月09日
  • ぼぎわんが、来る

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    ネタバレ

    超常的なものに対する恐怖と人に対する恐怖が描かれている。特に人の恐ろしさはリアルさを持っていて気持ち悪かった。前半はぼぎわんの得体の知れない怖さが伝わってきて面白く読むことができたが、最後は結局"すごい力"で解決となってしまっていて拍子抜けしてしまった。おしい、勿体無いと感じてしまった。

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    2024年06月07日
  • 斬首の森

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    ネタバレ

    後半まで、人間が怖いのか化物が怖いのかどっちなんだ…分からん…と思いながら読み進めていたら、広い意味でどっちもでした〜っていう。シチュエーションや展開がB級映画みたい。なんだか色々な要素が散りばめられてたなあ。怪しい宗教、謎の因習、等の鉄板要素は結局あまり関係なかったのがウケる。
    私は正直オバケが出てくる澤村伊智の方が好きなのだが、なにを書いても面白いから凄いです。いつもの如く、人間の弱さや卑しさ、追い詰められた心理を描くのが上手い。カルト企業にカモにされた人々への言及が、読んでいる自分にも刺さってきた。痛い。やめて。気をつけるから。
    ラスト、鮎実ちゃんを助けにきたシーンはえぐい画なのに2人を

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    2024年06月07日
  • 斬首の森

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    ネタバレ

    荒唐無稽なホラーとして
    最後まで読みたかった。
    斬首ということに
    意味をもたせてしまったことで
    首、体、分裂、増殖、再生
    それらの関係と理由について
    否応なく考えさせられ
    わけがわからなくなってしまった。
    結局のところ
    カルト企業は何がしたいのだろう?
    ただ体を変えながら
    生きながらえることが喜びに?
    死体を集めるより
    もっと謎の森自体に
    注視すべきだと思うけど…
    支離滅裂で難解なミステリーを
    読んだみたいだった。

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    2024年06月03日